おじさんたちの午後だゾ
~喫茶「砂漠の虎」店内~
お竜 「いらっしゃいませー。こちらのお席へどうぞー」
ムウ 「……で? なんで俺がお前らみたいなガキんちょと一緒にお茶しなきゃいけないんだ?」
マユ 「おじさんそんなことも知らないの?」
ムウ 「おじさんじゃない!!」
エル 「常識ですよおじさん?」
コニール「まったくだ。小学生だけで喫茶店なんか入れるわけないだろう?おじさん?」
ムウ 「じゃあ他の誰かでも……」
三人 「「「いちばんヒマそうにみえたから」」」
ムウ 「わーった!わーったよ!!ったく…… 店員さん、コーヒーとオレンジジュース三つ!!」
??? 「おじさんオラもオラもご注文~♪」
マユ 「ひえっ!!」
エル 「きゃあ!!」
コニール「なんとお!!」
ムウ 「うおっ!? しんのすけ、お前いつの間に俺の膝の上に!!」
しん 「わーっはっはっは。
かすかべ防衛隊の一員としては、いいおじさんが小学生とあらびきしてるのをみすごすわけにいかないのだー」
ムウ 「ちげーよ!! それにあらびきじゃなくて逢引!あ・い・び・き!!」
しん 「このことマリューおねいさんがしったらかなしむなあ……」 ←ニヒルに窓の外を眺めつつ
ムウ 「お前チクる気だな! 有ること無いこと織り交ぜてマリューに吹き込む気なんだなチクショー!!
どうぞ好きなものをたのんでください!!」
しん 「じゃあクリームソーダとチョコビをアイシャお姉さんのとびっきりのあいをこめてー」
虎 「はははすまないねしんのすけ君。ウチにはチョコビは置いてないんだ。
それとアイシャのとびっきりの愛情は僕専用でね?
代わりといっては何だが、僕とアイシャのとびっきりの友情を込めたクリームソーダでは駄目かい?」
しん 「もう~しょうがないなあ虎のおじさんは。それでかんべんしてやるゾ。」
アイシャ「ウフフ。ご注文有難うございマース♪」
しん 「うふふどういたしマシテー♪」
※ ※ ※
ムウ 「はあ……も、もう大丈夫だよな。今日はこれ以上悪い事はおきねえよな(;´Д`)」
??? 「ほう?小学生と逢引とは、『エンデュミオンの鷹』も堕ちたものだ! なあムウ・ラ・フラガ!!」
ムウ 「!? ( ゚д゚ )」
虎 「こっちを見ないでくれたまえ、エンデュミオンの鷹」
しん 「おおクルーゼ仮面だゾ!!」
コニール「ほ……本物だ……毎週TV見させてもらってます! これからもがんばってください!!」
マユ 「コニちゃん……アクション仮面見てるんだ……」
エル 「確かに好きそうだね」
クルーゼ「ハッハッハ。有難う!皆の応援がある限り私は決して負けはしない……
特にそこのコスプレダイチュキ駄目中年にはな!!」
ムウ 「ア゛ア゛!!? (#゚Д゚)」
クルーゼ「なんだその顔は? や る か ね ? (・∀・#)」
ムウ 「や ら な い か というより殺ってやる」
マユ 「な……なんかやばそう……」
コニール「おお、クルーゼ仮面の生バトルだ!!」ワクワク
エル 「は~い。マユにコニールにしんちゃん、隣の席に移動しましょうね~」
しん 「(エルに肩車されながら)ほ~い」
クルーゼ「…………(*・∀・)」
ムウ 「…………(゚Д゚♯)」
クルーゼ「(乂∀・)┌┛)`д) ;∴」
ムウ 「Σ(゚∀´(┗┐ヽ(゚Д゚♯ )ノ」
ムウ 「よおおおし上等だこのモヤシっ子が!
短けえテロメアさらに縮めてやるからおんもに出ろお!!」
クルーゼ「よかろう、返り討ちにされて嫁の巨乳に顔をうずめて泣くがいいさ!!」
ムウ 「北海道人かテメー!!」
クルーゼ「ふっ……何の事か解からないのだがね!!?」
ガツガツ頭をぶつけ合いながら店外に出る二人、間をおかずして聞こえる打撃音と恥ずかしい掛け声。
マユ 「あああ店の外でケンカ始めたよあの二人!!」
ムウ 「くらえガンバレル・パァーンチ!!」
クルーゼ「遅い!!瞬間移動さいたマッハ!!」
コニール「さすがクルーゼ仮面!あの数のパンチを食らってもなんともないぜ!!
でもムウのおっさんもすっげえな!ヒーローと五分に戦ってるぞ!!」
エル 「野蛮だねー? しんちゃん?」ズズー(暢気にジュース飲んでる)
しん 「まったくですなー」ズズー(同じく)
虎 「ダコスタ君、鷹の奥方に電話してくれないか。そうだな……
『お宅の亭主が小学生と喫茶店で密会した挙句常時仮面着用の不審者と言い争いになり喧嘩している』
とでも伝えておいてくれ」
ダコスタ「サー!!(ピポパポプペ)……あ、マリューさんですか??こないだはどうも……
いえ……そんな……ええとそれでですね……今ご主人に来店頂いてるのですが……小学生とですね……ええ……
なんか『おっきいのあきたーきょにゅうってあたまたりないのおおいしー』とかおっしゃってましてね……
わかりました!お持ちしておりますので」
虎 「よくやったダコスタ君。夕日が眩しくなって来たな……カーテンを下ろそう」
※ ※ ※
ムウ 「ハアハア……やるじゃねえか……お前さん、こっちに来てからタフになったようだな……」
クルーゼ「フフフ……世界に対して拗ねていたあの時と一緒にしてもらっては困るな……ゼイゼイ」
冬の早い夕暮れが不敵な笑みを浮かべる二人を染め上げていた。そう、言葉では解りあえないこともある。
二人の魂は拳を『ワーハッハッハッ!!』
ムウ 「誰だ! 今からがいいシーンなのによ!!」
クルーゼ「まったくだ。風情と三十代のロマンを解せぬ輩め……って……あ……あああああ……?」ガクガク
マリュー「……ねえ、お じ さ ん たち。お話は終わり? それじゃおしおきね……やっちゃえデストロイ」
ステラ 「UEEEEEEEY!!」
ちょマリューお前もおばはんの癖にステライタイタイダメソコハヨワイノオオ!ソンナオッキイテデギュッテサレタラムウ逝ッチャウヨウ!!哀れだな……ムウ・ラ・フラガ。だが貴様のことは忘れん。このクルーゼ仮面の好敵手としていつまでも心の中で生き続けるがいい。さらばだ、我が強敵(とも)よ……え、私も?あ、やっぱり、だめですかそうですかアッー!!
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コニール「そ、外でいったい何が!!??……店長さんカーテン開けて見ちゃだめかなあ?」
虎 「はっはっはっ。まだ君たちには刺激が強すぎるねえ~」
しん 「ぶう~おじさんのおケチ」
小学生低学年向けアニメというよりCERO-Z(18歳未満はダメよ)なシーンをビルの上から見下ろす影が2つ。
アクション仮面「修行が足りんぞ、クルーゼ仮面」
ミミ子 「助けないの? ……今日はちょい悪ね、アクション仮面」
アクション仮面「ああ、チョイ悪オヤジだ。ん?……私はまだおじさんではない!!」