R-18_Abe-Seed_安部高和_11

Last-modified: 2007-12-27 (木) 10:24:03

『マスドライバーを使うのだ!』
「・・・ますどらいば?」
アークエンジェル、ブリッジ。
連合艦隊の砲撃が浴びせられる中、ブリッジにウズミの通信が届いた。
『そうだ、マスドライバーだ!!』
「ちょっと待って。今エキサイト翻訳にかけるから」
「おいおい艦長!マスドライバーっていやぁ打ち上げ装置じゃないか!!」
「あら少佐。もうお腹は治ったの?」
「そんなんはどうだっていい!代表、マスドライバーの位置は!?」
『南に300メートルだ!急げ、もう持たんのではないか!?』
「ああ!だけど・・・・・・いいんですか?そんな事をしたらオーブの立場が――」
『構わん!我々は貴殿らを受け入れたのだ!その責務は最後まで果たす!!』
「・・・感謝します、代表。よし艦長、転身だ!」
「あいよっ」
アークエンジェルは敵にケツを向け、マスドライバーへと向かった。

 

「ウズミ様、準備整いました!!」
「うむ・・・」
オーブ首長国、軍司令部。
そこでは、アークエンジェルを宇宙に上げる準備が進められていた。
「クサナギも上げるぞ!」
「し、しかし!それではオーブの戦力が・・・」
「託すのだ!未来を、アークエンジェルに!!」
「代表・・・。了解しました!!」
そして程なくして、打ち上げの準備は整った。
「お父様!!」
マスドライバーに設置されたクサナギから、カガリが飛び出してきた。
「・・・・・・カガリか」
「お父様!!」
カガリはウズミの傍に駆け寄り、そして握っていた手を開いた。
「見てください!これはとっても貴重な石なんです!!世界にたった一つだってキラが言ってた!」
「・・・・・・」
ウズミは心の中で涙した。せめて小学校は卒業させるべきだったなぁ・・・
ウズミはカガリの両肩に手を置き、しっかりとした声で言った。
「カガリ・・・オーブの――いや、地球の未来、おまえ達に託す!これからはおまえ達が
未来を創造していくんだ!」
「・・・・・・。???」
カガリの頭上に『?』が飛び交う。ウズミの言葉は聞いた事のない単語で一杯だったので、
カガリブレインはショート寸前だった。
「・・・・・・。まぁ、とにかく頑張れ」
「はい!任せてください!!」
そう意気込んで、カガリはクサナギに戻った。
「カガリ・・・・・・やっぱおまえじゃなくてキラにすりゃよかった」
「代表!連合からの通信です!」
「繋げ」
「は!しかし・・・・・・どうされるおつもりですか?このままじゃ収まりがつきません」
「なぁに、そう慌てるな・・・・・・考えはある」

 

連合艦隊旗艦、ブリッジ。
白い尾を引いて宇宙に上がるアークエンジェルとクサナギを、ムルタはそこから眺めていた。
「やってくれるじゃないか、オーブも・・・!おい、あの三人はどうした!?」
「は!それが・・・・・・何か大きなショックを受けたようで、今は自室に篭っています」
「ちっ、役立たずどもめ・・・・・・あとでブリッジに上げろ!修正してやる!」
そう言いつつ、ムルタは通信機を手に取った。
「あーあー、オーブ首長国の代表、ウズミ・ナラ・アスハ。至急応答されたし」
少しして、ウズミからの返信。
『私がウズミだ。して、何用か?』
「何用だって・・・?ふん、よく言うよ・・・戦犯を匿ったばかりか、宇宙に上げてさぁ!!」
『戦犯?匿う?そちらが何を言っておられるのか、さっぱり分かりませんな』
「何をいけしゃーしゃーと・・・!・・・まぁいい。オーブが一体何をしでかしたのか、その身を
もって知るといいさ!」
ムルタの言葉を合図に、艦全ての主砲が一斉にオーブに向く。
しかしウズミは、落ち着いた様子で話を続けた。
『・・・アズラエル殿。貴殿は何か勘違いをされておらんか?』
「勘違いだって!?そんなものあるはずないだろう!状況を見れば子供だって分かる!」
『うちの娘は分からんかもなぁ・・・』
「おまえらオーブは戦犯であるアークエンジェルを逃がした!弁論の余地はないだろう!?」
『いやはや、それなんだが・・・・・・実は我がオーブ、あの艦に脅されてましてね』
「・・・・・・はぁ?」
『入港させないとローエングリン撃つわよー、なんて。だから仕方なく我々はAAを入港させたのですよ』
「で、でっち上げだ、そんなもの!!」
『そう思われるのは自由ですがね盟主。・・・・・・しかし、中立国家を焼いたとなれば貴殿の
立場も危ういものになるのではないですか?』
「そ、それは・・・。・・・だが、AAと共に上がったあの艦はオーブのものだろう!?」
『脅し取られた、のですよ盟主・・・。気付いた時にはオペレーターがスマキにされてましてね。
いや、参った参ったほっほっほ・・・』
「く・・・・・・このジジイが・・・」
だんっ、とコンソールを叩くムルタ。空に砲弾が上がった。
『あなた方の目的はアークエンジェル・・・・・・それがいなくなった今、もうここに
用はないはずでは?すぐに軍を退かれたし!ここは中立国家であるぞ!!』
「くっ・・・!」
「あ、アズラエル様・・・」
「・・・・・・、退くぞ」
「・・・は?し、しかし!彼の言っている事は無茶苦茶――」
「僕が退くと言ったら退くんだよ!おまえ、そんなに便所掃除がしたいのか!?」
「も、申し訳ありません!・・・全軍、撤退だ!!」
そして、オーブを包囲していた連合艦隊は撤退した。

 
 

オーブ首長国、軍司令部。
「やりましたねウズミ様!!」
そこでは、連合の撤退により皆が歓声を上げていた。
「ああ・・・・・・」
武力を盾に協力を要請されていればこうはいかなかった。おそらく国を焼くハメになっていただろう。

 

「アズラエル・・・・・・アホな子でよかった」

 

その頃、パナマ基地――
イザークとニコルは、謎の肉色MSと交戦していた。
「連合め、いつの間にこんなモノを・・・!」
インモラルかと思われた肉色のMS。
しかし細かな形状は違い、そして他を威圧し物色する双眼はバイザーに変わっていた。
GAT-110105R インモラルダガー
インモラルのデータを元に開発した、連合の量産機だった。
数は12。パイロットはかつて阿部に掘られた連合兵であり、インモラルダガーは
グングニールをものともせずにザフト軍を蹂躙(レイプ)していた。
「ちぃっ・・・!」
デュエルの頭上をビームが掠めた。
ゲイ・ボルグ1丁で戦場を駆けられるのは阿部以外に存在しないので、
インモラルダガーにはビームサーベルとライフルが装備されている。
量産機なので良い男武装は装備されていないが、インモラルの象徴と呼べるアレは股間に装備されていた。
『ぐあぁぁぁぁぁぁぁ!!』
そしてまた、一機のジンが刺し貫かれた。
ゲイボルグ・レプリカ。機能はオリジナルと同じく、シートを変形させて
相手パイロットのアナルを突き穿つというもの。
「こいつらぁぁぁぁぁぁ!!」
ビームライフルを乱射するデュエル。しかし木々に阻まれ、ビームは相手に届かない。
『イザーク後ろです!!』
「にゃにぃ!?」
イザークが気付いた頃には、デュエルはインモラルダガーに組み付かれていた。
「しまった!?」
そしてゲイボルグ・レプリカがデュエルを貫こうとした瞬間――
『ア ッ ー !!』
「・・・・・・!?」
戦場で幾度となく聞いた嬌声。
敵パイロットにそんな声を出させられるのは、唯一人。
『よ、イザーク。てこずってるじゃないの』
「あ・・・・・・阿部!!」
阿部高和。オリジナルのインモラルを携えて、彼は戦場に舞い降りた。

 

「はい、到着っと」
ヴェサリウス、モビルスーツデッキ。
灰色になったバスターを降ろし、阿部は一息ついた。
「さーて、イザーク達はどうしてるかな・・・」
デッキにデュエルとブリッツの姿はない。亜光速でヴェサリウスに戻ってきたためか、
パナマはまだ落とせていないようだった。
『阿部』
と、クルーゼからの通信。
「ようクルーゼ。ディアッカを回収してきたぜ」
『ご苦労。すぐに私の部屋に・・・・・・といきたいところなのだが・・・』
「どうした、何かあったのか?」
『うむ。・・・イザークとニコルが苦戦している』
「へぇ・・・あの二人が?」
二人ともザフトのトップエリートであり、連合はMSを開発したばかり。新兵器投入の件もあり、
阿部はクルーゼの言葉がイマイチ信じられなかった。
『厄介な新兵器を投入してきたようでな・・・悪いが今から救援に向かってはもらえないだろうか?』
「OK、阿部さんにお任せだ」

 

そして阿部はパナマ基地に到着した。
そこには愛機を模したMSがザフトと交戦しており、阿部は少し嬉しく思った。
「へぇ・・・人気者じゃない、俺って」
そして阿部は機体を動かし、今まさに貫かれんとするデュエルを救出した。
「おおっと・・・・・・お楽しみの邪魔だったかな?」
『いや、助かった。それより阿部、様子がおかしいぞ!』
「様子って・・・・・・おや?」
尻を押さえたジンが、よろよろとインモラルの元へ向かってきた。
「ひゅう♪どうだった、ゲイ・ボルグの偽物の具合は?」
阿部は誇らしかった。自分の想いが軍に伝わったのだと思い、敵ながらあのインモラルダガー
を弟のように思っていた。
――しかし、そんな想いもジンのパイロットのセリフで掻き消えた。
『け、ケツが・・・・・・痛い・・・』
「なに?・・・・・・どういう事だ?」
『これは間違いなく痔になる・・・』
「――!?」
その時、阿部の感情が爆発した。
「・・・・・・き、キ・サ・マ・ら・・・」
湧き上がる怒り、込み上げる闘志。
「――許さん!!!」
阿部は、インモラルを疾らせた。

 

ゲイボルグ・レプリカは、インモラルのものと同じく相手のコクピットシートを変形させ
アナルを突き穿つというもの。
その点は同じ・・・言い換えれば、同じなのはその一点のみだった。
インモラルのゲイ・ボルグが相手のアナルを突いて絶頂に導くのに対し、
インモラルダガーのゲイボルグ・レプリカはあくまでアナルを突くのみ・・・
そこに快楽など存在せず、突かれた者は痔になるばかりだった。
レプリカの名を冠するのも憚られるほどの粗悪な模造品。オリジナルとは比べるべくもない。
どれくらい差があるかっていうと、ハルヒとGUN道ぐらい。カテゴリは同じでも、その内容は
一緒にするのも失礼なくらいだった。
「貴様らは何も分かっちゃいないッ!!」
『ア ッ ー !』
一機――
「快楽なきプレイは、ただの暴力!!」
『ア ッ ー !』
また一機――
「貴様らがやっている事は、レイプと同じだッッ!!」
『ア ッ ー !』
また一機と、インモラルは次々と偽物を撃墜していく。
気がつけば、立っている偽物はあと一機だけとなっていた。
『く、くるなァッ!!』
インモラルダガーは慌ててビームを乱射するも、インモラルは当然無傷。
やがて弾は切れ、そしてインモラルダガーは破れかぶれの特攻をしかけた。
「いいぜ・・・・・・来いよ」
ケツを差し出すインモラル。
やったとばかりに、インモラルダガーはインモラルのケツにゲイボルグ・レプリカを撃ち込んだ。
しかし――
『な、なにィ!!??』
貫けなかった。ゲイボルグ・レプリカは、何かに阻まれるようにその動きを止めた。
「ほらな?・・・・・・そんな粗悪品じゃあ、俺のアナルは――」
素早く体勢を入れ替えるインモラル。
「――貫けないッッッ!!!」
『ア ッ ー !』
やがて最後のインモラルダガーが落ち、パナマ基地は陥落した。

 

『阿部』
ヴェサリウスへの帰還途中。イザークが通信を入れてきた。
『そう落ち込むな。奴らは何も分かっちゃいなかったんだ』
「イザーク・・・」
『ふん!大体だな、誰であろうとそうそう貴様を理解出来るものか!貴様は殺し合いという
土俵の上にはいない・・・もっと高見にいるんだ!そうだろ、阿部?』
「イザーク・・・ふふっ、嬉しい事言ってくれるじゃないの」
『ですから阿部さん。今日の事は忘れて、みんなでぱぁーっと騒ぎましょうよ。その・・・ベッドの上で・・・』
「ひゅう♪カワイイ事言ってくれるじゃないのニコル」
『に、ニコル貴様!勝手に俺を仲間に入れるな!!』
『イヤなんですか?』
『そ、それは・・・!』
「ま、今日のところは遠慮させてもらうよ」
『ど、どうしてですか!?もう僕らに飽きちゃったんですか・・・?』
「違う違う。だって・・・イザークには先客がいるからな」

 

ヴェサリウス、モビルスーツデッキ。
「・・・・・・!?あ、あれは!?」
そこに立つ少年の姿を、イザークは確認した。
アカデミー時代より共に行動してきた、唯一無二の親友。
イザークは素早くデュエルから降り、そしてその金髪で色黒の少年のもとへと駆け寄った。
「・・・ディアッカ!!」
「イザーク!!」
お互いがお互いへと駆ける。
そして彼らは互いの手を取り合い、同時に言った。

 

「「や ら な い か」」

 

アークエンジェルがオーブを飛び立つ少し前。
プラントで、アスランは父パトリック・ザラと会っていた。
「親父!イージス壊れちゃったから新しいMSくれよ!!」
「親父ではない!議長と呼べ!!ってか貴重なMSぶっ壊しておいてなんだその態度は!?」
プラント最高評議会議長・執務室。
アスランに親父と呼ばれたこの男こそ、プラントで一番偉いお人だった。
中年の渋さを前面に押し出したかのような厳つい顔はとてもアスランには似ず、
しかし後退気味の生え際はバッチリ遺伝するという悲惨な事になっていた。
「議長様、どうかワタクシめに新しいMSをお譲りください」
「最初からそういう態度を取ればよいのだ。さすれば新たなMSを渡すのもやぶさかではない」
「じゃ、じゃあ!?」
「ただし、条件がある!」
「なんでぃ、結局それかよ・・・」
「この写真を見れば、そのふてくされた態度も改まるだろうて・・・」
「へいへい。で、この写真が何か――って、これは!?!?!?」
アスランは写真を凝視した。
そこに写っていたのは、見知らぬMSを前に仲良さそうに(アスラン視点)会話をする男女の姿。
そしてその男女に、アスランは見覚えがあった。
「キラ!!!・・・・・・とついでにラクス!!」
「そこに写っているMSは最新型・・・・・・それが盗まれたのだ!こやつらの手によって!!」
「キラ・・・キラ・・・」
アスランは懐からハサミを取り出し、キラの部分を器用に切り出した。
「最新型はもう一機ある。・・・ZGMF-X09A ジャスティス。そのMSをやる代わりに、
おまえにはある任務に就いてもらいたい」
「任務・・・ですか?」
「そうだ。・・・おまえにはその二人を捕獲してもらいたい!!」
「な、なんだってー!!?」
「おまえはそこのラクスの婚約者だ。辛いだろうが、これもプラントのためザフトのため、
おまえに手を汚して――」
「了解しました!必ずやこの女狐を八つ裂きにしてご覧にいれます!!」
――キラをたぶらかしやがったなこのアマ・・・・・・許さんッ!貴様の首、プラントへの
手土産にしてくれるわ!!
「・・・アスラン。別に八つ裂く必要はない」
「いいえ父上!!このような雌豚、生かしておいては後の世のためになりません!!
ソッコーでぶち殺すべきです!それはもう残酷に、ありとあらゆる手段を用いて!!」
「・・・・・・婚約者、なんだけど。おまえの」
「そんなん即刻解消します!おのれラクス・・・俺のキラを騙しやがって!!待っていろキラ!
俺が必ず助けてやるからな!!」
「・・・アスラン。一応その男も捕獲の対象だからな?」
「な、なんだってー!!??」
「この男はラクスの協力者だ。なら捕まえるのが当然だろう?」
「いいえ父上!!キラは騙されているだけなんです!大方この腹黒ピンクにハメられたんでしょう!
ええ、そうに違いありません!!」
アスランの言っている事は大いに的を射ていた。
「いいや、この男も捕獲だ!!これは命令だ!!」
「父上・・・。・・・・・・見損ないましたよ」
「私もだ・・・・・・割とマジで」

 

プラント、???。
ラクスがここにいるとの情報があり、アスランは単独でそこに突入した。
「おら出てこいやボケナスゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」
どぱらたた、といつかのようにマシンガンを乱射するアスラン。色々な場所に穴が空いた。
「アスラン」
???の中心部に、標的となるラクスがいた。ラクスはワケノワカラナイ格好をして、
アスランを真正面から見据えていた。
「あなたは何のために――」
「問答無用!ていっ!!」
ラクスの声に耳を貸さずに、アスランは手榴弾のピンを抜いてラクスに向かって投げ放った。
「乱暴ですのね、アスラン」
ラクスは傍で跳ねるハロを鷲掴みにし、その手榴弾に向かって投げた。
DOOOOOOOOOM!!
手榴弾とハロは、お互いを相殺し合って爆散した。
「ちぃっ、このド腐れピンクが・・・!」
「美少女に向かって言う言葉ではありませんわよ、アスラン」
「やかまっしい!てめぇ、キラをたぶらかしやがったな!!」
「たぶらかしたつもりはありませんわ。ですが・・・・・・私の傍にいればそのような事になるのも
無理はありませんわね♪」
「てンめぇ・・・その口、いったん縫いつけた後に引っぺがしてやる!!」
「そんな事はどうでもよいのです。それよりアスラン・・・あなたは何のために戦うのですか?
勲章のためですか?それとも――」
「キラのためだ!!」
「・・・。しかしそれは叶わぬ想い。それを理解してなお、あなたはキラのために戦うのですか?」
「届かないわけがない!キラは照れているだけなんだ!現に俺達は通じ合っているんだ!!」
「・・・・・・そうですか。ならばもう言う事はありませんわ」
「ようやく観念したか・・・。小便は済ませたか?神様にお祈りは?部屋の隅でガタガタ震えて
命乞いをする準備はOK?」
「キラは宇宙に上がってきます。もうじき到着する事でしょう」
「――!?それは本当かラクス!?」
「ええ。そして地球軍もまた・・・。アスラン、あなたはどうなさるおつもりですか?」
「決まっている!キラをこの手に取り戻す!!」
「ならばお行きなさい。あなたの新たな剣で、キラを守り通すのです」
「言われなくても分かっている!」
そう言って、アスランは???から去った。
「ふぅ・・・・・・相変わらず扱い易いですわね、アスラン♪」

 

プラント、戦艦ドック。
そこに鎮座するピンク色の戦艦『エターナル』に、ラクスは乗り込んだ。
「さてみなさん、準備はよろしいですか?」
桃太郎装束に着替えたラクスは、ブリッジの椅子に座った。
「準備、完了しています!いつでも行けます!!」
「よろしい。それでは、エターナル発進します!・・・・・・指揮は任せますわよ、バルドフェルトさん」
「了解だ。各員、お姫様に指一本触れさせるな!!」
そのブリッジには、砂漠の虎と呼ばれた男も座っていた――

 

「さて・・・・・・上手く事が運べば良いのですけどね」
そう呟き、ラクスはにやりと口の端を歪めた。