Macross-Seed_◆VF791dp5AE氏_プロローグ

Last-modified: 2007-12-25 (火) 19:04:06

辺境の惑星ゾラにて―

「HEAVYな夜にも きっと力与えてくれる ANGEL VOICE」
熱気バサラの歌が銀河クジラと共鳴を起こし、ひときわ大きなクジラが歌う。
「Woo woo woo―」
クジラたちは光をまといつつ、個体数を増やす。
「Woo woo woo―」
そして、一条の光となって銀河を飛んでゆく。
「Woo woo woo woo woo ――」
気がつけば、クジラたちは銀河の彼方へと消え、バサラの歌だけが響く。

――そう、歌だけが。
本来そこにあるはずの真紅に染まったVF-19Pエクスカリバーも、パイロットである熱気バサラも姿は見えない。
ただ宇宙にバサラの歌声とギターの余韻が残っていた。

「・・・・・バ、サラ。」
ガムリンはレーダーでバサラの位置を確認するが、見当たらない。
「あいつは一体どこに消えてしまったんだ・・・。」
レーダーに反応が無いならば目視で探そうと辺りを見回す。
しかし、あるのは無数の星々、そしてクジラたちのものと思われるわずかな光。
クジラたちが去っていった銀河の彼方を見据えつつ、ふとつぶやく。
「まさか、な・・・。」
頭を軽くよぎったのは、<バサラはクジラとともに飛んで行ったのではないか>という考え。
「いくらあいつが銀河級の馬鹿でもそれは流石に無いだろう・・・。」
軽く頭を振りつつ、周辺の捜索に警備隊の面々と共に向かう。

だが、必死の捜索もむなしく熱気バサラの消息は分からなかった。
なぜなら彼はすでにこの世界にいないのだから・・。