SEED-クレしん_11-068_2

Last-modified: 2009-06-20 (土) 17:12:43
 

最強の敵は自分?だゾの巻・中編

 
 

 シンはしんのすけと共にデスティニーに乗り込んだ。
 乗り込むまでの間キラとアスランが黒シンを足止めしていたのではあるが……

 

黒シン 「あんたが悪いんだ……あんたが裏切るからァ!うおおお―――――ッ!」
アスラン「くう!」

 

 アロンダイトを構え、ケタ外れの推進力で突っこんでくるブラックデスティニーの攻撃をアスランはなんとか紙一重でかわす。

 

黒シン 「ちいッ逃げるな!」
アスラン「速い! 気をつけろキラ。こいつの機動力はデスティニー以上だ!」
キラ  「了解アス……うわ?!」

 

 あらぬ方向からさらなるビーム攻撃が2人を襲う。なんとか防御したが……
 そこにはやはり黒いストライクフリーダムとインフィニットジャスティスの姿があった。

 

黒キラ  「……そこまでだよキラ・ヤマト。君の相手はこの僕がする」
黒アスラン「アスラン・ザラ。お前は俺が倒す!」
キラ   「黒いストフリに無限ジャスティス……!」
アスラン 「こんなのまでいるのか!」

 

チ○キ  「ブラック達!3機を分断しなさい!それぞれ一対一で戦うのよッ」
黒アスラン「了解しました」
黒キラ  「すべてはチ○キ様の御意志のままに」
黒シン  「う、ううう………うおおおおおッ!」

 

ドガッ!

 

シン   「なにッ?」
しん   「おおう?!」

 

 ダークフリーダム、インフィ二ットジャスティスブラック、そしてブラックデスティニーの3機は、それぞれの相手に体当たりをかまして春日部の3方向に消えた。
 これでキラ、アスラン、シンはそれぞれ自分自身を相手に一対一の戦いを強いられることになってしまったのだ。

 
 

チ○キ 「ふふふ……本当の勝負はこれからよお~♪」

 

   *   *   *

 

 本来ならちょうどそこに『あ~くえんじぇる☆』があったはずの地点。
 そこではキラのストフリ対ブラックキラのダークフリーダムとの激戦が行なわれていた。

 

キラ  「やめるんだ!こんなことをして何になるっていうんだ?」
黒キラ 「分かるけど!君の言うことも分かるけど……でもチ○キ様はいま泣いているんだ!」
キラ  「……はあ?」
黒キラ 「こんな事になるのが嫌で今泣いているんだぞ!何故君はそれが分からない!
     なのにこの戦闘も犠牲も仕方のないことだってすべてチアキ様のせいにして君は討つのか!
     ならば……僕は君を討つッ!」
キラ  「な、なにをわけの分からない……う、うわッ?!」

 

 黒キラが言うなりキラにダークフリーダムの凄まじい斬撃が襲ってきた!
 とっさにキラもビームサーベルを抜いて受け流し、バックステップしてかわしたが………正直キラは驚嘆していた。
 黒キラの技量に……ではなく。その物の考え方や言動に。

 

キラ  (……な、なんて自分勝手な物言いなんだ。
     相手のことを考えずただ自分が、自分達の考えだけが正しいと我を押し通す…)
黒キラ 「討ちたくない!討たせないで!」
キラ  (み、醜い! これは……これはかつての僕……?)
黒キラ 「でも違う! 命は……なんにだってひとつだ!その命は君のものだ彼の」
キラ  「うるさい!」

 

 その瞬間。怒涛のごとくストフリを攻めていたブラックフリーダムの左腕が吹き飛んだ。
 キラがビームサーベルで切り落としたのだ。

 

黒キラ 「え……?」
キラ  「知ったふうな口をグダグダと…!君が何を知っているというんだ!
     なんだかんだ言ってもとどのつまり『自分が正しい、自分は正義だ』と言ってるだけじゃないかッ」
黒キラ 「ちがう! 傲慢なのはあなたの方だ!
     僕はただひとりの人間だ! チ○キ様も!
     でもだからそれを知っているあなたを討たなきゃならないんだッ!」
キラ  「ッ!?」

 

 ダークフリーダムは距離をとって全砲門を開いた。キラはこの形態を知っている……ストフリの十八番フルバーストの形態だ!

 

黒キラ 「ターゲット・マルチロック……フルバーストファイアーッ!」
キラ  「ッ!」

 

 ダークフリーダムの前砲門が火を噴いたその瞬間、キラはストフリを急速上昇させた!
 いかにロックオンしたとはいえ射角が狭く、かつ自動追尾ではないフルバーストは全弾外れた!

 

黒キラ 「バカな…!フルバーストで狙われた相手は必ず撃ち抜かれて撃墜されなければならいのに!」
キラ  「動いている僕にそんな決まりきった攻撃が当たるものか!見てろ……」

 

 キラもストフリの全砲門を開く。ビームライフル二丁、クスフィアス3レール砲、カリドゥス複装ビーム砲……

 

キラ  「ターゲットマルチ……いや、それじゃ簡単に避けられる。どうする?どうすれば……」
黒キラ 「どうした?攻撃がこないというのならこちらからいくよッ」

 

キラ  「うーん…………そうだ!
     相手をMSだと思わず、とびっきりフリーダムなコスプレ美少女~♪だと思えばいいんだ!
     僕がカメラを向けると被写体の女の子はいつも恥ずかしがってレンズから逃げようとするだろ、
     そういうときどうする?無理矢理撮っちゃう?……いいや。
     相手が身をかわそうとする位置を予測し、最適の距離と最高のアングル、最強のタイミングで………
     そこだぁぁぁぁぁッ!!!」

 

ドガッドガガガッガーン!

 

黒キラ 「ぐわッ?ぜ、全弾命中しただって……?な、なぜ!」
キラ  「ごめんね。僕は春日部に来たからって決して弱くなったわけじゃあないんだ。
     むしろ日々新しい事(コスプレの撮影など)を吸収して、それらを血肉にしているのさ」
黒キラ 「……ッ!」
キラ  「2年前の時点から時間が止まったままの君がそんな僕に勝てるわけなかったんだよ。
     人は日々進化していくもの、なのさ」
黒キラ 「ぼ、僕は……僕達はどうしてこんな……こんな所に来て…」
キラ  「君は僕の亡霊だ。だからせめて最後は僕自身の手で」
黒キラ 「僕達の………世界、は……」

 
 

キラ  「さようなら。しんちゃん達に救われなかった昔の僕」

 
 

チ○キ 「………ダークフリーダムの反応が消えた?くっ……さすが私のキラきゅんやるわね!
     で、でもまだ2人残ってるわ…
     アスランにシンたんに……あとおまけのがきんちょは勝てるかしらねえ?ふふふ……」

 
 

 ―――続く

 
 

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