Lnamaria-IF_赤き月の鷹_第04話

Last-modified: 2022-06-16 (木) 17:30:26

第4話『伝説の戦士』

『敵艦捕捉、距離8000、コンディションレッド発令。パイロットは搭乗機にて待機せよ』

モビルスーツデッキに満ちた重苦しい沈黙を艦内放送が破る!

「最終チェック急げ!始まるぞ!」

「ルナマリア! ……申し訳ありません議長! この処分は後ほど必ず!」

あたしを掴もうとするレイを振り切ってあたしはパイロットスーツを着に行った。あたしは間違った事は言ってない!


「シン・アスカ、インパルス、行きます!」
「レイ・ザ・バレル、ザクファントム、出る!」

シンとレイが先行して、その両脇をショーンとデイルのゲイツRが固めて行く。
みんな無事だといいけど。

自分が何もしないでいると、コクピットで待機していると焦りが襲う。

ボギーワンをロスト、そしてまた捕らえたと言う報告が入った!

艦が揺れる! 攻撃されてるの!?
その時間は長く感じた。

『『グフイグナイテッド、発進スタンバイ。カタパルトが使えません! 歩いてでも出てください! 敵、MS2機、MA1機を確認! 気をつけて!』

「了解! ルナマリア・ホーク、グフイグナイテッド、出るわよ!」

ミネルバのみんな、やらせない!


デブリの間を縫って行く……――! あの全方位からの攻撃!
あのメビウスゼロの新型か!?

「ええい!」

シールドを構え前のダガーLに突進! 密着したら、撃てないでしょう!? ガンバレルさん!

まず一機! 相手が砲撃する間も与えず、スレイヤーウィップでダガーLを真っ二つにする!

しょせん砲戦使用のダガーなんか!
あと一機! あんたには盾になってもらうわ!

右側のダガーLのバックパックをテンペストを引き抜きながら削ぎ落とす!
安心してね! 爆発しないようにうまくやったから! 動揺する敵機の手も切り飛ばす!

こいつの影からドラウプニル4連装ビームガンでガンバレルを弾幕で包み込む様に撃つ!
そうそう、その動くルートしかないよねぇ!
一気にダッシュしスレイヤーウィップを叩きつける! ガンバレル一基爆散!
すぐさまダガーLのそばに戻る。
ほーらあぶない、ガンバレルさん。気をつけないとダガーL撃っちゃうよ?

――! とっさに避ける! あたしが盾にしていたダガーLが爆散した。
新型メビウスゼロはガンバレルを本体に戻すと撤退して行った。
間違いない。あのパイロット、あたしじゃなくてダガーLを狙った――

ミネルバの方を見ると、ボギーワンにタンホイザーを撃つ光景が見えた。
ボギーワンは撤退していく。
よかった。危機は脱したんだ。


ミネルバの周囲をぐるりと回る。ひどい有様だ。

「おーい! 無事かー!」
「あ、ショーン、ゲイル!」
「レイが、最初に捕らえてたボギーワンがデコイだって気付いてね。先に返されたのよ」
「遅いわよー。でも、手ひどくやられたけど、ミネルバはなんとか無事だったわ」
「よかった! 帰るところが無くなるんじゃないかと焦ったよ」

あたしたちはミネルバに帰艦した。
そのうちシンとレイも帰ってきた。無事だったんだ。よかった。

「あ! お姉ちゃん、レイ、シン、みんな! お疲れ様。大丈夫?」
「疲れたけどなんとかな」
「うん、大丈夫よ。怪我もしなかったし」
「よかった。そうそう。飛び切りのニュースがあるの!」

「えー!アスハ代表の随員が、あのアスラン・ザラ!?」

話しながら、あたしたちは休憩室に向かった。

「でもぉ、ほんとに名前まで変えなきゃなんないもんなのぉ? だってあの人前は……」
「何言ってのよあんたは。いくら昔……」
「ぁ!ぅぅ……」

休憩室には、噂のアスラン・ザラがいた。

「へぇー、ちょうど貴方の話をしていたところでした、アスラン・ザラ。まさかと言うかやっぱりと言うか、伝説のエースにこんなところでお会いできるなんて光栄です」
「……俺はそんなものじゃない。俺はアレックスだよ」
「だからもうモビルスーツにも乗らない?」
「……」
「よせよルナ。オーブなんかに居るヤツに…何も解ってないんだから」
「んぁ?」
「では、失礼します」
「あ、レイちょっと。でも、艦の危機を救って下さったそうで。ありがとうございました」
「いや、まぁ、うん」

あたしは、敬礼すると休憩室を出た。なんだか彼、一人になりたそうな雰囲気だったから。

……

ユニウスセブンが動いている、と言う情報が入ったのは、ミネルバの修理も、もうすぐ終わるかと言う時だった……

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