運命と最強_第14話

Last-modified: 2007-11-19 (月) 13:31:38

闇の書の内部空間

 

「暴走プログラムの進行に割込みをかけました、数分程度ですが、暴走開始の遅延が出来ます」
リインフォースの言葉にうなづくはやて、そして、はやての周りに現れるリンカーコア
「リンカーコア創刊、守護騎士システム破損修復」
その言葉が合図となり、輝きを増す四つのリンカーコア
「おいで・・・私の騎士達・・・・」

 
 

海鳴市上空

 

突然大小5つの球体が現れ、そのうち大きい球体が輝きだす。
「っ・・・・・・」
あまりの眩しさに目を閉じるなのは達、そこには、
「ヴィータちゃん!」
「シグナム!」
シグナムを始めとするヴォルケンリッターが大きい球体を囲むようにして現れた。
シグナムは語る「我ら、夜天の主の下に集いし騎士」
シャマルは語る「主ある限り、我らの魂尽きることなし」
ザフィーラは語る「この身に命ある限り、我らは御身の下にあり」
ヴィータは語る「我らが主、八神はやての名の下に」
そして球体がわれ、騎士甲冑を装備したはやてが現れた。
「はやてちゃん!」
喜ぶなのは
「ふっ、派手な登場だな」
小さく笑うカナード。
はやてはそんな二人を微笑みながら見据え、杖、シュベルトクロイツを掲げる。
「夜天の光よ、我が手に集え!祝福の風リインフォース・・・セーット・アップ!」
シュベルトクロイツが光り、リインフォースと融合したはやてが現れた。

 

「はやて・・・・・」
はやてを見据えながら名前を呼ぶヴィータ
「すみません・・・」
「あの・・・はやてちゃん・・・私達・・・」
落ち込んだ顔をするシグナムとシャマル、そんな二人に笑顔で話すはやて
「ええよ、みんなわかっとる、リインフォースが教えてくれた、そやけど、細かいことは後や、今は・・」
はやては目を閉じ
「おかえり・・・みんな・・・」
優しく語りかけた。

 

「うっ・・・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁん」
泣きながらはやてに抱きつくヴィータ、そしてひたすらはやての名前を呼ぶ。
そんなヴィータを優しく抱きしめるはやて
「どうやら・・・元気そうだな・・・」
そういいながら近づくカナード達
「なのはちゃんとフェイトちゃんとプレア君、ごめんなぁ、うちの子たちが色々と迷惑をかけてもうて」
はやての謝罪にそれぞれ「平気」と答えるなのは達。
そしてはやてはカナードを見据え
「ただいま、カナード」
笑顔で言い、
「ああ・・・おかえり」
はやてを見据え答え
「シグナム・ヴィータ・シャマル・ザフィーラ、お前達も・・・無事でよかった」
シグナム達を見据え答えた。
カナードの言葉に笑顔でうなずく四人、その時
「すまないな・・・水を指してしまうんだが・・」
クロノ・ハラオウンが現れた。

 

「時間が無いので簡潔に説明する」
クロノは、闇の書の防衛プログラムがあと数分で暴走を開始し、それを何らかの方法で止めなければいけないこと。
停止のプランは二つあり、
1つは、極めて強力な氷結魔法で停止させること。
もう1つは、軌道上に待機しているアースラーの魔道砲、アルカンシェルで消滅させる。
この二つのプランがあり、ほかに方法は無いかと、はやてと守護騎士に尋ねるが
「え~っと・・・最初のは多分、難しいと思いまず・・・」
シャマルが小さく手を上げながら否定し
「凍結させても、コアがある限り再生機能は止まらん。」
シグナムもまた、一つ目のプランを否定した。
もう1つのプランも
「アルカンシェルもぜーったいダメ!こんなところで撃ったら、はやての家までぶっ飛んじゃうじゃんかー!!」
ヴィータが手で『×』を表現しながら否定する。
「そ・・そんなにすごいの?」
なのはがユーノに尋ねる
「発動地点を中心に百数十キロの空間を歪曲させながら反応消滅を起こさせる魔道砲、っていうと大体わかる?」
ユーノの説明をきいたなのは達は
「あの、私もそれ反対」
「おなじく、絶対反対」
「僕も反対です」
なのは・フェイト・プレアは反対するが
「俺は賛成だ」
カナードは一人賛成をした。

 

驚きながらカナードを見据える皆を無視し、カナードは意見を述べた。
「最初のプランが駄目ならそれしかあるまい、シグナム達が知らぬ以上、他の方法を探すほどの時間があるのか?」
カナードの言葉に黙る全員。
「でもよ・・・はやての家がぶっ飛んじまってもいいのか!」
カナードを見据えながら叫ぶヴィータ。そんなヴィータを見据え
「馬鹿、最後まで聞け。俺もはやての家を吹き飛ばす気など毛頭無い。要は転送などで別の所」
カナードは空を見上げ
「アースラーという戦艦かいる、宇宙空間で行えばいいのではないのか?」
その提案にヴィータを始め、全員がハッとする。
「それとも、アルカンシェルとやらは、宇宙では撃てないのか?」
挑発するようにクロノに尋ねるカナード、その時
「管理局のテクノロジー、舐めてもらっちゃーこまりますなー!撃てますよー!宇宙だろうが、どこだろうか!」
エイミィが元気よく答えた。
「決まりだな」
カナードの言葉になのは達はうなずいた。

 

「クロノ君こっちの準備はOKだよ!」
エイミィの通信が、発射準備が整ったことを知らせる。
「実に個人の能力頼りで、ギャンブル性の高いプランだが、まぁ、やってみる価値はある」
クロノは皆を見据え答えた。
「防衛プログラムのバリアは魔力と物理の複合四層式、まずはそれを破る」
「バリアを抜いたら、私達の一斉攻撃でコアを露出」
「そしたら、ユーノ君たちの強制転移魔法でアースラの前に転送!」
はやて・フェイト・なのはがそれぞれの段取りを説明し
「あとは、アルカンシェルで消滅っと」
最後にリンディが答えた。

 

クロノはモニターで一部始終を見ているグレアムに通信をする。
「提督・・・闇の書は、呪われた魔導書でした。その呪いは、いくつもの人生を喰らい、それに関わった多くの人の人生を狂わせてきました」

 

グレアムは思い出す。エステア爆発の場面を

 

「あれのお陰で、僕も、母さんも、多くの被害者遺族も…こんなはずじゃない人生を進まなきゃならなくなった」

 

クロノは思い出す。グライドの死を知り、泣き崩れるリンディの姿を

 

「それはきっと・・・あなたも・・・リーゼ達も、無くしてしまった過去は、変える事は出来ない」
クロノはデュランダルを発動させる、そして
「だから・・・今を戦って、未来を変えまず!」
クロノははっきりと答えた。

 

「暴走開始まであと2分!」
エイミィの通信で緊張が増すなのはたち、その時
「あっ、なのはちゃん、フェイトちゃん、カナードにプレア君・・・シャマル」
はやてはシャマルに4人の治療を頼む。
「はい、四人の治療ですね(ちょっとタンマ!」
シャマルが治療をしようとした時、ヴィータが止めに入った
「あのよ・・・プレアの治療は・・あたしにやらせてくれ・・・あたしも少しは出来るからさ・・・」
俯きながらシャマルに頼むヴィータに
「・・ええ、お願いね」
シャマルは笑顔で答えた。そしてシャマルは治療を開始する。
「クラールヴィント、本領発揮よ」『Ja』
シャマルは呪文を唱え、回復魔法を発動する。
その魔法は身体は勿論、バリアジャケットの綻びまでも直してしまう。
その効果になのはとフェイトは絶賛するが
「こんな器用なことが出来て、なぜ料理が駄目なんだ?」
カナードが真顔で質問し
「もう!大きなお世話!!」
シャマルは頬を膨らませ答えた。

 

「わりーな、シャマルみたいに上手く出来ないかも知れねぇけど・・・」
そう言いながらプレアに回復魔法をかけるヴィータ
「そんなこと無いよ、ありがとうヴィータちゃん」
プレアは笑顔で答えるが
「何で礼なんか言うんだよ・・・怪我させたの、アタシだぞ・・・・・」
ヴィータは俯きながら反論した。
「それはヴィータちゃんが、はやてちゃんを助けたい一心でやったことだから、悪いとは思わないよ」
「でもよ・・・・」
申し訳なさそうにするヴィータに
「でしたら、1つお願いを聞いてくれますか」
「・・・なんだよ・・・」
プレアはヴィータを見据え
「僕と、友達になってくれませんか?」
ヴィータにお願いをした。
「えっ・・・なっ・・・えっ・・」
突然のことに混乱するヴィータ
「駄目・・かな・・?」
残念そうな顔をするプレアに
「駄目なわけあるか!・・・その・・・いいぞ!」
ソッポを向きながら答えるヴィータ。
「ありがとう、ヴィータちゃん」
笑顔で答えるプレアに
「(それはこっちの台詞だ・・・ありがとな、プレア)」
ヴィータは小さく呟いた。

 

「回復は終ったか?」
二人の側にカナードが近づいてきた。
「ああ、完璧だ!」
腰に手をあて、自慢げに言うヴィータ。そんなヴィータを見据えた後、
「プレア、正直に言え。ホントに大丈夫か?」
プレアを見据え、真顔で質問をした。
「てめー!どういうこった!!」
ヴィータは怒るが、それを無視するカナード。
「ええ、大丈夫ですよ。ありがとうヴィータちゃん」
プレアは笑顔でお礼をいい、ヴィータは「まぁ・・友達だからな」といいながらソッポを向く。
「ならいい、ん?お前、その首飾りは・・・」
カナードはプレアの首飾りを見て尋ねた?
「ええ、僕のデバイスです。中央の宝石が抜けていて不完全らしいのですが・・・」
プレアの言葉に、「これか?」カナードは楕円形の宝石を取り出した。
「これは・・・・どうしてカナードさんが?」
「俺がこの世界に来たとき、一緒に落ちていたらしい。どこかで見たことがあったので、まさかと思ってな。つけてみろ」
言われたとおり、宝石を装着するプレア。すると
『・・・・・・・・・・The spatial reasoning capacity was confirmed』
『Disconnected Rapid Armament Group Overlook Operation Network・SYSTEM・・・・・・・OK』
その電子音が終った後、プレアの背中に赤いリングが形成され、そこから生えるように四つの突起物が形成された。
「お~、なんか出た!!」
「これは・・・ドラグーン・・・」
「なるほど・・・」
それぞれ感想を言う3人。その時、轟音と共に海中から黒い光の柱が現れ
「夜天の魔導書を呪われた闇の書と呼ばせたプログラム、闇の書の・・・・闇」
はやての言葉が終るのを待っていたかのように、黒いドームは弾け
『アアアアアアアアアアアアアアアア』
叫びと共に、暴走プログラムが現れた。

 

「チェーンバインド!」「ストラグルバインド!」
アルフとユーノのバインドが周囲の触手を引きちぎり
「縛れ!鋼の軛!」
ザフィーラの魔法が残りの触手をなぎ払った。
「ちゃんとあわせろよ!高町なのは!」
なのはに確認を取るヴィータ。
「ヴィータちゃんもね!」
笑みを浮かべながら確認を取るなのは。
「鉄槌の騎士、ヴィータと、黒金の伯爵!グラーフアイゼン」
カートリッジをロード、『ギガントフォルム』を発動させる。
「轟ぉぉぉぉ天・爆・砕!ギガント!シュラァァァーク!」
数十倍に巨大化したグラーフアイゼンを暴走プログラムに叩きつけ、一層目のバリアを破壊する。

 

「高町なのはと、レイジンハート・エクセリオン、いきます!」
なのはは魔法陣を展開、カートリッジをロードする。
桃色の翼が生えるレイジンハート・エクセリオン、それを回転させながら暴走プログラムに向け
「エクセリオーン・バスタァァー!!」『バレルショット』
レイジンハート・エクセリオンから放たれた衝撃波が、展開していた触手の動きを封じ
「ブレイク」
続けてレイジンハート・エクセリオンから放たれた桃色の四つの魔力砲がバリアに当たり
「シュート!!」
その声と共に五つ目の魔力砲が放たれ、それらが一つとなり、二層目のバリアを破壊した。

 

「次、シグナムとカナードとテスタロッサちゃん!」
シャマルが指示を出す。
「剣の騎士シグナムが魂・・・・炎の魔剣、レヴァンティン。刃と連結刃に続く、もう一つの姿」
シグナムはレヴァンティンと鞘をあわせ、カートリッジをロード、
『ボーゲンフォルム』
レヴァンティンの声と共に一つの弓となり、そして矢を形成、カートリッジをダブルロードし、暴走プログラムに狙いを定める。
「駆けよ!隼!!」『シュツルムファルケン』
音速超過の矢は、一直線に放たれ、三層目のバリアを破壊した。
「続けていくぞ!フォルファントリー展開!」
カナードは左右のフォルファントリーを展開し、カートリッジをロード
爆音と共に、シグナム達が使っている物より大きめの(グレネードランチャーの弾のサイズ)カートリッジが排出され、魔法陣が展開される。
最後の壁を守ろうと、暴走プログラムは触手でカナードを攻撃しようとするが、
「フッ、まとめて吹き飛ばす!フォルファントリー、発射ぁ!」『Fire』
フォルファントリーから強力な魔力砲が発射され、周囲の触手を巻き込み、最後のバリアを破壊した。
「フェイト・テスタロッサ、バルティッシュザンバー・・・いきます!!」
魔法陣を展開し、カートリッジをロード
バルティッシュザンバーを天に掲げ、
「撃ちぬけ!雷神!!」『ジェットザンバー』
振りかぶり、数十倍に伸びたバルティッシュザンバーの魔力刃が暴走プログラムを切り裂いた。

 

『アアアアアアアアアアアアアアアア』
暴走プログラムは危険性を感じたのか、砲撃用の触手を召喚、
「ちょ・・・ちょっと・・・反則だよこの数は・・・」
アルフが呆れるほどの砲撃用の触手が召喚され、砲撃を行おうとするが
「やらせません!ドレットノート!!」
プレアは魔法陣を展開、四つのドラグーンが射出される。
「ドレットノート・・・・僕に勇気を・・・・いっけぇぇぇぇ!!!」
一つのドラグーンから九つ、計三十六の魔力砲の嵐が暴走プログラムと砲撃用の触手に振りそそいた。
其の結果、砲撃用の触手はすべて破壊され、暴走プログラムにもダメージを与えた。
「はやてちゃん!」
シャマルの声を合図に、本を開き、永昌を開始する。

 

「彼方にきたれ、宿り木の枝、銀月の槍となりて、撃ち貫け」
はやては魔法陣を展開、上空に展開される魔法陣とそこから現れる七つの光
「石化の槍、ミストルティン!!」
はやての声と共に七つの光の槍が刺さり、暴走プログラムの体を石に変えていく。
それでもなお、暴走プログラムは生体部品を増やし、形を禍々しくしていく。
其の光景に苦い顔をするアルフとシャマル。
「やっぱり、並の攻撃じゃ通じない。ダメージを入れたそばから、再生されちゃう!!」
「だが、攻撃は通っている。プラン変更は無しだ!」
エイミィの報告を聞き、プラン続行を決めるクロノ
「いくぞ、デュランダル」『OK・BOSS』
「悠久なる凍土、凍てつく棺の内にて・・・・永遠の眠りを与えよ」
クロノは魔法陣を展開、そして凍りだす海面と暴走プログラム
「凍てつけぇ!!」 『エターナルコフィン』
その言葉と共に、暴走プログラムは完全に凍りついたかに見てたが、今だあがく様に暴れだす。

 

「行くよ、フェイトちゃん!はやてちゃん!カナードさん!」
なのはの声に反応する3人
『スターライト・ブレイカー』「全力全開、スターライトォォォー!!」
周辺魔力とカートリッジの魔力を集積し、最強の技を放とうとするなのは
「雷光一閃、プラズマザンバァァァー!」
高速儀式魔法によって落雷を発生させ、そのエネルギーとカートリッジの魔力を集積し、最大威力の魔力砲を打ち出そうとするフェイト
「フォルファントリー・フルパワー!!」
フォルファントリーに搭載された全てのカートリッジと、自身の魔力をありったけ使用し、最大砲撃を放とうとするカナード。
「ごめんな…おやすみな…。」
暴走プログラムに謝罪をするはやて。だが、直にその顔は、悲しみから何かを決意した顔になり
「響け、終焉の笛・・・ラグナロク!!」
四人の最大攻撃は暴走プログラム目掛け
「「「ブレイカー!!!!!!」」」『Fire!』
一斉に放たれた。そして巻き起こる大爆発、だが
「くっ・・・・しぶとさにも程があるぞ!!」
毒つくカナード、四人の最大攻撃を受けてなお、暴走プログラムは再生を始めていた。
「このままじゃコアが・・・」
このままでは生体部品の再生により、コアを捕まえることがが出来なくなってしまうことに慌てるシャマル。その時
「今の破損なら・・・ドラグーン!」
プレアはドラグーンを暴走プログラムの四方に展開、そして
「僕の思いが・・・・貴方を包む・・・・」
ドラグーンによって発生したフィールドは暴走プログラムを包み込み、
『Sleep by a cradle』
電子音と共に、暴走プログラムは眠るように再生を停止した。
「いま・・・・です・・・・早く!!」
維持が辛いのか、苦しそうに話すプレアにシャマルは即座に行動にでる。

 

「捕まえ・・・・た」
シャマルの言葉に反応するユーノとアルフ
「長距離転送!!」
「目標、軌道上!!」
緑と、オレンジの魔法陣に挟まれるコア。
「「「転っ送ぉ!!!」」」
三人が叫ぶと同時に、コアは転送された・・・・・そして・・・・・
「アルカンシェル、発射!」
宇宙空間に転送されたコアは、アースラーのアルカンシェルによって完全に消滅をした。

 

「と言う訳で、現場の皆、お疲れ様でしたー。状況、無事に終了しました!」
エイミィが作戦の成功を皆に伝える。
皆が作戦の成功を喜んでいるその時、
「はやて!!」
「プレア!!」
その声に驚いた皆が視線を移すと、
意識を失ったはやてとプレアが、カナードとシグナムによって抱きかかえられていた。

 
 

アースラー病室
「こ・・・ここは・・・」
プレアは目を覚まし、辺りを見回すと、イスに座りながら本を読んでいるカナードを発見した。
プレアが目覚めたことに安堵したカナードが
「目覚めたか。ここはアースラーの病室だ、お前はあの後、はやてと共に気を失ってここに運び込まれたんだ」
さっそく現状を報告した。
「はやてちゃんは大丈夫なのですか?」
「お前同様、気を失っただけだ。安心しろ」
カナードの言葉にほっとするプレア、その時クロノとユーノが入ってきた。
「プレア、目覚めたのか」
プレアが目覚めたことに安心するクロノとユーノ
「さて、俺ははやて達のところに行って来る。あの戦闘以降、顔を合わせていないからな」
カナードが出て行こうとするが、クロノが止めに入る。
「そうか・・・君達は聞いていなかったんだな・・・・・」
いぶかしむカナードとプレアにクロノは説明する。

 

はやての管理者権限で、魔導書としての機能は取り戻したが、根本の破損はすでに修復不能の状態であること
このままリインフォースが活動を続ければ、遠くない未来、再び狂った防御プログラムを生成してしまうこと
夜天の書本来の姿が消されてしまっている以上、修復は不可能なこと
リインフォースは自らの意思で消滅すること
クロノはプレアはとカナードに説明をした。

 

「・・・・・ハラオウン・・・はやては・・・そのことを知っているのか・・・・」
カナードの質問にクロノは首を横に振る、
「・・・・ふざけるな・・・・」
カナードが怒り任せに壁を叩いた。その時
「・・・・だめでず!とめてください!!そんなことをする必要はないんです!!!」
プレアは声を荒げ、懇願する。
突然のプレアの行動に唖然とするカナード達に、プレアは闇の書の内部空間での出来事を話した。

 

「な・・なんてことだ・・・もしそれが真実なら・・・ユーノ、プレア、付き合ってくれ!」
プレアの言葉に唖然とするクロノ、だが直に行動を起こした。
そしてカナードは、プレアの話が終る前に別れの儀式の場所に向かった。

 
 

海鳴市

 

:丘

 

「リインフォース・・・・」
はやては涙を流しながらリインフォースを止める。これから自分が幸せにしてあげなければいけないのに、と訴える。
だが、リインフォースは
「私はもう、世界で一番幸福な魔導書ですから」
と笑い、はやての頬に手を添える。
そしてリインフォースは、はやてがいつか手にする魔導の器に、リインフォースの名を送ることはやてに願い、そして最後の別れをする。
「主はやて・・・守護騎士達・・・それから・・小さな勇者達・・・ありがとう・・・そして・・」

 

                ガガガガガガガ

 

ザスタバ・スティグマトの魔力弾がリインフォースに直撃し、儀式が強制的に中断された。
「っ!」非殺傷設定のため吹き飛ぶリインフォース。
「なっ!」突然の事態に驚き、唖然とするなのは達。
「カナー・・・ド」襲撃者の名前を呼ぶはやて。
「なにを・・する・・カナード・パ(黙れ・・・」
リインフォースの言葉を強制的に中断させるカナード、そして
「お前は・・・誰を泣かしている・・・答えろ!リインフォース!!」
リインフォースを見据え、カナードは問いただした。