「いまだ! GNファイナル・イノベイド・バズーカ……」
「まってたぜ! そいつは俺が貰ったァ!」
ブスッ!
「あふんッ!?」
「ああッ! バズーカになったバイオレットのケツに、アレハレ男爵の剣の切先が刺さった!?」
「な、なんで僕ばかりこんな目に……うわあああああっ!?」
「いくぜいくぜいくぜぇぇぇっ! 俺の必殺技! イノベイジャーバージョンッッッ!」
ドゴゴ~~~ン!
「うわあああ~~~~!」
「他愛もない! イノベイジャーよ、次のショーでトドメを刺してやろう! 次が貴様達の最後だぜッ」
「く、くそう…………ガクッ」
《最近妙にテンションが高いアレハレ男爵(中身はレイ)の猛攻に、大ピンチのイノベイジャー!
果たして奇跡の巻き返しはあるのか?
いよいよ次回、イノベイジャーの新必殺技が悪のソレスタルブーイングに炸裂する! この大逆転を見逃すな!
スーパーミネルバで僕たちと握手!》
(注:前売り指定券の予約はお早めにお申し込みください)
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ブリング 「……とまあこういうピンチな状況で、秩父山中に特訓に来てみたが」
デヴァイン「うーむ、一向に新必殺技が思い浮かばん」
リヴァイヴ「なにがいけないんだろうなあ……こんなに一生懸命特訓しているのに」
リジェネ 「特訓って……カッコいい決めポーズとか決めセリフの練習ばかりじゃないか……」
ヒリング 「それにしても、汗まみれでもう嫌になっちゃうわ。今日はそろそろやめにしてお風呂行かない?」
リジェネ 「ああそれ賛成……温泉に浸かって尻の負傷を早く直したい……」
リヴァイヴ「君は実体ないんだろ? 傷もなにも」
リジェネ 「こういうのは気持ちの問題なんだよ! ぼ、僕に刻まれた心の傷は深いんだ……」
※ ※ ※
そして、イノベイターは特訓の間逗留している旅館に戻ってきた……
言うまでもなく、春日部からの御一行が泊まってるあの温泉旅館である。
デヴァイン「……なんか賑やかだな」
リジェネ 「団体客でも来たんでしょ……それより早く温泉に」
ティエリア「ん……? お前達は」
ヒリング 「あら、ティエリアじゃない。あなたの事はリジェネから聞いてるわよ」
ブリング 「……なぜここにいる?」
ティエリア「なぜって町内会の旅行で……はッ!? まずい!隠れろリジェネ」
リジェネ 「え……うわッ!? む、無理矢理携帯の画面にお、押し込むな………ぶッ!?」
なぜか焦ったティエリアによって、リジェネは電脳空間に押し込まれてしまった……
リヴァイヴ「うわ、シュールな光景だなあ。でも、なぜリジェネを?」
ティエリア「今は聞かないでくれ……来た!」
しんのすけ「おっかえりィ~~♪」
ネーナ 「それをいうならたっだいま~~でしょ?」
留美 「花や緑を観賞するだけでも妙に心が癒されるものね……て、あら?」
ティエリア「や、やあ。おかえり」
留美 「ティエリア……はいいとして、そこにいるのはたしか『アロウズ』のイノベイター……
あなた達もこっちに来てたの?」
ブリング 「王留美とネーナ・トリニティ!?」
デヴァイン「……まあ不思議ではないか。ここで会うのも」
リヴァイヴ「だね」
ネーナ 「へーこれはまた見事に呉越同舟ね~。ここまでくるともう驚く気にもなれないわ」
しん 「……」
ヒリング 「な、なに?」
しん 「………なんだ男か」
ヒリング 「わ、た、し、は女ですゥ!」
しん 「おお~~~! オラ、一目見て美人なおねいさんだと思っていたゾ!」
ヒリング 「なんなのこの子……」
妙に和気藹々な空気の中、ティエリアの頭にリジェネから脳量子通信が。
リジェネ 『……で。なんで僕を急に隠したんだ?』
ティエリア『王留美がいるからだ。彼女はパーティー会場での僕の女装と君の存在を知っている。
下手すると前やった女装がバレる』
リジェネ 『ええ? じ、じゃあ僕はどうすれば……温泉に入りたいんだけど……』
ティエリア『しばらくそこに隠れて、みんながいない隙にこそこそ入ってくれ。
もしくはイノベバイオレットのマスク被っておくか?』
リジェネ 『……』
ヒーローになっても、温泉に来ても、リジェネの受難は相変わらずのようであった……