スーパーロボット大戦OG'S DESTINY
番外編01 「シン・アスカ大戦」
戦場のあらゆる物を断つ斬艦刀を持って戦場を翔るグルンガストに乗るシンがいた。
漆黒の鎧を纏い、巨大なビームクロウを持ったデスティニーに乗るシンがいた。
デスティニーに乗って異世界の公国軍の残党と戦うシン、
誰よりも感受性が強いニュータイプとともに戦って成長していったシン、
逆にニュータイプの呪縛を諦めぬ不屈の闘志で断ち切った少年とともに戦ったシンがいた。
他にも見渡す先にそれぞれにシン・アスカがいた。そして自分は見えない地面に1人ぽつんと立ち尽くしていて、今の愛機であるヴァイサーガはおろか、他の仲間達の機体の姿も見当たらない。
「こ、これは…!?」
『シン・アスカ、お前は世界を旅しなければならない』
現在の状況がまったく理解できず半ば混乱状態にあるシンの後ろから声が聞こえた。振り向くとそこにいたのは「この」シン・アスカは出会ったことがない銀髪の男。
「旅?どういうことだよ!?」
『俺達がそれまでこの世界を支えている。だから…お前は全てを破壊し、全てを繋げ』
「ハァ!?何まるでだめなオッサンみたいなことを…」
だが男はシンの言葉を聞いていないのか、懐に手を入れてある物を探し始め、「何か」を取り出した。
「そ、それは…!」
銀髪の男、クォヴレー・ゴードンの両手の上に乗っかっている物体を見てシンは言葉を失う。
危険だ、逃げろ、そのようにシンの本能が警告を発していた。
何がどのように危険なのかを考えることすら危険なのではないか。ラクシズ結成に大いに寄与した盲目の宗教家がレッツパーリするより危険だ。
双判断したシンは何も言わずに後ろを振り向いてその場から逃げ出した。両腕が、両足が、呼吸器系が許す限りの力を振り絞って走り続ける。
だが、後ろから何らかの気配を察して振り向くと、クォヴレーの懐から取り出されたモノがまっすぐにシンを追ってきていた。その物体とシンの距離は少し、また少しと縮まっていき…シンはそれに飲み込まれた。
* * *
「ぎゃああああぁぁぁ!」
腹の底からひねり出したような叫び声をあげて目を覚ます。もうこの世界に来てから随分経つので既に見慣れたものとなった天井が視界に入り、今見た出来事が夢であったのだとシンは認識する。
肌着は脂汗を吸ってべったりと肌にへばりついており、ベッドの上の枕もかなりの湿り気を帯びていた。到底歓迎できない夢による後味の悪さを振り払うべく、シンはベッドから立ち上がり洗面所へと足を向ける。
裏切者の元上役と異なり侵食が進んでいないデコの部分の汗を手で拭い、デコから湿気を帯びている頭皮、その先にある毛髪へと手が伸びたときだった。
触感がおかしい。
指先に伝わってくる触感は普段の真っ直ぐにツンツンと伸びたクセっ毛ではなかったのである。
髪の毛一本一本がくるくると回転しながら伸び散らかしており、全体のボリュームも普段より増量中状態になっている気がする。
寝ぼけ半分の脳では大方寝癖が爆発しているのであろうと思ったが、どんな頭になっているのか興味半分で頭を上げて鏡をみたシンの目に入った光景は…
アf……
【あとがき】
続かない。だが少し反省はしている。