LOWE IF_vKFms9BQYk_第03話

Last-modified: 2007-11-11 (日) 21:29:30

第3話

 コーディネータが住む宇宙の砂時計のような建造物プラント。その底部に存在する海に浮かぶ島々に一つでアスラン・ザラは車を走らしていた。アスランが運転している車は住宅街を抜け、クライン家が保有する邸宅の門の前で停まった。門に取り付けられているカメラの前で、アスランは身分証をかざした。数分たつと門が開き始めた。
「毎度毎度面倒な事だな……」
 アスランは小声で呟くと車を進ませた。車を離れにある駐車場に止めると、アスランは邸宅に向かって歩き出した。アスランはこれから出会うラクスの事を考えていると、誰かにぶつかった。その人物が持っていた紙の束が地面にばら撒かれた。
「すいません」
 アスランは地面に落ちた紙の束を拾いその人物に渡した。
「アスラン君」
 アスランはその声に聞き覚えがあった。ラクス・クラインに父親シーゲル・クラインその人だった。
「拾ってくれてありがとう。ラクスに会いにきたのだろう?」
 シーゲルの言葉にアスランは、はいと答えた。
「私は今から出かけるから、ラクスの事は頼んだぞ」
 シーゲルはアスランの肩を何度か叩くとその場を後にした。
 アスランは使用人に邸宅の中に通されると、ラクスがくるまで、先程手に取った紙に書かれていた内容の一部を思い出していた。
「クルーゼ隊長、キラ、後はムウ・ラ・フラガ、アル・ダ・フラガ。なんであんな紙に名前が!?」
 アスランは思考の海に浸かっていると、ラクスの声がした。
「いらっしゃい……来てくださって嬉しいですわ」
 階段から降りてくるラクスと一緒に沢山のハロがついてきていた。
(キラにあげたハロどうしているかな……)
 アスランは昔の事を思い出していると、ラクスの接近に気がつかなかった。
 アスランはラクスに何度か呼び出されやっと気がついた。
「アスラン……あなたは一体何しに来たのですか?」
「あなたに会いにきたんですけど」
「そうですか……それならいいんですけど……」
 ラクスはアスランに笑顔を向けた。その笑顔にアスランは顔を引きつらせた。アスランはその笑顔がトラウマになっていた。最初にその笑顔を見たアスランは後日、ラクスの暗黒面を見たと母親にいった。すると母親はアスランの言葉を笑顔で一蹴した。
「アスラン、大丈夫ですか!?顔色がすぐれないようですが……」
「大丈夫です」

 アスランは昔の思い出を今は忘れる事にした。
 二人は長い廊下を抜け、庭に出た。
「……戦争がどんどん大きななっているかもしれません」
 ラクスは悲しげだった。
「そうなのかもしれません……実際」
 アスランは悲しげに呟いた。
「キラ様は今頃どうしているのでしょうか?」
 ラクスの口から出た友の名前に、アスランの体が震えた。
「地球にいると思います」
 アスランの声は震えていた。
「小さい頃お友達だったのでしょう?」
「ラクス、どうしてそれを?」
 アスランの言葉にラクスは笑顔になった。
「やはり、そうだっだのですね。アスラン今のあなたの言葉で確信しました」
 ラクスはアスランとキラの関係を把握していなかった。アスランの言動で全てを理解した。
「キラから聞いたのではないのですか?」
 アスランの言葉にラクスは首を横に振った。
「あのお方は、あなたの事を何も仰りませんでしたわ。必要最低限の接触しかしてきませんでした。私はもっと話したかったのですが……」
 ラクスの少し悲しそうな顔をした。ラクスはさらに続けた。
「お友達だと思ったのは、キラ様が私をアスランの所に返した時ですわ。あの時のアスランの言葉、誰が聞いたってお二人はお友達だと思いますわ」
 アスランはラクスの言葉に頷いた。キラとした会話は誰が聞いたって友達との会話なのだから。

 イージスとストライクが宇宙で対峙した。
「アスラン・ザラだな!?」
「そうだ」
 通信ごしにアスランの硬い声がキラの耳の聞こえた。
「ハッチを開け」
 アスランはキラの言われたままにした。キラもストライクのコックピットを開けた。中にはパイロットスーツを着たラクスとキラが乗っていた。イージスにはアスランが乗っているようだ。
 キラはイージスのコックピットに向けて、ラクスを押した。ラクスは巧い具合にイージスのコックピットに降り立った。

「キラ、お前なにをしている」
 アスランは、キラがした先程の行動に怒っているようだ。
「何って、彼女の背中を押しただけだが……たとえ違う所に飛んでいっても、アスランが助けるだろう」
 キラの言葉にアスランの胃がキリキリしてきた感じがした。キラを見ると、笑っているのか?、いや絶対に笑っているとアスランは感じた。アスランはそのままイージスのビームライフルでストライクを打ち抜こうという考えを払いのけ、キラに向かって叫んだ。
「キラ、お前も一緒に来い!お前が地球軍にいる理由がどこにある!?来い、キラ!」
 しかしキラはアスランに冷たい言葉を放った。
「僕だって君とは戦いたくない。でもあの艦には守りたい人、守りたい友達がいるんだ!」
 アスランはキラのその言葉に心が打ち砕かれた。
「なら仕方が無い……」
 アスランの顔が歪んだ。
「次に戦うときは俺がお前を打つ」
 そして叫んだ。
「優しい、優しいアスランがそんな事できるのか?」
 キラはアスランを挑発するかのような言葉を吐いた。
「たとえお前でも容赦はしない」
「アスラン、それを聞いて安心したよ」
 キラの口調が先程とは違い優しくなっていた。
「キラ、お前はどうなんだ?」
 アスランの言葉にキラは何も答えず、ストライクのハッチを閉めその場から離れた。
「どうして何も答えないんだ。どうして……」
 アスランの体は震えていた。
「アスラン」
 ラクスは、震えているアスランに気付き手を握った。アスランもラクスの手を握り返した。
 アスランもイージスのハッチを閉め、その場を離れた。

「僕はどうするかだって?アスランそんなの決まっているじゃないか……僕は君を殺さない。
卑怯かと思うかもしれないけど僕は誰も殺したくないんだよ。偽善だと分っていても……
この後、誰かを殺す事になっても、僕はその事を忘れない。忘れたくない。その分だけでも生きていこうと思う。」
 キラはストライクのコックピットの中で小さく呟いた。

「アスラン、私……あの方、好きですわ……」
 アスランは記憶の海に潜っているその時に、ラクスの唐突な言葉に驚いた。
「ラクス、あの方ってキラのことですか」
 ラクスは頷いた。アスランのラクスの顔を見て、嘘はついてないと感じた。
 ラクスはとてもに幸せそうな顔をしていたからだ。
 その後、ラクスとアスランはぎこちないが会話をした。
 アスランが邸宅から去る時間になるとラクスは残念そうに引き留めた。
「時間があればまた会いに行きますよ」
「本当に?」
 アスランの言葉を聞くと途端にラクスは笑顔になった。
「それではおやすみなさい」
 アスランはラクスの頬に軽くキスを邸宅を後にした。

 キラはくしゃみと同時に目を覚ました。両隣にはキラの両親が座っている。キラの体には毛布がかかっていた。 
「あなたの友達が噂をしているのかしら?」
「母さん、女の子かもしれんな……家に来ていた女の子がいただろう……」
「ミリ……」
 息子のくしゃみだけで盛り上がっている両親の言葉を聞かないようにする為、キラはもう一度毛布の中に潜り、眠りに入った。

 ミリアリアのくしゃみがアークエンジェルのブリッジに響いた。
 心配そうにアークエンジェルの艦長、マリュー・ラミアスがミリアリアを見た。
「誰かが噂をしているんでしょうか?」
 ミリアリアは笑いながら言った。その笑顔につられてマリューも表情も柔らかくなった。
 その時爆音が響いた。
「艦内に通達!本艦は今から戦闘状態に入ります。各員は持ち場につくように」
 ナタルの声がブリッジを支配する。ミリアリアはナタルの言葉を艦全体に伝えた。

 格納庫にいるキラはストライクに乗り込んだ。コックピットに乗り込んだキラは自然と心が落ち着くのを感じた。まるで自分の居場所が戦場のだと体が叫んでいるようだ。戦場に入れば全てを忘れられた。キラは砂漠で目を覚ます前までの記憶が殆どない。トールやカズイにヘリオポリスの事を聞かれても何も答えられなかった。その時の嫌な思いは、戦場が全てを洗い流してくれた。
 狂戦士……キラはその言葉に何かしらの昂揚感を覚えた。
「キラ・ヤマト……ストライク発進します」
 キラは心地よいGを体に受けながら戦場の舞台砂漠へと向かった。

 電気がほとんどついていない部屋のイスに白い研究員が着る衣服を羽織った男が座っていた。部屋には、大人一人がそのまま入る大きさのカプセルが無数に置いてあった。その部屋には数々の端末が置いてある。端末には、ストライクとデュエル、バスターが砂漠を舞台に戦っている光景が映し出されていた。別の端末には、どこかのコックピットが映り、常にコックピットの一点を映さず、絶え間なく移動している。端末の中には、人のバイタルデータ等や音声の録音までしている端末が存在しているようだ。そんな異様な部屋に男が入ってきた。その男はシーゲル・クラインだった。
「問題とは何だね」
 シーゲルはイスに座っている男に聞いた。
「先日のクローン人間についてなんですが……」
「寿命が短いとでも言いたいのか?」
 シーゲルが男に詰め寄った。
「いえ、肉体については全く問題がありません。ただ精神面に異常が……」
「精神に異常!?具体的にどんな事が?」
 男はバツの悪そうな顔をした。
「狂戦士ってご存知ですか?」
 男の言葉にシーゲルは頷いた。
「あの試験体は、戦闘状態に陥ると、性格が変わるんですよ。1体複数ならまだましですけど、仲間と一緒に組むのは無理ですね」
「なぜ今になってわかったんだ!?」
 シーゲルが男に聞いた。
「つい先程、試験体同士でチームを組んで戦わせたんですよ……すると互いの足を引っ張り使い物にならなかったんですよ」
 男はその光景を端末越しシーゲルに見せた。
「わかった。もういい……」
 シーゲルは端末から目をそらした。
「それで、その欠点は治せるのか?」
「その事ならもう作業にかかっています。初期の遺伝子設定の時が原因ですね」
「わかった。その事は君に任せる。信用しているからな……」
 シーゲルの言葉に男は頷いた。シーゲルが部屋から出ようとすると男に呼び止められた。
「私たち、死んだらきっと地獄行きですね……」
「例えそうだとしても、私はこんな戦争を早く終わらせたいのだよ。だから私は最高の素材を手に入れた、これで最強の兵器を作り、無駄な戦争を終わらそうと思ったのだよ。例え地獄に落ちようとも、私の思いはかわらない。だから君も頑張ってくれたまえ」
 シーゲルは男にそう言うと部屋から出て行った。
「頑張れか……君は私たちを恨むだろうな……」
 男は部屋にあるカプセルを見つめた。そのカプセルの中には、少年が入っていた。
 何かの液体に満たされ、カプセルの中で眠るように浮いていた。
「キラ・ヤマト……キラ・ヒビキというべきなのか。最高の素材から最高の物を作るか……」
 男はイスから立つと、ドアに向かって足を進めた。
「コーディネータを超えたコーディネータか……人間として最低の行為だな」
 そう言うと男は部屋から出て行った。

 砂漠に降り立ったバスター、デュエルがアークエンジェルから出てきたストライクを迎えうった。
「ディアッカ、俺が先に仕掛ける!お前は俺の後ろで待機していろ!いつでもライフルを撃てる様にしていろ!」
「わかった」
 デュエルがビームサーベルを構えストライクに向かって、スロットルを開放した。

 アークエンジェルから出撃したストライクは、横に付いているスカイグラスパーに通信を入れた。
「少佐は先に敵の母艦を叩きに行ってください!」
「キラ、お前一人で大丈夫なのか?」
「大丈夫です」
「死ぬなよ」
 ムゥは通信を切ると、敵母艦に向かってスカイグラスパーを加速させた。
「さあ、楽しましてもらおう!」
 キラもこちらに向かってきているデュエルと戦うため、操縦桿を倒した。
 デュエルがビームサーベルをストライクに降ろした。
「遅い!」
 キラはストライクを素早く動かし、ビームサーベルを避けた。避け様にデュエルを空へと蹴り上げた。動きが止まっているデュエルにビームライフルを構えようとした時、蹴り上げる前にデュエルがいた先に待機していたバスターがキラの目に入った。バスターのライフルがストライクに照準を付けている様だ。バスターのライフルからビームが放たれた。「おもしろい」
 キラはストライクを空中分解するかと思われる程に加速し、ビームをかわすとバスターに突っ込んできた。

「あのパイロットは化け物か!?」
 バスターのコックピットでディアッカは叫んだ。先程したストライクの行動は、コーディネータでも耐えられないと思われるGが体に重く圧し掛かっている筈だ。ディアッカは驚いた。ストライクはこちらに向かって突っ込んできた。ディアッカは殺されると感じた。
 バスターに向かってきているストライクはあらぬ方向に吹っ飛んだ。
イザークのデュエルは空中で向きを変え、ストライクを蹴り飛ばしたのだ。
「ディアッカ、その場所から離れろ。そこにいると撃たれるぞ!」
 通信越しに聞こえるイザークの言葉に従い、ディアッカはバスターを後方に下げた。その横にイザークのデュエルが着陸した。その二機の脇を数機のバクゥが通り過ぎた。
「今度は俺達がいかせてもらうぜ!」
 バクゥがストライクに向かっていった。

 キラはストライクのコックピットの中で、蹴り飛ばされた時の衝撃に耐えていた。
 ストライクのモニターに数機のバクゥが映った。
 バクゥの動きは先程戦ったバスター、デュエルより素早く連携が取れていた。
 その動きを見たキラの表情が変化した。その表情は歓喜に満ちていた。
 ストライクはビームサーベルを抜くと、素早くバクゥの一機に接近し、サーベルを突き刺した。と同時に突き刺したバクゥを地面に押し倒した。押し倒されたバクゥがは爆破し砂塵が宙を待った。その砂塵でバクゥがストライクを一瞬、見失った。
「二匹目!」
 ストライクのコックピットでキラが叫んだ。モニターにはサーベルが突き刺さっているバクゥが映っていた。そのバクゥを掴むと、ストライクは別のバクゥに向かって放り投げた。
 そしてストライクをビームライフルで、放り投げたバクゥを打ち抜いた。打ち抜かれたバクゥは爆発し、近くにいるバクゥのカメラの視界を遮った。バクゥの視界が戻ると目の前にストライクがいた。ストライクはそのままビームサーベルをバクゥに向かって振り下ろした。

「あの子の腕……中々の物ね」
「君もそう思うかい?アイシャ」
 アイシャと呼ばれた女性の横には、砂漠の虎アンドリュー・バルトフェルドが立っていた。
 二人はレセップスのブリッジで、戦闘を眺めたいた。
「あのパイロットは、プラントに取って脅威になる。こちらに戻る意思が無いのなら、潰せるときに潰す」
 バルトフェルドはプラントのために、同族を殺す決意をした。
「つらいわね」
 アイシャが心配そうにバルトフェルドを見つめた。
「そうだな。だがあの少年は危険すぎる」
 バルドフェルドが見つめる先には、ストライクが圧倒的な力で、最後のバクゥを破壊している光景が見えた。バルトフェルドはギリシャ神話の狂戦士の事を思い出していた。
「ダコスタ君……ラゴゥの準備は?」
 バルトフェルドに呼ばれた青年は「いつでも発進できます」と答えた。
 その言葉を聞くと、バルトフェルドとアイシャは格納庫に向かった。
 二人はラゴゥに乗り込むと、射出カタパルトまで移動した。
「ラゴゥ、出撃する」
 バルトフェルドの声とともにラゴゥがレセップスを後にした。

イザークのデュエルはストライクに追い詰められていた。デュエルの攻撃は全て避けられ、ストライクのビームサーベルでデュエルの片腕を切断された。そしてストライクは空いた腕に持っていたアーマーシュナイダーをデュエルのコックピットに振り下ろした。
 その時イザークの中で何かが弾けた。全ての感覚が研ぎ澄まされていく感覚の陥った。先程とはうって変わりストライクの攻撃を避け始めた。
「ディアッカ、撤退するぞ!」
 ディアッカはイザークの口から出た言葉に驚いた。
「そうだな……ここで死んだら意味が無いからな。それに此方には殆ど戦力がないからな」
「君たちは撤退したまえ」
 通信越しにバルトフェルドの声が聞こえた。
「隊長はどうするんですか?」
 イザークはバルトフェルドに聞いた。
「君たちが逃げ切るまで、あれの足止めをしといくさ。私達は必ず戻る。早く行きたまえ」
 イザーク達は、その言葉を信じ戦場を後にした。
 ストライクがその場から離脱しようとしているデュエル達に、ビームライフルの照準を合わせた。バルトフェルドが操るラゴゥの四足動物で言う口の辺りに装備しているビームサーベルで、ストライクのビームライフルを持っている腕ごと切り落とした。
「アンディ、気を抜かないで!」
 ラゴゥに一緒に乗っているアイシャの言葉に、バルトフェルドは気を引き締めた。
「ああ、わかっているさ」
 バルトフェルドは目の前に倒れこんでいる、ストライクに向かって飛び掛り、前足で頭部を薙ぎ払おうとした。ストライクはその事に気づき、持っていた盾で頭部をカバーした。盾では完全に防ぎきれず、頭部のアンテナが折れた。

「バルトフェルトさんあなたは最高だ!」
 ストライクのコックピットでキラは笑っていた。キラの現在の力を限界まで酷使しても、目の前のパイロットには勝てなかった。
「僕の心を満たしてくれる」
 キラの表情はどこか狂気に満ちていた。
 通信越しのバルトフェルドの声がストライクのコックピットに響いた。
「少年!もう勝負はついた。自分の艦に戻りたまえ。この戦いはもう無駄でしかない」
 その時、バルトフェルドはストライクの後方にアークエンジェルの姿が捕らえた。
 キラはストライクで辺りを見回すと、バルトフェルドのラゴゥとストライクしかいなかった。

「今からでも、ザフトに入らないかい?これは君の取って最後のチャンスだ。もしここで君がプラントに戻れば、あの戦艦のクルーは僕の力でなんとかしよう。捕虜として捕まっても最低限の保障はしようじゃないか……」
 バルトフェルドは、目の前にいるMSそして戦艦に恐怖していた。だから、なんとしてもバルトフェルドは排除したかったのだ。例え、自分がいった言葉が嘘だろうとも……
 バルトフェルドの言葉にキラは笑った。
「そんな世迷言を本気で信じると思いますか!?それにあなたは言った。互いに敵である限り、どちらかが滅びるまで戦いが終わらないと……」
 キラは先日バルトフェルドが言った言葉をそのまま言い返した。
「もうやめるんだ、少年!勝負はもうついた。君はその命を無駄にする気か?」
 キラはバルトフェルドの言葉を聞いてもストライクを止めようとはしなかった。
「アンディ……覚悟を決めないと……」
「ザフトに入れば優秀なパイロットになったのに、まったく惜しい人物だ」
 アイシャの言葉にバルトフェルドはストライクを倒す事を決意した。
 ラゴゥは、ストライクに向かって加速した。

 イザークとディアッカはレセップスから二機の戦いを見ていた。
「イザーク……」
「どうしたディアッカ?」
「デュエルは今、動かせるか?」
 イザークはディアッカがなぜ今、デュエルの状態を聞いてくるのか意味が分からなかった。
「ディアッカ、お前何を言っているんだ?」
「今から、あの敵艦に俺達で攻撃を掛ける」
 イザークはその言葉を聞くと、ディアッカの胸倉を掴みかかった。
「いまここから、俺たちが離れたら相手の攻撃で沈むぞ!」
「ああ、そんな事は分かっているさ。今がチャンスだと思わないか?」
「おまえ、この艦を捨て駒にする気か?」
 ディアッカは何も答えなかった。イザークは手を振り解いた。
「お前の作戦にのってやる」
 イザークはデュエルの乗り込んだ。
「イザーク・ジュール、デュエル出る!」
 その後に続き、ディアッカのバスターも出撃した。
 ディアッカが簡単にこの作戦を説明した。
「イザークには、敵艦の攻撃をどうにかして引き付けてもらう。引き付けている隙を狙い、俺が沈める」

「片腕しかいないデュエルでどうしろって言うんだ!」
「どうにかなるだろう。イザークを信じているからな」
 イザークはディアッカを一睨みするとモニターを切り、目の前に見えてきたアークエンジェルに向かって突撃をした。

「隊長!」
 ラゴゥでストライクと戦っているバルトフェルドに、ダコスタから通信が入った。
 その内容を聞くとバルトフェルドは笑みをこぼした。
「流石はザフトレッドという事か!」
「そうね」
 バルトフェルドの言葉にアイシャは頷いた。そしてバルトフェルドはストライクへの攻撃の手数を増やした。ストライクは、ラゴゥの攻撃でPS装甲がダウンした。

「MSが一機こちらに向かってきています」
 ミリアリアの声がブリッジに響いた。
「単機で接近ですって!?」
 ミリアリアの言葉を聞いたマリューが驚いた。
「艦長……命令を……」
 ナタルがマリューに支持を仰いだ。
「各火器をそのMSに集中させて!」
 マリューの命令にナタル達は従った。

 イザークはデュエルを巧みに動かし、アークエンジェルの攻撃を避けていた。いや避けるしかできなかった。今避けている位置か前に出ようとすると、自分から死ににいくような状況だった。今のイザークは、全ての感覚が研ぎ澄まされてようで、アークエンジェルの攻撃を避けるだけなら、万全の状態でもないデュエルでも動作に無い作業だった。イザークは囮なのだから、ディアッカを信じ囮に徹すればいいのだ。イザークに向かって飛んでくるミサイルをビームライフルで打ち抜き、打ち抜けなかったミサイルを後方に下がり避けていた。
「ディアッカ、早くしろ!これ以上はもたない!」
 イザークはコックピットの中で、ミサイルが爆発した衝撃に耐えながら叫んだ。
 爆発の炎に包まれているデュエルは、次々とこちらに向かってくるミサイルを捕らえた。
 デュエルが先程のミサイルで、手に持っていたビームライフルが破壊されてしまった。

「艦長、デュエルあの位置から此方に攻撃する気配がありません」
 CICの管制官ジャッキー・トノムラがマリューに報告した。
「なぜ!?せめて来ないの?」
 マリューの疑問に誰も答えなかった。
「ストライクは戻ってこないのか?」
「いまだ敵MSと交戦中です。先程から通信をしているのですが全く反応しません」
 ナタルの問いにミリアリアが答えた。
「艦長、格納庫にいるムウ少佐がスカイグラスパーで出撃しようとしています。艦長どうします?」
「そのまま出撃させて!」
 トノムラの言葉にマリューが叫んだ。
「出撃させないほうがいいと思います」
 ナタルがマリューの命令に否定の言葉を吐いた。
「どうして!?今この艦は今危険な状態なのよ」
 ナタルは何も分かっていないマリューに驚いた。
「艦長、あのまま出撃したら死にますよ」
 ナタルの言葉にマリューは驚いた。あちらは一機、そしてあの場から動けない。しかもスカイグラスパーに乗っていのは、あのムウ・ラ・フラガ……それでどうやったら落とされるのだろうか……とマリューは思っていた。

 ストライクは後方での攻撃を我関せずで、目の前の戦いに集中していた。
「自分の帰る場所を守らなくていいのかい?」
「あなたを倒してから行きますよ」
 キラはこの戦いが終わるまで、アークエンジェルの戻るつもりはないようだ。
「中々の自信だな。片腕が無い状態で、このラゴゥを倒そうとするとは……」
 ラゴゥはジグザグに移動しながら、ストライクに近づいてきた。
「僕の目の前で仲間が死ぬのはもう御免だ!」
 キラの中で何かが弾けた。全ての感覚が研ぎ澄まされた。
「アハハハ……ククク、クハハハハ」
 ストライクのコックピットの中でキラの笑い声が木霊した。

 ラゴゥはジグザグで接近し、ストライクの脇辺りを通過した瞬間、ビームサーベルを展開した。
「終わりよ」

 アイシャが冷たく呟いた。確実に、ストライクを真っ二つにできる攻撃だと二人は確信していた。だが次の瞬間、バルトフェルド、アイシャは驚きに変わった。
 ストライクは、スラスターを吹かし、スロットルを開放し、ラゴゥを超える反応速度でラゴゥの攻撃を避けた。
 そしてストライクは持っていたアーマーシュナイダーを、ラゴゥの頭部カメラに突き刺した。一旦引き抜くと、突き刺した場所をキラは殴りつけた。
 ラゴゥのコックピットの中で、二人は衝撃に耐えていた。
「アイシャ、こんな所までつき合わせてすまないな」
「アンディ……わたしは、あなたのためにここにいるのよ」
「僕は君をアイシ……」
 ラゴゥと、そしてそのパイロット二人が砂の大地で命を散らせて行った。

 デュエルにミサイルが当たる……とこれで終わりだアークエンジェルのブリッジにいる誰もが思った。だがミサイルが一条の光によって薙ぎ払われた。
「艦長……MSの反応が……増えました」
 ミリアリアのこの言葉でマリューは自分の戦場において自分の弱さに痛感した。
「このまま出れば、的になりましたね」
 ナタルがマリューに言った。
「出撃の中止を」
 マリューは自分を変えるかのように、ムウに命令した。

 バスターは、デュエルにあたりそうなミサイルに向かってビームを放った。
 ミサイルはデュエルに当たり前に爆発した。
「ディアッカ何をしている!俺にかまっている暇があったら、なぜやらなかった」
 イザークの言葉が耳に響いた。
「イザークが助けられる範囲にいたからさ」
 ディアッカは笑っていた。
 すぐさまディアッカはバスターのライフルをアークエンジェルのブリッジに照準をつけた。
 そして撃とうとした瞬間、イザークの声がコックピットに響いた。
「ディアッカ、その場から離れるんだ!」
 イザークの言葉にディアッカは反応し、その場から飛んだ。先程までいた場所にストライクのアーマーシュナイダーが通過した。ストライクはバスターに向かって、アーマーシュナイダーを投擲したようだ。
「隊長がやられたのか……」
 アークエンジェルに向かってくるストライクを見ると二人はバルトフェルドに何が起こったのか理解した。
「ディアッカ、作戦は失敗だ。撤退するぞ!」
 ディアッカはイザークの言葉に従いその場を後にした。ストライクは後を追わずにアークエンジェルへと帰艦した。
 アークエンジェルに戻ったキラはムウに殴られ、そのまま床に倒れこんだ。
「その口がそんな言葉を吐くのか!」
 ムウの声が格納庫に響いた。
「ストライクの通信機能は何も問題は無かった。なぜ出ようとしなかった」
 キラは何も答えない。その様子をトール達が見ていた。
「べつにいいじゃない。私達は助かったんだから……キラを責めないで」
 トール達は、キラを庇った予想外の人物に驚いた。
「フレイ……」
 キラは目の前に現れたフレイに驚いた。先日、キラはフレイを冷たく突き放した。そしてそのままの現状で今に至っていた。
「今回は特に大きな被害や負傷者が殆ど無かったから良かったが、次こんな事をしたら、軍規違反になるかもな……」
 ムウも予想外の人物に気を削がれたのか、キラに忠告をすると格納庫から出て行った。
 トールとカズイがキラを床から体を起こした。その時二人の脇を一つの影が通り過ぎた。
 キラの頬が誰かに叩かれた。キラはその人物を見た。キラの頬を叩いたのはミリアリアだった。
「キラ……あなた変わったわね」
 キラはミリアリアの言葉の真意が分からなかった。
「何をしているんだよ」
 トールがミリアリアをキラから遠ざけさせた。
「さっきの行動に無性に腹がたっちゃて……」
「ミリアリア、僕は君が変わったとしか思えないよ」
 キラはそう言うと格納庫を後にした。それに続き、カズイ、フレイもキラの後を追った。
 格納庫には、ミリアリア、トール、そして整備士が残った。
「どうしてキラにあんな事をしたんだ?」
 トールがミリアリアに聞いてきた。
「今までのキラだったら、通信無視をしなかったと思うから……」
「だけど、それは人間だから誰でもある失敗じゃないの……」
「少佐がキラを殴る前に一度、何故でなかったって聞いた時の答えにも……」
「たしか、キラが少佐に言った答えが―出る必要が無かった―だろ。あんな答え誰が聞いたって好感は持てないな」
 トールはキラが言った言葉を思い出し苦笑した。
「あのキラが、目上の人に反抗的な態度を取るのは確かに変だ」
 とトールはさらに続けた。ミリアリアがその言葉に頷いた。
「それにキラの俺達への対応が、数回話した程度のクラスメイトって感じの接し方だしな。
 こっちは、キラを元気付けるためにやってることを、興味なさげに見ているからな……」
「そうよね。ヘリオポリスにいた頃のキラは、そういう私達の行動に付き合ってくれたしね」
「キラの変化に真っ先に気づくのがお前だったな……」
 とトールが笑みを零した。
「女の感って事かしら」
 ミリアリアの言葉に二人は笑い出した。
「で、いつからおかしくなったと感じたんだ?」
 トールの顔が真面目になった。
「キラが地球に降りて、初めての戦闘の時かな」
 ミリアリアの言葉にトールは何も答えない。トールはさらに続けるようにミリアリアを促した。
「バーサーカー……というべきなのかしら」
「バーサーカー……確かに今の坊主には相応しい言葉なのかもしれない」
 二人の会話に別の声が入ってきた。二人が声の方向を見ると、そこにはストライク等の整備をしているコジロー・マードック軍曹だった。
「ほかに変な所ってありましたか?」
 トールがマードックに聞いた。
「ストライクの操縦方法ですか?」
 とマードックが言う筈だった言葉をミリアリアが言った。
「譲ちゃんの言う通りだ。坊主の操縦方法は、地球に落ちてから確実に変化した。今までは機体に無理をさせないような動きをさせていた。しかし今は理論上での反応、旋回速度等を限界まで出せるようOSを弄ってやがる。あんな事していたら、戦闘が終わるたびに、修理しなくてもいい所までしなくてはならない。こちらはまともに整備できないって言うのに坊主は何を考えているんだか……パイロットなんだから自分が扱う機体の内面だけではなく、外面も気に掛けてほしいよな……」
 マードックはため息をついた。遠くから若い整備士がマードックを呼んだ。
「愚痴を聞いてもらってすまないな」
 マードックはそう言うと、整備士の所へ向かった。
 二人がマードックを向かった方に目を向けると、そこにはストライクの姿があった。
「整備しているようだな」
 トールがその姿を見て呟いた。整備士達は、次々と作業を進めていった。
 その作業の中で、被弾していない場所を修理している整備士がいた。
「パイロットの機体への無理な負荷のせいで、至らない所まで作業しているようね」
 その光景を見たミリアリアが言った。
「今からどうする」
 とトールがミリアリアに聞いた。
「私は、まだ仕事があるから……」
「分かった」
 二人は格納庫から出ると、別々の方向へと向かって歩き出した。

 キラは母親に体を揺らされて目を覚ました。
「オーブについたわよ」
 キラは座席から立つと、すぐさま両親の荷物を手に取り外に向かった。
 三人は空港でタクシーに乗り、自宅へと向かった。
 母親が自宅の扉を開けると、中から何がキラにめがけて飛んできた。
 キラはそれをうまくキャッチすると地面に叩き付けた。
「いつも帰ってくる度、飛びついてくるな!」
 キラは息を切らしながら叫んだ。
「いい加減慣れたらどうだ?」
 父親はキラが地面に叩きつけたある物を手に取った。
「アスラン君からもらったハロを壊したらどうするのよ」
 母親がキラの頭を小突いた。
「その時は、僕が直すさ」
「そういって何回改造したのよ……」
 キラの言葉に母親はため息をついた。
「外観はもらった時のままだけど、中身がぜんぜん違うからね」
 キラが笑った。
「キラトールタチハドウシタ」
 ハロの合成音声がキラの耳に聞こえた。その声を聞いたキラの顔の表情が変わる。
「キラ、シンパクスウガアガッタゾ」
 キラは自分が改造したハロの性能に苦笑した。
「キラ、玄関にいないで家に入りなさい」
 キラの両親は、キラとハロの事を無視して家の中に入っていた。
 キラが家の中に入ると、ハロもキラに続いて家の中に入った。
 リビングに向かうとテレビがついていて、父親が世界情勢を見ていた。
「おかえり、キラ」
「キラ、おかえりなさい」
 両親がキラに優しい言葉を掛けた。
「ただいま」
 キラはその優しさが嬉しいのか目に涙をためながら言葉を返した。
 その晩、親子三人で楽しい食事をした。
 食事を終わるとキラは部屋に戻り、机の上に置いてあるパソコンを起動させ、ネットへとダイブした。
 キラはハロをパソコンに繋げると、オーブのモルゲンレーテへとハッキングを仕掛けた。
「セキリュティが甘い!前回とそんなに進歩していないのか!」
 キラはモルゲンレーテの情報を次々よハロに記録させ始めた。一分経った頃だろうかキラはモルゲンレーテへのハッキングを唐突に止めた。そしてハロに入れたデータを読み始めた。
 全てを読むと、キラはそのデータを消した。
「前回ハッキングした時から何も変わっていないな」
 キラはその場でため息をついた。キラは机の引き出しから分厚い紙束を取り出した。その紙束をめくり始めた。その紙束はMSの設計図のようだ。
「アカツキか……そんなMS作る金があったら国民の為に使えばいいのに」
 キラが持っていた紙を机の引き出しにぶち込んだ。
 ドアがノックされた。
「キラ、ちょっと話があるの……リビングにきてもらえるかしら」
「わかった。今行くよ」
 キラは両親がいるリビングへと向かった。二人は真剣な表情でソファーに座っていた。
 キラも両親と向き合うように反対側のソファーに座った。
「キラこれからどうするの?」
 と母親がキラに聞いた。キラは何かをためらっていた。
「ためらわないで、言いなさい」
 父親の言葉にキラは決心がついた。
「プラントに行く」
「いってどうするの?」
 母親がキラに聞いた。
「ザフトに入る」
 その言葉に両親は何も答えなかった。
「そしてもう、今ここにいる、父さんや母さんと話している僕は戻ってこないと思う……」
 キラの決心に二人は何も言えなかった。
「そう。分かったわ。私達は何も言わないわ」
 母の目には涙がたまっていた。キラはその姿を見ると、自分の心が揺らぐのを感じた。
「いつオーブをたつんだ?」
「明後日ぐらいには……」
 母親は涙が堪えられないのか、二人の前から姿を消した。
「そうか……ハロは持っていくのか?」
 父親がハロを指差した。
「いや、持って行かないよ」
「そうか。それは良かった」
 父の顔が安堵安堵の溜め息をもらす。キラはその仕草を見逃さなかった。
 キラはすぐさまハロを持つと、自分の部屋に戻り、パソコンとハロを繋げた。

 そして、ハロの中に入っているデータを片っ端から見始めた。その中には、キラの知らないデータが入っていた。そのデータを見ると、キラととある女の子が一緒に行動しているのが映っていた。キラはリビングへと戻り、この事を父に問い詰めようと戻った。
「父さん!」
 キラがリビングに戻ると、父と母が深刻な顔で話し合っていた。
「キラ……」
 父親がキラを見つめた。そしてさらに言葉を続けた。
「プラントにアテはあるのか?」
「アスラン・ザラ」
 キラの言葉を聞いた両親は何度か頷いた。
「たしかに、アスラン君のお父さんと言う選択があるわね」
 母親がキラの言葉に反応した。
「どうやって会うんだ?」
 父親がキラに聞いてきた。
「アスランノコンヤクシャトシテアウンダロ、キラ」
 いきなりのハロの言葉に、キラは反射的にハロを、近くにあったゴルフクラブで叩き付けた。
「誰がそんな訳の分からない理由を使うか!そんな趣味はない!」
「キラには、ミリアリアちゃんがいるものね」
「僕達は、まだそんな関係じゃない!」
「それなら、将来が楽しみだわ。孫はまだいらないから」
 キラは母親の言葉にダメージを受け、その場に倒れこんだ。
 キラは涙を流し始めた。
「冗談だったのに」
「また壊したのか……」
 父親がハロの残骸を回収しながら、そんな言葉を吐いた。その言葉はハロに言ったのかキラに言ったのか判断が難しかった。二人の表情が笑いを堪えるため引きつっていた。
 キラはその表情で全てを悟った。こんな両親だから僕はこんな性格になったんだと心の底からキラは思った。
「プラントに行くまでには直しとけよ」
 父親から無残に破壊されたハロを手渡された。
 徹夜覚悟だなとキラは心の中で溜息をついた。

 出発日当日、三人は朝早くから空港にいた。
「いってらっしゃい」
「いってきます」
 キラは二人に別れの挨拶をすると、プラントへ向かうシャトルへと乗り込んだ。
 キラが乗ったシャトルがプラントに向かって発進した。
「あの子は大丈夫かしら……」
「私達の息子なのだから……」
 二人はキラが乗っているシャトルを視界から見えなくなっても、見続けていた。


第3話完
第4話に続く

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