CCA-Seed_224 ◆pIB8vox7Ug氏_第04話

Last-modified: 2007-11-10 (土) 18:58:02

「…悪意が二つ…感じ…られる…気をつけて行くんだ…」

誰かの声が聞こえる

(いったいなに言っているの?)

フレイ・アルスターは完全に意識を取り戻した、辺りを見回す
視界はカーテンでさえぎられていたが、聞くことは出来る
盗み聞くつもりは無かったが、そこでのやり取りは耳に残った

(何なのこの人達、それに地球連邦って…何よ?)

騒がしかったがそれも収まり、人が立ち去ったのか静かになった
しばらくしてベットから降りカーテンをそっと引き開ける
少し間を隔てた別のベットの上に男がいた、眠っているよう見える

「あら、結構カッコいい人ね」

横たわっていたのは整った顔立ちの赤毛の男だった、童顔だがそれなりの年齢らしい
うなされて額に汗をかいている、取り出したハンカチで汗を押さえると少し眉間の皺が緩んだ

「ど…こ…、ラ……、」

かすかにうわ言を繰り返している
聞き取る為、体を屈めようとした時、ドアが開いて誰か入ってきた

「フレイ!良かった、怪我は大丈夫?!」
「大丈夫よ…たぶん、貴方も無事だったの」

サイだった、親同士が決めた婚約者とはいえこんな状況での再会は心強い

「うん、ゼミの他のみんなも無事だよ」
「ここはいったい何なの?」
「大西洋連邦の軍艦の中だよ、ヘリオポリスは…プラントの攻撃で砕けてしまって…」
「そんな…」
「そこのお前達、何をしている!医務室への立入は許可を取る様にと言ったはずだ!」
「バジルールさ、いえ少尉すみません、許嫁が運び込まれたって聞いたのでいてもたっても…」
「あぁ、済まない、それは心配だったろう」

許婚と言う普段使われない単語に面食らったナタルは素直にわびた
その様子に気の緩んだサイが尋ねる

「あの、この人ってひょっとして、」
「余計な詮索はするな…」

一瞬のうちに雰囲気を冷たくしたナタルはサイの言葉を遮った

「大尉の事は皆にはⅩシリーズのテストパイロットだと言っておけ、つまらん事を触れ回るなよ」

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