運命と最強_第09話

Last-modified: 2007-11-19 (月) 13:29:15

「そっか、アリサとすずかはバイオリンをやってるんだね」
リンディ宅のフェイトの部屋で、談笑するなのはとフェイト。
「たっだいま~」
その時、買い物に行っていたエイミィとプレアが帰ってきた。
買い物を終えて帰宅するエイミィ達を迎え、品物の出し入れを手伝うなのは達
フェイトは、クロノは調査指示や上層部との打ち合わせで、
リンディはアースラの武装追加が終了したから試験航行中だとエイミィに伝える。
「武装っていうと『アルカンシェル』かぁ~、あんな物騒なもの、最後まで使わなければいいんだけど・・」
アルカンシェルにあまり肯定的でないエイミィ。
「クロノ君もいないですし、戻るまではエイミィさんが指揮代行だそうですよ」
なのはがエイミィに伝える。
「責任じゅ~だ~い♪」
「う・・・それもまた物騒な・・・」
エイミィはかぼちゃを撫でながら答え、
「ですけど、エイミィさんを信頼してるから、クロノさん達も安心して任せることができると思いますよ」
「プレア君はいい子だね~」
今度はプレアの頭を撫でながら答えた。
「まぁ、とはいえ、早々非常事態なんて起こる訳が(ビービービー」
タイミングを見計らったかのようにエマージェンシーコールが鳴り響く。

 
 

仮司令室

 

「文化レベルはゼロ・・・・・人間は住んでいない砂漠の世界だね」
仮司令室のモニターにはシグナムとザフィーラが移っていた
「結界を張れる局員到着まで最速で45分、まずいな~」
その時、互いを見るフェイトとアルフ
「エイミィ、私が行く」「私もだ」
「・・・・うんお願い。なのはちゃんとプレア君はバックス、ここで待機して」
「はい」
「わかりました」

 

フェイトが出撃してから数分後、また鳴るエマージェンシーコール。
「もう一箇所?」
今度は闇の書を持ったヴィータが写っていた
「本命はこっち!?」
「エイミィさん、私が行きます」
「わかった、プレア君はまだ待機でお願い。あんな目立つように持ってるからフェイクかもしれないし」
「わかりました。なのはちゃん、気をつけて」
「うん」

 
 

異世界

 

木が生い茂る世界を飛ぶヴィータ
「シグナム達が」
「うん、砂漠で公選してるの、テスタロッサちゃんとその守護獣の子と」
「・・・・・・長引くとまずいな、助けに行くか・・・・あ!!」
ヴィータは移動を止め、前を見据えた。
「ヴィータちゃん?」
「くそ、こっちにも来た」
そこには白い服を着た魔道師、高町なのはがいた。

 

なのははヴィータを説得するが、ヴィータはアイゼンゲホイルを使用し、闘争を謀った。
『MASTER』「うん、レイジングハート」
ヴィータに対し、なのはは長距離砲撃の『ディバインバスター・エクステンション』でヴィータを攻撃した。
「うそ!!」
攻撃がヴィータに当たる直前

 

「アルミューレ・リュミエール展開」

 

カナードが乱入し、攻撃を阻止した。

 

カナードの乱入に驚くなのはとヴィータ。
「いけ、奴は俺が相手をする。この距離では接近戦主体のお前では不利だろ」
「悪リぃ、カナード・・・・これもってげ」
そう言い、カナードにある物を渡し転送するヴィータ。
「カナードさん、話を!!」
カナードに向かって叫ぶなのは。だが、
「プレアといいフェイトといい、聞き飽きたな!その台詞二度と口にするな!!」
そう叫び返す。
「わかりました。なら、勝ってお話を聞いてもらいます!」
「それでいい」
なのははカートリッジをロードし、
「ディバイーンバスター!」
カナード目掛けてディバインバスターを放った。
「アルミューレ・リュミエール展開」
それを両腕のアルミューレ・リュミエールで防ぎ
「おおおおおおおおお!!」
そのままなのは目掛けて突撃するカナード
「(くっ・・・衝撃がすさまじい、魔力が削り取られていく・・・・だが!)」
ディバインバスターの砲撃が止んだ頃には、カナードはなのはの目前に迫っていた。
「貰ったぞ!」
右手にロムテクニカを持ち、なのはに刺しかかる。
「レイジングハート」『プロテクション・パワード』
だが、なのははバリアを張りロムテクニカを防いだ。
「・・・・・硬いな・・・・ザフィーラ並だ・・・・だが刺されば!」
カナードはナイフに力を入れ、なのはのバリアに突刺した。
「カートリッジ・ロード!」『Burst』
カートリッジがロードされた瞬間、結界に刺さったロムテクニカの刃が爆発し、なのはを豪快に吹き飛ばした。
爆発の衝撃でよろめくなのはに向かって、もう一本のロムテクニカを構え、なのはに斬りかかる。
どうにか体制を立て直したなのはは、カナードの斬撃を咄嗟にレイジングハートで受け止める。
「くぅ・・・・」
カナードの斬撃を力いっぱい防ぐなのは
それに対し
「(こいつ・・・砲撃と防御はすごいが接近戦はそれほどでもないな・・・・ならば)」
冷静に考えたカナードが行動に出た。

 

ロムテクニカでレイジングハートを力任せに切り払い
「悪いな!!」
無防備になったなのはのわき腹めがけて

 

        ドゴッ

 

容赦なくローキックを放った。
「きゃあああああああ」
悲鳴を上げながら落下するなのはに、さらに攻撃を加えようと接近するカナード
「レイジングハート・・・」『アクセルシューター』
だが、なのはも落下しながらカナード目掛けてアクセルシューターを放った、その数8。
「その程度の攻撃ならば!」
アルミューレ・リュミエールで防ぎきれると思ったカナードは、左手だけに展開し、なのはに迫った。
だが、アクセルシューターはカナードを避けるように行動し、後ろに回りこむ。
「な、避けただと?」
意外な行動に驚くカナード、ふと、なのはを見ると、
目を閉じ、念じているなのはがいた。
「落下しながら思念制御をしているのか」
その言葉の後、アルミューレリュミエールが展開されていない部分にアクセルシューターが全弾命中した。

 

『アクセルフィン』
足から翼を生やし、どうにか落下を防いだなのは。
「げほっ、げほっ・・・やったかな・・・・」
咽ながらもレイジングハートを構え、爆煙を確認するなのは。
「・・・・貴様・・・・やってくれたな!!」
爆煙の中から苦痛に顔を歪ませたカナードが現れた。
直撃する瞬間、とっさに右腕のアルミューレを展開したが、それでも守りきれなかった部分に5発のアクセルシューターが直撃していた。
「お・・お互い様です!!」
カナードの顔に多少ビビりながらも言い返すなのは。
「ふっ、そうだな。もう少し戦いたいがこのままでは長期戦になるだろう。貴様から得られるものはないし、その間に局員が来ては面倒だ・・・」
そう言いながらカナードは懐からヴィータから貰った鉄球を取り出し、なのは目掛けて投げた。
「今回は引かせてもらうぞ!」
それをザスタバ・スティグマトで打ち抜くと、爆音と閃光がなのはを襲った。
「きゃああああああああ!!」
なのははとっさに目と耳を閉じ耐える。
「(役に立ったぞ、ヴィータ)しばらくはその衝撃は続く、それまでじっとしてるんだな!!」
そう言い残し、カナードはこの世界から消えた。

 
 

別の異世界

 

ヴィータが転送した世界には、プレアが待ち構えていた
「ヴィータちゃん、ですよね。」
「おまえは・・・・・・・」
「プレア、プレア・レヴェリーといいます」
「プレア・れヴぁ・・れヴぇ・・・高町何とか同様言いづれぇ~!!」
「・・・・ごめんなさい、プレアでいいです」
「わーった、プレアな。で、また話し合いでもしよってか?」
ニヤニヤしながらグラーフアイゼンを構え、挑発するヴィータ。
「はい、そのつもりで来ました。バリアジャケット、解除した方がいいですか?」
「『して欲しい』って言ったらするのか?」
「はい」
プレアは即答した。
「なんでだよ・・・なんでおめぇは、こうも信用するんだよ!馬鹿か!!」
ヴィータにとって、敵の言う事をを素直に聞くプレアは、ただの愚か者としか思えなかった。
そんなヴィータを見据え、プレアは語りだした。
「正直に言います。僕達はヴィータちゃん達が悪い人だと思えないんです」
「あたし達は人を襲ったぞ」
「確かに貴方達は人を襲いました。ですが死人を出していません」
「へっ、メンドーだから殺さねぇだけだ」
「そうは思えません。僕は思うんです、死人を出さないのは、主さんの名誉や未来を汚したくないからではないのですか?」
プレアの言葉に
「うっせー!!おめえに何がわかるんだよ!!」

 

ヴィータの怒声にプレアは申し訳なさそうな顔をした。
「ごめんなさい。ですけど、貴方達と主さんが互いに信頼し合ってる事はわかります」
「な!」
驚くヴィータに構わず、プレアは語る。
「主さんのために一生懸命に行動する貴方達、主さんを信頼しなければ出来ないことです」
「・・・・・・主に強制されてるだけかもしれねーぜ」
「そうは思えません。知り合いの方が『感情を見せたって例は今までに無い』と言っていました。
ですがシグナムさんやヴィータちゃんからは感情や人格を感じます。貴方達に喜怒哀楽を与えてくれた主さんが悪い人とは思えません」
「おまえ・・・・・」
「それに、『なんでおめぇは、こうも信用するんだよ』と言いましたよね、人を信用するのに理由が必要ですか」
笑顔で答えた。
沈黙が続き
「・・・・・あたし達のすることにかわりはねぇ・・・・・」
ヴィータの言葉に悲しそうな顔をするプレア。
「だけど・・・・理由だけなら・・・話してやってもいいし、話だけなら・・・・聞いてやる」
ヴィータがそっぽを向きながら答えた。
「ありがとう、ヴィータちゃ」
プレアがお礼を言い終えようとしたその時

 
 

・・・・ザシュ・・・・・・・

 

いつの間にか現れた仮面の男が、プレアの胸を背後から貫いていた。
「えっ・・・・・あ・・・・あああああああああああ!!!」
プレアは叫び、
「なっ・・・・てっ、てめぇ!!」
ヴィータは突然の事態に混乱し、仮面の男に襲いかかろうとしたその時、
「奪え」
仮面の戦士は静かに、プレアのリンカーコアを掴み出し、ヴィータに告げた。
「・・・・・・・・・・・・・・」
無言のヴィータに仮面の男は追い討ちをかける。
「どうした、貴様らのやることに変わりは無いのだろ、闇の書の完成を急ぐのではないのか?」

 

        思い浮かぶのははやての笑顔

 

「・・・・・・リンカーコア・・・採集・・・・・」