CCA-Seed_125氏_第02話

Last-modified: 2007-11-10 (土) 19:07:12

「はあ、素敵‥‥」
ここはミネルバの格納庫。ルナマリアが目の前にある出来立ての新武装を見上げながらウットリしていた。
そこにあるのは、一言で言うなら鉄球。
しかも至るところにトゲトゲが付いた、ものゴッツイ鉄球であった。
そしてその鉄球を繋ぐこれまたゴツイ鎖とその先端にあるアンカー。
MSにあわせて作られているその武器は間近で見ているその少女と相成って格納庫のどの武器より存在感があり、
一種独特の空間を形成していた。
事実、格納庫にいる誰もがその空間に近寄れないほどの威圧感(違和感?)を発していた。

しかし、その空間に飄々と近づく青年がいた。
「どうだい、ルナマリア。新しい武器の感じは」
「アムロさん!!」
そう、この人物こそ人類初のMS戦その他(MSでの初大気圏突入、MSでの初空中戦、MAとの初戦闘、MSでの水中戦その他諸々)を
行い、挙句の果てにはMSで大質量の隕石を押し返し、遂には別世界にまで来てしまったMSの生き字引ともいえるアムロ・レイその人である。
ルナマリアが嬉々としてアムロに言う。
「すごいです!まさに私にぴったりの武装だわ!!」
「ああそうだな。シミュレーションの結果も上出来だったし、君との相性もいいようだ」
「はい☆ああ、あの黒光りする鋼鉄の塊‥、最高(うっとり)。今思えばなんでわたし、ガナーウィザードなんて使ってたのかしら。
今じゃ全然わかんないわ」
「(ごもっとも)そうだ、ルナマリア。君にはまだ伝えていなかったがあの鉄球はただの鉄の塊じゃないぞ」
「え、そうなんですか?」
「ああ。あの中には数々のビックリドッキリメカが詰まってるのさ」
「ビックリドッキリメカ‥‥、素敵」
最早、ルナマリアの瞳はうるうるしっぱなしでアムロを見ている。その様はまさに恋する乙女状態だ。
その後ろをヴィーノ達整備斑がちょっと恨めしげに見ていた。どうやら徹夜したらしい。

そんななんともいえない空間を横目で見ながらシン・アスカはなんともいえない表情をしていた。
ルナマリアは仲間だし、背中を守らせるぐらい信頼している。自分と同じザフト・レッドなのだから腕の方も確かだ。
しかし‥‥。シンはハイパーハンマー(アムロ命名)に目をやると、はぁっとため息をこぼした。
「‥‥これからはあの人(アムロ)に言われたように後ろにも目をつけるように戦ったほうがいいかもしれない‥」
と思った。しかしこの後シンはこのときの憂慮が生ぬるいような目にあうことになる。
そしてそれがきっかけでシンの覚醒を促すことになろうとは‥想像もしていなかったに違いない。

ヴィーノ「アムロ大尉、この武器の名前ですけどどうします?」
アムロ「普通に、ハイパーハンマーでいいんじゃないか」
ヴィーノ「ハ、ハイパーハンマーですか。どうせならもっとカッコイイ名前を」
アムロ「武器にカッコイイ名前をつけてどうする、だいたいなんだこのヴァジュラ・ビームサーベルって。普通のビームサーベルとどう違うんだ。
    他にもカリドゥスとかスキュラとかケルベロスだのと。普通にビーム砲とかビームキャノンで十分だろ。名前付けた奴のセンスを疑うぞ」
ヴィーノ「い、いや僕に言われても(っていうかルナマリアもなにアムロ大尉の横でうんうん肯いてるんだよ。お前もそのケルベロス使ってたくせに)」
アムロ「とにかく名前はハイパーハンマー、ついでにバズーカもハイパーバズーカで登録してくれ。俺はシンプルなのが好きだ」
ヴィーノ「わ、わかりました(許可下りないと思うけど)」
アムロ「すぐにも実践で使うぞ」
ヴィーノ「え”、無理ですよ!まだテストもしてないしあと二日はかかります!!」
アムロ「駄目だ」
ルナマリア「そうよダメよ」
アムロ「‥‥(デジャブか?)」