蒼き自由と青き厄災_09話

Last-modified: 2009-02-08 (日) 16:57:18

「スバルやエリオ達は大丈夫かな?」
 ガジェットを迎撃に出撃した機動六課だったが、現在は二手に別れてフォワードメンバーはレリック回収の為に地下へ、キラとなのは、フェイトとヴィータの四人はガジェットの迎撃に出ていた。
「大丈夫だよ。ギンガも合流するし、ヴィータとリインもフォローに向かったから。」
「そうですね。」
「やっぱり、オルガのことが心配?」
「心配じゃないって言ったら嘘になりますけど、信じてますから。
自分のパートナーを。」
 そこまで話すと、キラとなのはは飛来して来たガジェットの大群に砲撃を撃ち込み戦闘を開始した。
「お、始まったみたいじゃん。」
「あたしらはどうすんのクア姉?」
 森林地帯からそのまま移動して来たクロトとセインはチンクとトーレの代わりに増援に来たクアットロに指示を待っていた。
「セインちゃんはルーテシアお嬢様の方に向かってちょうだい。」
「うん、わかった。」
 セインはクアットロの指示通りディープダイバーでルーテシア達の方へと向かった。
「僕はどうすればいいのさ。」
 クロトの問いかけにクアットロはモニターに映ったなのは達を指差した。

 

「クロトちゃんはあの人達の足止めしておいてくれるかしら?」
「別に足止めしないで全・滅させてもいいよね?」
「別にいいけど、ディエチちゃんの分の獲物も残しておいてね?」
「へえ、ディエチの奴も来てるんだね。あの装備はもう完成したの?」
「まだ完成してないけどディエチちゃんがどうしてもって言うから連れて来たのよ。」
「嘘付かないでよクアットロ。」
「まあ別にいいけどさ僕の邪魔はしないでくれよな。」
「わかってるわ。それじゃあ、頑張って来てねクロトちゃん。」
 クアットロからの通信を切るとクロトはレイダーを起動し、楽しそうに呟く。
「んじゃあチャチャっとやっちゃいますか。」
 そして、レイダーもどこか楽しそうに『OK、マスター。』と呟いた。
「それじゃあ、アスランも足止めの方よろしくお願いしますね~。」
「ああ、俺の方でキラを抑える。
フェイト・テスタロッサに関しては計画通りに頼む。」
「わかってるわ。ドクターからの"ラブレター"をお届けするわ。」
「ああ、それじゃあよろしく頼む。」
「ねえ、クアットロ。」
「なーに?ディエチちゃん。」
「"ラブレター"って何なの?」
「ああ、それはナ・イ・ショよ。」

 

 一方、地下の探索をしているスバル達はスバルの姉のギンガと合流して更に奥へと進んでいた。
「ねえティア、さっきの機械兵器ってガジェットの新型かな?」
スバルは先ほど遭遇した機械兵器"メビウス"について考えていた。
「私にもわからないわ。
ギンガさんはどう思いますか?」
「多分、あれはガジェットとは別のしかもスカリエッティとは敵対関係にある勢力のものだと私は思うわ。」
「何でそう思うの?ギン姉。」
「あの兵器達は私達よりもガジェットへの攻撃を優先していたわ。
ガジェットのみを狙って私達には一切攻撃してこなかったから。」
「でも一体どこの誰があんな機械兵器を?」
「それは後で考えて今はレリックの確保を優先しましょう。」
しかし、スバル達が向かっている地点ではすでに死闘が繰り広げられていた。
「いい加減、ウザイ。」
『アルムフォイヤー』
 シャニが数発の魔力弾を放つがそれらはかわされて逆にガリューが腕から生えた刃で突撃して来る。
「チッ、舐めんなよ。」
『ニーズヘグ』
大鎌を横に薙払うがガリューはかわして魔力弾を放ってくる。
 シャニも跳躍してかわし一度距離をとり敵の少女ルーテシアに問いかける。
「なに?お前ら。」

 

「なに?お前ら。」
シャニの問いかけにルーテシアはシャニの後ろを指差した。
「その娘とレリックを渡して。」
 シャニはガジェットの残骸の影に隠してきた少女とケースを思いだし、ゾッとするような笑みを浮かべて言う。
「欲しかったら奪い取ってみなよ。」
ルーテシアも氷のような無表情で淡々と呟く。
「・・・ブリッツ、おねがい。」
ルーテシアが呟くと隠してきた少女の目の前に突然ブリッツが出現して少女に襲いかかった。
「なっ!?お前!!」
 シャニが少女の方へ向かおうとするがガリューがそれをを阻み、更にはルーテシアも七本の魔力のダガーを放って妨害して来た。
「チッ、ウザイ!!」
 シャニが振り払ったときにはすでにブリッツが眠っている少女を捕まえようとしていた。
 だが、次の瞬間突撃して来た何かがブリッツの頭部を殴り飛ばした
「大丈夫ですか!?」
 突撃して来たスバルは目の前のホテルアグスタで自分を助けてくれた少年に声を掛ける。
「あなた、確か聖王教会の・・・。」
「お前、確かあの時のハチマキ?」
 態勢を立て直したブリッツが再び仕掛けて来たが今度は背後から魔力弾を食らった。
「スバル!!」
「スバルさん!!」

 

 ティアナ達も到着し少女とレリックのケースを守るように集まりルーテシア達と対峙した。
「投降してもらえないかな。」
「投降しなかったら?」
エリオがルーテシアに呼びかけるが逆にルーテシアが問いかける
「力ずくで君を逮捕することになる。」
エリオが静かに言って警告すると突如爆煙が上がった。
「ハッ!しばらく見ねえ間に言うようになったじゃねぇかチビ助。」
「その声・・・まさか。」
「なんで、なんであなたがそっちにいるんですか!?」
「なんで?・・・答えてください!!オルガさん!!!」
爆煙が晴れたとき目の前にはカラミティの砲口を向けたオルガ・サブナックが立っていた。

 

そして空の方でも、
「君は・・・君は一体誰なんだ!?」
「キラ、今君を救ってやる。君の親友のアスラン・ザラとして。」
対峙する自由と正義。

 

「あなたは何者なの?」
「あんたがエースオブエースの高町なのはだろ?悪いけど僕が相手してあげるよ。」
ぶつかりあう白と黒。

 

「あなた達はまさか、」
「はい、私たちは"ナンバーズ"、ドクタージェイル・スカリエッティの作品です。
あなたにお渡しするものがあって来ましたフェイトお嬢様。」
「渡すもの?」
交錯する策謀。

 

今、舞台の幕は上がった。