Seed-Crayon_3-396_2

Last-modified: 2008-06-17 (火) 18:19:10

ラクス先生の涙
 
――ある日のアクション幼稚園――
 
しんのすけ(以下しん)「ほほ~い、ラクス先生、今日もキレーだぞーっ」
ラクス「あら、しんちゃん、ありがとうございます」
しん 「いやいや、それほどでも~」
ラクス「ふふ…しんちゃんはいつも元気ですわね」
しん 「そういうラクス先生はあんまりお元気じゃないみたいですな。キラお兄さんとちわげんか~?」
ラクス「ち、ちわ…っわ、わたくしとキラはいつも仲良しさんですわ!
    それに…わたくしだって元気ですわよ?」
しん 「そんな顔してたら説得力ないゾ」
ラクス「しんちゃん…わたくしは、そんなにひどい顔をしていますか?」
しん 「んーとねー、ときどきすっごいさみしそう顔してるゾ!
    ラクス先生には涙は似合わないぜぃ」
ラクス「まぁ…お上手ですのね。でも…仕方がないことなのです。
    しんちゃん…わたくしは、取り返しのつかないことをしてしまったのですわ…」
しん 「えーッそんなーっ。オラとの浮気がキラお兄さんにバレちゃったなんて~ん」
ラクス「ち、違いますわっ…私はしんちゃんたちに会う前、酷いことをしたのです。
    焦りすぎて沢山のひとを傷つけて…苦しめてしまった。キラも、アスランも…」
しん 「ラクス先生…ほんとにキラお兄さんとケンカしたの?」
ラクス「ええ…大人の喧嘩をしたのです。とても酷い、沢山の大人の喧嘩を…
    しんちゃんは…もし大切な人を傷つけてしまったら、どうしますか?」
しん 「謝るゾ! オラが悪かったよって、謝るゾ!!」
ラクス「それでも…許してもらえなかったら?」
しん 「許してもらえるまで謝るんだゾ。
    オラも風間くんやネネちゃんたちとケンカするけど、ちゃんと謝るもん!」
ラクス「しんちゃんはえらいですわね…
    貴方みたいな素直さがわたくしにも有ったら、道を間違わなかったかもしれません…」
しん 「それで許してもらえたら、『もう一度お友達になってください』って言えばいいんだよ~」
ラクス「…!
    しんちゃん…もしわたくしが、あなたやあなたの大切な人を傷つけていたとしても…
    わたくしを許してくれますか?」
しん 「ラクス先生はそんなことしないゾ!オラ信じてるもん!ラクス先生は優しい先生だゾ!!」
ラクス「ありがとう…しんちゃん…」
 
・・・・・・
・・・
 
よしなが先生「あら、キラ君じゃないの」
まつざか先生「ラクス先生なら中よ」
キラ 「ありがとうございます。…こんにちは、ラクス。しんのすけ君といたんだ」
しん 「よっ!じゃ、オラこのへんで~」
キラ 「???」
ラクス「しんちゃん?」
しん 「オラまだウマに蹴られたくないゾ! じゃ、そういうことで。ごゆっくり~」
 
キラ 「な、なんだかよく分からないな…」
ラクス「え、ええ、そうですわね…それでキラ、どうしてここに?」
キラ 「あの…ラクス、これ、差し入れなんだけど…」
ラクス「まぁ…スイートピーですわね。綺麗ですわ…でも何故?」
キラ 「カガリがね…最近ラクスが元気ないって…
    プレゼントでもしてちゃんと繋ぎ止めないと捨てられるぞって言われて…
    でも僕、そういうの良く分からないから、花になっちゃったけど…」
ラクス「キラ……あ…あの…いままで、色々ごめんなさい…!!」
キラ 「え!? な、何?突然」
ラクス「しんちゃんに色々教わったんです。…それから、花、ありがとうございます。とても嬉しいですわ…」
キラ 「なんだかよく分からないけど…喜んでもらえて、僕も嬉しいよ」
ラクス「ふふふ、キラ、大好きですわ!」
キラ 「っ、ラクス…!」
 
・・・・・・
・・・
 
しん 「やれやれ、一件落着ですな~」
まつざか先生「キーッ、いまどきの若い子はぁあっ!!」
よしなが先生「コホン…でもラクス先生も元気になったみたいだし、いいじゃないですか?まつざか先生」
園長 「まぁまぁ…いいですねぇ、若いって…」
 
全部覗かれていた二人でした。
 
 ―END―
 
 
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