嵐を呼ぶ!春日部お花見大会だゾ
【前編】
~野原家~
シン 「ふあ……おはよ~。あれ?みさえさんにルナ、むさえさんまで何やってるんですか?」
ルナ 「なにって、昨日言ったでしょ?今日むさえさんとマユちゃんの歓迎会を兼ねた、お花見大会をやるって。
その準備よ」
しんのすけ「おおう、ご馳走でいっぱいですなあ~。どれどれちょっと味見を……」
みさえ 「こら、つまみ食いをしない!シン君もしんのすけも、暇だったらしまってあるレジャーシートを出したり、
買出しに行ってきなさい!やる事はたくさんあるんだから!」
Wしん 「……へ~い」
* * *
シン 「ふむ、これで買う物は全部か。
……そう言えばしんちゃん、確か今回の花見にはまたみんなが来るんだって?」
しん 「いや~今回も楽しい事になりそうですなあ~~」
シン 「う~…ん、楽しいと言うよりどんな阿鼻叫喚の地獄極楽が展開されることか……」
ステラ 「あ、シンだ。やっほ~~~。」
シン 「ん?ステラにアウルじゃないか。どうしたんだお前達?」
アウル 「買出しさ。部屋でごろごろしてたらスティングのヤツに放り出されてな。
おかげで、という訳でもないが、買い物したらこんなもんを沢山貰っちまったぜ。」
しん 「ん?確かそれ、駅前でやってる商店街の福引券でしょ?おら達もいっぱい貰ったゾ」
シン 「福引か。どうせこのまま家に帰っても邪魔もん扱いされるだけだし……いっちょ駅前に回しに行く?」
アウル・しんのすけ「いいねえ~~」
ステラ 「……何かみんなでパチンコに行くみたい……」
* * *
~商店街~
アウル 「お、ここが福引所みたいだぜ?どれどれ、賞品はどんなんだ……?」
シン 「一等がハワイ旅行、二等が大型プラズマテレビ、三等がDVDレコーダー……へえ、けっこう豪華だな」
アウル 「へへっ。ここで1発ハワイ旅行でも当てて、ネオやスティングを驚かしてやるか!
お~い!おっちゃん、福引させてくれよ」
しん 「アウル兄ちゃん、一等賞当てられるかな?」
シン 「……さあ?」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
アウル 「………」
ステラ 「…当分、ちり紙に困らないね」
シン 「全弾はずれ、残念賞の山か」
アウル 「う、うるせえ!俺はこういうのって苦手なんだよ!」
しん 「次はおらがやるゾ!シン兄ちゃん、福引券ちょうだい!」
シン 「う~ん……こういう時のお約束ってことで、しんちゃんなら大きいのを当てられるかな?」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
しん 「……むう~~この福引の機械、壊れてるゾ!」
シン 「…しんちゃんでもダメか。残った券はあと一枚……しんちゃん、俺にも1回やらしてくれよ」
しん 「いいよ。はい、最後の福引券」
シン 「あんがと。それじゃダメ元で…
(ガラガラ…コトン)
…緑の玉か。やはりはずれかな?」
おじさん「お…おお……おお当たりィ~~~!
(カランカラン!)
4等賞、進級おめでとうセット大当たり~~!」
しん 「おおう!すごいゾシン兄ちゃん!4等、当たったゾ!」
シン 「う、うう~ん…嬉しいような、そうでもないような……
第一、新品のランドセルとか文房具なんて誰か欲しいヤツ、居るのか?俺はいらんぞ?」
ステラ 「……マユちゃんにでも上げたら?喜ぶよ……きっと」
シン 「そうかあ?マユだっていつまでも子供じゃないんだし…いくら何でも、なあ……」
しん 「それじゃ、それオラにちょうだい♪」
シン 「いや、しんちゃんにはちょっと……しんちゃんはいつ、小学生になるか分からないからなあ……
それにこのランドセルの色、赤だし」
* * *
……そして、その日の夕方。
ひろし 「みんな、忘れ物ないか?そろそろ行くぞ~?」
みさえ 「ガスの元栓、戸締り良し、と……それじゃ行きましょ、みんな!」
ギル 「おお、ひろし君。君達もこれからお花見に行くのかね?」
タリア 「こんばんわ、みなさん」
シン 「議長、店長…レイ。やはりみんなも参加するんですか?」
ギル 「ああ…ざっと聞いたところではキラ君達やイザーク君達、幼稚園のみんなやアズラエル君達も来るようだ」
ルナ 「要するにいつもの連中が、いつものごとく集まるってワケですか」
しん 「いやあ~~今回もおもしろい事になりそうですなあ~~」
ひまわり「たあ!」
キラ 「あ、みなさんこんばんは。これからお花見ですか?奇遇ですねえ僕達も……」
レイ 「ゲェーーーー!キ、キラ・ヤマト!どうしてお前がここにいる?!」
キラ 「ど、どうしてって…ひどいなあレイ君。僕達がお花見に行っちゃいけないって言うのかい?」
ラクス 「ひどいですわレイさん。やっぱりあなたは私達の事を……」
しん 「今のはレイ兄ちゃんが悪いと思うゾ?」
シン 「そうだレイ。あやま」
レイ 「違う!キラ・ヤマトは今日の朝から、お花見の場所取りをしているハズなのだ!なのにどうして……」
カガリ 「うるさいなあ。お前ら道の真ん中で叫んでいるなよ。近所迷惑だぞ?」
レイ 「ぐわッ!もう一人の場所取り役、カガリ・ユラ・アスハまで!
ど、どうするつもりだ!場所がキープできなければ、お花見などできんのだぞ!?」
カガリ 「ああ、その事か……心配はいらん、とにかく花見をする場所に行こう。そうすれば分かる」
レイ 「……?」
* * *
その公園の桜は満開に咲き誇っていた。
まさにお花見をするには申し分ない、ある種幻想的な風景。他の花見客もたくさんいる。
その中、一番大きな桜の木に巨大な影が2つあった。
シン 「……ストフリとルージュが座り込んどる。確かにこれじゃ、他の人がここで花見なんか出来ないわな」
ひろし 「2人、いや2機で正座してお茶を飲んでいるな。どこであんな巨大な湯飲みを……作ったのか?自分で」
みさえ 「ま、まあこれで場所は取れたんだし、さっそく準備しましょ?
それじゃキラ君、カガリさん。そのMSをどけてくれる?」
キラ 「はい。……フリーダム、朝からご苦労さま。また来年も頼むよ」
ギル 「お、ムウ君たちも来たようだ……では、準備が出来次第、始めるとしよう」
シン 「……神様仏様。お願いですから今回は平穏無事に済みますように……南無南無……」
ルナ 「シン……困った時の神頼み?」
シン 「今はなんにでも縋りつきたい気分なんだ」