Seed-NANOHA_まじかるしん_第36話

Last-modified: 2007-11-26 (月) 09:33:11

「けど、二人とも本当に久しぶりね」
ドゥーエは数年ぶりにあう妹、トーレとチンクをみる。
「ドゥーエお姉さまもお変わりないようで。確かお姉さまは今極秘の任務中では?」
そう、話の内容は教えてもらってはいないが、今ドゥーエは極秘の任務中である。
それでかなり昔から別行動を取っている。
だからセイン以降は彼女の顔を見たことがなく、始めて見る2番目の姉をまじまじと見る。
「ところで、さっきの髪の赤い妹……ノーヴェだっけ?」
「ん?」
ニコニコと笑っているが、どこか怖い表情を浮かべながらドゥーエはノーヴェに近づく。
そして、その顔に手をやり、思い切りつねる。
「いひゃいいひゃいいひゃい!なにふるんだほい(イタイイタイイタイ!何するんだおい)」
「実のお姉さんに対してコイツ呼ばわりはないんじゃないかしら?こんなの事を言うのはこの口?」
「いひゃひゃひゃひゃ(いたたたたた!)」
ギューーっとおもいっきりノーヴェの頬をつねったりのばしたりするドゥーエ。
うっわ~~、とその光景をあっけに取られてみるウェンディとセイン。
トーレとディードもあまり表情には出さないが少々驚いている。
「それよりお姉さま、どうしてレリックの情報を?」
トーレが尋ねると、あ、そうそうとつねっていた手を離すドゥーエ。
「いっつつ……」
ノーヴェはつねられたあとをさする。
「大丈夫か、ノーヴェ」
そんなノーヴェをチンクは心配そうに見る。
「あれはあれでドゥーエお姉さまのスキンシップの一つだ」
「そうなの?」
ああ、といってチンクアドゥーエを見る。
「あら、この子はチンクが面倒見てるの?」
「面倒と言うよりは懐かれてはいます」
「だめよ、教育をおこたっちゃ」
「別に教育はしていません」
「それに、それはあまりドゥーエお姉さまには言われたくはありませんよ」
トーレの言葉に?マークを浮かべる後期ナンバーズ。
その疑問に答えたのはチンクだった。
「クアットロはドゥーエ姉さまにかなり懐いていてな、姉さまもかなり面倒を見ていた」
チンクの言葉にああ……と一同は頷いた。
確かにどこかクアットロの行動は似ている(と言うよりこの場合はクアットロが似ているのだろうが……)
「あの子にも会ってきたわよ、モニター越しだけど。それと10番目の子にもね。みんな元気で何よりね」
そういって、ドゥーエはレリックをトーレに渡す。
「この件だけど、言っちゃうと仕事にかかわっちゃうから企業秘密ってことで。すべてが終わったらみんなにも話すわ。
ただ、レリック自体は厳重に封印されてて、ただのロストロギアの疑いがあっただけだったから簡単だったのよ」
そういって、くるりとすぐに返信するドゥーエ。
その姿は管理局員の服だが、何故かぼろぼろであった。
「そろそろ管理局も追ってくるからね。いろいろと準備をしなきゃ」
そういってこの場を離れるディード。
そして、振り向かずに最後にこういった。
「すべて終わったら、皆でパーッとやりましょう」

 

はい、とトーレとチンクの声が聞こえてから、くすっと笑ってその場を後にした。
「私達も戻ろうか」
チンクの言葉にうん、と一同もこの場を後にした。
そういって手煮をしていった後、それを見送ったドゥーエはまたね、と小さくつぶやいた。
「あの!ガジェットの反応があったんですけどどうしたんですか!?」
そこに、まだ若い二人の女性局員がやってきて、ドゥーエの傷をみて何があったのか尋ねる。
「すみません、ロストロギアの運搬途中にガジェットに襲われて……応戦はしたのですが、数が多くてこんな事に……ケースも奪われてしまいました」
まるで先ほどまでガジェットと戦っていたかのように振舞うドゥーエ。
「それって、こんなケースじゃなかったんですか?」
双いて、オレンジ色の神をした女性、ティアナはあるケースのモニターを出す。
それは、レリックが保管されているケースだった。
そのケースを見て、ええと頷くドゥーエ。
それを見てティアナは考えて……
「解りました。倒れている局員は私達が運びますから、あなたは早く戻って治療を」
「わかりました」
そういってこの場を後にするドゥーエ。
「スバルはここら辺見張っといて、何があるかわからないから」
「うん」
そのドゥーエは陰で笑っていたことに二人が気付く事はなかった……

 

「そうか…一足遅かったか」
はやては戻ってくるなりレリックらしきものが入っているケースをガジェットに奪われたという報告を聞き、考える。
「はやて、私のほうでも調べておくから」
そういうフェイトに、よろしくたのむなあとはやてはもう一度情報を見る。
「あのー、八神部隊長、フェイト執務官」
シン達フォワード陣はさっきから何かいいたそうにその方向を見る。
「あの子って誰なんですか?」
そこには、さっきからなのはにべったりくっついている女の子と見る。
「あの子って、シンがコズミック・イラで保護した子やないか」
「いや、それは知ってますよ。俺達が聞きたいのは、何でここにいるんですかってことです。あの子は聖王教会が保護してるんじゃ?」
シンはシャマルからこの子、ヴィヴィオは聖王教会にいると聞いた。
それが、なんでここにいるのか……
「ああ、それはな……ちょっと時間を戻さなあかんのよ」
今より数時間前、会議も終わりなのは達も戻ろうとしたときだった。
その前に、最後に人目会いに行こうとしたなのは。
「ヴィヴィオー」
なのはの声に反応し、ヴィヴィオハ真っ直ぐなのはのところへ向かう。
「私がいない間、いい子でいてくれた?」
「うん」
頷くヴィヴィオに、えらいねと頭をなでるなのは。
「さて、ここからの一番の問題は、どうやってヴィヴィオにいいきかすかだ」
クロノの言葉にそうだね、とフェイトも苦笑する。
クロノとフェイト自身、実家に帰った後また本局にでかけるときも、子供達にとせがまれる経験を持つ。
自分達の場合は母親であるエイミィがいたが、ヴィヴィオの場合は相当難しそうである。
「ヴィヴィオ、なのはさんはおうちへ帰らないといけないんだ。だから、私はもう家に帰るね」

 

なのはの言葉に、えぇ……とまたヴィヴィオは泣き出しそうになったのだ。
「やだ……」
予想通り、ヴィヴィオはぎゅう、となのはにしがみつく。
よわったなあ、となのはも呆れる。
その時、カリムは何かを思い出したようにぽん、と手を叩く。
「はやて、聖王教会騎士カリムが命じます」
ん?とカリムを見るはやて。
「彼女、ヴィヴィオを一時的に機動ウォッカに預ける事を命じます」

「と言うわけで、当分の間はこっちのほうで彼女を保護する事になったってこと」
はあ、とあらかたの話を聞くフォワード陣。
「いろいろと大変やけど、みんなも協力してあげてよ」
「わ、解りました」
はやてからの話が終わったときになのはたちもやってくる。
「ヴィヴィオ、この人たちは私達の大切な人達だから、ちゃんと自己紹介できるよね?」
なのはの言葉に、ちょっと迷うがうんと頷くヴィヴィオ。
「私、ヴィヴィオ!」
ヴィヴィオハ簡単すぎる自己紹介をして、一同も自己紹介をする。
「それで、ヴィヴィオの部屋だけど……やっぱり私達の部屋になるのかな」
「だね」
そういって、なのははヴィヴィオをみて笑う。
これから新しい家族が一人増えたみたいで、なのはは何か暖かいものを感じたのだ。

 

「そうか、ドゥーエはうまくやったようだね」
とあるラボで科学者、ジェイル・スカリエッティはレリックをみる。
これはさきほどドゥーエから授かったものであった。
「みんながうらやましいわあ。私なんて会えたとはいえモニターですもの」
その横で、眼鏡をかけている女性、クワ……クアットロは姉妹達をうらやましそうに見る。
「すべてが終えたらパーッとしようってお姉さまは言っていた。それまでの辛抱だな」
トーレのことばにそうですねえ、と穂あの姉妹よりも特徴のあるしゃべり方をしながらクアットロはモニターを見る。
「ところでドクター、アズラエルさん達が作ったブーステッドマンやエクステンデットについて教えてくださいません?
これから一緒にたたかうお仲間としてえ、知っておきたいんですよお」
クアットロの言葉に、はい、私も知りたいです。とセインも手を上げる。
ふむ、とスカリエッティが考えて、ウーノに指示を出す。
「解ったよ、そろそろだと思うし教えてあげよう」
そういうと同時に周囲からモニターが出てくる。
「ブーステッドマン、エクステンデット。それぞれ少し過程が違うものの、両方ある事を念頭においたプロジェクト」
そして、スカリエッティはウェンディを見る。
「問題だウェンディ。コーディネーターは知っているな」
「え、ええ…まあ、一応は知ってるっす」
「じゃあどんなものか答えてみなさい」
いきなりの事に少々戸惑うウェンディ。
「ええと……んっと……普通の人よりも丈夫な人?」
「まあそんなところだ」
その時に出てきたのは様々なデータだった。
だが、その言葉は専門的過ぎてほとんどのナンバーズは?を浮かべるだけだった。

 

「人の受精卵を改造して、本来より高い能力を持つのがコーディネーターだ。まあ、魔力を上げることは無理だがね」
ちなみに、とスカリエッティは自分を指差す。
「私もそのコーディネーターだ」
「ええ!?」
その言葉に、後期組は勿論。かなりふるい頃からいるトーレやクアットロ達ですら驚いていた。
「黙っていてすまなかったね、私もそれを知ったのは少し前なんだよ。私は小さいときに両親をなくしてね。
それでしばらくは別の家に引き取られたんだ」
そういって、自分の過去を話し始めるスカリエッティ。
いつ彼が自分がコーディネーターだと気付いたのかと言うと、彼がアズラエルと協力し始めてからだった。
「この世界ではコーディネーターなんてめったにいなくてね。一度ウーノに調べてもらったんだ。
調べた結果、私もコーディネーターらしくてね。勿論彼には伏せておくけど、みんなも言わないでくれ」
スカリエッティの言葉に解りましたと頷くナンバーズ。
「おっと、話がずれたね。それで、ブーステッドマンとエクステンデットは、コーディネーターに対抗するために作られたものなんだよ」
ふむふむ、とう泥むナンバーズ。
モニターには人間の体の内部だった。
「ブーステッドマンは人間に薬品を投与して無理やり戦闘能力を上げている。
おかげで高い能力を得る代わりに定期的に薬品を投与しないと生きていけない体になってるんだ」
次に写されたのはたくさんの子供。
「エクステンデットは子供のうちから戦闘能力を高めるために様々な訓練をしている。施設内にいる子供達の中で戦ったりしてね。
そしてその中で優秀なものはさらに能力を高めるためにブーステッドマンほどではないにしろ薬品を投与するのさ。
まあ、むこうじゃどちらも生態CPUと呼んでるらしいけどね」
ふむふむ、と頷くナンバーズ。
その中、難しい事を考えるのが苦手なセインとノーヴェ、そしてウェンディはうーん…と考え込んでいる。
「つまりぃ、人間にお薬を使って改造したってことですかあ?」
「簡単に言えばそうだね」
そしてモニターを切るスカリエッティ。
「実は、次のレリック探索場所ではその中の一つ、ブーステッドマンとの一緒に行動してもらうことになるよ、解ったね」

 

ス「レリックの1件で不可思議なところがあるものの、休暇を楽しむ機動六課」
ヴィ「そして、なのははヴィヴィオのことである決断をする」
ティ「そのころ、シンとレイは議長からあるものを受け取る」
な「次回「魔々」って……これってどういうこと?」
フェ「まあまあなのは、おちついて」