艦内点景◆炎のX好き氏 09

Last-modified: 2016-03-05 (土) 06:42:52

艦内点景9
 
 
艦内点景(シンがいない時のステラ編<1>)
「ヤァ、すてら」
「うぇい」
ステラにシンが歩み寄る。
が…シンが何かおかしい。
目はガラス玉の様、口元に2本、縦スジが入り、喋ると上下にカクカク動く。
「シン、何か、変」
「ソンナコト、ナイヨ」シンは否定する。
「ダカラ、コンナ事モ出来ルンダヨ」
びゅおんっ、てな感じの異音がして目から怪光線が発射。壁に穴が二つ開く。
「うぇい。シンだぁー」
…そうなんですか?
ステラはシン(?)に抱き付く。
「フフフッ、愛イヤツメ、肌ガぴちぴちジャノウ」
「きゃんっ」
シン(?)の指がステラの敏感な首筋に触れる。
「クククッ、ワシ無シデハ、生キテイケナイ体ニ、シテヤル」
悪役の定番セリフだが、ある意味、ステラは既にそうなっている。
シャレになってないぞ。
シン(?)はステラを押し倒す。
「ソノ体ニ、タップリト教エ込ンデヤル」
ステラにシンの毒牙が迫る。
「すてら、ココガイイノカ?ソレトモ、ココカ?」
シンの指が触れるたび、ステラが可愛い嬌声をあげる。
「うぇい。シン大好き」
ステラが甘い吐息を漏らし、愛しげにシンの首に腕を回す。
少女の瞳が陶然と潤む。

ポキン。

シンの首がステラの腕の中でヘシ折れ、シンの動きが止まった。

「こら、子供。首の強度が足りないぞ」
別の場所、ロンド・ミナが怒鳴る。
「ステラ姉ぇちゃんの力が強すぎるんだよ」
キッドが答える。
「まったく、いいところだったのに…」
ブツブツ言いながら、ミナは『ニセシン』の操縦装置を放り投げる。

「シンがプラントに行ってる間の替わりなんだからな」
「う&#12316;ん。2号機はルナチタニュウムで補強してみるよ」

&#8212;&#8212;&#8212;「ステラの事はまかせろってミナ様、自信満々だったけど本当に大丈夫かな?」
プラント内、ブルーノ・アズラエル宅。
フリフリエプロン姿で朝食の支度をしながら、シンはいきなり不安にかられる。
「メシはまだかね」
後ろからブルーノの催促する声が聞こえる。
「はい、はいー。すぐ出来ますよー」

同時刻、『ニセシン2号機』はステラに声をかけていた。
「ヤァ、すてら」
「うぇい。シンだー」

(おわり)
 
 
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