特別番外編「がんばれ、ステラ!」
ZAFT黒海沿岸地域における重要拠点、ディオキア。いまこの土地は未曾有の危機に瀕していた。目前まで迫る敵!「救世の歌姫」ラクス=クライン率いるカルト宗教団体の私兵部隊の旗艦、アークエンジェル!そして“最強のMS”フリーダムとそのパイロット、“地上最強のNEET”キラ=ヤマト!だが、ゲッターはおろかミネルバも、基地のMS部隊も動けない。シンもレイも、いやミネルバのクルーわはおろか基地の大半の人間が戦える状態にないのだ!
“新人類”コーディネーターをここまで追い詰めた物とは何か。それは食中毒!
さすがのコーディネーターの能力をもってしても有史以来人類を苦しめ続けていたこの見えない敵にはさすがに弱かった。どうも、基地全体で行われたクリスマスパーティーに出されたエーゲ海産のイワシが弱っていたらしい。だが、世の中には常に例外があるように、この病原菌の猛攻を見事に潜り抜けた豪傑がいた!
その名は・・・・
「うぇーい!丈夫で長持ちのステラさんじょー!シンやレイの分もガンバルッ!」
我らがゲッター2パイロット、ステラ=ルーシェだ!
「ガンガンガンガン!わかいいのちがまっかにもえてー!げっーたーすぱぁーく、そーらたかーくぅー!みたか!がったい!・・」
レイの作詞作曲した「ゲッターロボのテーマ」を歌いながら格納庫へと一人向うステラ。その両手には、シンとレイの代わりのつもりか、“ハヤト特製ジャンボマシンダー”と“レイからもらったゲキガンガー人形”が抱えられていた。
「まって、ステラ!俺も行くぞ!」
「そうだ・・・・ステラばかりには任せておけない。」
廊下の先ではシンとレイが待ち構えていた。
「シン・・・レイ・・・・だいじょーぶ?」
「ああ・・・・この程度ヘッチャ・・・」
ぴーごろごろきゅーごろごろ
「「「・・・・・・・・・・・・」」」
全然大丈夫ではないらしい。よく見るとシンは足が内またになっているし、レイも前かがみ気味で、下腹を手で押さえている。しかも、二人とも顔には脂汗が浮かんでいた。
「うぇーい・・・シン・・・レイ・・ぜんぜんだめ・・・」
「いや、それよりもステラは何で大丈夫なんだ?俺やシンの明らかに三倍は食べていたはずだが・・・」
そんなレイの質問にステラは・・・・・・
「うぇい?・・・たぶん“けんきゅーじょ”での訓練の時に、お山でクマさんとか食べてたからだと思うよ・・・クマさんておいしくて・・・・・アウルやスティングもおいしいって・・・あとシカさんとかも・・・・うぇい?シン?レイ?」
ステラが回想しながら話している間にシンとレイはいつの間にか目の前からいなくなっていた。いったい何所に・・・・・
「おい、シン!早くしろ!はやくうううううううう!」
その叫び声はすぐ近くのトイレから聞こえてきた。
所変わってゲッターの格納庫。ステラは一人ジャガー号のコックピットに乗り込もうとする。すでにイーグル号の操縦席には“ジャンボマシンダー”が、ベアー号の操縦席には“ゲキガンガー人形”が座らされていた。さあ、いまやステラがコックピットの縁に手をかけたとき・・・
「「お待ちなさい!ステラさん」」
不気味にハモった二人分の男の声が聞こえた。
「うぇい?」
ステラが振り向くとそこには・・・
「「ふっふっふっ・・・我らがミネルバ整備班きっての精鋭・・・」」
「ヨウラン!」「ヴィーノ!」
「「只今参上!!!」」
奇妙なポージングをしながら整備士コンビが現れた。
「うぇい?・・ヨウラン・・・ヴィーノ・・何してるの?」
「ふふふ・・・我ら何をしにここに来たかといえばステラさん・・・」
「そう、何しに来たのかといえば・・・・」
尋ねるステラに不気味な笑いを浮かべながら気取った口調で答える阿呆二人。
「「我らがミネルバクルーのヒロイン、愛しのステラさんのお手伝いをしに来たに、決まってるじゃあ、ありませんか!」」
「うぇい?お手伝い?」
「そうですよ、ステラさん!なんせ我々はメカニック!しかもゲッターの整備も担当している。」
「つまりパイロットと同じぐらいにゲッターについて知悉しているということっ!」
「うぇい?・・・それってじゃあ・・・」
「「そうです!我々もゲッターに乗ろうと言うのです!」」
「うぇい・・・でも・・・・
「「心配無用ステラさん!我々はゲッターについて知り尽くしている。それで乗れないはずがない!」」
「・・・うぇーい・・・・・じゃあお願い・・・・」
「「おお!ありがたき幸せ!」」
ステラの返答を聞くや否や、ヨウランはイーグル号に、ヴィーノはベアー号のコックピットに、座らせてあった人形を横にのけて乗り込んでいく。
「ふふふ・・・・ついにこの時が来た!」
「そうだ来たんだこの時が!」
それぞれコックピットの中でにやけながらつぶやく二人。不気味だ。
「「おれたちの活躍する時が!」」
「おもえば長かった・・・本編ではいつの間にか空気になり」
「気がついたら戦死扱いにされてるし・・・・・・・・・」
「NGDでも所詮はただの整備士・・・」
「出番は少ない・・・・」
「良いところは全部“アイツラ”がかっさらっていくし・・」
「彼女なんて無論できない・・・・」
「だが・・・」「その苦節の日々も・・・・」
「「今日で終わりよっ!」」
「「かっこいいところを見せて見返してやるぜ!そんでもってステラやルナやメイリンやっ!うまくいけばば艦長のハートもゲット!モテモテうはうは!俺たちの春が来るーーーーーー!」」
さて、そのころのアークエンジェル。
「ふふふ・・・・・・ゲッターロボ。今日こそあなた方の最後の日です!」
アークエンジェルのブリッジのゲスト席で、“電波教祖”ことラクス=クラインは普段の陣羽織?ではなく何故かどこぞの百鬼帝国の大帝が着ているような真っ赤な軍服姿でふんぞり返って不気味な笑いを浮かべていた。なんだかしらないが妙に体から自信のようなものが噴き出ている。
「今度のフリーダムは一味違います。そうですわよね、寅さん?」
「ああ・・・今まで集積してきたゲッターとの交戦記録(もとい敗戦スコア)をベースに、キラ自らOSを改良し、対ゲッター戦用にスペシャルチューンした機体らしいからな。」
<ラクス。そろそろ行ってくるよ。>
ブリッジにフリーダムのキラから通信が入る。
「はい。いってらっしゃいませ・・キラ様・・・。」
すごくイイ笑顔を浮かべながらキラを送り出すラクス。
「ふふふ・・・・ふははははは。愚かなりしZAFTよ!ディオキア最後の夜明けに懺悔せよ!なっーはっはっはっー!」
さてさて、こちらはミネルバのブリッジ。重症のアーサーをはじめ(調子に乗って食べ過ぎたらしい)ブリッジクルーの大半はベッドとトイレを往復する状態であり。ブリッジにいるのはもともと小食故に被害が少なかったタリアと、現在ウェストが気になって減量中だったためにほとんど被害がなかったメイリンの二人きりだ。(ちなみにメイリンに減量を決意させたウエスト激細の姉は、やはり調子に乗って食べ過ぎて現在トイレに直行中)
「ステラ。本当に一人で大丈夫かしら?」
体調不良ゆえに青い顔をしながらタリアはジャガー号に通信をつなぐ。
<うぇい!だいじょーぶ。それに・・>
「それに?」
<<ふっふっふっ!実はステラさんは一人ではないのですよ!>>
「!・・ちょ!ヨウラン!ヴィーノ!そんなところで何やってるのよ!」
突然ブリッジに響き渡る怪しげな声。それと同時に、モニターの阿呆二人の顔が映された。思わず叫ぶメイリン。
<ゲッターの正規パイロットがいない今!誰かが代わりを果たさねば!>
<故に我らは立ち上がる!
<<さあ、艦長!発信許可を!>>
「それよりも・・・何で貴方達無事なのかしら?」
たださせ疲れてる時にと、心の中で溜息をつきながらげんなりとした様子でたずねる。
<<はっはっはっ!何を言われます館長!ZAFTきっての精鋭たる我々が食中毒ごときで倒れるなど・・・・>>
「確か、ヨウランとヴィーノってさぼってたのがマッドさんにばれて、残業させられてたから料理にありつけなかったんじゃなかたっけ。」
<<・・・・・・・・・・さあ!敵は目前だ!今すぐ出撃しよう!>>
「ちょ!待ちなさい!まだ発進許可は!」
「艦長!かってにハッチの扉が!」
「!ヨウラン、ヴィーノ!貴方達いつのまに細工を・・・」
<<ゲットマシン発進!>>
「まちなさああああああああい!って、ステラ!貴女もなんでついていってるの!」
<うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!>
こうして、ゲッターは何とかミネルバより発進した。
「むっ!来たようだな・・・」
ミネルバより発進してきた三機のゲットマシンを見て寅が唸る。
「ふふふ・・・・・来ましたね。キラ様!お相手してあげて!」
<うん!・・・・・・ラクス・・・ちょっといい?>
「何ですかキラ様?お腹の具合でも?」
どこか戸惑った様なキラの様子にたずねるラクス。
<いや・・・・なんかゲットマシンの様子がおかしんだけど・・・>
「はい?」
「うぇぇぇぇぇい!」
ジャガー号の出力をフルスロットルにしながらステラは空を飛び抜ける。一方イーグル号とベアー号の方はと言うと・・・・なんだか様子が変だ。飛び方がめちゃくちゃでフラフラしている。はっきり言ってかなり危ない。
「うぇい?ヨウラン、ヴィーノ?どうしたの?」
イーグルとベアーに通信をつなぐステラ。すると・・・・
<うわあああああああああああ!降ろしてくれぇえええええええ!>
<か、顔がくずれていくううううううううううううううううううう!>
すでに死にかけの阿呆二人がいた。
「だから・・・・・・・言わんこっちゃない・・・・」
ブリッジでタリアは阿呆二人の醜態を見て溜息をついた。メイリンなどは既に合掌までしている。
<ヨウラン、ヴィーノ!しっかりして!負けちゃダメ!>
ステラの必死の呼びかけがブリッジにも聞こえてくる。ステラの健気な態度は、タリアも深い感銘を受けるが、相手があの二人では台無しだ。
<ヨウラン、ヴィーノ!オートパイロットに切り替えて!赤いボタンをおして!>
<<りょうかいひひひひひひひひ!>>
ステラの助言に従って二人とも赤いボタンを押そうとするが・・・
<うっ、うう、うう・・・腕が動かないいいいいいいい!>
<へいいいいいいい!って、しまった!ピンクのボタンを押しちゃったあああ!>
ヴィーノはボタンを押すことすらできず、ヨウランは間違ったボタンを押してしまう。そのせいでヨウランのイーグル号は突如意味不明な錐揉み回転飛行を始める。
<へへへへへへへっ!おれ、ピンクが好きなもんでついいいいいいいいい!>
<アホおおおおおおお!女性陣に引かれるようなこというなあああああああ!>
もうだめだこいつら・・・・・・
「「「・・・・・・・」」」
一方、我らが教祖様御一行は、ゲッターのあまりの意味不明の動きに唖然としていた。
<えーっと・・・ラクス・・・・こういう場合どうすればいいんだろう・・・>
「わ、私に聞かれましても・・・寅さん!貴方はどうですの?」
「うーん・・・・これも敵の作戦かもしれん。とにかく様子を見よう。」
本当は作戦もクソもないのだが・・・この寅の意見で、とりあえずゲッターチーム(仮)は命拾いした。
「「艦長!状況はどうなってます!」」
「シン、レイ!貴方達大丈夫なの!」
ブリッジに突如飛び込んできたのはシンとレイだ!驚いて聞いてくるタリアに二人は・・
「「しばらくはなんとか!出すものはすべて出してきました!」」
どことなく顔がやつれているがとりあえずは大丈夫そうだ。
「「それより艦長!戦況は!ステラは無事なんですか!」」
「・・・・・モニターを見なさい・・・・・」
タリアに言われてモニターを見る二人。その視線の先では・・・カオスな光景が広がっていた。
「「・・・・・なんじゃこりゃあああああああ!」」
意味不明な飛行を続けるイーグルとベアー。すごい顔をしながら意味不明な叫びをあげる阿呆二人。なぜか“安全第一”と書かれたヘルメットをかぶっているステラ。意外に似合ってるけど。
「・・・・!ヴィーノおおおおお!何でお前の所に“ソレ”がああああ!」
突然、普段からは想像できないような焦った表情で叫び声をあげるレイ。
「ど、どうしたんだよレイ!」
「ああ・・・・あああ・・・」
モニターを凝視しながら意味のない声を上げるレイ。その視線の先には・・・
「なんでお前の所に“期間限定版ゲキガンガーHGモデル”があるんだあ!」
モニターに映されているベアー号のコックピットの中、ヴィーノの後ろに見え隠れする“ゲキガンガー人形”があった。
「えっ、でもあれってお前がステラに・・・」
「ちがああああああああう!ステラにあげたのは“BANDAI熱血シリーズNo3ゲキガンガー”だ。あそこにあるのは俺の秘蔵品のひとつなんだああああああ!」
どうやらステラが間違えて持って行ったらしい。凄まじく取り乱すレイ。普段のクールな姿がぶち壊しだ。メイリンは唖然とし、レイのこういう一面をあらかじめ知っているタリアはうつむいて溜息をついていた。ちょうどそのとき・・・
<うわあああああああああああ>
ベアー号が突如揺れ出し、それに揺さぶられるヴィーノ。そして・・・・
「あああああああああああ!」
ヴィーノの肘打ちがゲキガンガー人形の頭部に炸裂し、そして・・・
ぐしゃ
嫌な音がした。ヴィーノのひじ打ちは、ちょうど壁と挟まる形で、レイ秘蔵の逸品の頭部を叩き潰した。
「のおおおおおおおおおおおおおお!俺のゲキガンガー!俺の天空ケンがああああああああああああああ!」
そう叫ぶとレイはぱたりと倒れた。
「ムゥウウウウウウウウウサシイイイイイイイイイイイ!・・じゃなかった、レイイイイイイイイイイイイイイイ!」
「レイってああいうキャラだったんだ・・・・」
「あら知らなかったのかしらメイリン。レイは熱血ロボットものが大好きで、彼の自宅にはマジンガーZとかゲキガンガーとかにのフィギュアがたくさん・・・」
「意外・・・・」
ああ、なんというカオス・・・・
「うぇぇぇぇい(汗)・・・・・少しやばいかも・・・・」
イーグル号とベアー号の飛行が滅茶苦茶なせいでいつまでたっても合体すらできない。フリーダムやアークエンジェルが何故かだんまりを決め込んでいるので命拾いしてはいるがこのままでは・・・
「うぇい?」
だが、なんという奇跡だろうか。たまたまであろうがイーグル、ジャガー、ベアーが一直線に重なる。
「うぇーい!ちゃんす!」
よし、このままいっきに合体・・・・
<<ひょええええええええええええ!>>
できなかった・・・・
ずがどかどんがらがっちゃーん
「うぇ・・・・・・・い?」
いや、一応合体はできた。いやできたことにはできたのだが・・・
「な・・・・・・・・・・なに・・・これ・・・・」
キラは思わずそう喘いだ。自分は今までのゲッターとの交戦記録をベースにフリーダムを改造し、ゲッター対策を整えて戦闘に臨んだわけだが・・・・
「僕の知ってるゲッターじゃ・・・ない・・・・」
いったい眼に前の不思議物体はいったい何なのか。
「や、やめてよね・・・・僕の知らないゲッターがいきなりでてきて・・かなうわけないじゃない・・・」
そいつの姿は正に珍妙奇天烈摩訶不思議といったものだ。まず、手が全部で六本ある。左右に三本ずつ、脚部はイーグル、腹部がジャガー、頭部がベアーと、本来はゲッター1となる変形のちょうど反対になっている。ゲッター1の腕が足の役割をし、さらに、腹部からはゲッター2のドリルとアームが伸びており、頭部はゲッター3のもので、ゲッター3特有の伸縮自在の腕が飛び出していた。
「えーっと、寅さん・・・あれはどういうことなんでしょう?」
ゲッターの奇天烈な姿に、呆然とするラクス。
「・・・・さすがはゲッターロボ。」
「・・・・はっ?・・・・・・・」
「ふっ、戦闘記録から相手の出方を研究するのは戦術の常套。僕たちがそう考えてゲッター対策を立てたのと同様に、あっちもその裏の裏をかく、まさに裏ワザできた、というわけさ・・・恐るべしだね、ゲッターロボ!」
なんだか勝手に自己完結してやがりますよこのタイガースファン。
「そ・・・・そうです・・・・・か?」
「・・・・・ジン長官が見たらなんというか・・・」
モニターに映るキテレツゲッターを見てそう言葉を漏らすタリア。もし、この基地に隼人がいれば、おそらくあの阿呆二人は隼人の爪でずたずたにされていただろう。だが運のいいことに隼人は諸事情で本国に出向していて今は不在だ。だが・・・
「あい・・・つ・・・らぁ!」
倒れたレイの介抱をしながら、プルプルと肩を震わせているシン=アスカがこ
こにいた。レイも彼らを許すまい。阿呆二人の死は確定だった。
「うぇーい・・・・これでがんばって・・・・」
変な合体だが、戦えないことはあるまい。そう思ってステラが動き出そうとしたその時・・・
フリーダムがフルバーストをかましてきた。
「!おーぷんげっとおおおおおおお!」
とっさにオープンゲットするステラ。さっきまでゲッターがいた空間をビームの群れが通り過ぎる。しかし、うまく避けれたはいいが、これではまた始めからやりなおしだ。そう思ったのだが・・・
「うぇい?イーグル・・・ベアー・・・」
なんと、イーグルとベアーが自分の誘導に従ってくるではないか。
<<へへ・・・・やらせていただきました!>>
いつの間にか正気に戻っているヨウランとヴィーノ。どうやら、あのトンデモ合体を成功させて、一瞬機体の動きが止まった時に、オートパイロットに切り替えたようだ。
「うぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!それじゃ・・いくよ・・・ちぇーんじ!げったー、つーーーーー!」
ステラの誘導に従って、見事三機はゲッター2に変形する。そして・・・
「どりる!はあああああああああああありけえええええええええええええん!」
超高速回転するドリルの先から、凄まじい竜巻が起こり、それはフリーダムへと一直線に伸びていく。そして・・・
<うわあああああああああああああああああああああ!>
フリーダムは遥か彼方に、くるくると回りながら吹き飛ばされていった。
<!おのれ、ゲッター!こ、ここは引きますが・・・必ずや地獄におとしてさしあげましょう!>
吹っ飛ばされたフリーダムを追って、アークエンジェルも撤退していく。
「うぇい!やったよ、シン、レイ、ハヤト!」
ステラはコックピットの中で万歳をした。
「ステラ、よく頑張ったわね・・・」
「うぇい!」
ミネルバの格納庫で、帰還したステラはタリアに頭をなでられていい子イイ子されていた。
いっぽう・・・
「目だ!耳だっ!鼻だああああああああっ!」
「うぎゃあああああああああああああああ!」
「だぁああああああああああい雪山おろしいいいいいいいいいいい!」
「おがあぢぁあああああああああああああああああああん!」
阿呆二人は目ん玉をグルグにした復讐鬼にきちんと粛清されましたとさ・・
ちゃんちゃん
オマケ
ここはプラント本国のとある基地。ここでは、今まさに人気アイドル、ラクス=クライン(仮)こと、ミーア=キャンベルのコンサートが行われようとしていた。会場はざわめいている。なんせ、噂によれば今日のライブは新曲が、新しいパフォーマンスとともにお披露目されるというのだ。会場に集まったファンたちが、お互いに予想を述べあっていたその時・・・・・
<ハーイ!ZAFTの皆様!お元気ですかああああ?>
突如ミーアの声が会場に響き渡る。兵士たちが声にした方向を向くと、そこには建物の蔭から巨大なロボットと、その右手に乗ったミーアが現れた。いや、ミーアだけではない。ロボットの右手には、ミーア以外にももう一人オレンジ色の髪をしたエレキギターを持った青年が、左手の方にはドラム一式と、金髪に褐色の肌という特徴的な容姿をした、どことなく炒飯を連想させる青年がいた。しかも、突如現れた巨大ロボットは・・
「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」」」
女性を模ったピンク色のゲッターロボだった。その名を“ゲッター烈火”という。
「ふっ・・・・どうやらうまくいきそうだね・・・」
「当然です。なんせあのゲッターを含め私がプロモートしたのですから・・・」
「ジン君、君は芸能プロダクションの社長でもやっていけそうだね。」
「おい!あれって・・・・・・」
「ああ、Faithのハイネ隊長だ。」
「ディ、ディアッカアアアアアアアア!お前そんなところでなにやっとるかあああああああああああああっ!」
「た、隊長。落ち着いて・・・」
「シホ!これが落ち着けるかああああああ!くそ、うらやまし・・・じゃなかった、この不届き者があああああああ!」
「ミーアたんの新衣装萌えええええええええ!」
「ハイネも炒飯も似合ってるぞ!」
この日、ミーアは今までとはコスチュームを一変し、白色を基調とした、パイロットスーツのような形をしたスリムな衣装に黄色のスカーフ姿(早い話がチェンゲのミチルの衣装)だ。さらにその隣のギターの男、ハイネ=ヴェステンフルスは、青を基調とした衣装に赤色のスカーフ(隼人のパイロットスーツ)を、ドラムの男、ディアッカ=エルスマンはライトグリーンを基調とした衣装に黄色のスカーフ(竜馬のパイロットスーツ)を着ていた。
「それでは新曲、「HEATS」いっきまーす!」
「「「いぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーい」」」
「熱くなれ!夢見た明日を!必ず何時か捕まえる!走り出せ!振り向くことなく!冷たい夜を突き抜けろ!」
こうして、コンサートは始ったのだった。
[戻る>ゲッター線が種・種死に興味を示したようです]]