SEED-クレしん_07-184_03

Last-modified: 2009-07-18 (土) 19:00:28

ネネちゃんの超どしりあすリアルおままごと ~シンとステラ、その愛の行方~ だゾ
【後編】

 

ネネちゃん 「それじゃ今度は、最後まで一気にいくわよ~!みんな準備はいい?」
シン    「へ~い。それじゃ早いとこ始めようぜ?」
      (後ろで見ているルナの視線が痛すぎるしな……うう)

 

むさえ   「え~、おせんにキャラメル、ビールはいらんかね~♪」
風間君   「あれ?むさえさん。あの・・・何やってんです?」
むさえ   「ん?いやね、ぼけーと見物してんのも何だから、うちから色々持ってきたの♪なんか食べる?」
メイリン  「じゃあビールください」
タリア   「私も。酒でも飲まなきゃやってらんないわよ……もう!」

 

マサオ君  「な、なんかミネルバ組の人達、すっごい荒れてるね…?」
ボーちゃん 「そりゃあ、おままごとの中で…とはいえ、あっけなく殺された、からね。」
しん    「むさえちゃ~ん、おらはチョコビほしいなぁ~♪」 

 

 

 ザフトの最新鋭戦艦ミネルバの撃墜。だが大局的に見ればたかが戦艦1隻を失っただけの事に過ぎない。過ぎないはず……だった。
 だがこの事実を契機に、地球連合軍とザフト軍との戦争の流れが変わりつつあった。
 プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルは、この流れを食い止める為に地球連合軍と癒着状態にある、軍産複合体「ロゴス」を打倒すべしと声明を発表した。

 

 世論をとりあえず味方につけたザフト軍は、連合軍最大軍事拠点ヘブンズベース攻略を実施した。
 おそらく…この戦いの結果いかんによってこの戦争そのものの勝者が決まるであろう。
 そして、戦いの火蓋は切って落とされた。

 
 

ギル   「く……戦況はどうか!」
将兵   「は、はっ!議長閣下のロゴスメンバー引渡し勧告を無視して、
      ヘブンズベースの連合軍は先制攻撃を仕掛けてきました! 
      この攻撃でかなりの艦艇が沈み……我が軍もこれを受けてMS隊を出撃させましたが、
      敵要塞の対空掃射砲、それと新型と思われる未知の大型MAに阻まれて損害が大きくなるばかりです!
      こ、このままでは……」

 

ギル   「……拙いな。特にあの大型MAは圧倒的だ。このままでは……
      仕方ない。こちらも新型を出すしかないようだ。 
      デスティニーとレジェントに出撃命令を出せ!」
将兵   「は、はっ!」
     (だ、大丈夫なのか?あの2機を満足に扱えるパイロットなんか、今のところ1人も居ないってのに……!)

 

          *          *          *

 

ステラ  「ステラ達を殺しにくるもの……全部やっつける!このデストロイで!たーーーッ!」

 

 巨大MAデストロイは、搭乗者のステラの意志そのままにザフトのMSや戦艦を次々と破壊してゆく。
 その姿はまるで世界に破滅をもたらす破壊神のようだ。だがザフト軍としても、いつまでも手をこまねいてはいられない。
 そして数機のグフが、デストロイの砲火をかいくぐって必死の反撃を試みるのだった!

 

ザフト兵A 「このデカブツが陽電子リフレクターで守られ、射撃が効かないというのなら!
       接近してテンペストで切り刻んでやるッ!」
ザフト兵B 「くらえバケモノーーーー!」

 

ステラ   「……!」

 

???   「おっと兄さん達……それは出来ない相談だぜ?何故なら……」

 

 その時……突如デストロイの背後から影がひとつ現われ、2機のグフをあっと言う間にバラバラにした!

 

シン   「何故なら…破壊の女神には常に死神の騎士が背後を守っているから、さ」
ステラ  「シン!あ、ありがと……ステラ、やられちゃう所だったよう~」
シン   「言ったろ?ステラは俺が守るってさ。俺はいつでもステラの側にいる。決して離れる事はないさ」
ステラ  「シン……(じ~ん)」

 

ネオ   「よ~う坊主!ステラと2人でらぶらぶな所悪いが……どうよ?そのMSの乗り心地は」
シン   「ネオか?まあいい感じさ。こいつ、ソードカラミティ…だっけ?剣での戦闘が得意な俺にぴったりだ」
ネオ   「そりゃ良かった。
      お前が持ってきたインパルスは、ミネルバのデュートリオンビーム無しだとダガー以下だからなあ……」
シン   「ま、お互い戦場でのおしゃべりはその辺にしとこうぜ?
      この調子ならここの戦闘ももうすぐ終わりさ……ザフトと共に……な」
ネオ   「そうだな…んじゃ、俺ももういっちょ頑張りますか!死ぬなよ!シン、ステラ!」

 

シン   「あんたもな、ネオ。それとステラ!下手に前進しなくていいからな?
      あくまでこの要塞を防衛できればそれでいい!」
ステラ  「うん!……あれ?シン!9時の方向から機種不明機が2つ、突っこんでくるよ?」
シン   「なんだって?これは……速いな。ザフトの新型、か?俺は聞いた事ないが……」

 

ザフト兵C「ぐ、うううッ!なんてじゃじゃ馬なんだコイツ…!とりあえず動かすだけで精一杯だぜ!」
ザフト兵D「それを言うなら俺の方だって!ドラグーンなんて代物、どう使えばいいんだよ!」

 

シン   「へえ?あの2体の新型、性能はかなりのもんらしいが……
      どうやらパイロットの方がヘボみたいだな。面白い……」
ステラ  「どうするのシン?」
シン   「俺があいつ等を…いい感じに戦闘不能にしてMSを拿捕する。
      ステラは直接手を出すなよ?牽制してくれるだけでいい」
ステラ  「え~~、難しいよそれ~。この子パワーの制御がちょっと大変だから……
      もしかしたらシンに当たっちゃうかもしれないよ?」
シン   「大丈夫さ。なぜなら……俺はステラを信じているからな!」
ステラ  「シ、シン…(じ~ん)う、うん!ステラがんばる!」
シン   「よ~し!そんじゃやろうか!俺達の絶妙のコンビネーション、あいつ等に見せてやろうぜ!」
ステラ  「うん!ステラにおまかせ!」

 
 

 ……この戦闘に敗北したザフト軍は、地球上の主力部隊のほとんどを失い、戦争の主導権を地球連合に譲り渡す事になる。
 一方オーブでは、帰還したカガリ・ユラ・アスハが再び政権を握り、セイラン親子は更迭される事になった。

 

 カガリは、地球連合とプラントの両方に和平交渉のテーブルにつく事を提案するのだが……この提案は連合側に拒否された。
 その返事を受けてカガリは連合、プラント双方に対し停戦に応じなければあればオーブも参戦する、という声明を発表するのだった。

 

 そんなカガリの思惑とは別に、ジブリールはプラントに止めを刺そうと、月のダイダロス基地に上がり…プラント本国に対して、反射衛星砲『レクイエム』を使用する。
 この非常事態にさすがのデュランダルも驚愕しラクス・クラインの仲介でオーブと同盟を結ぶ。
 こうしてオーブ・プラント同盟は連合、そしてロゴスとの最後の戦いを挑むのだった。

 

 シンとステラにとっても、恐らくこれが最後の戦いとなろう。果たして2人は生き残れるであろうか……?

 

          *          *          *

 

 暁の宇宙で……決戦が行なわれていた。
 レクイエムを防衛する連合。中継地点とレクイエム本体を破壊しようとするオーブ・ザフト同盟。
 一進一退の攻防が続く。果たして勝利するのはどちらなのか……

 
 

シン   「レクイエムの中継地点が墜ちた?」
ネオ   「ああ!それで、という訳でもないだろうが
      俺達ファントムペインはザフト軍の要塞、メサイアの攻略を命じられた!
      まずはザフトを黙らせろって事なんだろうよ!」

 

シン   「そうか。けっこう大変な命令だけど…でもま、何とかなるでしょ。
      この拿捕したザフトの新型、デスティニーならな!」
ネオ   「う~ん。もう一機の奴…レジェンドだっけ?そいつは今俺が使ってるが……
      いいのかね?敵の新型をこうしてのうのうと使っちまってさ?」
シン   「別に今に始まった事じゃないっしょ?
      ネオ達がアーモリーワンでザフトの新型3機を強奪したのが、この戦争のそもそもの原因だし」
ネオ   「ま、まあ……そりゃそうだが……」

 

シン   「さ~て、おしゃべりはそれくらいにしとこうぜ?さっさとこの戦争を終わらせようや!
      ……行こう、ステラ!」
ステラ  「うん!ステラ、シンと一諸ならどこへでも行く!」
ネオ   「やれやれ……お熱いこって」

 
 

 こうして……シン達はザフトの機動要塞メサイアに向けて進軍する事になった。
 だが突如!ファントムペイン部隊の前に未知の赤いMSが現われ、一直線にデスティニーに向かって襲いかかってきた!

 
 

アスラン 「シィィィーーーーンッッ!
シン   「何?これは……ジャスティス、か?うおッ!」
アスラン 「遂に!遂に見つけたぞ貴様ぁぁ!……よくも!よくもあの時俺達を裏切ったな!」

 

ネオ   「シン!」
シン   「だ、大丈夫です!コイツは俺ひとりで何とかしますから…ネオ達は一足先にメサイアへ!」
ネオ   「シン……分かった。死ぬなよ!ステラはこの場に残れ!シンを援護してやるんだ!」
ステラ  「うん。ステラにおまかせ!」

 

アスラン 「シン!貴様が裏切ったせいでみんな死んだんだぞ!
      タリア艦長も!レイも!ルナマリア、メイリン、アーサー副長……
      みんな、みんなお前が殺したんだッ!俺は絶対にお前を許さないッ!」
シン   「……そうさ。俺が連合にみんなを売ったんだ。だが……それがどうかしたか?」
アスラン 「な、なに?お、お前ッ!」
シン   「俺はな、ステラを守るって誓ったんだ。
      そのステラを守る為なら……誰が死のうと生きようと知った事か!うおおおおっっ!
アスラン 「ぐ、ぐうううう!シ、シン!貴様ぁぁぁ……!」
ステラ  「シンーー!」

 

 デスティニーとジャスティスは、揉み合いながら月面に落下していく。
 シンとアスラン。因縁の対決がこうして始まった……

 

          *          *          *

 

アスラン 「俺は!あの時修理がまだ終わっていないザクで出撃しようとした!
      MSに乗っていたのが……あるいは幸運だったのかもしれん。
      ミネルバが墜ちた時、ザクごと放り出されて一命は何とか取り留めたんだ!」
シン   「へえ?さすがアスラン。しぶとさだけはたいしたもんだ」
アスラン 「黙れッ!だがな……一命は取り留めたが、無傷という訳にはいかなかったんだ!
      俺は顔にヤケドを負い……さらには右足を失って今は義足をはめている!
      普通ならパイロットなんか、もう満足に出来ない体だ!
      なのに俺はこうして今お前の前に立ち塞がっている!何でだと思う!」
シン   「さあ?」

 

アスラン 「すべてはシン・アスカ!お前に復讐する為だッ!
      俺はお前への復讐のためにラクスとキラに頭を下げ、この新型MS・インフィニットジャスティスを手に入れた!
      そして……遂に今日という日を迎えたんだ!

 

      殺す!

 

      俺に残ったすべての力を使い、シン!お前をここで殺してやるぞぉぉぉぉぉぉッ!」

 

シン   「おいおい、やめろよ……
      アスランが欲しかったのは本当にそんな力なのか?
      そんな事をしても失ったものなど、なにも返ってこないぜ?」
アスラン 「だまれ!お前がそんなことが言える立場かーーーーッ!」
シン   「目を覚ませって。
      憎しみに身を任せてすべてを殺す気になってもさ、そんな事して何になるってんだよ?」

 

アスラン 「うるさいうるさい!シン!お前が悪いんだ!お前が俺達を裏切ったからッ!」
      (サーベルでシンに斬りかかってきた!)
シン   「……ちっ!この斬撃を回避するのはキツいか…!なら!」(シールドで防御)

 

 その時、デスティニーの前にステラのソードカラミティが立ち塞がった!

 

ステラ  「だめ!シンはステラが殺させないよ!」
シン   「ス、ステラ!アスラン……クソ!この、バカ野郎ッ!」
アスラン 「なんだと?俺のビームサーベルを掌底で受け止めた……?うおおおおッ!」
     (脚のビームブレイドを繰り出そうとする!)
シン   「遅い!デスティニーパンチ!」

 

アスラン 「ぐはッ?く、くそおおおシイィィィィィンッ!
シン   「こうなったら……とことんまでやるしかないようだな!行くぜ!アスラァァァンッ!

 
 

 ただひとつの愛の為に。すべてを捨て、愛する人と共に戦う道を選んだ男…シン・アスカ。
 かつての部下にすべてを奪われ、復讐にその身を焦がす男…アスラン・ザラ。

 

 この2人の行く末には……果たしてどのような結末が待っているのでしょう?
 それは誰にも分からないのです。
 コズミック・イラ73年。ひとつの戦争はここに終わるのですが……
 まだまだ人間同士の確執はなくならないようです。
 人に愛と…そして憎悪という2つの感情がある限り。
 争いは決して無くならないのかも知れません……(語り手:ネネちゃん)

 

 

ネネちゃん 「はいカ~~~ット!これで全部終わりよ!みんな、お疲れ様!」

 
 

シン    「ふう…な、長かった。これでやっと……
       ……あの。ステラさん?なんで俺の腕に抱きついているんデスカ?」
ステラ   「うん。もうちょっとだけ…恋人気分でいたいな~と思って♪」
シン    「い、いやあれおままごとだから。そんなに俺にひっ付くと」
ルナ    「ふ~ん。お二人ともお熱いですねえ~?へえ~?ふう~ん……」
シン    「ル、ルナ?いや!その!こ、これはあれでこれがその!」

 

アスラン  「なんかなあ……俺が復讐鬼になる、ねえ?
       ネネちゃんの指示とはいえ、我ながら無理がありすぎる気がするけどなあ……」
マサオ君  「まあまあ。リアルとはいえ、所詮おままごとですから」
風間君   「でもさ……ネネちゃんに聞きたいんだけど、
       なんで2人の決着をハッキリつけるまでやらなかったの?」

 

ネネちゃん 「……しょうがないじゃない。
       2人の戦いの結末となると、どうしてもどちらかが死ななきゃいけないでしょ?
       仮にも主人公のひとりでもあるアスランさんをシンさんが殺すのは……さすがにちょっと……」
しん    「戦ったけどどっちも無事でした……じゃダメなの?」
ネネちゃん 「それだと最後は
       一諸にオーブで墓参りして、『一諸に戦おう!』『はい!』って展開にならざるを得ないけど……
       そんなんでいいの?」

 

しん    「う、う~ん……」
アスラン  「そ、それはちょっと……なあ?」

 
 

ルナ    「こら!待ちなさいシンーーー!」
ステラ   「ねえ、なんで逃げるの?シンはステラを守ってくれるんでしょー?」
シン    「だから!あれはおままごとでの事だろー?何で俺ばかりが責められるんだあーーー!」

 

タリア   「……ひっく。む~。
       考えてみれば……私が色々苦労することになったのは、全部ギルバートのせいだった気がする。
       ちょっと行って彼をシめてこようかしら……っく」
メイリン  「……拳銃は使います?レーザーガンくらいならありますけど……ひっく」
タリア   「いい。あんなヤサ男、素手で充分だわよ……ひっく」

 
 

ネネちゃん 「でもまあ…種死のあまりのひどい出来に、思わず大規模なリアルおままごとをしちゃったけど、
       考えてみれば、こんなギスギスした話、あんまりいい気しないわよね」
しん    「そうそう。みんな素はこんなんだし、世の中平和が一番だゾ」
マサオ君  「ま、まあ…あれだけやるだけやっといて、何を今さらって気もするけどね」
風間君   「なんて言うか、毎度のことながらネネちゃんのおままごとはさ、
       参加するにしてもでも見物するにしてむ、何故か異様に疲れるんだよね……」

 

しん    「とまあそういう訳なんで。今日はここまでだゾ。みんな、じゃあね~~♪」

 
 

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