901◆GbvohmL8bU_第20話

Last-modified: 2014-08-03 (日) 04:25:39

とあるオフィスにて
「ふう、ようやく一息つけました。
でも良かったんですか?受信アンテナの管理を各国に任せるなんて・・・僕からしてみたらおかしいですよ」
「大丈夫だ。問題ない。
それに支援した各国からアズラエル財閥宛に感謝状などが届いたじゃないか。目先の利益を取るよりも儲けられるのではないか?」
「それを言われたら僕の負けです。僕でしたら無料ではなくなにかしら対価を貰いましたけどね。」

 

アズラエル、ティエリア。刹那が会話をしている。正確に言えば刹那は食事をしているが。

 

「それで各国の被害状況は?」
「北方の国を中心に合計で数百万人ってとこですね。事故や入院患者も含めてます・・・最悪の予想は数億人でしたからかなり減ってはいます」
「最悪は免れたか。電力も不足気味だが、こっちは慣れてくれとしか言えないな。地球に住んでいるコーディネイターはどうだ?」
「はい、保護するようお願いしました。これも対価の1つなので動いてくれているでしょう。
ブルーコスモスも『地球にいるコーディネイターは被害者。悪いのはプラントのコーディネイター』として声明を出しました。
強硬派には『コーディネイターの同士打ちとか最高ではないですか?』と言ってみたらノリノリになって手伝ってくれてます。
ああ、それとティエレンは開発どころではなくなりましたね。電力不足でEカーボンの精製が遅延してます
なのでフラッグの量産を優先し大体10月後半に量産機が出来上がる予定です。
ハルバートン側は開発の目処すら立っていないようです。なんでも新技術を大量に詰め込んでいるようですね。」

 

そんな会話をしていると刹那がなんかを感じたのか顔を上に向けた。
「どうしました?刹那さん?」
「・・・発電衛星付近にザフトのものと思われる戦艦が3。しばらくすれば帰るだろう。」
そう言って食事を再開した。
「・・・はぁ・・・本来なら慌てるところなんですが、まあいいでしょう。」

 

その頃静止軌道付近
ザフトの戦艦が2隻で発電衛星に向かっていた。
「艦長!衛星をレーダーで捉えました!」
「付近に敵影は?」
「ありません、罠でしょうか?」
「そう思って行動したほうがいい。まったく・・・こんな無謀な作戦とも言えない作戦を考えるなんて。
まあいい、任務は任務だ!2隻で撃ちまくる!MS隊は発進準備!敵機が現れたら対応してもらう!
125mm単装砲、450mm単装レールガン、450mm2連装レールガン、937mm2連装高エネルギー収束火線砲起動!目標!前方の衛星!」
「了解!125mm単装砲、450mm単装レールガン、450mm2連装レールガン、937mm2連装高エネルギー収束火線砲発射準備!
パイロットはコックピットで待機!繰り返します!パイロットはコックピットで待機!」
「全艦!射程に捉えました!発射準備完了!」
「よし!撃てぇぇぇ!」
2隻がレールガンや高エネルギー収束火線砲を発射し、着弾
「命中を確認!破壊状況は・・・え?」
「どうした?報告は正確にな。オペレーター」
「は、はい、目標は・・・損傷を確認できません!赤い光の膜?で全体を覆っています!」
「な・・・なん・・・だと!?バリアとでもいうのか!?連合の衛星は化物か!」
「か、艦長・・・どうしましょう?」
「・・・全艦!もう1斉射だ!砲撃後、最大船速で離脱する!そしてできる限り相手を観測し情報を持ち帰る!」
「艦長!全艦射撃準備完了!」
「よし!砲撃後全速で撤退する!全砲門!撃てぇ!」
ローラシア級の全砲門の全力射撃、フルバーストを実行!
だが、煙が晴れるとやはり赤い光の膜で全体を覆った発電衛星が無傷で存在した。
「だめか・・・全艦に通達!これより我々は帰還する!途中で伏兵がいることを前提に行動しろ!最悪戦艦1隻、MS1体でも本国に帰還しこの情報を渡すのだ!」

 
 

この数日後、一度も戦闘をせずに帰還した。その時の艦長が嘆いている。
「おかしい・・・なぜ伏兵を用意しないのだ」
実際には兵を用意したくてもできないという連合の事情があるのだがそんなことは知らず悩み続けるのであった。

 
 

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