~ジオン公国の光芒~_CSA ◆NXh03Plp3g氏_第13話

Last-modified: 2021-02-12 (金) 14:41:46

『隊長』
 シホ・ハーネンフース大尉の、心配げな声が、通信機越しに聞こえてくる。
『まだOSもデフォルトのままですし、メカだって完全じゃないんですから、無茶しないでくださいよ!』
「わーかってる!」
 OSのコンディションチェック表示を確認しつつ、めんどくさそうな口調で、イザークは答えた。
「慣らしのついでだ、無茶はせんっ」
『そのついでって言うのが怖いんです! 知ってますからね、G奪取の時の話』
「ええい、過ぎたことをねちねちと!」
 額に青筋を浮かべかけ、プルプルと震えつつ、イザークは言い返す。
「貴様こそ、その誰かを連想させるような飾りが千切れないよう、気をつけろっ!」
『言われなくても、判ってます!』
 シホの、不機嫌そうな返事。
「さっさと行くぞ、統率の指揮官が遅れたんでは、話にならん」
 そう言って、カタパルトのシステムとのリンクを確認する。
「大体、本人が乗る前に全壊させたなど、弱みを握らせるような物だ」
 呟くように言ってから、射出体勢に入る。
「イザーク・ジュール、エンデューリングジャスティス、出るっ」
 格納庫側から射出口へ向かってガイドLEDが点灯し、リニアカタパルトが、紅い剣のようなMSを射出した。
「ふぅ、いい加減、もっと大人になってください、イザーク・ジュール」
 シホは疲れたような、どこか切なげなようなため息をついてから、自らも射出体勢に入る。
「シホ・ハーネンフース、XMS999F、出ますっ!」
 いまだペットネームが決定していない、そのGタイプのモビルスーツは、うなじと背中 の辺りから
腰部へ向かって、ピンクのVPS装甲が施された、緩い放射状の、ドラグーン格納用補助翼を持っていた。
 まるでその姿は、長髪の女性を思わせた。
 シホの言う通り、何れもまだ実戦兵器として完成されてはいなかったが、
TPRF-XMS109FとTPRF-XMS999F、すなわちZGMFでもGATでもない、完全なジオン世代のモビルスーツ2機は、
ついに宇宙(そら)へと飛び出した────Feb・26・C.E.79。

機動戦士ガンダムSEED
 逆襲のシン ~ジオン公国の光芒~

 PHASE-13

 C.E.76────メサイア戦役から2年後。
 カスピ海南端に面する、コーカサスの一大都市、ガルナハン。
 砂の吹き荒れる街。
 ボロボロの衣服を着た、青年との境の頃の少年。
 もっとも、あちこち擦り切れかけたその衣服も、この地の住人の着ているそれより、遥かに上等に見えた。
 街の大通りであろうその道、並ぶ商店はほとんどの扉が閉まり、人通りはなく、ただ、疲れ果てた顔の
痩せこけた人が、まばらに道端にへたり込んでいた。
 どうにか、かろうじて営業している飲食店を見つけると、その扉をくぐる。
 カランカラン、と、ドアベルの音がした。
「いらっしゃい、あいにくだけど、ロクなもん用意できないよ」
 ぶっきらぼうな口調のそれは、年端も行かない少女の声だった。
「食べられれば何でも良いさ。後、水」
 少年は素っ気なくそう言って、ガラガラの店内の、4人がけのテーブルに無造作に腰を下ろし、
包まっていたマントを外した。
「寂れたな、ここも」
 2年前、彼がこの地に来た時、連合に抑圧されて貧しい生活を送っていた。それでも、
人々の顔には活気があった。
「みんな、希望を失っちまったからな」
 カウンターの中で作業をしながら、少女は、今更何の感慨もないかのように言う。
「そんなのはここに限ったことじゃないだろう? アンタだって今、“ここも”って言った」
 呆れたような口調で、少女は言う。
「まぁな……どこも酷いもんだ」
 やがて、少女は、ピタに粗末な具を挟んだ貧相なサンドの乗った皿と、水の入ったコップを
持ってカウンターから出てくる。少年の座るテーブルの前まで来ると、ガタン、と、それを、
乱暴にテーブルに下ろした。
 その様子に、少女を見上げる少年を、少女は険しい顔で見下ろした。
「どこに姿をくらましてたんだよ、プラントの走狗」
 怒りを感じさせる口調で、少女は言った。
「……お前は変わってないんだな……コニール」
 少年はそう言って、苦笑気味に笑って見せた。
 少女────コニール・アルメタの表情は、険悪なものから、紅潮して何かをこらえているかのような
それに変わり、そして、目じりに熱い雫が滲み出した。
「うわぁぁぁぁっ!!」
 少年を押し倒すような勢いで、その胸板に抱きつく。
「シン、シン・アスカ! 心配したんだぞ! プラントは行方不明だって発表しているし、
話じゃ月の戦いで撃墜されたって!」

 シンは、泣きじゃくるように叫ぶコニールを、そっと抱き返す。
「心配したって? 俺を? ZAFTとしてガルナハン占領に携わったのにか?」
「シン・アスカはガルナハンの英雄だ!」
 顔を上げ、涙にぬれた顔でコニールは言う。
「誰にも否定させるもんか! 誰にも…………っ!!」
「コニール……」
 シンは、自らも目頭の熱くなるような思いがした。

 2年前。
 シンは敗北した。

 家族の、愛した人の仇を討つことも出来ず、
 裏切り者の、正義と名乗る剣に敗れ、
 親友に託された未来は失われ、
 信じられる道を示した人は亡くなった。

 自分が守ると約束したはずの異性──女性に支えられ、
 一度は断絶すると宣言した故郷におめおめと帰りつき、
 眠る家族の前で泣き言を言うことしか出来なかった。

 それでもまだ、運命の女神は彼を貶め足りなかったらしい。
 その場に現れたのは、自分を負かした裏切り者と、その親友と嘯く家族の仇。そして、2人に剣を与えた歌姫とやら。
 彼がこの世で最も忌み嫌う人間達が、その場に集まった。

 だが、彼は敗者だった。
 もう戦う意志はない。
 戦うための剣もない。
 ただ、惨めな姿を晒すのみ。

 そして、後はただ、立ち去るのみ。

 ───────。

「なんだと……」
 覚悟は出来ていた。なんと罵られようと堪える用意は出来ていた。敗北者、敗残兵、犯罪人ギルバート・デュランダルの手先。祖国の裏切り者。
 だが、彼からかけられた言葉は意外にも、彼に優しすぎた。耳ざわりが良すぎた。だからこそ、その一言だけは許せなかった。
「ふざけるなよ……」
 差し伸べられた手に応じることはなく、ただ目を険しく潜め睨みつける。
「え?」
 握り返してくれるのを当然とでも思っていたのか、仇の男は間抜けな声を出す。
「吹き飛ばされてもまた植えるだって!? 吹き飛ばされた花は、失われた命は、どうだって良いって事かよ!!」

 堰を切った感情は、後は怒涛となって口から溢れ出す。
「ふざけるなよ!! 家族に代わる人間がいるのかよ! 目の前で救えなかった子の代わりなんているのかよ!
また植えるだって!? だったら返してみろよ!アンタがが奪った命を!
マユを! 父さんを! 母さんを! ステラを! レイを! グラディス艦長を!デュランダル議長を!」
 奪われた、二度と帰る事のない命の名前を、彼にとって何にも代えられることのない命
の名前を突きつけてやる。
「よせ、シン!」
 裏切り者は、怒鳴りながら彼の頬を張った。
「キラが言いたい事が解らないのか!? 憎しみに囚われるのはやめるんだ!」
 感情で味方を裏切り、殺した男がぬけぬけと言う。暴力、理不尽な叱責。この男にはそれしかない。
「知った事かよ。要はこう言いたいんだろう? 俺達を憎むなって。何を都合いい事言ってやがる。
ああ、アンタはいつもそうだったっけな……」
 わざと、低い声で押し殺すように言う。
「シン、どうして判ってくれないの? アスランさん達は、シンのことを……」
「俺の事を、なんだ? 負け犬を弄って遊ぼうってのか!?」
 もう1人の裏切り者の戯言を、皮肉でまぜ返してやる。
 奴らが何を言ってこようと、その思惑には乗ってやらない。俺は俺だ。彼はそう心を固めた。

 だが、その時。

「ちょっとシン、いい加減にしなさいよ!」

 自分を、ここまで支えてきてくれた女性が、自分を叱責する言葉を発した。

「ルナ……ルナ、君までそいつらの肩を持つって言うのか!?」

 自失しかけた。最後に残っていたなにかが音を立てて崩れていくのを感じた。

「そうじゃない、あたしは、アンタの事を思って言ってるのよ! 判ってる? アンタ、
 そうやっていつまでも敵をつくって行く気!? この先だって、1人じゃ生きていけないのよ!?」

 冗談じゃない!
 そんなことは判ってる!
 だが、誰が俺を1人にした? 誰が俺から家族を奪った? 誰が俺から仲間を奪った?
 親友を、愛した少女を、道を指し示した人を、誰がこの世から消した!?

「シン、もうやめてよ」
 女の困惑したような声。
「俺は何をするつもりもないよ……ああ……もう俺に出来る事は何もない」
「シン、貴方は立派に戦ったのです、もう、苦しまなくても良いのです」
 剣を与えることが大好きな平和の歌姫とやらが、口調では優しく、彼に語りかけてくる。
「ああ、そうさ。戦って、そして負けたんだ」
「シン!」
 哀しそうな顔を見せる、仇の男。
「あんたらは強い。望めばなんだって可能にするんだろうな。でも、俺の魂までは渡すもんか!
 心までお前らに支配されるぐらいなら、死んだ方がマシだ!」
「シン!」
 裏切り者の姉が叫ぶ。その叫び声に背を向けて、彼は走り出した。
 涙が頬を伝う。うなじから、背後へと飛び散っていく。かまわずに走る。

 俺の居場所は何処にもない。
 それは焼かれるだけだから。
 俺と共に生きる人はいらない。
 それは死に行くだけだから。

 シンはオーブを出た。
 ラオスに入国し、そこで全ての身分証を焼き捨てた。
 妹の形見の携帯を、ジャンク屋に二束三文で売った。

 俺に過去はいらない。
 それは失われるだけだから。

 後は風来坊、風の向くまま気の向くまま。
 歩いて渡れるなら国境も無断で越境した。

 プラント国防軍が発足し、地上の再々構築が始まった。
 民族に自由を、人々に絶対の平和を。
 シンには興味のないものだったが、あてのない旅を続けるシンにとってそれは好都合だった。
 あらゆる国境線は潜在的紛争地帯と化し、治安は悪化した。そのおかげで、身一つの旅人が、
無断で国境を越えることは、さして困難ではなくなった。

 インドを越えイスラム圏へと入った頃、あてのない旅に、ひとつの目標が出来た。
 ガルナハン。
 かつて連合の一端であったユーラシア連邦、すなわちキリスト教圏の軍隊に抑圧されていたムスリムのこの街は、
ZAFTの軍事侵攻によって解放された。
 その時、ZAFTの作戦の要を担ったのがシンだった。
 過去は捨てたつもりのシンだったが、ほとんど唯一、残された栄光のその後が、どうしても気がかりになり、
シンはイランに渡り、ガルナハンへと向かった。

「コニールは、待っていてくれたんだな」
「あ、当たり前だろ!」
 勢いのある剣幕で、コニールは言い返す。
「みんな、戦う気力はなくしたよ。でも、お前のことは忘れてない、誰も」
「よせよ」
 シンは自嘲するように苦笑した。
「今の俺は、ただの負け犬だよ」
「……お前から、そんな言葉は聞きたくなかった」
 コニールは、切なそうに言ったが、シンを責める様子はない。
「でも、無理もないね。お前だけじゃない。みんなそうなんだ」
 ロゴスは既になく、ブルーコスモスはテロ組織として根こそぎの討伐が行われ、地上にはプラントに抗う術はない。
「うん、だからこそ、みんなお前がここに来た時のことを忘れたくないんだ」
「…………俺も、似たようなもんだ」
 唯一残った栄光。
 それももう過去の物になっていた。でも、覚えていてくれる人間がいる。誇りに思ってくれる人間がいる。
 せめてもの慰めにはなった。
「……なぁ、シン」
 僅かに間を置いてから、コニールはおずおず、といったように、シンに切り出した。
「お前、行くとこ無いんだったら、ここで暮らさないか?」
 切実そうな表情で、コニールは言う。
「確かに楽な暮らしじゃないけど、でも、お前1人ぐらいだったら、なんとか……するよ」
 コニールの言葉に、しかしシンは、苦笑気味に微笑みつつも、首を横に振る。
「ありがとう、でも、俺は居場所がないんじゃなくて、作らないようにしてるんだ」
「シン…………」
 コニールは、あからさまに残念そうな顔をした。
「悪いな」

「いや、いいよ。多分そう言うと思ってたから」
 すまなそうに言うシンに、コニールは寂しげに苦笑した。
「でも、今日ぐらいは泊まって行ってくれるだろ?」
「そうだな」
 それぐらいは、と思う。コーディネィターの頑丈な身体にも、中東の自然環境は苛酷だ。
 野宿には慣れているとは言え、身体も軋みを上げ始めている。
「上が部屋なんだ、用意するよ」

 湿度の低い砂漠地帯の夜は、空気に保温能力が無く、日中と違って、低緯度であるにもかかわらず冷える。
 ただ、ガルナハンは、カスピ海に近い恩恵で、それほど極端ではなかった。
 シンは久しぶりのベッドの上で、身体を伸ばしていた。
「ん……」
 まどろみかけた時、宛がわれたその部屋に、人が入ってくる気配がした。
 反射的に、護身用のナイフに手を伸ばす。野宿に慣れた癖だった。全てを捨てたシンとは言え、
強盗に身包み剥がされて殺されるのは遠慮したいところだった。
「コニールか?」
 声を出して問いかける。
「そうだよ」
 声はすぐに返ってきた。シンは、手にしていたナイフを下ろす。
「何か用……っ!?」
 身を起こしかけて、シンはギョッとした。
 窓から入る月明かりに、僅かに照らされたコニールは、一糸まとわぬ姿だった。
 まだローティーンの未発達な身体とは言え、異性の性的興味を引き出す程度の丸みは帯びてきている。
「コニール、っ」
「シン、判ってる。本当は女の方からこんな事を迫るのはまずいんだ」
 イスラームでは未婚女性の姦通は死に値する罪である。
 ……もっとも、イランのイスラームの主流を占めるシーアは、神秘主義に陥りやすいスンナと比べると、
戒律という物に対してかなりアバウトなのだが
 (そもそも、このあたりは根っこが同じキリスト教も本来は同じはずなのだ)。
「でも、今のあたしには、これぐらいしかシンに恩返しできない」
「恩返しって、や、やめろよ、俺はそんなの必要ないし、結果的にっ」
 シンは目を白黒させて、どもりながらコニールに言い返す。
「シン、お前、“まだ”だろ?」
 図星を突かれた。コニールはそう言いつつ、しなをつくってベッドに登ってくる。
「無茶してるのに……っ、知らないままなんて、ありえないだろ? こんなガキじゃ、不足かもしれないけど……」
 シンに覆いかぶさるように、コニールは迫った。
「コニール……」
 コニールの気迫に飲み込まれたシンは、ゴクリと喉を鳴らした後、その幼い肢体に手を伸ばした。

 コニールは、シンより遥かに手馴れていた。
 彼女はバージンではなかった。

 翌朝。
「あー、何、みっともない事になってんだ、俺」
 罪悪感を感じつつも、久しぶりにベッドの上で爽快な朝を迎えた。
 コニールは夜のうちに出て行ったようだった。
「かっこわりぃなぁ……」
 言いつつ、着衣を整えると、部屋を出る。
 階下の店で、コニールは朝食の準備をしていた。
「あ、えと……その、おはよう」
 シンは声をかけ辛そうに挨拶する。しかし、コニールはケロッとした表情で、何も無か ったかのように、笑顔を向けた。
「おはよ、もうできるからさ」
「あ、ああ……うん……」
 促されるように、用意されていた食卓につく。
「あ、そうだ」
 コニールは、自らも椅子にかけながら、思い出したように言った。
「この後、少しだけ付き合ってくれないか? 女抱かせてやったアレってワケじゃないけど……」
「ぐわぁっ! そ、そんな言い方すんなよ!」
 あからさまに狼狽するシン。それを見て、コニールは、にたぁっと笑う。
「可愛かったよねぇ、シンちゃん」
「ぐっ……お前こそ、その歳であんなモン何処で覚えてきた!?」
 シンは思わず椅子から立ち上がりかけながら、コニールを指差して声を上げる。
「一身上の機密」
 コニールはケロリと言った。

 コニールがシンを連れて来たのは、かつてシンがガルナハンを攻めた際、決死の思いで通り抜けた廃坑だった。
「さすがに、プラント軍もここまで調べる度胸はないらしくてね」
 コニールはそう言い、シンをつれて、徒歩で中に入る。
「ああ……誰もバックアップ取らなかったんだな。ミネルバは沈んだし、インパルスはデスティニーに乗り換える時に
 OS初期化しちまったからな」
 シンはぐるぐると見回しながら、コニールについて歩く。
 そして、やがて現れたそれを見て、シンは驚愕に、目を円く開いた。
「頼みってのは他でもないんだ、これの使い方を教えて欲しい」
 そう言って、コニールが指し示すそれは、ギリギリ坑道の天井にぶつからないかという鋼鉄の巨人。

 GAT-04、ウィンダム。それもエールストライカー装備機。
「これの使い方を教える、って……」
 シンにはGATシリーズの搭乗経験はない。
 しかし、セカンドステージシリーズやニューミレニアムシリーズは初期のGATシリーズをベースにした存在であるし、
操作系も大幅に変わるわけではなく、必要な動作を指導する事ぐらいはどうという事はないだろう。
 だが。
「モビルスーツなんか乗って、どうする気だよ!?」
 シンが訊ねると、コニールは険しい顔をして、声を上げた。
「決まってる! 奴らと戦う!」
「奴らって、プラントとか!?」
 正式には、この地にはイランの国軍がいる。しかし、各重要拠点には、プラントが安全保障の名目で、
MSを主力とするプラント地上軍を駐屯させていた。ガルナハンも、そのひとつである。
「他に誰がいるって言うんだ!?」
 コニールは当然のように言い返した。
「みんな諦めちまったけど、あたしはやっぱり嫌だ! 例え最後の1人になっても、あいつらに
 戦う意志を見せ付けてやる!」
 戦う、と言う意志がある。
 例えどんな絶望構えに待ち構えていたとしても、自らの道は自ら切り開く、という意思がある。
 コニールの姿を見て、シンの中で、崩れ去ったと思っていた何かが、再び形を取り戻していく。
「コニール、OSのセットアップディスクは何処にある?」
「シン!?」
 一瞬喜びかけたコニールだったが、シンの表情を見て、驚きの表情にかわる。
「俺が戦う。ガルナハンの為に戦う」