Seed-NANOHA_まじかるしん_第30話

Last-modified: 2007-12-24 (月) 12:41:02

「既に中に入ってからもう10分か……」

シグナムはイラつきながら研究所を見る。

既にすべての酸素は抜けており、未だにフェイト、そしてシンとレイが出てくる気配はない。

ここまで来て帰ってこないという事は、シンとレイのも身にも何かあったのだろう。

もうここまで来たら絶望的かもしれない。

流石にフェイトを信頼しているもみんなも、ほとんどあきらめかけている。

「フェイトさん……」

キャロにいたっては既にないていた。

エリオも泣きたい気分だが、がんばってそれをこらえる。

「フェイトちゃん……」

フェイトの親友、なのはも彼女の身を案ずる。

「くそ!」

シグナムは叫びながら研究所のほうへ向かおうとする。

しかし、ある人物に腕をつかまれる。

「主……」

シグナムははやての顔を見て苛立ちが消えていった。

「今、さらに犠牲を増やすわけにもいかん」

いまのはやては、本当に悔しそうな顔をしている。

自分がフェイトを止めなかったばかりにこうなってしまった。

もし、本当に死んでいた場合、リンディやクロノになんていえばよいのだろうか。

そう思ったときだった。

急に目の前の研究所から爆発が起きた。

「な、何!?」

はやてはそのほうを見る。

爆発と共に出てきたのはレイと、先ほどまでお姫様抱っこでフェイトを抱いていたシンが、今では木材を担ぐようにフェイトをもって出てきた。

シンはフェイトをゆっくりと地面に寝かせる。

「フェイトさん!」

どうやらまだ生きているみたいで、ほっとするエリオたち。

「エリオ…キャロ……」

フェイトも外へ出たのだと思うと、ほっとして

しかし……

「にがさん!」

それと同時に、シェルブリッドを装備し、ハイペリオンになったカナードが突っ込んできた。

「む?」

カナードは異変にきづき急停止する。

目の前には他の機動六課のメンバー。

(ち、深追いしすぎたか……)

カナードの前にはやてが出てくる。

「機動六課部隊長の八神はやてです。ご同行願えますか?」

はやての言葉に、返事の変わりにシェルブリッドをかざす。

浸かり、同行する意思はないということである。

だが、これだけの数は流石に分が悪い。

そう思い再度研究所に戻ろうとしたときだった。

カナードの後ろに何かがつきたてられる。



それはシグナムのレヴァンテインだった。

シグナムはすぐさまレヴァンテインをシュランゲフォルムに変え、逃げ場所をふさぐ。

(ちぃ……)

カナードは舌打ちをしつつも周囲を探る。

この場をどうやって脱出するか……

実は、このコロニーの宇宙港のドッグに、このコロニーに来るために使った輸送船がある。

そこの到着背すれば同にでもなる。

だから、ここをなんとしてでも脱出しなければならない。

(隙を突くか……)

カナードはキョロキョロと周囲を見る。

おそらくフェイトその場にいる二人の子供は狙いや周防だが、それを察しているのか隊長陣が厳重に見張っている。

(ならば……)

カナードはヴィータの方へと向かう。

ヴィータの方も構える。

どうせ自分をエリオやキャロみたいなものだと思っているだろうとヴィータは呼んだ。

「甘え!!」

ヴィータもグラーフアイゼンを構え応戦しようとする。

(かかった!)

カナードはヴィータは自分を迎えようとしたときに急旋回する。

それと同時に、肩にある3枚の翼のうち、1枚が消える。

そこからは謎の力が発生し、すさまじい加速でその場を離れる。

「しまった!!」

ヴィータはあせってカナードが向かった方向を見る。

「はやて!!」

そう、その方向にははやてがいるのだ。

「衝撃のぉ…ファーストブリッドオオオオォォォォ!!」

カナードは叫びながらはやてのほうへと向かう。

酔えきれないと察したはやてはプロテクションを展開。

ファーストブリッドとプロテクションがぶつかる。

「う!?」

はやてはこれまでない衝撃に苦痛の顔を浮かべる。

以前に受けた鉄球の攻撃をも軽くしのぐほどの衝撃だった。

「ううおおおおぉぉぉぉーーーーー!!」

カナードはもう一度叫び、その衝撃と共にプロテクションを打ち破ち、カナードの右腕ははやての鳩尾に直撃する。

「が!!…は……」

そのまま一気にはやてを吹き飛ばす。

はやてはものすごい速さで建築物にぶつかる。

「はやてちゃん!!」

なのはははやての所へ向かおうとする。

それを見たカナードは一目散にこの場を後にしようとする。

「!?」

しかし、それはシグナムによって阻止された。

すさまじい速さで切りかかってきたシグナムに、カナードは直前まで気付かなかった。

攻撃は紙一重で避けたが、ぱさりと自分の神が数本切られた。

「なのは……はやてをたのむ」

ヴィータも静かになのはにはやての事を頼む。

「スバルとティアナもはやての所へ行け。

こんなぼろいコロニーじゃなのはは全力を出せねえだろうしはやてのこともある、もしもの時にしっかり二人を守れ」



ヴィータの言葉にはい!と急いでなのはのところへ向かう。

それを見たヴィータはカナードを睨む。

その目には涙があふれていた。

悔しかった、目の前ではやてがやられたのを見て。

「シグナム……あたし…」

「ヴィータ、これはお前だけではない。見抜けなかった我らの責任だ」

シグナムの顔からも、悔しさと怒りが入っていた。

自分達の目の前で主に怪我をさせてしまった不覚。

言い訳はしない。これは紛れもない自分達の責任だ。

「だが……」

「ああ、今はあいつをぶっ飛ばす!!」

カートリッジを消費するヴィータとシグナム。

カナードも同時に構える。

どうやらあの二人の火に油をそそいでしまったようだ。

「まずは私から行くぞ!」

まずはシグナムは高く飛び上がる。

さらにカートリッジをロードする。

カナードもそれを応答に飛び上がる。

「撃滅のおおぉぉ!」

「紫電……」

カナードはもう一度羽を消費し急加速。

シグナムのレバンティンの周囲に炎をおびさせる。

「セカンドブリットおおぉぉーーーーー!!」

「一閃!!」

二人の叫ぶと共に、ぶつかる剣と拳。

「くううぅぅぅ……」

「ぬぅおおぉぉ……」

その力は互角。

激しい魔力が周囲に飛び散る。

「すげえ……」

フェイトやエリオのそばでそれを見ていたシンは今日が驚愕の顔を浮かべる。

「これが、本気のSランク同士の力かよ……」

そして思う、いつかは自分もあのように強くなって見たいと。



「はやて部隊長、大丈夫ですか!?」

スバル達ははやての所へ駆けつける。

「スバル、ティアナ…私じゃ今どうなってるかわからないし、どうすることも出来ないからシャマルさんを呼んでるんだけど……」

なのはの視線の先には、腹部の甲冑が砕けバリアジャケットも破られ、さらにはかなりひどい痣まで出来ていた。

骨も折れているかもしれない。

そのことシャマルに話すと、すぐに特急で駆けつけるといっていた。

(シャマルさん、今私にできる事はありますか?)

なのはは今時分にできることはないか尋ねる。

(なのはちゃん……正直、はやてちゃんの様態を詳しく見たいとわからないんだけど、そんなにひどいの?)



シャマルは本当に心配そうに尋ねる。

(はい…甲冑や服も裂けて、ひどい痣まであって……骨も何本か折れてると思います)

なのはから大方の事を聞いて、シャマルはしぶしぶ言う。

(あんまりひどいと下手に触るといけないからそっとしておいて。

もしはやてちゃんが目を覚ましたら、下手に動かないでって言っておいてね)

わかりました、と悔しそうになのはは言う。

わかっている。こういう事に関する事はシャマルが専門で、自分には出来ないことは。

だが、仲間が、大事な友達が大変な目にあっているのに何も出来ないのが悔しかった。

(それで、フェイトちゃんは大丈夫なの?フェイトちゃんも倒れたって聞いたんだけど)

フェイトの事を聞かれ、なのははフェイトのほうを向いて答える。

(フェイト隊長は既に起き上がっているみたいだから多分大丈夫だと思います。向こうにはエリオたちやシンたちもいますから)

なのはの視線には、何とか上呼吸を整え、上半身を起こしているフェイトがいた。

それを聞いて、うーん…と悩むシャマル。

(とりあえず、すぐにそちらに向かいますね)

そういって通信を切るシャマル。

「うう……」

すると、はやてが目を覚ました。

「はやて部隊長」

「スバルにティアナ。それになのはちゃんも…ここは……」

スバルの声に反応して、はやては周囲を見る。

その時、シグナムがカナードと戦っているところを見る。

「シグナム!」

すぐに援護に行こうと立ち上がろうとする

「っつ」

その時、腹部に激痛が感じるのをはやては感じた。

「はやてちゃん安静にしてなきゃ。もうすぐシャマルさんもくるから」

「そうですよ」

なのはたちに言われ、悔しいが仕方なくその場に寝るはやて。

「リィンフォースは……」

はやての言葉に、なのははリィンフォースのほうを指差す。

そこには自分と同じくぼろぼろで気を失っているリィンフォースがいた。

「とっさにリィンフォースがはやてちゃんをかばったんだと思う」

なのはの話を聞いて、はやては涙を浮かべる。

「ごめんなあリィン。私がもっとしっかりしとったらこんな事にならへんかったのに」

と自らの油断を責めるはやて。

そしてはやてはもう一度シグナムの方を見るのだった。

その時、シャマル、そしてザフィーラがすぐそばまでいるのをはやては感じた……



(そろそろか……)

カナードと必殺技のぶつかり合いをしている中、シグナムはタイミングを図る。

このカナードと言う男、かなりの実力を持つ。

テスタロッサと同じか、それ以上と言うのも納得がいく。

いや、この変な攻撃を含めれば、確実に上かもしれない。

遠くから見れば互角に見えるかもしれないが、シグナムには既に苦痛の表情を浮かべている。

だが、カナードは表情を見る限り、まだ余裕がありそうだった。

(レヴァンティン、もう少しの間耐えてくれ)

シグナムは自分の相棒を見る。



(ヴィータ、まだか?)

シグナムは少々あせりながら、今回の鍵を握るものに聞く。

(ああ、いつでもいいぜ!)

ヴィータは上空でグラーフアイゼンを構える。

「アイゼン、一気に行くぞ!!」

ヴィータはカートリッジをロードすると、アイゼンは巨大なハンマーへと姿を変える。

「何!?」

カナードは更なる増援に驚き、少し隙が出来てしまう。

そのわずかな隙に、シグナムは渾身の力をこめてその場を離れる。

シェルブリッドにヒビを入れるというおまけ付きで。

カナードはそんなシグナムをほうっておいてヴィータを見る。

さっきの魔術師の攻撃で社得るブリッドにひびが入っている。

「くっ、抹殺のラストブリットオオォォォーーーー!!」

だが、それでもカナードは3枚あった最後の羽を消費する。

だが、満足な状態で放ったヴィータと、そうでないカナード。

二人がぶつかり、少し経過したときだった。

いきなりバインドがカナードの腕に撒きつく。

「何!?」

バインドとヴィータの攻撃でぴきぴき、とシェルブリッドのヒビがさらに深くなる。

「ぶちぬけーーーーー!!」

ヴィータの叫びと共に全力で力を入れ、シェルブリッドを叩き割る。

「ううぅぅ!」

その激痛にもだえるカナード。

そのままヴィータはアイゼンを思いっきり振り、カナードにぶつける。

「がああぁぁぁぁーーーー!!」

カナードに激痛が奔り、絶叫を上げる。

「まだまだあ!!」

だがヴィータの勢いは止まらず、はやてのお返しとばかりにカナードを吹き飛ばす。

「はやてを傷つけた罰だ!ぶっとべーーー!!」

カナードは思いっきり研究所のほうへ吹き飛ばされ、はやてと同じように建物に激突した。

「はぁ……はぁ……」

ヴィータは深く息を切らしながらザフィーらを見る。

「ザフィーラ…助かった……」

そこには、はやての所までシャマルの護衛をしていたザフィーラ(人型)がやってきた。

先ほどのバインドはザフィーらによるものだった。

ついでに、戦闘メンバー全員出て行って六課本部はどうするんだよ?という疑問が出るが、

そこは気を利かせたクロノ、そしてゲンヤがいくつかの部隊を六課に送り緊急時に備えている。

「ヴィータ、後は俺に任せて主のところへ。シャマルも既にいる」

ザフィーラの言葉にああと頷き、ヴィータはこの場を後にしようとする。

「ザフィーラ……ごめん」

だが、ヴィータは涙を流しながらザフィーらを見る。

「私のせいで…私のせいではやては……」

ザフィーラはそんなヴィータを見て、ぽんと優しく手を頭に置く。

「シグナムも言っていただろう。これはお前だけではない、我らだけの責任だ」

うん、と頷くヴィータ。

そして急いではやてのほうへと向かっていく。



「ザフィーラ、早く行こう。あいつが何をしでかすかわからん」

シグナムの言葉にああと頷いたザフィーラ。

二人はヴィータが吹き飛ばしたカナードの元へと急ぐ。





ヴィ「何とかカナードを倒した機動六課」

シグ「しかし、カナードはまだすべての力を出していなかった」

シャ「ついにカナードは反撃を開始する」

ザ「次回「クローンと実験材料」に、クリナップクリンミセス」

ヴィ「そういや、ザフィーラがこのコーナーに出てくるのってほんと久しぶりだよな。もしかして始めてじゃねえか?」

ザ「そうかもしれん」

シ「そのあいだ何をしていたのだ?」

ザ「このコーナーのADをやっていた」

シャ「え?」

ザ「見なかったか?たまにかんぺを出してたのだが……」

ヴィ「わりぃ…全然気付かなかった」