SEED-クレしん_16-388_03

Last-modified: 2009-06-11 (木) 18:31:09
 

「女湯への決死行!漢たちの挽歌だゾ」 後編

 
 

タタタタタ……! タタタタタ……!

 

 脱落したリヒティの屍を乗り越えて、女湯へと向かうA班の4人だが……
 途中通路に設置してある対人用イーゲルシュテルンの攻撃に足止めされていた。
 野郎どもは壁の影に隠れながら様子をうかがっている。

 

ムウ  「くそーマリュ―の奴め、あんなものまで持ち出してきやがったか」
キラ  「いやーまいったなあ~。マリュ―さんったら覗きに対しては徹底的に殺る気満々のようですね♪
     あははははは……」
ニール 「な、何のん気に笑ってるんだ!どう考えても異常だろこれは!?なんだって銭湯ごときにこんな……」
キラ  「と言われても……ま、あのマリュ―さんならこれくらいやっても全然不思議じゃないというか」
ムウ  「かくいう俺達も今までかなーりやんちゃしたしなあ」
ニール 「お、お前等……実弾で攻撃されるのがあ、当たり前って。過去に何をやらかしたんだ……?」

 

タタタタ……! タタ……タ……………

 

ムウ  「……ん? 攻撃がやんだな?」
ティエ 「ヴェーダでシステムに侵入して武器管制プログラムを改変した。
     これでもうこの先、女湯までに設置されたあらゆる武器にトラップは起動しない」
キラ  「あ、ご苦労様ですティエリアさん♪」

 

ニール 「お前こんなくだらない事にヴェーダを無駄使いすんなよ……」
ティエ 「いいだろう別に。僕の勝手だ」
ムウ  「まあまあ。あ、そういえば……なんでお前1人だけ服着ているんだ?」
ティエ 「これか? これは宅配便の配達人の制服だがそれがなにか。
     強固なシステムに侵入するにはこの姿に限る」
キラ  「……? よくはわからないけどなんか凄そうですね」
ティエ 「うん。凄いのだ」

 

   ※   ※   ※

 

 天下無敵のヴェーダにアクセスできるティエリアを味方につけたムウ達。
 こんな感じで順調に女湯に歩を進めていた……その頃イザ―ク達B班は。

 

イザ―ク「このまま道なりにまっすぐだ。慎重に進めよ」
クロト 「ほんとーに大丈夫なんだろうな?」
痔悪化 「もうこうなったら突き進むしかないぜグレィトッ!」

 

 ……まあ地味~にダクトをホフク前進していた。さらにC班のWしんは

 

カラカラカラ……

 

シン  「ただいま~」
ひろし 「ん?おう。2人ともおかえり」
しん  「よっ!」

 

ギル  「どうしたんだい? やけに早いご帰還のようだが?」
シン  「いやだって……歩く距離がありすぎるんですよ。
     相当歩いただろうと、艦内地図見て確かめたら全然進んでなくて。
     女湯なんてまだまだ先だって……」
しん  「とまあやる気なくなったし、疲れてもうどーでもよくなってきたから帰ってきたんだゾ」
シン  「考えてみれば風呂にまできて何で覗きなんて危険な事せなならんのだと……
     俺もう本当にどうでもよくなったんで、後は風呂に入ってゆっくりします」
ギル  「そうか……まあそれもいいだろう。
     あ、ところでシン君。風呂でゆっくりする前にそろそろ彼を何とかしてくれないか?」
シン  「彼……?」

 

 シンがデュランダルの指差す方向を見ると……サウナルームでぐったりしている紅龍の姿。

 

シン  「わわわッ!紅龍さんあれからずーっとサウナにいたのか!?」
紅龍  「…………」
アウル 「こいつ凄えぜシン……肌カラカラになって気絶してまでもギブアップしなかったんだからな。
     悔しいが……サウナで我慢比べ勝負は俺の負けだァ!」
シン  「猿ぐつわされてんだからギブなんてできるわけないだろッ! 気絶した時点で助けろッこのバカ!」
アウル 「なんだとこの赤目野郎! バカって言う奴こそバカなんだぞ!」

 

ひろし 「いやあ……青春だねえ」
しん  「見ててほほえましいですな」
ギル  「若いって素晴らしいね」
シン  「どこがだよォ! おーい紅龍さん目を覚ませ~~~~!」

 

 と紅龍がちょっとした臨死体験をしている頃。イザ―ク達は……

 

イザ―ク「このあたりだ。すぐ真下が女湯のはずだが……」
オルガ 「真下と言われてもな……下の様子を覗ける箇所がねえな」
痔悪化 「どうすんだ?どこかでダクトから出ないと覗きどころじゃないぜ」

 

ミシッ……

 

痔悪化 「ん?」
クロト 「どうしたよ」
痔悪化 「いや、今なんか俺の下で変な音が……」

 

バリリッ!

 

痔悪化 「う、うわ―――――!?」
オルガ 「あ……あーディアッカの野郎バカだな、ダクトの下が抜けて女湯の脱衣所に落ちやがった」
イザ―ク「なに。脱衣所……だと?」
スティ 「……」
クロト 「……」
イザ―ク「……お、俺達も落ちるか」
オルガ 「いひひひひ♪」

 

 こうしてディアッカに続き、抜けたダクトから脱衣所に降り立ったイザ―ク達であった。
 が……彼らは知らなかった。男性用のリストバンドには電波発信機が仕込まれており……
 その電波を男性禁止エリアのセンサーが感知すると……

 

痔悪化 「うろおおおおおおおおッ!?」
クロト 「し、しび、しび……痺ればびれぶ―――!?」

 

 床に高圧電流が流れる仕掛けになっていたりするのだ。

 

オルガ 「お、うおおおお~~!……イ、イザ―クお前すげー……
     か、体が黒で骨だけみ、見えるぞ……む、昔のアニメみてーだ!」
イザ―ク「しびびびび……!う、うるさいとにかくだ、脱衣所から逃げるのだ!に、逃げ………」
痔悪化 「は、激しくひ、否グレイト……だっぜ……!うわらああおおああああ!?」
クロト 「ぎゃああああああ!」

 

クリス 「……? なにか悲鳴みたいなのが近くで聞こえたような………」

 

 ……その後しばらくして

 

ネーナ 「おっ風呂♪おっ風呂~♪…………て、なに?この床に転がってるローストビーフどもは」
ステラ 「こんがり焼けてて美味しそう……」

 
 

 さらに同時刻。順調に女湯に向けて快進撃しつつある我等がムウ&キラ一味は……

 

キラ  「いやあ案外楽勝でしたねムウさん♪」
ムウ  「テイエリア君がいい仕事してくれたからな♪さーてこの角を曲がったら、いよいよ魅惑の楽園女湯だァ!」
キラ  「おもいっきりフリーダムな写真を!」
ムウ  「盗撮用のCCDカメラをあちこちに仕掛けまくってやるぜえ~」
ニール 「……はあ。なんで俺はやりたくもない女湯の覗きなんてものに付きあわされてるんだ……」
ティエ (ふむ。さすがにこれ以上は洒落にならない、か……犯罪を助長するわけにもいかないしな)
ムウ  「さあいよいよ女湯だ!いくぜみんなッ!」

 

 と、勢い込んで角を曲がると………何故か女湯の入り口に対人用と思われる小型のローエングリンが。

 

ムウ  「………は?」
キラ  「あのムウさん……あれなんかエネルギー充填しているみたいなんですけど……」
ムウ  「お、おいティエリア?」
ティエ 「悪い。こいつのシステムは独立していてヴェーダから介入する事ができなかった」

 

 これは無論大嘘で、ティエリアがわざと見逃しておいたのだ……

 

キラ  「ノ………ノォォォォォッ!」

 

 その瞬間、陽電子砲が発射された……
 超至近距離で直撃を受けた出歯亀4人は光の粒子となり、邪な野望とともに……この世からきれいさっぱり消え失せた。

 

ムウ  「う、うお……おお………」
キラ  「うう……」
ティエ 「なわけない。ちゃんと威力調整してあるからせいぜい頭アフロで黒コゲ程度だ」

 

ニール 「な、なぜ……お、俺……までこんな……目に……?」
ティエ 「すまないロックオン。お前だけ助ける方法がなかったものでな」
キラ  「そんな……き、君だけ……なんで平気、なの……?」
ティエ 「まあ僕は実体ないし」
キラ  「な……! ば、馬鹿な…………ガクッ」

 

 こうして……漢たちがその誇りと名誉とスケベ心をを賭けて挑んだ、女湯への決死行はすべて潰えた。
 途中で棄権したWしんとティエリア以外、みんな仲良くアフロで黒コゲとなり……後でマリュ―が野郎どもを回収してラクスに引き渡した。
 きっと後でこの世の地獄のごときお仕置きを喰らうのだろう……合掌。

 

   ※   ※   ※

 

シン  「……よっ」
ルナ  「あら、シンにしんちゃんじゃない。あんた達もちょうどお風呂から出たとこ?」
シン  「まあな。他のみんなは……その、もう少し長湯するってさ」
マユ  「ふーん。みんな、そんなにここのお風呂が気にいったのかな?」
しん  「ま、とりあえずそんなとこだゾ」

 

ギル  「それじゃあお約束という事で、みんないつもの『アレ』をやるとしよう」
ひろし 「お!いいねぇー」
ラクス 「わたくしもお風呂上りのアレが毎回楽しみですの♪」
みさえ 「そうねー。アレないとお風呂から上がっても入浴が終わったーって感じがしないものねー♪」
ひまわり「た~い!」

 

アニュー「……お約束?」
ヒリング「あのデュランダルさん、アレというのはなんですか?」
クリス 「ああそれなら私が教えてあげるわ。まず……そこの自販機からビン牛乳を買ってくる」
アニュー「ビン?え、えーと……コーヒーとかフルーツとか色々あるんですけど……」
クリス 「通はフルーツ牛乳を選ぶわ。めったに見かけないから」
ヒリング「ふ、フルーツフルーツ……っと。買ったわこの後どうすれば?」
クリス 「キャップを外してビンを右手でもつ。左手を腰に当てて…………さあ一気飲みするの!さんはいッ」

 

ごきゅ!ごきゅ!ごきゅ………!

 
 

みんな 「ぷは――!」

 
 

しん  「ま、というわけで~~これにて天使湯!こんぷり~~~と!」
マリュ―「どうだった?うちのお風呂は」
シン  「まっこといいお湯でございました!それではみんなッまた来週ッ!」
ステラ 「来週……?」

 
 

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