SEED-クレしん_08-539_05

Last-modified: 2009-08-21 (金) 22:36:48
 

クレ種ソフトボール大会!だゾ
【完結編】

 
 

 ~4回裏終了  女子チーム 2-3 男子チーム

 

みさえ 「いよいよ最終回よ! ここで逆転して見せるわ!」
ルナ  「行くわよ、みんな!」
女性全員「おぉー!」

 

シン  「あと1イニングだ……気合で抑えていくぞ!」
ひろし 「この緊迫な状況を乗り越えるほど酒が美味しくなる、しまっていくぞ!」
男子全員「……おーー!」

 

 気合を注入し、勝利へ向かって最終回の守備に望む男子チーム……だが女子チームも獲物を食いちぎるサメのように喰らいつく。

 

エザリア「私達はまだ!(カキィ--ン!)」
ルナ  「(カキィーーン!)ソフトボール選手として!」
ヒルダ 「負けてはいない!(カキィーーン!)」

 

 エザリアがヒットで出塁し、ミリアリアが倒れたもののその後ルナがヒット、ヒルダがピッチャー強襲の内野安打で出塁し、一死満塁のピンチを迎えていた。

 

ひろし 「アスラン君……大丈夫か?」

 

 アスランはヒルダの打球を足首に当て、もはや動けない状況だった。

 

キラ   「……マードックさん、マルキオ導師! ストレッチャーを!」
マードック「あいよ!」
キラ   「もしかすると足首の骨を折った可能性があります……一応幼稚園の中に!」
マルキオ 「わかりました」
アスラン 「すまない、キラ……」
キラ   「大丈夫だよアスラン、ゆっくり休んでて」
アスラン 「……すまない」

 

 そういい残し、アスランは担架で幼稚園の中に運ばれていった。

 

キラ   「問題は……ピッチャーだよな」
ひろし  「速い球を投げられるピッチャーはもういない……どうすれば」
しん   「オラが投げたぁ~い!」
ひろし  「バカ! おまえ、状況わかって言ってるのか!?」
しん   「でも~……」
シン   「大丈夫だよ、しんちゃん……ひろしさん、オレが投げます!」
ひろし  「シン君が!?」
シン   「センターにはディアッカさんについてもらいます」
ディアッカ「オーケイ!」
ひろし  「し……しかし……」
シン   「大丈夫です……しんちゃん、みなさん。オレに……力を貸して下さい」
ひろし  「……わかった」

 

アビー 『男性チーム、選手の交代をお知らせします。
     センターのシンがピッチャーに、センターにはディアッカが入ります。
     ピッチャー……シン。ピッチャー……シン」

 

ひろし 「シン君……オレのミットに思い切り投げて来い!」
シン  「わかりました」

 
 

アビー  『1番 シホに変わりまして……マリュー』
マリュー 「……勝負を決めるわ、かかってきなさい! シン君!」
シン   「その心意気……受けて立ちます! うおおおおぉぉぉぉ!!(ブゥオン……ビューーーーン!)」
ヒルダ  「あの少年まで……ウィンドミルを!?」
トダカ  「(ズバーーーン)ストライィーーーク!」
みさえ  「MAX110キロ……ヒルダさんに匹敵してるわ! マリューさん!よくボールを見て!」
シン   「てやああああぁぁぁぁ!(ブゥオン……ビュゥーーーーン!!)」
マリュー 「うらああぁぁぁ!(カキィーーン!)」
シン   「!?」
ひろし  「センターフライだ!」
ディアッカ「(このままではタッチアップで同点になっちまう……)よし!(パシッ!)」
みさえ  「エザリアさん! タッチアップよ……!?」
ディアッカ「うおぉぉおぉぉお!! グゥレイトおおぉぉおお!(ビューーーーーン!)」

 

 エザリアはホームに行こうとした……しかしディアッカの送球は、バスターの超高インパルス狙撃ライフルのようなスピードでホームに突き刺さり、エザリアはそのまま三塁に釘付けとなった。

 

ひろし 「よし……ツーアウト!」
男性全員「ツーアウトーー!!」

 
 

アビー 『2番ピッチャー ラクス(1 遊直 2 遊直)』
ラクス 「いよいよ……ですわね」
シン  「ええ……オレみたいにはいかないかもしれませんよ?」
ラクス 「……あなたとわたくし、どのみち戦う事は避けられなかったかもしれませんね」
シン  「ああ……(ザッ)うおおおぉぉぉ!!(ブゥオン……ビュゥーーーン!)
ラクス 「(種割れ)!!(カキィーーーン!)」
シン  「!!」
ひろし 「レフト!」

 
 

 ラクスの放った打球は、レフト三塁線方向に向かってものすごい角度と伸びで飛んでいった。
 女性チームは立ち上がり、それと同時に男性チームは心臓が止まり、顔面蒼白だった。

 
 
 

 絶望か、希望か……その行方は打球しか知らない。

 
 
 

キサカ 「…………ファーーーーール!」
シン、ラクス「!!」

 

 打球は希望を選んだ。柵の手前でわずかに曲がり……切れた。

 

シン  「……ひやひやさせないで下さいよ」
ラクス 「こちらこそ……貴方も本気を出してもいいのですよ? 人はいつでも本気になれるのですから」
シン  「お言葉に甘えて……本気を出させてもらうぜ!(種われ)
     うおおおぉぉぉ!(ブゥォン……ビュィーーーーン!)」
ラクス 「まだまだですわ!(カキィーーーン!)(カキィーーーン!)(カキィーーーン!)(カキィーーーン!)」
トダカ 「ファーーーール!」
みさえ 「熱い……熱すぎる……!!」
カガリ 「……がんばれラクスーーーー!!」
マリュー「ラクスさん頑張ってーーー!!」
ヒルダ 「ラクス様!」
女性全員「ラクス様! ラクス様!」

 

アズラエル「もはやこれ以上言葉はいらないようですね……がんばれシィーーーーーン!!」
シャニ  「ここは踏ん張れーーー!!」
ニコル  「頑張って、シィーーーーン!!」
アンディ 「ここで抑えたらキリマンジャロご馳走してやるぞ!」
ムウ   「だからここで抑えろ、坊主!」
男性全員 「シン・アスカ! シン・アスカ! シン・アスカ! シン・アスカ!」

 

 シンコールとラクスコール……それぞれのコールが交わって響く中……運命の一球が放たれようとしていた!

 

シン  「うおおおぉぉぉおお!!(ブゥオン……ビュウゥゥゥーーーーーーン!」
しん  「いけえええええええぇぇぇぇぇぇぇ!!」
ラクス 「はあああああああ!!(ブゥン!!)……!!!!!(ズ……ドォ……ン!!)」

 

 シンの渾身の一球……しんのすけの想い、みんなの想いが移り、ジェネシスのようなストレートとなった。
 ラクスもまた、女性チーム全員の力を借りるかのように全力でバットを振った……がしかし、あまりの威力に振り遅れ無情にもバットは空を切り、ひろしのミットに納まった。

 
 

 「ストラァーーーイク! バッターーーアウト! ゲェーーームセット!」

 
 

シン   「……勝った?」
ひろし  「よっしゃああああああ!!(ダッ!)シン君、やっぱりやってくれると思ったぜ!」
キラ   「シン君、やっぱり君は最高だよ! フリーダムだよ!!」
イザーク 「このキョシヌケ、出番独り占めにしやがって!!」
アウル  「そうだ、オレ達にも見せ場ぐらい与えろ!」
スティング「アウル、お前はスクイズ決めたからいいだろ!」
クロト  「やっぱりお前は最・高! 今日の試合の英・雄!!」
アズラエル「やってくれる時はやってくれましたよ、シン君!」
しん   「やっぱりシン兄ちゃんは最高だゾぉ~!!」
シン   「勝った……勝ったんだ……
      うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!

 

 シンはもう一度、近所迷惑とならんばかりに雄叫びを上げた。みんなと勝利の喜びを分かち合いながら。

 

ラクス 「…………」
みさえ 「ラクスさん……」
ラクス 「シンの最後のボール……私に打てるものではありませんでした……完敗ですわ」
みさえ 「やっぱりピッチングでも、シン君は敵ながらあっぱれね」
マリュー「そうかも……しれないわね」
トダカ 「全員、整列!」
カガリ 「ほらみんな、整列がかかったぞ! 一緒に並んであいさつしよう!」
みさえ 「さあ、みんな急いで!」
女性全員「はい!」

 

トダカ 「今日の試合は、2-3で男子チームの勝利です、気をつけ……礼!」
全員  「ありがとうございましたぁー!!」

 
 

 ふたば幼稚園で行われたクレ種ソフトボール大会……
 最初は余興のつもりだったが、いつしかヤキン・ドゥーエの対戦以上の死闘になっていた。
 その死闘は……1点差で男子チームが制したのである。
 こうして、クレ種ソフトボール大会は幕を閉じた……

 

 ※ ※ ※

 

 そして帰り道。シンとルナ、そして野原家全員が歩きながら談笑していた……試合が終われば、またいつもの家族に戻っていた。

 

みさえ 「ふう……やっぱりシン君には敵わないわね」
シン  「そんなことありませんよ……あのホームランも、ただ無意識にバットに手を出しただけですし」
ひろし 「そんじゃ、勝利の美酒に浸りましょうかねぇ~!」
ルナ  「あまり飲みすぎないで下さいよ?」
しん  「そんじゃ、オラにも~。」
ひまわり「たぁ~い!」
みさえ 「あんたはダメよ、おねしょしちゃうし!」
しん  「えぇ~!?」
全員  「あははははは!」

 
 

(おしまい)

 
 

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