Seed-Crayon_4-278

Last-modified: 2008-06-21 (土) 22:53:26

ミックスジュースを作るゾ
 
 ―ここはふたば幼稚園。今日も楽しくかすかべ防衛隊は砂場で話をしていた―
 
ネネちゃん(以降ネネ)「そんでね!そんときご馳走になったミックスジュースがとっても美味しかったの!」
しんのすけ(以降しん)「ほうほう、ピクルスシューズ?」
風間君「それを言うならミックスジュース!」
しん 「いや~それほどでも~♪」
風間、ネネ「「褒めてない!」」
まさお「へ~そんなに美味しかったんだ?そこでご馳走になったミックスジュース!」
ボーちゃん「っお」
ネネ 「そうなのよ!なんとも言えないあのフルーティーな味というか…ロマンチックな味というか…
    あ~忘れられない!ネネ一生の思い出にちゃう!」
しん 「ほうほう」
 
 そして帰りの時間…しんちゃんは走って野原家まで帰ってドアノブに手をかけ、開いた。
 
しん 「おかえり~!」
シン 「それを言うならただいまだよ、しんちゃん」
 
 すっかりこの家に馴染んだシンは風呂場で風呂掃除をしていた。しんのすけは素早く走って風呂場に入る。
 
しん 「お?シン兄ちゃん、今日はパートじゃないの?」
シン 「いや~それが今日休みでさっ、やることがないから…
    あ、そうだ。せっかく休みだし、買い物に行かないかい?チョコビ買ってあげるよ」
しん 「うん、それも」
シン 「え?それもって?」
 
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
 
 二十分後、シンとしんのすけは、買い物籠を片手にスーパーの果物売り場にいた。
 
シン 「いや~まさかしんちゃんがミックスジュースを作るとは。しんちゃん将来、コックさんになれるかもよ?」
しん 「いや~それほどでも~。
    あっ!ねえねえ、シン兄ちゃん。これ、ミックスジュースに使えそうだから買って」
シン 「どれどれ……!!」
 
 シンは冷や汗をたらした、しんちゃんが指を刺したのはマスクメロン…そしてシールで21000円とマジックで書かれていた。
 
シン 「…こ…これ……??)(恐る恐るしんちゃんに顔を向ける)
しん 「うん、オラこれ欲しい~~!」
 
シン 「……」
   (え~21000円?こんな丸いのひとつで21000円?
    果物といったら他にもいっぱいあるよ?りんごにバナナにレモンにみかん…
    それなのに、何コレ?りんごなんか1つ150円ぐらいだよ?
    バナナなんか一束150円ぐらいだよ?レモンも100円ぐらいだよ?みかんなんか1個30円…
    あっ、お正月に使うみかんじゃミックスジュースに不向きかな。
    同じ果物なのになんで 2 1 0 0 0 円 ?? 
    お~い、店員さん、値段一ケタ間違えてるんじゃないか?と一言…
    あ、そういえばよくミックスジュースってマユが作ってくれたよな、
    『はいお兄ちゃん!マユ頑張って作ったの!』ってあんな可愛い顔して俺に…
    マユ…マユ…) ←ただいま種割れ中
 
しん 「シン兄ちゃん?」
シン (はっ!いかん…今は過去と向き合う場合じゃない、今に向き合うべきなんだ、未来に向き合うべきなんだ…
    けどこの強大な敵は今の俺の手に負えない。かといって「だめ」などと一言言ったらしんちゃん悲しむだろうし…
    か、考えるんだ、隣には150円のりんご…そして周りには…そ、そうだ!!)←まだまだ種割れ中
 
 するとシンはぎらりと赤い瞳を輝かせ、あらぬ方向にに指を刺して叫んだ。
 
シン 「あ!こんなところに綺麗なおねえさんが!」
しん 「え!?どこ~?」
 
 あわててシンの言う「綺麗なおねえさん」を探し始めるしんのすけ。
 その隙に、シンはあわててりんご、バナナ、オレンジなどの果物を速攻で買い物籠に入れ、しらじらしく口笛を吹いた。
 
しん 「どこにもいないゾ、シン兄ちゃん」
シン 「あれ?おっかしいな…ま、まあいいやっ、そ、そんじゃお菓子売り場行こうか」
しん 「わ~い!」
シン 「あはは・・・」(俺って奴はぁぁぁああああああ!!)
 
 …シンは自己嫌悪に襲われていた…
 
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
 
 無事(?)買い物を済ませたシンとしんのすけは無事に帰宅し、台所でさっそくミックスジュースの準備
に取り掛かる。
 テーブルの上に包丁にまな板にリンゴ、みかん、バナナ、牛乳、ミキサーを用意する。
 
シン 「よしっ、これで全てそろった。
    さてとっ、後はリンゴをみじん切りにしてみかんの皮むいて中身だけ取り出し、
    バナナももちろん、それが終わったらミキサーに…」
しん 「シン兄ちゃん料理できるの?」
 
 するとシンはさわやかに笑いながら、まな板の上でリンゴの皮を包丁で手際良くシャリシャリと剥き始めた。
 
シン 「大丈夫だって!こうみえても俺は、少しぐらいなら料理できるんだぞ」
しん 「ほうほう、さすがシン兄ちゃん!」
 
 そういいながら、冷蔵庫から卵を取り出す…
 
シン 「こ、こんぐらい当然だって、当然 ///」
 
 皮を完全に剥いたリンゴを細かく切り始める。
 
しん 「いや~それほどでも~」
 
 さらにバターやらソースやら取り出す…
 
シン (ほ、褒めてないって //)
 
 みかんの皮を剥いて、手際よくみかんの中身だけを取り出す。
 
しん (えと、これもあれも…)
 
 さらにいろんなものを取り出す…
 
シン (そういえば、マユってミックスジュース作るの上手かったよな…)
 
 バナナの皮を剥いて、細かく切っていく。
 
しん (これもだ)
 
 さらにさらにいろんなものを取り出す…
 
シン (……マユ……)
 
 ミキサーにリンゴやバナナやみかんを次々と入れていく。
 
しん 「ねえシン兄ちゃん、そういえばミックスジュースって、『いろんなもの』を入れていいんだよね?」
 
 ソースをミキサーにどっぷんどっぷんと入れる…
 
シン 「ん?ああ、いろんなものっていってもさすがに酒とか卵とかはだめだけどな、ははは」
 
しん (これは「母ちゃんが買ってきた卵」で「料理酒」だからセーフ…)
 
 卵を綺麗に割って入れる…
 
シン (何かぶつぶつと心の中で言っているようだ。しんのすけが視界に入っていない)
 
しん (それから、これとこれも…)
 
 さらにいろんなものを入れる…
 
シン (!! い、いけない、過去に向き合いすぎた…)
   「よし、それじゃあまわすぞ」
 
 ミキサーのスイッチを押す。
 
 ウィィィィイイイイイイイイン!!!
 
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
 
シン 「……な…な、何なんだこれはぁぁぁああああああ!!!」 ←ようやく気づいた
 
 シンはあわててスイッチを止めるが、ミキサーの中には黄色でもなくオレンジでもない、灰色をした得体のしれない液体ができていた……
 
しん 「ああ~~!!こ、これはなんなんだゾ!」
シン 「あ…あんたは一体何なんだァーーーーーっ!!」 ←ミックスジュースに指差して絶叫
 
シン 「と、言っても何の解決にもならない…」
しん 「う~む、やはりここは作ってしまった以上、潔くお飲みになるのがいいいですな」
シン 「…」 ←真っ青+ミックスジュースとにらめっこ中
しん 「…」 ←真っ青+ミックスジュースのにらめっこ中
シン 「…うおおおおおお!!」 ←コップにミックスジュースをついで飲む
しん 「ああっ!?シン兄ちゃん!」
 
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
 
 シンはゆっくりとテーブルに飲み干したミックスジュースのコップを置く…
 
しん 「ああっ!シン兄ちゃん!ふっ」 ←倒れたシンの耳にふっと息を吹きかける
シン 「うわあっ!はっ…こ、ここは…?
    お、思い出したぞ、確か得体の知れないミックスジュースを飲んだら光り輝く扉の前に立ってて…」
しん 「う、う~む、そ~と~逝き掛けてたらしいですな、これは」
 
 シンとしんのすけは、ミックスジュースに視線を向ける…まだミキサー内に1/3程残っている。
 
シン 「…処分…」
しん 「ですな」
 
 2人は深いため息をつくと、ゴミ袋を探しに台所を出た…しかしゴミ袋が見つからなく、15分経った。
 
シン(台所に入る)「ふ~、やっと見つかっ…」
しん(台所に入る)「そうですなあ、いや~くたびれ…」
 
 そこにはテーブルでコップについだミックスジュースを飲むみさえが普通にいた…
 そう、彼らはゴミ袋を探すのに夢中になって、みさえが帰ってきたことに気づいてなかったのだった。
 
シン 「あ…あ…」
しん 「……」(絶句)
みさえ「あら二人とも、どうしたの?そんな何かにおびえたような顔をして」
シン 「い…いや、なんでもないよな!?しんちゃん…」
しん 「そ、そうそう!いつもと変わり…」
みさえ「?」
 
 
しん (さ…さすが母ちゃん…太もも…)
シン (…あ、あなたは一体なんなんだ~~~~っ)
 
 
戻る