CCA-Seed_◆wjA9YKZn62 氏_第7話

Last-modified: 2012-09-12 (水) 16:02:31
 
 
 

アークエンジェルとラー・カイラムは地球連合大西洋連邦月基地へ向かう為、
物資の積み込み作業にクルー達は動いていた。
その中でアークエンジェルのムゥやメカニックのコジロー・マードック軍曹が
アムロのνガンダムやラー・カイラムに興味を示し
アムロに連れられてラー・カイラムのドッグに来ていた。

 

「へぇ~…こりゃ凄い。このフィン・ファンネルっていう兵器は脳波で動くとはねぇ。」
「ああ、ただこれはロンド・ベルの中でも俺だけしか使えない兵器だがな。」
「やっぱり、あっちの技術は先を行ってるなあ。」

 

ムゥがサイコミュ兵器に興味を示しアムロが説明するとマードックは関心した表情だった。

 

「なあレイ大尉、良かったらコックピットの中も見せてくれないか?」
「ああ、構わないさ。
それとその呼び方は慣れないな。アムロと呼んでくれ。マードック曹長もそうしてくれないか?」
「分かった。よろしく、アムロ。俺もムゥでいいぜ。」
「了解です。アムロ大尉。
俺も軍曹なんて呼ばなくていいですよ。堅苦しくてたまんねぇや。」
「ああ、そうさせて貰うよ。」

 

νガンダムのコックピットの中を見て、ムゥとマードックはとにかく驚いていた。
ストライクのナチュラルに合わせた物とは異なる構造。
何よりもGシリーズを上回るエネルギーゲイン。
どれを取っても他の追随を許さない高性能機であった。

 

「はぁ~…これが全天周囲モニターか。
確かフラガ大尉やベアード少尉のMSには搭載されてましたよね?」
「そうだ。ベアードや俺の機体のモニターと比べると格段に向上してるぜ…
ネティクスを使って分かったが空間を上手く掴む事が出来ないと適応は難しい代物だぜこいつは。」

 

アムロがマードックとムゥの話を聞いていて、ムゥの言うことはまさしくその通りだと思っていた。

 

「…つ…っ!!!!」
「…?どうしたムゥ?」
「い、いや…何でもない。さっきの戦闘で頭を打ったから少し頭痛がな。」
「……とりあえず降りよう…。」

 
 
 

「それじゃあフラガ大尉、俺は先にアークエンジェルに戻ってます。
アムロ大尉、いいもん見せて貰いましたよ。」
「礼には及ばないさ。時間があればいつでも見に来てかまわない。」

 

マードックはフラガを残し一足先にアークエンジェルへと戻った。
アムロはムゥの一瞬見せた異変に気付きここに残るよう話していた。

 

「…何だ?話ってのは?」
「…ムゥ…νガンダムの中で何が見えた?」
「…!!」

 

ムゥはアムロの突然の質問に驚いていた。
ムゥは一瞬なぜアムロはこんな事を聞くのか戸惑っていた。

 

「ムゥ、君はネティクスを使える…。時々感が冴えたりしないか?」
「感…ね。それは俺の専売特許みたいなもんだぜ?まさかアムロにまでそれがあるのか?
それじゃホントに形無しだよ。」
「……。」
「分かったよ。見えたよ。
しかも髭のMS、虹色に光るデカい羽根も見えた、あれは…幻覚じゃないな…リアルな光景でそいつの後ろに地球が見えた。」
「やはり…ムゥはニュータイプの素質があるみたいだ。」

 

アムロは直感的にコックピットにいたムゥの反応を見て気付いていた。
ムゥは信じ難い映像が頭に浮かんだ事実が自身がアムロの持つニュータイプと同様の物だと認識した。

 

「ムゥ。ニュータイプは戦争の道具に使われてはいけないんだ。
だが、どうあれ自分の運命を受け入れる精神力や運命を変える意思がなければ
いつか精神が崩壊してしまう可能性がある。
だから何があっても気を強く持って欲しい。」
「…アムロ…そういうヤツを知っているのか?」
「ああ……キラと同じくらいの少年だった。
彼は俺やキラと同じようにいきなりMSに乗る事になってな…
最後は増大するニュータイプの力と思念の波に押し潰された…。
だからキラには戦争に参加させて欲しくないというのもある。」
「そうか……分かったよ。
俺は自分がニュータイプだろうが人間だ。そんな思念の波だろうが打ち消してやるさ。」

 

アムロはムゥの言葉を聞き、少し心配し過ぎていたように感じた。

 

おそらくこの男の強い精神力こそがこれまで劣勢に立たされて来た連合軍で生き抜き、
戦い抜いてこれた照明なのだと感じていた。

 

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