プルルルル……プルルルル……ガチャッ
ラクス 「はい、フリーダム医院です」
??? 「……ぐすッ……ううっ……も、もしもし? 僕だよ~」
ラクス 「……キラ?」
キラ? 「そうだよキラだよ~……うええ~~ん」
ラクス 「あの、どうしたのですか!? もしもし? もしも……」
??? 「お電話代わりました。警察の者です」
ラクス 「警察?」
??? 「実はお宅のご主人(?)が埼京線の電車内で痴漢の現行犯で先ほど逮捕されまして……
しかしまあ、初犯ということもあり被害者と話し合われて今回は示談という形になったのです」
ラクス 「………」
??? 「つきましては今から言う口座に今すぐ200万振り込んでいただきたいのです。いいですか?」
キラ? 「うえ~ん! ごめんよう~でも僕にはそんなおカネ……ひっく、ぐしゅ、うううう~~~」
ラクス 「……あなた方、キラでも警察でもありませんわね?
おそらく今流行りの『振り込め詐欺』とかいうのでしょう?」
キラ? 「な、なにをいうんだい! 僕は」
ラクス 「いいですか、うちのキラは……」
??? 「奥さんあのですね…」
ラクス 「いいからよくお聞きなさい!
そりゃあうちのキラはコスプレが大好きだったり、それをカメラで撮るのが好きな変人ですが……
踊り子さんに手を出すようなモラルに反する(?)ような事は絶対にいたしませんッ!」
ガチャンッ!
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
ラクス 「……という事が先日ありましたの。
で、わたくし即座に偽物と見破ってガツンと言ってやりましたわ」
みさえ 「へえ~まだそういう振り込め詐欺ってあったんだ……怖いわねえ」
カガリ 「あーわかるわかる! うちにも前にそういう電話がきたもんな!」
ルナ 「私も言ってやったわよ。
『朴念仁のシンがよその女にちょっかい出せる度胸なんてあるわけないでしょ!』ってね~」
カガリ 「私の場合は
『アスランがリアル女に興味を示すはずないだろ! 最近は一応恋人の私ですら怪しいんだ!』
と叩きつけてやった」
みさえ 「まったく、うちの男どもときたらてんでダメねえ~」
ルナ 「こうまでダメ人間だとはさすがの振り込め詐欺犯でも思ってなかったんじゃないんですか?」
カガリ 「ま、こんなおマヌケな詐欺師どもなどそのうち私が捕まえてやるさ!」
ラクス 「頼りにしてますわカガリ巡査さん♪」
カガリ 「おう! 任しとけ~」
4人 「はっははははは…………」
※ ※ ※
……数日後。春日部某所のとある雑居ビルの一室で……
詐欺師1「ちくしょう、最近あまりカモがかからねえな」
詐欺師2「なんかハズレばかり引いてるような気がするぜ……
今日こそは一軒でもいいから必ず振り込ませるぞ。まずは……」
バタ―――ンッ!
その時いきなりドアが蹴破られ、数人の男が部屋に踏み込んできた……
猫しん 「にゃん!」
シン 「ここか……怪しい連中が出入りしているという部屋は。ご苦労、しん」
猫しん 「うにゃ!」
しん 「お~、これはきっちゃない部屋だゾ」
詐欺師1「な、なんだてめえら! サツか!?」
キラ 「……警察なんかよりもっと怖いかもしれないよ?」
アスラン「お前等、最近調子にのってる振り込め詐欺師だな。
電話かけて適当な理由で脅迫し、金をATMに振り込ませようという……」
シン 「先日はどーも……なんか俺達んちにもお電話くれたんだって?」
詐欺師2「な、なんのことだよ? そんなの俺知らな」
シン 「ふざけんなッ! お、お前等のせいで最近、俺は家で物笑いの種にされてんだぞ!
おまけにルナの奴、マユにまで言いふらしやがって……
『お兄ちゃん痴漢したの?』て本気で嫌われそうになった挙句からかわれたんだぞ!
兄貴の面目丸潰れだ! どうしてくれる!」
しん 「まあ元からあるような、ないような、微妙な面目ではありますが♪」
アスラン「俺はカガリどころか、ミス・コニ―ルにまで白い目で見られるように……痴漢なんざ誰がするか!」
キラ 「ネット掲示板の書き込みですら逆探知可能なこのご時世に、
たかが電話で僕の逆探知から逃げられるとでも思ってたの?」
詐欺師1「あ、あの……なに言ってるんだ? あんた達……?」
シン 「要するに、だ」
キラ 「僕達に恥をかかせてくれたお礼をしにきたわけ」
アスラン「C.E.最強の3人をマジで怒らせたんだ……無事、明日の朝日が見れると思うなよ………?」
詐欺師 「ひ、ひえええええっ!?」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
翌日。
アー区エンジェル派出所の前に、ロープでぐるぐる巻きにされたズタボロの数人の男達が転がっていた……
そうとう辛い目にあったようで、取り調べに対しあっさり振り込め詐欺の犯行を認めた為その場で逮捕された。
なお彼らが具体的にどういう目にあったのかは不明である(本人たちはガタガタ震えて、がんとして口を割らなかった)……