最強の敵は自分?だゾの巻・前編
ジリリリリ………ジリリリリ…………ガシャ!(目覚ましを止めた音)
シン 「……ん……う~もう朝か……はやく着替えて居間に行こうかね………ふあ~」
そんなこんなでシンは、野原家の居間にやって来たのだが。
ひろし 「お、シン君おはよう」
シン 「おはようございます。しんちゃんは?」
みさえ 「いつものトイレよ!むさえはまだ起き出してこないし………みんなして毎朝毎朝もう~~!」
シン 「はは……そういやルナは?姿が見えないようだけど、もうミネルバに行ってんですか?」
ひろし 「え?」
みさえ 「……?」
シン 「ん?どうしたんです俺なんか変なこと言いました?」
ひろし 「いや、その………『ルナ』って誰のことだ?」
シン 「え……」
しん 「ふう~今日は珍しく出るモノがはやく出たゾ。お、シン兄ちゃんおは~~♪」
シン 「お、おは~。あのひろしさんさっきの言葉はどういう」
ブッブ~~~!
みさえ 「あーッ幼稚園のバスが来た!ほらしんのすけ、行くわよ!」
しん 「ほーい」
ひろし 「やべッ!俺もそろそろ出ないと遅刻しちまう……
じ、じゃあシン君。さっきの話は帰ってきてからってことで!」
シン 「は、はあ………て、俺もはやくミネルバに行かないと!」
みさえ 「……『みねるば』?」
ひろし 「とにかく!」
シン 「ともあれ!」
しん 「じゃあ今日もお元気に」
三人 「「「いってきま~~~~すッ!」」」
いつもと変わらぬ……・・いや変わらないハズの一日がこうして始まった。
だが。今日のこの日を「いつもと変わらぬ一日」として終わらせられるかどうか?その行方はWしんにかかっているのであった。
* * *
野原家をいつものごとく飛び出したシン。
いつもなら遅刻ギリギリでスーパーミネルバに到着する………はず、だったのだが。
「………なんだ……こりゃ」
ミネルバが存在するはずのその場所には………なにもなかった。
ただ広大な空き地が広がるのみ……
シン 「ははあ~もしかしてまたいつかのドッキリか?それとも何かの事情でミネルバが発進したとか……
あ、すいません!」
通行人 「はい?」
シン 「あの、ここにスーパーがあったでしょ?その事をちょっと聞きたいんですが……」
通行人 「はあ?あんた何言ってんだ。スーパーもなにも、ここは2年前からずっと空き地じゃないか」
シン 「え?」
通行人 「なにを勘違いしているのか知らないけど私急いでいるので」
そう言い捨てると通行人のお姉さんはそそくさと去っていった。
シン 「ど、どういうことだ?ずっと空き地だったってそんなバカな………!でもなんかおかしい。
今朝のひろしさん達の事といいなにか……これはなにか猛烈に嫌な予感、いや邪悪な意志すら感じる!
これはもうマユ達のイタズラとかそういうレベルの話じゃねーぞ!」
そう言うとシンは春日部の町へ駆け出していった。
* * *
シン 「………」
しん 「………」
そして夕方4時。場所はかすかべ児童公園で………シンとしんのすけはお互い複雑な顔でベンチに座っていた。
シン 「……なにも……なにもかもなくなっていた。
建物、人間、MSに戸籍や住民票の書類、さらには生活していた痕跡に付近の住人の記憶まで………
俺を除く『すべての種キャラの存在』が!」
しん 「オラも幼稚園で風間君やマサオ君に聞いたら、
ラクスおねいさんやレイ兄ちゃんなんてみんな知らない、聞いたこともないって」
シン 「どういう事なんだこれは!
昨日までみんな普通に春日部で暮らしていたのに!一夜にしてみんな消えちまった!」
しん 「む~~」
シン 「だがこの手口、以前どこかで見たような……なんだったっけ………?」
??? 「ふふ…………ただ1人取り残された気分はどうかしら?シン・アスカ……」
シン 「ッ?誰だ!」
しん 「おお?」
声がした方向に2人が振りむくとそこには。厚化粧がケバい中年女が立っていた。
??? 「誰が厚化粧の中年女よッ!」
シン 「あ、あんた!」
しん 「おばさんは!…………んー、と………その、あの、む~・…………」
シン 「(真顔で)誰だっけ?」
チ○キ 「マジで忘れるな!両澤千晶ッ種世界とあんた達を創造した偉大なる神よ!」
シン 「あー思い出した!新スレに入ってからとんと出てこなかったんですっかり忘れてたぜ……!
つまりは負○、今回もあんたらの仕業ってことかッ!」
チ○キ 「実はあんた達が帰省中に一度来たんだけどね……あと旦那の方は仕事が忙しくて今回は来るのパスね」
しん 「そんな事だれも聞いてないゾ!みんなをどこにやったんだ~~~!」
チ○キ 「ふふっ三人だけだけど種キャラならここにいるわ……出てきなさい」
キラ? 「………」
アスラン?「………」
シン? 「………」
シン 「キラさんにアスラン!それに……お、俺ッ?!」
しん 「いや!よく見ると3人ともディアッカ兄ちゃんみたいに肌がガン黒だゾ!」
シン 「てことは……ニセモノか!」
チ○キ 「偽物?ま、確かに本物じゃあないわね。『今』は」
しん 「今は?」
黒キラ 「………僕達は。チアキ様によって新たに創造されたキラ・ヤマト、シン・アスカ、そして」
黒アスラン「アスラン・ザラ……まだ未完成品だがな」
黒シン 「だがシン・アスカ、お前を倒すことで俺は『本物』になれる」
シン 「た、倒すことで本物に……?どういう事だ!」
チ○キ 「ふふ~♪私ねえ……クレしん世界に毒されていったあんた達にもう未練ないのよね。
だから私の思い通りになる、理想のキラきゅんやシンたんを新たに創造したの♪」
シン 「……」
チ○キ 「でもね。他の種キャラはともかく、さすがにあんた達主人公どもの完全なるコピーは難しくってね~
だから………本物であるあんた達をこいつ等に吸収する事にしたの。
それでブラック達は本物になれるのよ!」
しん 「おお~!なんかドラゴ○ボールに出てくる人造人間みたいだゾ」
チ○キ 「さあ、おしゃべりはここまでよ。
主人公以外の種キャラどもはすでに私の手の中!彼等がこの世界にいた痕跡も記憶も消したわ。
後は残った主人公どもを手に入れればいい………まずはシンたん!あんたを吸収させてもらうわ!」
黒シン 「来ォい!ブラックデスティニ――――ッ!」
ドゴォォォン!
シン 「そ、空から黒いデスティニーが現れた?!」
しん 「ねえシン兄ちゃん」
シン 「なにさ?」
しん 「もしかしてオラ達っていま大ピンチ?」
シン 「もしかしなくても大ピンチだよ!逃げるぞ!」
しん 「お~」
* * *
黒シン 「あんたが悪いんだ!あんたが俺を裏切……ぐぐっあ、頭が……!」
とか言いつつ黒シンは上空から逃げるWしんにビームライフルを乱射する。
しんのすけを抱えて裏路地を走り、必死に逃げるシンだが……次第に追い詰められていく。
シン 「く、くそ!ああ見えて意外に正確な射撃しやがる!」
しん 「そりゃあシン兄ちゃんが元になってるからねえ~」
黒シン 「ちょこまかと……!こうなればち、長距離ビーム砲で辺り一面ぶっとばしてやる!」
シン 「やべえ!あんなん撃たれたらマジで死ぬぞ!?」
しん 「こりゃあ本格的に大ピンチですなあ~♪」
シン 「ちょ、なんでこの非常時でそうマイペースなんだよ~~!」
そうこう言ってる間にブラックデスティニーは背中のビーム砲を展開してWしん達に狙いをつける……
黒シン 「うあああああ―――――ッ!」
シン 「ぐッ!ここまでか……!」
しん 「お?シン兄ちゃんあそこ見て~」
ドゴォォォン!
黒シン 「ぐわッ!?」
その時、あらぬ方向からブラックデスティニーは攻撃を受けた!
さすがにそれ一発で撃墜されることはなかったが、ブラック運命は空中でバランスを崩してしまう。
アスラン 「大丈夫かシン!」
シン 「ア、アスラン?あ、あんたなにジャスティスに乗ってるんだよ!」
キラ 「僕もいるよー♪それよりもシン君達はやくこっちへ。君のMSも用意してある!」
シン 「俺の…………ってデスティニーか?」
しん 「お~いたせりつくせりですなあ」
黒キラ 「……チ○キ様。キラ・ヤマトとアスラン・ザラが姿を現しました」
黒アスラン「では俺達も出撃します」
チ○キ 「おk。がんばってきてね~♪
…………ふふっさて……春日部ですっかり堕落したあなた達にブラック達を倒せるかしら?
種死当時の自分を相手にするようなものよこれは……」
こうしてWしんとキラ、アスランと黒シン、黒キラ、黒アスランとの死闘が始まった。
果たしてシン達は○債の陰謀を砕き、春日部に再び平和を取り戻すことができるであろうか!
―――続く