SEED-クレしん_09-リレーSS・クレ種お花見大会_02

Last-modified: 2010-02-04 (木) 21:45:09
 

嵐を呼ぶ!クレ種お花見大会2007!だゾ
【その2】

 
 

 夜桜満開のなか、春日部住人と種キャラのお花見大会は続いていた。

 

ラクス  「はいみなさん。お料理をたくさん作ってきましたわ♪どうぞめしあがれ~」
みさえ  「こっちも色々あるわよ~。でも未成年はお酒飲むなとは言わないけど、ほどほどにね?」

 

風間君  「うわーいっぱいあるなあ。いっただきまーす!」
ネネちゃん「もう!食べてばかりいないでちゃんと桜を見なさいよー!」
マサオ君 「まあ花より団子っていうし~」
ディアッカ「おう!やってるかお前等?お~花見料理に炒飯もあるじゃねえか。どれどれ……」

 

アスラン 「……炒飯?お、おいディアッカちょ」
ディアッカ「(ぱく)……ッ!」
風間君  「あれ?ど、どうかしました?」
マサオ君 「な、なんかディアッカさん顔が怖いよ~?」
アスラン 「い、いかん!ディアッカこっちのトイレの裏へ……
      ネネちゃん!この殴られウサギを貸してほしい!」
ネネちゃん「え?べ、別にいいけど……はい」
ディアッカ「はあ~~はあ~~……す、すまんみんな……じ、じゃあちと行ってくるぜ。」

 

 そう言うとディアッカは公衆便所の裏に消えていった。
 そして数秒のち

 

 ドガッ!ドガッ!

 

マサオ君 「ひいい~~!い、いつものディアッカさんじゃない~~~!」
ネネちゃん「いい音出してるわね~。こりゃそうとうにストレスが溜まってるようだわ……でもなんで?」
アスラン 「ディアッカはな、自分で作る炒飯の味に凝ってる分、他人が作るものにも味に対して神経質なんだ。
      不味い炒飯食べるとああなってしまう。
      まあそれでも……昔に比べればずいぶん丸くなったものなんだがな」
風間君  「昔に?てことは……」
アスラン 「ああ。俺たちが初めて会った頃と今のディアッカじゃ、ある意味別人みたいなものさ。
      そうあれは俺たちが……まだアカデミーの訓練生だった頃の話だ。あの時……」

 

風間君  「あ、回想いきますか?」
アスラン 「とりあえず3レスほどいきますが、なにか不都合でも?」
風間君  「いえいえどうぞ。ぽわぽわぽわ~~」

 

 * * *

 

アスラン 「……それは1本の電話から始まったそうだ」

 

 ジリリリリ……ジリリリリ……ガチャ

 

「はいこちらプラント最高議会執務室……」
『パトリックか? 俺だッ!』
「……た……タッド? タッド・エルスマンかお前……」
『そのとおり! ハハハそのとおりッ!』
「ど、どうしたんだ突然! 今まで連絡ひとつよこさないで……」
『いいかパトリックよく聞け! 俺はお前を倒すために刺客を送りこんだッ! 刺客の名はディアッカ・エルスマンッ!
 もしお前が老いぼれているのなら尻尾を巻いてとっとと逃げろ! そんなんじゃ相手をするディアッカがかわいそうだからな!』
「タッドお前なにを言って――」
『だが!まだ老いぼれていないのであれば、ディアッカをザフトに入れろ!そして戦え!いいな!』
「もしもし?もしもー」

 

 ガチャンッ!

 

 一方的に話すだけ話して電話を叩きつけると……タッドはすぐそばに置いてあるポリタンクを蹴飛ばした。
 タンクに入っていたガソリンが床にブチまけられ、見る見るうちに床に広がっていく。

 

「……塩の味もわからなくなっちまった料理人なぞ、存在する意味などねえ……」

 

 そう言い捨てると、タッドは火のついたライターを床に放り投げた!

 

「ハハハッ! パトリック!一足先に地獄で待ッてるぜェ―――――!!」

 

 そして……燃え盛る自宅を見ながら。ディアッカは叫ぶ。

 
 

「こ、この負け犬があ―――――――――ッ!!」

 
 

 そして数日後!ディアッカ・エルスマンはザフトアカデミーにやってきたのであった!

 

ディアッカ「……」
ラスティ 「あ、すいません。もう食堂は終わり……」

 

 だがディアッカは聞く耳もたず、イスにどかっと座るとこう言った。

 

ディアッカ「炒飯」
ラスティ 「いえですから……」

 

 バンッ!(テーブルを叩いた)

 

ディアッカ「いいから早く持ッてこい」
ラスティ 「……分かりました。少々お待ちを」

 
 

イザ―ク 「なに?客が来て炒飯だせッて?」
ラスティ 「頼む。新入りのお前達にこういう事頼むのもどうかとは思うけどさ……なーんか変な客で」
イザ―ク 「わーったよ。今作るからちょい待ってろ」

 

二コル  「それにしても僕達、なんで兵士の訓練所で食堂の料理作ってるんでしょ?」
ミゲル  「しゃーねえだろ。これも訓練のうちだ……
      戦場にレストランはないんだぜ?ここでしっかり料理をマスターしとかないとな」
アスラン 「でも……なぜかこの食堂は中華料理オンリーなのだが。なぜだ?」
ラスティ 「シラネ。俺に聞くな」

 

 そして・・・

 

ラスティ 「お待たせしました。ではごゆっくり」
ディアッカ「……」

 

 出された炒飯にディアッカは顔をしかめた。臭いをかぎ、スプーンで飯をかき混ぜ……
 遂には炒飯を手に立ち上がったのだった!

 

ラスティ 「お、お客さん?そちらは厨房……ち、ちょっと~?!」
イザ―ク 「……ん?どうした」
ディアッカ「なにこれ?」
アスラン 「?」
ディアッカ「火の通しはいいかげん、溶き玉子が全部絡みあっていない、おまけにバラけていない飯が3%もある。
      何を作ッたんだこれは―――」

 

 そう言うとディアッカはゴミ箱の蓋をあけ、おもむろにイザ―クが作ッた炒飯をブチまけた!

 

ディアッカ「もしかして……これ料理?」
イザ―ク 「て、てめえッ!俺の作ったもんを!」

 

 炒飯をゴミ箱に捨てると、ディアッカは上着を脱ぎ捨てた。
 すると下は純白のコックコートを着込んでいるではないか!
 怒るイザ―クを相手にせずディアッカは厨房で料理の準備する……

 

イザ―ク 「おい貴様なにをする気だ!」
二コル  「いい加減にしないと保安隊を呼びますよ!」
パトリック「いい!そいつにやらせてみろ」
アスラン 「ち、父上?」
パトリック「実はな……時期はずれではあるが新入りを1人雇うことにした。
      恐らくあいつがタッドの息子だろうよ」
アスラン 「タッド? 誰ですその人」
パトリック「料理において俺のライバルだった男だ。つい最近死んだが……その腕は超一級品でな。
      炒飯の覇王と呼ばれていたよ」
アスラン 「炒飯の……覇王」

 

ディアッカ「出来たぞ。これが俺の炒飯だ……さあ食ってもらおうか」
イザ―ク 「……ちッ」
二コル  「じゃあいただきましょうか?」
アスラン 「ああ……ッ!」
ラスティ 「……!」
イザ―ク 「こ、これは……」
ミゲル  「この味……これは……言いにくいことではあるが……」
パトリック「なるほど。これはエザリアの倅が作るものより数段美味い」
イザ―ク 「ザ、ザラ議員!」

 

ディアッカ「ここまでやるのが料理だ……」
パトリック「おい。お前ディアッカ・エルスマンだろ? 今度新しくザフトに入隊することになった……」
ディアッカ「……オヤジが死ぬ前に言ったんだ。ここに行けと。ここは炒飯の最高だと。
      だけど来るんじゃなかったッ!」
イザ―ク 「な、なんだと!」

 

ディアッカ「炒飯の最高はここじゃない!エルスマンこそ最高ッ!
      このディアッカ・エルスマンこそ炒飯の覇王だッ!!」

 

 * * *

 

アスラン 「……と、まあ今のあいつから想像できんだろうが、以前のディアッカは『炒飯は勝負だ』と広言しててな。
      付いたあだ名な『鉄鍋の痔悪化』とか『黒炒飯』とか。俺たちとも勝負を通して色々もめたもんさ。
      だが今では……」

 
 

マリュ― 「ナッちゃんの~♪」
セレーネ 「スウェン君の~~一気に飲む姿が見てみたい♪あ、それ」
むさえ  「一気♪一気♪」
ナタル  「ん、ん、ん……」
スウェン 「……ぷはー!」
ひろし  「ひゅーひゅー♪お見事お見事~」

 

ナタル  「えへへ~マリュ―おねえたま~♪」
マリュ― 「あらあら、もう酔っぱらっちゃったのかしら?」
スウェン 「か、母さまァ~~」
セレーネ 「あらこっちも?ふふスウェン君ってば甘えん坊さんねえ~♪」

 
 

アスラン 「…………誰も聞いちゃいねえ」
ディアッカ「ふう~色々すっきりしたぜ。グレィト!」

 
 

(つづくゾ)

 
 

  戻る