運命と最強_番外編中編

Last-modified: 2007-11-19 (月) 13:33:39

「きゃあああああああああああああ」
シャマルの悲鳴がこだました。
「シャマル!」
「なんや?」
「どーした!?」
「敵か!?」
「あ~ん」
それぞれいろんな反応をする八神家住人。
リーダーであるシグナムは咄嗟に考えた。

 

悲鳴⇒シャマルに何かあった⇒敵か?⇒各トラップに反応なし⇒相当の手練⇒こりゃやばい

 

「(襲撃だ!ザフィーラ、主を頼む。ヴィータ、カナード、行くぞ!)」
「了解した!」
「あいよ!」
「任せろ!」
風呂場に向かおうとしたその時
「ごめんなさ~い!!」
泣きながらシャマルがリビングに向かって走ってきた。

 

「お風呂の温度設定間違えてて・・・冷たい水が湯船にぎっしり~」
落ち込みながら話すシャマル。
「え~・・・・・」
「沸かしなおしか・・・・しっかりしてくれ・・・」
あきれるシグナムとヴィータ。
「ごめんなさ~い」
シュンとするシャマル。
「せやけど困ったな~、このお風呂のお湯抱き、時間かかるからなぁ~」
はやては困った顔をするが、ヴィータはなぜかシグナムを見てニヤニヤし
「シグナムさ~、レヴァンティンを燃やして水に突っ込めば直に沸く(断る!」
ヴィータの提案を即座に却下するシグナム。
「即答かよ・・・カナード、なんかいいアイデア・・・ってカナード?」
カナードがいない事に気づく八神家一同。
「カナードなら、風呂場に行ったぞ・・・」
シャマルの料理を味わっているザフィーラが答えた。

 

:八神家

 

風呂場

 

冷たい水がぎっしり入ってる湯船に、カナードはレヴァンティンを構えて立っていた。
「さぁやれ、レヴァンティン」
『断ります』
「なに、ただ湯船の水の中で燃え上がればいいだけだ」
『いやです』
即答するレヴァンティン。
「ほう、八神家カースト制度の上位である俺に歯向かうのか?」

 

八神家カースト制度とは、まぁ、八神家の地位を決める制度である。
(ちなみに提案者はヴィータ)
その順位によってテレビのチャンネル権や、お風呂の順番などが優先される(平和だ・・・)
ちなみに、

 

ブラフミン(一位)=八神はやて
クシャトリア(二位)=カナード・パルス
ビアイシャ(三位)=ヴォルケンリッター・リーダー・シグナム
スードラ(最下位)=残りのヴォルケンズ

 

となっている。(ぶっちゃけヴィータは自爆である)
ちなみにカナードが二位なのは、ヴォルケンズたちより早く八神家に居候していたことと
何気に稼いでいることが原因となっている。
    ・・・・・・説明終了・・・・・・

 

『我が主はシグナムです。あなたの命令は聞けません』
断固として拒否するレヴァンティン。
「シグナムは風呂好きだ、入れないのでは可哀想だな」
『うう・・・・』
痛いところをつかれ、黙る
「それにシグナムの願いは、主であるはやての願い出もあり、俺達の願いでもある」
言ってることが微妙に支離滅裂になってきてるが・・・・・
『しかし・・・・』
まだ拒否するレヴァンティンにカナードは勝負に出た。

 

「はぁ、しょうがない。貴様はグラーフアイゼン以下だったということか・・・」
その言葉に反応するレヴァンティン。
戦友であり、ある意味ライバルでもあるグラーフアイゼンより『劣っている』とはっきり言われ、
『どういうことですか!?』
即座に言い返す。
「なに、グラーフアイゼンは戦闘では勿論、日常生活でもゲートボールスティックとして主ヴィータの役に立っている」
黙り込むレヴァンティン。
「クラールヴィントも、戦闘や日常会話での通信サポートに大活躍だ」
さらに黙り込む。
「しかし、貴様はどうだ!!確かに戦闘では役に立っている、間違いなくな!だが日常生活では・・・役立たずだ」
『がーーーーーーーーーん』
ショックを受け、落ちこむレヴァンティン。そんなレヴァンティンをニヤつきながら見るカナード。(少し昔に戻ってます)
「俺は、そんな貴様にチャンスを与えようとしているのだ」
『チャンス・・・ですか・・・』
ショックのせいか、声を小さくして尋ねる。
「(乗ってきたな、他愛も無い)もしも、ここで見事風呂を沸かしてみろ」
レヴァンティンは考えた。

 

主はやて=すごいな~レヴァンティンは~(なでなで)
主シグナム=さすがは私の剣、誇りに思うぞ。
他のヴォルケンズ=私達のデバイスも見習わせないと
他のデバイス=・・・・・・ちくしょう

 

『やります』
何かを決意したかのように返事をするレヴァンティン。
「よくいった!燃えろレヴァンティン!風呂を沸かすために!!」
『Ja wohl!!!!!』
カートリッジがロードされ、燃え上がろうとしたその時
「なにをやってるかぁ!!!!!!!!」
シグナムが止めに入った。

 
 

リビング

 

「海鳴スパラクーア?そこに行くのか?」
カナードの「レヴァンティン風呂沸かし計画」はシグナムによって阻止され、
結局、家のお風呂はあきらめ、新装オープンの海鳴スパラクーアに行くこととなった。
「そや、新装オープンで安いし、沢山のお風呂があって楽しめるで!カナードもお風呂好きやろ?」
笑顔で尋ねるはやてにうなずくカナード。
カナードにとって、湯に浸かるという行為はこの世界に飛ばされて初めて経験したことであった。
(前の世界では、湯に浸かるという行為は行わず、すべてシャワーで済ませていた)
結果、その魅力にとりつかれ、シグナムに続く風呂好きとなっていた。
「ああ、たのしみであるな・・・ん?」
ふと、同じ風呂好きのシグナムを見ると、妙に暗い顔をしているのに気づく
「(なんだ?仲間の失敗を主に助けてもらうことが申し訳ないか?)」
思念通話で話すカナード
「(ああ・・その通りだ・・・・)」
同じく思念通話で返すシグナム
「(真面目馬鹿が。まぁ、リーダーとしては必要なスキルだが、年中それでは体が持つまい)」
「(すまんな・・・・)」
カナードはため息をつき
「(はやてがそんなことを気にする奴か?)」
「(・・・いや・・・・・)」
「(はやてはな、お前らを助けることも好き好んで行っている、いちいち気にするな。それとも主がそんなに信用できないか?)」
多少挑発するよに尋ねるカナード。
「(それは無い!)」
カナードを睨み、即座に言い返すシグナム。
「(ならいい、初めて会った時も言ったか、お前達の主はそういう奴だ、覚悟を決めろ)」
その言葉に睨むのを止め、微笑むシグナム。
「(ふっ、そうだった・・・・すまんな、カナード)」
カナードを見据え答えた。
シャマルとヴィータと一緒にチラシを見ながらはしゃいでいたはやては、シグナムに向き
「シグナムもいこ?」
笑顔で尋ね、
「はい、わかりました、お言葉に甘えて」
シグナムは微笑み答えた。

 
 

海鳴スパラクーア

 

海鳴スパラクーアに着いたカナード達(ちなみにザフィーラは留守番)
入り口で別れ、今はそれぞれ風呂を楽しんでいた。
「しかし広い・・・・八神家の風呂やアルテミスのシャワールームがアホらしくなるな・・・・」
感心しながら滝の湯に打たれるカナード、ふと壁を見ると

 

『夜景を眺めながらの露天風呂!本日外人さん限定!(混浴ですよ~)⇒』

 

という文字を見つけた。
「露天風呂とは・・・・外にある風呂の筈、そんな物もあるのか」
興味を引かれたカナードは
「『外人さん限定』ということは、俺は当てはまるな・・・行ってみるか」
迷わず行くことにした。ちなみに
「『混浴』とは何だ?、まぁ、行ってみればわかるか・・・・」
『混浴』の意味を知らないカナードであった。

 
 
 

おまけ

 
 

八神家

 

海鳴スパラクーアにいく準備をしていたカナードは手を止め、はやてに訪ねた。
「はやて、聞きたいことがある」
同じく海鳴スパラクーアにいく準備をしていたはやては
「なんや?突然?」
手を止め答えた。
「シャマルの奴は風呂に入ろうとしてたんじゃないのか?」
その質問に、そっぽをむくはやて
「このまま入れば、鉢合わせだったな・・・・」
「・・・・・・・・」
沈黙が支配する
十秒経過
二十秒経過
「ゴメンキズカンカッタワ~」
「おい」