種死&リリカルなのはさん 単発SS集5

Last-modified: 2007-11-17 (土) 19:11:11

望氏 2007/06/20(水) 22:33:21
機動六課のある一日。~仕事の後は…編後半~

 

キラ(起こすのも可哀想だからそろそろ出ようか。)
なのはが自分のベッドで寝ているので、キラはソファーで寝ようと考えていた。
アスランがいつ帰ってくるか分からない以上、アスランの部屋のベッドを使えないし。
そしてなのはの傍から離れようと立ち上がろうと
キラ「ん?」
出来なかった。
キラ「あれ?」
振り向くと、自分のシャツをなのはが握り締めてた。
キラ(もしかして起きたのかな?)
キラ「なのは?」
なのは「・・・すー・・・くー・・・。」
呼んでみるが、返事は無い。
キラ「気のせいか・・・でも。」
なかなか強く握っているのでちょっとやそっとでは離れない。
キラ(困った・・・どうすればいいんだ?)
そしてキラの頭の上に選択肢が出た。
1、このままここで寝る(いや、それは無理だろう。)
2、なのはを起こして家に帰す。(それも可哀想だな・・・。)
3、気付かれないようにシャツを脱いでこの場を去る(これだっ!)
キラは3を選択した。
だが・・・・・・・・・。

 

本局に呼ばれたアスランとフェイト。
だが、事件はそんな大事ではなく、何とか数時間で解決できた。
そして時刻は午前0時。
アスラン「思ったより早く片付いたな。」
フェイト「そうだね。それより送ってもらってごめんね。」
アスラン「いや、気にするな。車検中なんだから仕方ない。」
フェイト「明日は久々の休みだね・・・。」
アスラン「明日は駅前に出来たテーマパークにエリオとキャロを連れて行くんだったな。
     集合時間は何時だっけ?」
フェイト「えーと・・・。」
フェイトが懐から小型の端末を取り出し、空間画面をチェックしている。
どうやら自分のスケジュール表のようだ。
フェイト「明日は午前10時に六課の寮前に集合になってるね。」
アスラン「なら、俺の車でまずフェイトを迎えに行ってから二人を乗せて行こうか。」
フェイト「そうだね。」
アスラン「ああ、一応後で端末を貸してくれ。俺もスケジュールに登録しておく。」
そうこうしている間に機動六課の女子寮に着く。
フェイト「はい。」
アスラン「ああ、すまない。」
フェイト「あ、ついでにライトニングの練習メニューも目を通しておいてくれる?」
アスラン「OK。」
フェイト「じゃ、ちょっと端末取ってくるから待ってて。」
ガチャ。と車を降りて寮へと入っていくフェイト。

 

そして5分後。
フェイト「アスラン!」
アスラン「どうした?そんなに血相をかえて?」
フェイト「なのはがいないんだ!」
アスラン「何だって?」
フェイト「メールとかも入ってないし・・・どうしたんだろう。」
アスラン「電話はでないのか?」
フェイト「鳴らしてみたんだけど、全然出なくて・・・。」
アスラン「・・・そうだ。」
アスランが懐から携帯電話を取り出す。
アスラン「キラなら何か知っているかも知れない。電話してみる。」
トゥルルルルル・・・トゥルルルルル・・・。
アスラン「駄目だ・・・出ない・・・。」
フェイト「もしかして、二人に何かあった・・・?」
アスラン「・・・ともかく、探すしかない!乗れ!フェイト!!」
フェイト「あ、うん!」
バタン!ブゥゥーーーーーーン!!と車が勢い良く発進する。
アスラン「ともかく一度俺のマンションに戻ってみよう。もしかしたらキラは帰っているかもしれない。
     なのはの事を聞き出さないと。」
フェイト「なのは・・・無事でいて・・・。」
フェイトの声が小さく発せられ夜の闇に消えていく。

 
 

そして10分後。
キキィーッ!!と車を駐車場に止める。
アスラン「行くぞ!」
フェイト「うん!」
タッタッタッタッ・・・。とエレベーターに向かう。
乗り込むとアスランは迷わずボタンを押して、
その階に向かってエレベーターは動き出す。
ピンポーン。と電子音が鳴るとドアが開き、アスラン達は駆け出していた。
アスランはある部屋の前で止まる。多分ここが二人の部屋なんだろう。
ガチャガチャ。
ドアノブを回しても開かない。
アスラン「鍵がかかってるということは・・・キーはえっと・・・。」
懐からキーを取り出し、鍵穴に入れて回す。
カチャと音が鳴ったのを確認すると、
ガチャッ!とノブを回して中に入るアスラン。それに続くフェイト。
アスラン「キラ!いるのか!?キラ!!」
リビングを見ても電気も点いていなかった。
アスラン「部屋で寝てるのか・・・?」
そういうとアスランはキラの部屋まで早足で歩く、その後ろをついていくフェイト。
コンコン。とノックをする。
アスラン「キラ?寝てるのか?キラ?」
フェイト「・・・どう?」
アスラン「・・・返事がない。いないのか・・・?」
ガチャとノブを回すアスラン。
だが、鍵はかかっていなかった。
フェイト「開いてる・・・?」
アスラン「仕方ない、キラ!入るぞ!!」
ガチャッとドアを開けるアスラン。

 

部屋の中は電気も点いていない状態であった。
だが、人の気配はする。
ベッドの布団が盛り上がっているので、まず間違いなくキラはいるだろうと思った。
アスラン「キラ、キラ。」
アスランは布団に包まっているキラを揺する。
アスラン「キラ、起きてくれ。」
そして布団からもぞもぞと顔を出すキラ。
キラ「あれ・・・アスラン、お帰り。」
アスラン「ああ、ただいま。だが、今はそれどころじゃない。」
キラ「・・・どうかしたの?」
アスラン「ああ、実はなのはがまだ帰ってないらしい。」
キラ「・・・なのはが?」
フェイト「キラ、なのはから何か聞いてない?」
キラ「・・・えーと・・・。」
まだ頭が寝ぼけているようであった。
アスラン「とにかく、目を覚ましてくれ。ほらベッドから出て。」
ばさっと布団を取る。
すると、アスランとフェイトの動きが止まってしまった。
まるで凍り付いてしまったように。

 
 

キラ「・・・どうしたの?二人とも?」
アスラン「・・・・・・。」
フェイト「・・・・・・。」
キラ「・・・アスラン?フェイト?」
アスラン「・・・・・・キ、ラ。」
かろうじてアスランの動きが再起動した。
キラ「どうしたの?」
するとアスランは腕を上げて人差し指をキラへ向けた。
だが、キラの視点から見ると、それはキラの"向こう側"を指していた。
キラ「??」
するとキラが振り向くと。

 
 
 

なのは「・・・くー・・・すー・・・。」

 
 
 

静かな寝息を立てているなのはがそこにいた。

 

位置的にはキラの隣に。

 

キラ「・・・・・・・・・・・・・・・え?」

 

そして、キラの意識は徐々に覚醒していき、脳内に色々な情報が交差し、

 

キラ「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

バタッ。

 

気を失ってしまった。

 

午前12時半。
アスラン「で、一体どういうことなんだ?」
気を失ったキラはベッドから連れ出され、ソファーに座らされてアスランに起こされた。
そして今キラの前にはアスランとフェイトがいる。
ちなみになのははまだキラのベッドで寝ている。
キラ「ええと・・・確か電話が終ってから、一緒にご飯を食べる事になって、それから僕が作る事になって、
   材料を買ってここに帰ってきて、ご飯を食べて・・・。」
フェイト「食べて?」
キラ「・・・・・・。」
意識がはっきりとしている今なら思い出せる。あの光景を話さないといけないんだろうか?
アスラン「ふう・・・まぁ、とにかく二人の安全は確認できたからよしとしよう・・・しかし、キラ。」
アスランは真っ直ぐ僕を見つめる。
キラ「な、何?」
そして笑顔を浮かべて、
アスラン「・・・おめでとう。」
祝福の言葉が送られた。
キラ「は?」
アスラン「やっとなのはと恋人になったんだな。」
キラ「はいぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!???」
キラはお腹の底からすっとんきょうな声を上げた。
キラ「ぼ、僕となのはが恋人っ!?」
フェイト「キラ。」
キラ「はい?」
返事の声色が裏返っていた。
フェイト「なのはを幸せにしてあげてね。」
キラ「・・・・・・えと、二人とも?」
話の展開についていけないキラ。
アスラン「隠すなよ、別に反対なんてしないぞ。むしろ俺は二人を応援するからな。」
フェイト「・・・そっかぁ、キラとなのはが・・・。」
二人とも違う世界に入ってしまっていた。
キラ「あ、あの・・・。」
アスラン「ついにキラにも春が・・・来たんだなぁ・・・。」
フェイト「なのはも私の知らない内に大人への階段を上ったんだね・・・。」
キラ「ふ、二人とも・・・?」
アスラン「ん?何だ?」
キラ「え、えと・・・誤解してるみたいだけど、
   僕となのはは・・・その、そういうのじゃないんだよ。」
アスラン&フェイト「・・・・・・は?」
何を言ってるんだコイツはみたいな表情でキラを見る二人。
アスラン「二人は恋人でもなんでもないってのか?」
キラ「だから、僕となのはは恋人じゃないって!」
フェイト「恋人でもないのにどうして一緒のベッドで寝てたの?」
キラ「・・・それが・・・。」
もう隠せないと思い、キラは洗いざらい話すことにした。

 
 

キラ(よし、気付かれないようにシャツを脱いで・・・)
そーっと袖を戻そうとすると、急に引っ張られた。
キラ「へ?」
突然の事に対応できなかったキラ。
ドサッと自分の体が吸い寄せられるようにベッドへ。
なのはがつかんでいた部分を引っ張ったおかげでキラもベッドに入ってしまい、
目の前にはなのはの顔が目の前にある。
キラ(うわわわわわわわわわわわ!!!!!!!!!!!!)
頭の中は混乱状態。エマージェンシーエマージェンシーと頭のサイレンが鳴っていた。
キラ(な、なのはの顔が目と鼻の先に~~~~~~~っ!!!!!)
一気に心臓の鼓動が早まった。
すると。
キラ「えっ・・・?」
なのはがキラに抱きつくようにくっついてきた。
キラ(!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?)
もうキラの頭の中のOSはフリーズしそうであった。
なのは「・・・うぅん、むにゃむにゃ・・・。」
寝言を言いながら抱きしめているその手に力を入れてくるのがわかる。
キラ(これは夢、これは夢、これは夢、これは夢・・・・・・。)
キラは心の中で念仏を唱えるように念じていた。
そして。
キラ(これは夢、これは夢、これはゆ、め・・・あ、れ?)
だんだん、息苦しくなってきた。
キラ(なんで、急に、息が苦しく・・・)
一体自分の体はどうにかしてしまったんだろうか?
こんなに息苦しくなるなんて・・・。
すると、抱きついていたなのはの手がいつの間にか首にまで来ており、
ちょうどいい感じに首が絞まる位置に達していた。
キラ(な、なのは・・・ぎ、ぎぶ・・・た、たすけ・・・。)
なのは「・・・・・・。」
キラの無言の助けも儚く。
きゅっと一層強く決まって、
キラ「あうっ。」
かくんっとキラの首がうなだれる。
そこで、キラの意識は落ちた。

 
 

アスラン「なるほどな。それで二人で寝ていた(?)ってことか。」
フェイト「そういえば、なのはって寝る時たまに抱きつき癖があるんだよね。」
キラ「そうなの?」
フェイト「うん、だからたまに枕を抱きしめて眠っているときもあるよ。」
アスラン「まぁ、しかし何だ。俺はてっきり二人がそういう仲になったとばかり思ったんだが・・・。」
フェイト「私も。」
キラ「・・・。」
まぁ確かにあの状況をみれば誰だってそう思うよね。
だけどキラにはまだ疑問に思っていたことがあった。
キラ「あの・・・ちなみに聞いてもいい?」
アスラン「何だ?」
キラ「どうして二人とも、僕となのはがそういう関係になってたって分かっても驚かないの?」
まるで予想できたかのように。
アスラン「だって、お前ら見てると・・・なぁ?」
フェイト「何となく・・・ね。」
キラ「・・・えーと、どういうこと?」
アスラン「傍から見ててもお前達は仲のいいカップルみたいに見えるぞ。」
キラ「・・・・・・。」
キラは開いた口が塞がらなかった。
まさか自分達が他人から見ると、そんな風に映っていたなんて思いも寄らなかったからである。
フェイト「もしかして、気付いてなかった?」
キラは口を開けたままコクコクと頷いた。
アスラン「ちなみにお前の気持ちも知っているぞ。」
キラ「・・・ええっ!!なんでぇっ!!?」
はぁ。とアスランはため息をつく。
アスラン「あのなぁ・・・俺達何年の付き合いなんだよ。わからないでか。」
フェイト「まぁ、私も何となくは。」
キラ「・・・ち、ちなみに知ってるのは何人ぐらい?」
恐る恐る聞いてみるキラ。
アスラン「俺とフェイト、はやてにシグナムさんにシャマルさんにヴィータとザフィーラにリイン、
     ユーノにクロノにエイミィさん、リンディさんとアルフ、ああ、アリサとすずかも知っているな。」
キラ「ちょ、ちょっと待って!!それって関係者ほぼ全員じゃないかぁっ!!」
フェイト「あと、スバルとティアナもかな。でも、エリオとキャロは知らないよ。」
キラ「・・・それは知らないんじゃなくてわからないんじゃ・・・。」
アスラン「まぁ、ともかく、知らないのは当人同士だけで俺達第三者は全て知っているってことだ。」
キラ「・・・・・・。」
キラは頭がどうにかなりそうだった。
なぜみんなにばれているんだろう・・・?
全然そんな素振りとか、告白とかしたことないのに・・・。
みんなエスパーなのか?それとも僕がサト○レなんだろうか?(んなアホな。
フェイト「まぁ、そんなに気にすることでもないよ。」
キラ「そんな無茶な・・・。」

 

アスラン「で、お前的にはどうなんだ?」
キラ「え?」
アスラン「自分の気持ち、伝えないのか?」
キラ「・・・。」
伝えたい。この想いを、彼女に。だけど・・・
キラ「・・・僕は・・・。」
ふぅとアスランは一息つける。
アスラン「まぁ、どうするかはお前次第だがな。だけど、一つだけ言っておく。」
キラ「?」
アスラン「俺はお前を応援するぞ。」
キラ「アスラン・・・。」
フェイト「私はなのはが幸せになれるんなら、問題ないよ。」
キラ「フェイト・・・。」
僕は二人の気持ちに感謝していた。
フェイト「さて、時間も遅くなってきたし、そろそろ帰ろうかな。」
アスラン「そうだな。送っていくよ。」
フェイト「ありがとう。」
キラ「って、あれ?なのはは?」
フェイト「寝てるのを起こすのも可哀想だし、後はよろしくね。」
キラ「・・・って、ええっ!!」
アスラン「ああ、ちなみに俺は送ったらすぐ帰ってくるから俺のベッドは使うなよ。」
キラ「そ、そんなぁ・・・。」
キラはまんまと二人に嵌められた。

 

仕方なく、キラはリビングのソファーで寝ることにした。
キラ「ふぅ・・・今日は色々あったなぁ・・・。」
まさかなのはが酔うとああなるんだってことも。
キラ「・・・・・・以後気を付けないと。」
そうつぶやくとキラの意識は再び闇の中に溶け込んでいた。

 

帰り道。
フェイト「ねえアスラン。」
アスラン「ん?何だ?」
フェイト「あの二人、どうなると思う?」
アスラン「キラとなのはのことか?」
フェイト「うん。」
アスラン「結構お似合いだとは思うんだがな。」
フェイト「私もそう思うよ。」
アスラン「問題はキラが"あの事"を乗り越えられるかどうか、かな。」
フェイト「うん、そうだね。」
アスラン「ま、大丈夫さ。アイツなら。」
フェイト「そうだね。」
アスラン「ちなみになのは的にはどうなんだ?」
フェイト「うーん、多分・・・。」

 

AM8:00
?「・・・だ・・・ラ・・・ん・・・。」
キラ「うぅ・・・アスラン、もうちょっと寝かせてよ・・・。」
?「・・・ラ君。・・・・だよ。」
キラ「今日は休みだよ・・・。」
?「・・・キラ君。」
キラ「だからアスラン・・・あれ?」
そこでキラは気付いた。さっきから呼ぶ声は「キラ君」と言っていることに。
キラ「・・・あれ?」
布団から顔を出すとそこには。

 

なのは「おはよっ、キラ君。」

 

キラ「・・・・・・あれ?」

 

なのはがいた。しかも僕のエプロンを着けて。

 

キラ「・・・・・・なんでなのはがここに?」
なのは「昨日はごめんね。私あれから寝ちゃってたみたいで。」
キラ「あれからって・・・ああ!」
ようやくキラの意識は完全に覚醒した。
キラ「えと、なのは?」
なのは「ん?何?」
キラ「昨日のことだけど・・・どこまで覚えてる?」
なのは「昨日って・・・晩御飯食べた後すぐ寝ちゃったから。」
キラ「晩御飯って、僕の作ったロールキャベツ?」
なのは「そうだよ。おいしかったよ~あのロールキャベツ。また作ってね~。」
キラ「え、あ、うん。」
どうやら昨日の事は何も覚えてないらしい。
その事にホッとしたキラ。

 

そして気付いた事が一つ。
キラ「えと、なのは?」
なのは「何?」
キラ「ちなみに今何してるの?」
なのは「朝ごはん作ってるんだけど・・・キラ君て朝は食べない方?」
キラ「いや、食べるけど・・・。」
なのは「ならよかった♪」
キラ「でもどうして作ってくれてるの?」
なのは「いやー昨日ご飯作ってくれたお礼+泊めてもらったお礼かな。」
キラ「いや、そんなのいいのに・・・。」
なのは「私が寝てたあの部屋、キラ君の部屋だよね。」
キラ「え、う、うんそうだけど・・・。」
なのは「ごめんね。私が寝てたせいでキラ君がソファーで寝ることになっちゃって・・・。」
キラ「いや、それは別にいいよ。」
なのは「まぁ、そのお詫びも兼ねて朝食を作ってみました~。」
キラ「そんな、気にしなくて良いのに・・・。」
なのは「お口にあうかどうかは分かりませんが。」
キラ「うわぁ・・・おいしそう。」
なのは「にゃはは・・・翠屋のモーニングに似たような構成なんだけど・・・味は負けるけど。」
キラ「いっただきまーす。」
ぱくっと一口焼き鮭を口に運ぶキラ。
キラ「おいしい!」
なのは「そう?よかった~。」
キラ「うん、おいしい。」
なのは「和食や洋食かどっちか迷ったんだけど、和食にしちゃった。」
キラ「そういえば最近和食なんて食べてないよね、六課での昼食とかも洋食かパンが多いし。」
なのは「そう思って和食にしてみたんだけど、どうかな?」
キラ「うん、とってもおいしいよ。ありがとう、なのは。」
なのは「にゃはは・・・そんなに言われると照れるよ~。」
そういって顔を赤くするなのは。
そんななのはを見て、食事をしながら僕は言った。

 

キラ「・・・ずっとこんなご飯が食べれたらいいのになぁ・・・。」

 
 

なのは「・・・えっ・・・?」

 
 

・・・あれ?

 

なのは「えと・・・キラ・・・君?」

 

キラ「・・・ん?」

 

なのは「それって・・・えと・・・。」

 

そして僕は自分の台詞を思い出す。

 

(キラ「・・・ずっとこんなご飯が食べれたらいいのになぁ・・・。」)

 

な、ななななな何を言っているんだ僕はっ!!!?

 

キラ「え、えと・・・これは・・・その・・・えと・・・。」

 

ダメだ!全然言葉が出てこない!!頭の中わけわかんないよ~!!!

 

なのは「キラ・・・君・・・。」

 

キラ「・・・なの、は・・・。」

 

なのはが僕を見ている。
これは、これはチャンスではないのか?
僕の中で天使と悪魔が現れる。
天使「これはチャンスだよキラ。今こそ想いを伝えるんだ!」
悪魔「やめとけって、ここは適当にはぐらかしておけばいいんだよ。」
天使「何を言うんだ!今こそもう二度とないいい雰囲気なんだぞ!」
悪魔「それで告白して断られたらどうするんだよ?これからずっと顔を合わせ続けなきゃいけんだぜ?」
天使「でも断られないかもしれないじゃないか!」
悪魔「断られる可能性の方が高いって!」
天使「それにキラは昨日約束したじゃないか!?僕が君を護るって!!」
悪魔「はっ、そんな約束、護れるかどうか。」
天使「さあ、言うんだ!キラ!!もし振られてもいいんじゃないか!!当たって砕けろだ!!(?)」
悪魔「ヲイ、砕けてどうすんだ砕けて。」
キラ(そうだ、こんなチャンスもう二度とないかもしれない!!)

 
 

キラ「な、なのは・・・。」

 

なのは「な、何・・・?」

 

ドクン、ドクン。

 

キラ「ぼ、僕は・・・。」

 

なのは「・・・・・・。」

 

なのはも真っ直ぐキラの目を見つめている。
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン!!!!!!
心臓の高鳴りがピークに達するぐらい早くなる。

 

キラ(ええい、何で言えないんだ!今言わなきゃ、絶対後悔する!
   勇気を出せ!キラ・ヤマト!!)
キラは自分にそう言い聞かせ、
そして、決意した。

 

キラ「僕は・・・なのはの事が・・・。」

 

なのは「・・・・・・。」

 
 

キラ「す。」ガチャッとドアが開く。
アスラン「しまった、寝過ごした!!」

 

キラ&なのは「・・・・・・・・・。」

 

突然の登場に固まる二人。

 

アスラン「ああ、キラ、なのは、おはよう。」
なのは「お、おはよう、アスラン君。」
ぎこちなく挨拶するなのは。
キラ「・・・。」
キラはまだ放心状態である。
アスラン「キラ、今日は帰りはそんなに遅くならないと思うけど、夕方には帰ってくるから。」
キラ「・・・。」
アスラン「一応休みだけど、非常回線は空けておけよ。」
キラ「・・・アスラン。」
ようやくフリーズしてたOSが再起動したキラ。
アスラン「ん?何だ?ああ、すまない。話なら帰ってからにしてくれ。もうすぐフェイトを迎えに行く時間だから。」
なのは「フェイトちゃんを?」
アスラン「ああ、今日は二人でエリオとキャロを駅前に出来たテーマパークへ連れて行く約束なんだ。」
なのは「そうなんだ。」
アスラン「という訳だ、すまんな、キラ。話は帰ってから聞くよ。じゃ。」
バタン。とドアが閉まる。

 

なのは「いってらっしゃ~い。」
キラ「・・・・・・。」
キラは黙々とご飯を食べていた。
なぜだかそれからのご飯の味が塩っぱく感じたという。

 

キラ「ごちそうさま。」
なのは「お粗末さまでした~。」
キラ「ありがとう、本当久しぶりにおいしいご飯食べれたよ。」
途中から塩っぱくなってしまったが。
なのは「そんなことないよ~。」
キラ「さて、それじゃ送っていこうか?」
なのは「そうだね。お願いしていいかな?」
キラ「うん。」

 

そして六課の寮に到着。
キラ「それじゃ、僕はこれで。。」
なのは「うん、昨日はありがとう。」
キラ「いや、僕も今朝はありがとう。じゃ、また。」
なのは「うん、またね~。」

 

帰り道。
キラ「はぁ~あ。結局言えなかったなぁ・・・。せっかく言おうとしたのに邪魔が入ったし。」
アスラン・・・帰ってきたら・・・オボエテロヨ。

 

キラ「・・・でも、いつか必ず伝えよう。」
自分のこの気持ちを、彼女に・・・。

 
 
 

P.S.

 

キラに送ってもらい、帰るのを見届けたなのは。
するとポケットから端末を出して、画面を開く。
キラ「僕の好きな人は・・・いつもみんなの為に頑張って、
   それでいて不器用で、でも、誰よりもみんなの事を考えている。
   そして・・・誰よりも・・・笑顔が似合っていて・・・その笑顔に・・・僕は・・・。」
キラ「なのは・・・君は僕が護る・・・何があっても、絶対に・・・。」

 

なのは「・・・ありがとっ、キラ君。」
そう言ったなのはの顔はほんのり赤くなっていた。

 
 

そして帰ってきたアスランは。
キラ「フリーダム。」
フリーダム『OK、マイマスターキラ。』
バリアジェケットを装着するキラ。
アスラン「どうしたキラ?バリアジャケットなんか着て。」
キラ「ターゲット、マルチロック。」
ピッピッピッ・・・。
アスラン「おい、なぜ俺にロックオンする?ま、待てキラ!俺が何をしたーっ!!」
キラ「アァァァスゥラァァァァァァァンッ!!!!!!!」
アスラン「うわあああああああっ!!!!」
フリーダム『ハイマットフルバースト。』

 
 
 
 

おしまいっ。