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Last-modified: 2010-04-27 (火) 20:49:43
 

失いし世界をもつものたち
第29話「ロンデニオン共和国」(中編)

 
 

 ヘリオポリスに帰還すると、艦隊の損傷状況と予期せぬゲストから、艦隊首脳陣たちは驚きを隠さず詳細を問うてきた。
 詳細を聞いていく中で、首脳部はいよいよ顔色が青くなりかけている者もでた。特に臨時編成した護衛部隊の犠牲には、誰もが彼らの最期に言葉を失った。

 

「ミランダやボズワーズたちは、本当に良くやってくれたな」

 

 ラー・カイラム副長のアーノルド・メラン大佐が、彼らの犠牲に気持ちをはき出す。警備主任の直属の上司に当たる彼にとっても、約20名の犠牲は重いものであった。

 

「ともかく、ご無事で何よりでした」

 

 副官のレーゲン・ハムサット少佐が、心から安堵したように言う。副司令官デュエイン・ハルバートン提督も頷いて続ける。

 

「全くだ。誰かが言わなければならない事だが、君を失っては全てが終わりなのだ。もはや、ロンド・ベル単独だけの話ではなくなっていることを理解しているはずだ。
 いま我々をまとめているのは、司令なのだからね。今後は無茶して欲しくないな」
「ご心配をお掛けして申しありません。提督」

 

 ハルバートン提督の言葉には、まるで教師のような暖かみを感じる。なるほど人望のあるということが頷ける。その辺りは彼が亡命を主張したとき、艦隊の一糸乱れぬ行動からも伺える。
 続けていくつかの問題について応答していると、話が長引きそうであると感じたのか、ピレンヌ艦長が、休むように提案してきた。

 

「ともかく、今日はまずお休み下さい。司令の不在の間に、いくつか今後の問題についてまとめましたから、それも含めて明日にしましょう。
 今日しなければならないことといえば、ラクス・クラインに関しての件だけです。これについてもとりあえず湾外で待機という処置でいいでしょう。あまり港内にいられても困りますからね」
「そうだな」

 

 各々が頷き、その場は解散になる。ラクス・クライン一行は、ピレンヌ艦長の提案がそのまま受け入れられ、とりあえず湾外で待機という事になった。通信で多少の問答はあったが、先方も了承してくれた。
 こうして、とりあえずは帰宅することが出来たのである。白状すると帰りのエレカで眠りこけてしまい、副官とアムロに起こされるまで、全く記憶が飛んでいた。

 

 ※ ※ ※

 

 2人に感謝を告げた後に帰宅すると、マユとシンが迎えてくれた。マユは安堵した表情を見せる。
 ただ、シンは少し怒っているようだ。だが、疲れていたせいもあるが、その理由についてはすぐに思いつかなかった。艦を下り、休めるとわかるとさすがに緊張の糸が切れる。

 

 食事はカレーだった。シンの口数が少なかったので、食卓は私とマユの会話が中心に進んだ。マユによると、よく家族でアウトドアなどして作っていたという。
 確かにおいしい。こういう家族的な生活がえらく懐かしく感じる。思えば本来の作戦は2ヶ月もかからないだろうと思っていた。気がつけば半年近い航海だ。部下には郷愁を抱くものも出てくる頃だろう。
 取り除くことは無理でも、仲間といるという安心感を持たせてやりたいものだ。少なくとも、今それを心からかみしめているのはアムロ・レイと多少ゆがんではいるが、シャア・アズナブルであろう。
 私はマユの深刻な主張である、ここではコミックの新刊を入手するのにどうすればいいんだという、少女らしい悩みを話半分に聞きつつ、穏やかな時間を味わっていた。

 

 食事の後、マユが風呂に向かい、シンは食事の後片付けに入った。家事については、いわゆる当番制にしている。私はテラスでワインを飲んでいると、シンがやってきた。
 機嫌が悪いように見えた理由について聞いてみるか。そう思っていた矢先に彼が大声を上げた。

 

「ブライトさん!!あんたは確か俺たちを責任持って引き取るんじゃなかったのかよ!!」

 

 私が頷きながら、唐突さに目をパチクリさせていると、シンはたたみ掛けてくる。

 

「だったら、死にかけでも簡単にならないでくれ!!マユだって心配していたんだ!!」

 

 私はシンの怒りは正当であると思った。確かに、自分から引き取ると言って一週間も経たずに殉職していたら無責任極まりない話だ。私は素直に謝ることにした。

 

「すまなかった。今後は君たちを残して死ぬような危険は避ける」
「言葉だけなんて信用出来ないね」

 

 私が思ったよりあっさり謝ったことで、多少怒りの治めどころがわからないようだ。
 私から歩み寄ることにしよう。考えてみれば、このくらいの年齢のハサとはあまり会話出来なかったな。器用に出来るわけもないか。

 

「……わかった。私に出来ることを言ってくれ。謝罪の意味も込めて、君の願いを一つ叶えよう」
「だったら、今後はブライトさんが出港するときはついて行く」

 

 しまった。

 

「おい、それは……」

 

 風呂から上がり、最後のやりとりだけ聞いたマユも参加してきた。

 

「お兄ちゃんずるい!! マユも付いていくよ!」
「待て待て、危険すぎる!!」
「ベアード少佐から聞きました!ブライトさんは元の世界じゃ、伝説の艦長なんだろ!」
「マユも聞いたよ!てーとくは19才で戦艦の艦長さんだったんでしょ」
「しかも、その後はほとんどの戦争で戦ったたんですよね?ホワイトベースって船以外は沈められたことがないという事も聞いた」

 

 余計なことを言ってくれるな。後でどうしてくれよう。ベアード少佐へのおしおきを考える前にどう諦めさせるか考える。

 

「戦場にあまり君らのような「ホワイトベースにも、アーガマという船にも俺らより小さい子供が乗っていたとも言ってました!」」

 

 よし、少佐には絶対に何か懲罰してやる。

 

「僕たちは手伝いくらい出来ます!!」

 

 結局のところ、私は他の艦長と相談しない限りは決められない。会議の席で提案すると言う事を約束させられてしまった。
 どうにも思春期初期の子供との付き合い方が上手くできない。ある意味で、ツケを払わせられているのかもしれんな。全く人並みに器用に出来ないものだな、私は。

 

 ※ ※ ※

 

 翌日にヘリオポリス政庁に向かうと、参謀諸君や各艦艦長などが、私の素案を元に国家建設の計画書をまとめてくれていた。
 いわゆるヴェネツィア共和国型の国家機構を採用する形になった。ほとんどこれまで通り、艦長会議が最高意志決定機関と位置付け、司令が元首を兼任する。
 そして全市民に参加資格のある市民集会を陳情や意見を議論する場という事にした。法律は連邦憲章並びに連邦軍法に基づく。
 他の制度に関しても、既存の艦隊にあるものをそのまま使わざるを得ないというところである。あまり複雑な機構にしても仕方ないし、対応出来る人員もいない。

 

 そのような形式を整えた後に、ハルバートン提督からの提案で、私を昇進させるべきであるという事になったそうだ。曰く、今後の軍事行動をする上で、中将以上になっておかなければ、色々と問題が出てくるというのだ。
 提督は当初は私を大将ないし、元帥にしようとしたらしいが、メランやハムサットなど、私をよく知る幹部がまず受け入れないだろうと言う事から、一階級昇格に留めるべきであるという意見で議論が交わされたという。
 結局は間を取って中将に昇格させ、その後に他の人事にしようということで落ち着いたそうだ。

 

 そして、最後に新国家の名称は元13艦隊の強い意向で決まったという。国家の名称と私の階級に関しては全く随分と……。

 

「全く、みんな余計なことに気を回すな」

 

 国家名は、『ロンデニオン共和国』である。これにはヘリオポリスだと崩壊しているから縁起が悪いという意味と、オーブとの関係性を薄めたいという意図、そして我々失いし世界を持つ者たちの郷愁から命名された。
 それらに関しての問題を午前中に討議した後に、午後には補給物資や今後の方針に関して議論することになった。

 

 工場機能に関しては、シロウ・サナダ氏からもう数日ほど様子を見せて欲しいと述べた。少なくとも生産そのものには問題ないようだ。材料等は資源衛星から回収することは可能であるというから、体制を整えさえすればかなりを賄えるとの報告がある。
 もちろん、それだけで全てが賄えるわけではない。特に核融合炉の建造には、炉心材となるルナ・チタニウム及び燃料となるヘリウム3が必要である。先の艦船建造に関してもエンジンを建造しなければならない。そのためには、やはり交易をする必要があるという意見が大勢を占めた。
 もちろん慎重な意見は強かったけれども、既に何機も破損している状況下で物資を得るために交易することは、もはややむを得ないという事になったのである。
 相手国に関しては事前折衝も行い、正式な交渉団が到着する目前という事もあり、拡大ユーラシア連邦(E.E.F.)を想定した議論となった。

 

 売買する商品に関しては、軍需物資が中心になる。第1にアルテミス要塞への補給物資供給を行う。これはダービー伯との事前折衝からも提示されている案件で、その点については特に異論はなかった。

 

 第2に先方が求めるだろう技術に関しては、特許等の手段で技術相応の収入を得るという体裁を取るべきだという意見になった。それというのも、どのみち何を売却するにせよ、商品が解析され盗用されることは確実である。
 そうなるのであれば、確保するものは確保しようという事になった。要は相応にふっかけておくのである。
 また、既にここまでこの世界に関わってしまっている。各国は我々の情報を得ようと躍起になっていることは疑いない。
 その状況ではおそらく完全に機密を保持することは困難であろう。ならば、自らが覚悟を持って技術の提供等を行い、情報を制御すればいい。そういう結論になったのである。

 

 第3に相手がMSに対する関心があり売却を希望してくることも予想される。そこで何を売却する用意があるかについても議論が交わされた。もちろんロンデニオンにおいて生産の主軸となる機体は、ジェガンとリゼルである。
 当然ながら売却する機体をそれにするわけにはいかない。実験もかねてジム系統、現在有力なのはジムⅡであるが、それを製造し、売却すればいいという事で一致した。エンジンに核融合炉かバッテリーを用いるかどうかは、大きな争点となりすぐに結論が出なかった。
 ともあれ製造過程で議論すればいいことになった。事実上の先送りであるが、即断すればいい類のものでもあるまい。兵装についてもメガ粒子砲とこの世界のビーム技術に差違があることが明らかになっている。
 よってジムを作るにせよ武装をどうすべきか。その辺りも結論が出なかったので、議論を継続することになった。いずれにせよ、人員の問題や生産ラインの問題など、まだまだ検討すべき課題は多い。

 

 また、サイコミュ兵器に関しても製造を試みる事が決定した。
 ペーネロペーの整備を担当していたキルケー部隊所属の技術スタッフと、バンシィのために臨時に招集された元UC計画関係者のスタッフが中心になって行い、ファンネルミサイルとフィンファンネルの生産を目指す。
 我々の帰還にも関わるのではないかという想定されるサイコフレームに関しては、サイコミュの製造に成功した次のステップであるとされた。

 

 また艦船の建造に関しても、議論が交わされた。サラミス級の建造はだけでなく、補給艦建造についても決まった。こちらはこの世界のコーネリアス級に重武装を施すという事に決まる。言うなれば準アークエンジェル級というべきか。
 補給艦といっても、艦船の絶対数が少ない以上は、それなりに自衛能力は付与すべしという意見からである。また、元々は戦闘艦所属だった人員に対する配慮という側面もある。

 

 また、オーブ連合首長国に対しての協約である『段階的な技術供与』は、オーブの情勢安定までは行わないこと。さらには拡大ユーラシアとの関係を踏まえながら、開示のタイミングは慎重を期すということで一致した。
 さらには、クワトロ大尉がかつて口にしたように、コロニーを実効支配した以上は、場合によっては反故にする事も想定すべきであるという意見も出た。ただ、その辺りは協約を反故にする際に生じるデメリットを十分に検討する必要がある。
 カガリ・ユラ・アスハやユウナ・ロマら亡命オーブ政府の出方次第でもあるので、あらゆる対応を想定するという形でまとまった。ちなみに、現在ユウナ・ロマはオーブの宇宙施設であるアメノミハシラへと向かっているそうだ。

 

 以上に関する議論をおよそ一日中に渡り繰り広げたのである。既にこの段階で私も含めて幹部は大きな徒労感を持っていたが、次にラクス・クライン一党の扱いに関する議論となった。
 彼女らに関しては、情報面での意見交流と食糧支援は行うが、他に何か、例えば軍事的なものを含めるような、具体的な支援をする必要は無いという結論に至った。
 雑駁に言えば自分たちの生存に手一杯である状況で、他国の国内事情を無理して引っかき回す事もない。そのような形でまとめ、一日中に渡った会議を終えたのである。

 

 ちなみに、アスカ兄妹の扱いは私に一任ということになった。いよいよ逃げ道がないようだ。会議の終了後に、アムロに声を掛けられた。
 どうも目に見えてくたびれている私のことを気遣っているようだ。互いに人目につくので、政庁の屋上に向かい、そこで話すことにした。
 クラシカルな石畳と花壇に囲まれたベンチに、紙コップ片手に座る。

 

「……随分とこの世界に関わってしまったな。いや、大所帯になったと言うべきかな」
「今更ではあるがな。いつだったかコープランド議員やアスハ代表の言葉じゃないが、我々に過剰な期待をかける連中が多いことこの上ない。迷惑なもんだ」
「ブライト、どうするんだ?これから」

 

 コロニー内に人工的な風が吹き、花壇の花が揺らぐ。

 

「会議で話したとおりだよ。我々が纏まって生きていくためには、自ら共同体を運営していくしかない。だが……」
「だが?」

 

 私は愚痴めいた、いや内心の不安を吐露する。

 

「こうもこの世界に関わりを深めるとな。たまに思うときがある。帰れないかも、とな」
「ブライト……」
「それに、この世界への転移が人の意志が起こした行為だとしたら、俺は帰りたいのだろうかと思うときもある。
 もちろん家族には会いたい。だが、ミライに会えばハサのことを話さなきゃならん。俺が、こう、逃げたいと思う感情がある限りは、帰ることが出来ないのかもしれん」

 

 アムロはしばらく黙っていたが、ため息混じりに話し出す。

 

「……俺もさ、ショックがないかと言えば嘘になるさ。俺の時間軸では数ヶ月しか過ぎていないのに、みんなは10年後の世界からやってきている。どういうんだ?これはってさ」
「アムロ……」
「俺はどの時代に帰るべき何だ?ブライト、10年前に行方不明になった人間がそのままの姿で帰還なんて気味が悪い話さ。そりゃ、ベルには会いたい。彼女だって受け入れてくれると思うさ。けど……」

 

 互いにくたびれている自覚があるから、愚痴りあっているのかもしれない。

 

「すまない、アムロ」
「ブライト、おまえが弱気じゃ、みんなが不安に思う。ジャパニーズ・オトッチャンはカラ元気があってこそだ」
「ああ、わかっている。おまえだけだよ、こういった言い方をするのは。いや、そもそも俺のことをジャパニーズ・オトッチャンなんて言う奴は、おまえとカイくらいだ」
「そうなのか?」
「そうさ」

 

 互いに苦笑しコップに残るお茶を飲み干す。その後は宇宙にいながら月の見えない夜景を、2人でしばらく眺めていた。

 

 ※ ※ ※

 

 2日ほど逗留した後に、ラクス嬢率いる艦隊はコロニー群に向かうことになった。そこでプラント政府に対抗していくそうだ。ちなみに現在プラント国内では、大騒動になっていて国論が2分する騒ぎになっているそうだ。さもあろう。
 それに関して、正直に言えばざまあみろだ。お家騒動に巻き込まれた方にしてみればたまったものではない。 そういった感情は脇に置いたとしても、会議でも話し合ったように、我々が取るべきアクションなど、そうはないことも確かである。
 彼らは暗に我々に協力を求めていたが、素知らぬ顔を決め込んだ。巻き込まれるつもりはない。
 ちなみにキラ・ヤマトはラクス嬢との行動を共にしなかった。彼女の事は心配であるが、アークエンジェルや我々との仲間意識に強いものを抱き始めているからだそうだ。率直に言って嬉しいものを感じる。彼らとのチャンネルを断絶しなかったことも、彼の残留を促した理由のひとつだろう。
 それとニコル・アマルフィも同様に残留した。色々と思うところがあるらしい。余談ではあるが、この一件はとある看護兵とそのファンクラブに大きな波紋を投げかける事になる。

 

 ラクス一行がヘリオポリス改めロンデニオンを去って3日後に、拡大ユーラシアから交渉団が到着した。タラップには、アズラエル氏だけでなく驚くべき人物が現れた。拡大ユーラシアの新首相となったランズダウン侯爵が姿を見せたのである。
 彼は理事同様に、無重力を利用してふわりと浮かんでこちらに来る。驚いたのは我々だけでなく、ダービー伯も目を見開き、彼に近寄る。

 

「His grace!!どうしてここへ!!」
「状況が大きく変わった。トップダウンで交渉すべき事柄があるのでな」

 

 私の前に立つと、ブラウンのホンブルグ・ハットを右手で外し、左手に持ち替え胸に当て、私に握手を求める。

 

「実際にお会い出来ることをうれしく思います。ブライト・ノア司令」
「閣下自ら足を運ぶとは、正直に申し上げて驚きました。事前に申し出ていただければ、艦艇で出迎えも行いました」
「いや、記者会見までは極秘でありたいと思ってね。それに重ねて言うが、トップ同士の会談が必要な状況だ」

 

 行動力のある人だ。連合外相として連合政府の複雑な利害関係を調整していただけのことはある。さらにアズラエル氏が、にこやかに握手を求めてきた。

 

「こうしてお会い出来ることを一日千秋の思いで待っていました。提督とはより深い議論をしたい。アムロ中佐もお元気そうで何よりです」
「ご壮健で何よりです」
「ご無沙汰しています、理事」
「実りある会合にしたいと思いますよ。互いにとってね」

 

 彼らの後ろに、もうひとり顔を知った人物が現れた。元ユーラシア連邦軍のアンリ・ブリアン中佐である。

 

「拡大ユーラシア連邦軍軍令部総長付次席副官アンリ・ブリアン大佐です。しばらくです、ブライト司令」
「元気そうで何よりです、また昇進おめでとうございます。大佐」
「ありがとうございます。私は前線勤務の方がいいのですが、軍中枢から、あなたがたと少しの間でも行動を共にした人材を求められましてね。
 今回の交渉でも、見知った人物を派遣した方がいいだろうという軍令本部総長たるウェリントン元帥のご配慮です」

 

 なかなか練られた人選だな。こうして我々は、拡大ユーラシア連邦との正式な交渉を持ったのである。

 
 

 ――後編へ続く――

 
 

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