SCA-Seed_MOR◆wN/D/TuNEY 氏_『先生』救出作戦 Part-4

Last-modified: 2009-03-20 (金) 00:21:57

呼び出し、拷問、誘拐、襲撃。

 

相次ぐ出来事に男は半ば茫然自失となっていた。

 

つまり、もうどうにでもしてくれと。

 

そして男の意志を無視して、巨大MSと桃髪のMSの戦いは続く。
「この大きさでは決定打が……」
幸いにして相手の技量が高くない為なんとかなっていたが、
このままではいずれ追い込まれるのは目に見えていた。
「隙ありッス!」
一瞬の隙を突かれ、“先生”をコックピットに乗せた機体の足を巨大MSの手が掴んだ。
「しまった!」

 

「そうはさせるか!」
ゴーグルの女性が己のミスを叱責した時、よく似た声の若い女性の声と共に雲の中から何かが飛び出した。

 

それは半人半獣のMS、赤いグフハウンド。
そのハンマーが頭部に命中し、金髪のシッポの少女の視界が揺らぎ、拘束が緩む。

 

「貴女は……」
ドラグーン使いの少女が戸惑いの声を上げる。
「傭兵赤鬼……の助手みたいなもの。 あんた達のボスに雇われた者だ。 ここは私に任せて“先生”を」
「……わかりました。 お願いします」
言葉少なく問いに答えると、グフハウンドは後方を指差し、ゴーグルの女性はそれに頷き離脱を開始する。

 

余談だがゴーグルの女性と赤鬼の助手、内心二人はこう思っていた。
((何だろう……他人の気がしない))と。

 

「に、逃がさないッス」
ハンマー激突による軽い意識混濁から回復した巨大MSが追撃しようと動き出す。
「残念。 あんたの相手は私だよ!」
進路を塞ぐようにグフハウンドが立ちはだかる。
「悪いけど仕事なんでね、足止めさせて貰うよ!」

 

そう、これは仕事なのだ。

 

最近胸の成長がゆっくりになってきて悩んでいる時に
大きくする方法を教えて貰ったからこっち側についた訳ではなく、
仕事だから……そう! 生活の為に戦っているのだ。

 

自分をひとしきり納得させると、赤鬼の助手のようなものの女性はグフハウンドのハンマーと万力を展開し、
目前の巨大MSに飛びかかった。