CCA-Seed_125氏_第05話

Last-modified: 2007-11-10 (土) 19:08:22

とある洋上・・・
戦艦ミネルバは連合軍の襲撃をうけていた。
その中には当然のごとく強奪された三機のガンダムがいるし、おまけに新型のモビルアーマーまで出てきちゃったりしてるからそれはもう大変なはずだが…
なぜかミネルバのCIWSは沈黙を保ったままだった。というのも…
「でええええい!!」
ごっつい鎖が付いたものごっついハンマーを文字道理ブンブン振り回す赤いザクと、
「そこっ!」
ユニウスセブン破砕のさいに妨害してきたUnknownの機体(ジン・ハイマニューバ2型ね)が敵機を近寄らせないためだった。

~戦いが始まる3時間前~
ヴィーノ「アムロ大尉、この機体使えそうですか?」
アムロ「ああ、操縦系はザクとほぼ一緒だし反応も悪くない。むしろザクより良いと言えるな」
ヴィーノ「すいません。前の機体の修理がまだ済んでいないんです」
アムロ「かまわないよ、ヴィーノ。壊したのは俺だし、この機体でうまくやるさ」
そんな機体を下から見つめながら、シンはルナマリアに話し掛けた。
シン「なあ、ルナ。あの人の機体どうしたんだ?」
ルナ「オーバーヒートだそうよ」
シン「はぁ?」
ルナ「アムロさんの操縦に機体がまるで反応しきれてないんだって。いままでは騙し騙しやってこれたけど昨日の戦いでとうとう・・・ね」
レイ「しかし、色々対策はしたはずだが?メイリンと一緒にOSの書き換えを夜遅くまでやっていたぞ」
ぴくっ
ルナ「そ、そうなの…。でも、それで昨日までの状態だったのよ。機体のおもな関節にガタがきててまるで更年期障害だって整備の人がぼやいてたわ(メイリン・・・あとで話聞かせてもらうわよ)」
レイ「なるほど、それで急遽別の機体が送られてきたというわけか」
上からアムロが降りてきた。
アムロ「ルナマリア、調整はもう済んだか」
ルナ「は、はい!ほぼ終わりました」
シン「ルナ、調整って?」
アムロ「洋上では満足に振れないだろう?そこで彼女用にサブフライト機を調整したんだ。スピードは多少犠牲にするが空中での姿勢制御は抜群になったはずだ。なんせ浮いた状態で振り回すからな」
シン「それって・・・」
アムロ、ルナ「「あれだ(よ)」」
二人が見る方向に目をやると、そこには例のモノが鎮座していた。黒光りする、無骨で、大雑把な、刺々しい、ハンマーが。
シン「げ・・・(完成したのかよ)」
ルナ「ちょっとシン。げっ、てなによ」
シン「あ、いや」
レイ「しかし、大尉。撃ち落とされたりはしないのですか。鎖をサーベルで斬られたりしては…」
レイが誰もが聞きたかった質問を、余りにも遅いタイミング(完成した後で)で口にする。
シン、整備員一同「「「「(今頃それを言うのかよ!!!)」」」」
ルナ「大丈夫よ、それらの対策を踏まえてあの中にはビックリドッキリメカが詰まってるんだから!!」
シン「ビックリドッキリメカぁ?」
アムロ「まあ、それらは戦場で明らかになっていくさ」
シン「いや、出来れば今……」
ルナ「馬鹿ね、シン。それじゃビックリドッキリにならないでしょ」
シン「いや、味方をビックリさせるなよ。つうか前線で戦う俺を考慮に入れてんのかそのメカ」
ルナ「は~~~、わかったわよ。ひとつだけ教えてあげる。感謝しなさい」
レイは脱力したシンの肩にポンと手を置き、ルナを促した。
レイ「・・・それで?」
ルナ「ふふふ、あのね・・・」

シン「フェイズシフトぉ!?」
アムロ「そうだ、ターゲットに当たったインパクトの瞬間もしくは敵機の実弾にさらされた時に自動でフェイズシフトがかかるようにした。鎖も同様だ」
レイ「武器にフェイズシフトを・・・」
レイがなんともいえない顔で呟く。
アムロ「別に間違ってはいないだろう。そもそもMSにフェイズシフト装甲を持たせるほうが間違ってるだろ。昨今のMSは大抵ビーム兵器を持ってるのになぜ実弾防御に機体の稼働時間まで削られなきゃならん?
しかも、なんで当たること前提に常時展開してるんだ。戦場では早々当たるものじゃないんだぞ。だいたい・・・」
なにか思うところがあったのか、アムロはこの世界の疑問を次々とシンにぶつけた。
シン「なんで俺に言うんすか・・・」
そんな二人を尻目にレイはルナに言う。
レイ「ではそのビーム兵器で迎撃された場合はどうするんだ。フェイズシフトではビームは・・・」
ルナ「レイ、アムロさんの話を聞いてなかったの?言ったでしょ、当たる瞬間だけフェイズシフトが展開するって。そもそもあの鉄球は・・ラミネート装甲なのよ!!」
レイ「な、なるほど。しかし、ラミネート装甲は連合の技術でザフトには・・・」
ルナ「相手も盗んだからお互い様よ」
レイ「・・・(説明になってない)」
アムロ「・・・まあ、そういうわけだ。いってみればこの装備は・・・」
シン、レイ「「・・・」」
アムロ「ほぼラミネート装甲」
ルナ「ちょびっとフェイズシフト装甲?」
シン、レイ「「・・・(なぜ疑問系)」」
ルナ「ま、今言えるのはここまでね。あと二つ三つあるけど、なんなら・・・」
シン「いや、いいよ。もうお腹いっぱい(?)だから・・・なんかスゲー疲れた」
ルナ「あら、人が折角教えてあげようっていうのに。いいの?」
シンはそれに手だけ振って答えると踵を返して歩いていった・・・後にこの判断が激しい後悔を彼にもたらすことになるとも知らず・・・・