5.6、>>175様ごめんなさい。
シンがジェス・リブルの事を覚えていたのは単なる偶然に過ぎない。
まぁ、MSの取材にMSで来て事故にあったあげく派手な脱出劇を演じてみせれば、忘れようと思っても忘れれない。
その後ザフトを辞め各地を彷徨っていた時に再会して何度か騒ぎに巻き込まれたのだが、それはまた別の話しだ。
翌日、シンの姿はある喫茶店の片隅にあった。元々ジェスとの縁で取材を受ける気ではあったが、昨夜の電話で聞き捨てならない台詞があったからだ。
「議長の遺産か……」
少なくとも、シンはそんな物があったという話は聞いたことは無い。もし受け取る人がいるとすれば息子同然だったレイなのだろうが、すでにレイはこの世にはいない。
「まさか、ベルトとか……」
冗談で口走りながら、もしベルトだったらとシンは考えてみる。
「レイ! 生きていたのかっ!」
かつて月で戦死したと聞かされていた親友の姿に、シンは歓喜の叫び声を上げる。
「シンか、久しぶりだな」
死んだはずの親友は、かつてと変わらぬ口調、変わらぬ姿で立っていた。いや、かつてと違うのは一箇所……、かつては付けていなかったベルトが腰で異様を放っていた。
本来なら気にするべきでないだろう、単なるファッションのはず。しかし、なぜだかシンはそのベルトに心惹かれるものが合った。
「レイ、そのベルトは・・・」
「シン、お前も気がついたか」
シンの言葉にレイはニヤリと笑うと、腰のベルトのボタンに指をやる。
「変身」
その言葉とともに、突如どこからとも無く聞こえてくる電子音。レイの顔になにやら仮面が装着され、赤いブリーフ状のパンツを肩からかけ、股間に輝くお稲荷さん。
もう、なんと表現したらいいのか分からない変態チックな姿に変わり果てる。
「俺、参上」
「ちょっちょっとまてぇぇぇぇ!! どうしちまったんだ、レイ!!!」
あまりの惨状に、シンは心のそこから叫び声を上げる。つーか、酸素欠乏症にでもなったのか?
「俺はこういうのがやりたくて来たんだよ!」
「何がやりたいんだよっ! レイ!!」
「気にするな、俺は気にしてない。それよりもシン、お前もやるんだ」
「え、俺もって……?」
レイの言葉に、シンはふと気がつく。自分もレイと同じベルトをしていることに。なぜだろう、そのベルトの紫の部分に心惹かれるのは……。
──だめだ、やめるんだ!
理性がコレを押してはだめだと言っている。しかし、感情が、いや、本能が指を突き動かす。
そして……
「倒してもいい? 答えは聞かないけど」
「俺はやられに来たんわけじゃねえ、背負いに来たんだ……。
だったら、お前にこの拳を当てるだけでいい。
──抹殺のラァァァァァストォォォォォォォブリットォォォォォォォォ!!!!!」
「まさか……」
ふと、シンは自分の脳裏に突然浮びあがった想像……ってか、妄想を首を横に振って追い出す。
ってか、最後関係なくない? しかもなぜか負けてるし。
シンは目の前のコーヒーに口をつける。何故だかそのコーヒーは、えらくぬるくなっていて不味かった。
: 19 ◆rz6mtVgNCI 投稿日: 2008/06/17(火)
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
(´∀`)調子に乗ってまたやってしまいました。
もうやりませんので許してください。
三( ≧∀≦)ノ 逃亡