Seed-NANOHA_まじかるしん_第37話

Last-modified: 2007-12-05 (水) 10:35:06

「ふ~~、やっと終わった~~~」
スバルは思いっきり背伸びをしてデスクにある資料を見る。
現在もまだ休日は続いているが、スバルは今日のうちにたまっているデスクワークをまとめていた。
スバルはデスクワークが苦手で、時々こうやってたまっている場合がある。
さらに、今回はコズミック・イラでの報告書もあるのでその量は膨大だった。
朝には同じように報告書をまとめるためにシンとレイもいたのだが、二人はおよそ1時間も前にすべての作業を終わらせた。
レイはたんたんとこなして行き、シンもデスクは苦手といいながらもかなりのスピードで処理していった。
(コーディネーターってみんなああなのかなあ?)
スバルは少しうらやましそうに二人が出て行く姿を見ていた。
ちなみに、ティアナは八神隊長にと一緒にどこかに行っているらしいので今はいない。
その時、お昼を告げる合図が鳴り、時計を見るとちょうどお昼時だった。
よかった、この作業を昼までに終わらせることが出来た。
ほっとしながらスバルは席を立とうとする。
ふと、隊長席であるなのはの机を見る。
なのはも資料をまとめていたのだが、その表情はどこかぼうっとしている。
「なのはさん?」
スバルの声にはっと気付いて、なのははスバルを見る。
「ああ、もうお昼なんだね」
そんななのはの机にアルモニターの一つにヴィヴィオの姿があった。
「やっぱり気になるんですか?」
スバルの言葉にまあね、となのははモニターを消す。
「あの子を引きとってくれるところを前から必死で探してるんだけど、なかなかみつからないんだ」
そうなんですか、とスバルは残念そうな顔をする。
やっぱりこういうのは本来は難しいものなのだろうか。
「大丈夫ですよ。すぐに見つかると思います」
そういうスバルの言葉に、なのははそうなってくれればなあ、と苦笑いを浮かべる。
そして、なのははあっと思い出す。
「早くお昼食べないとね、ヴィヴィオも連れて行かなきゃ。スバルも今日は一緒にたべようか」
はい、とスバルも喜んで部屋を出ようとする。
その時、スバルは何かをひらめいた。
「なのはさん」
ん?となのははスバルのほうを見る。
「引き取り先が見つかるまで、なのはさんがヴィヴィオのお母さんになるっていうのはどうです?」

 

「ごめんなあ、つきあわせてもうて」
「いえ、かまいません。私、時空艦船は初めてですからとても勉強になります」
その頃、ティアナははやてに連れられて新型艦船「クラウディア」に来ていた。
はやてはともかくティアナまでここにいる理由は、はやてがつれてきたからだ。
この艦の艦長であるクロノ・ハラオウンも執務官である。
将来執務官を目指している彼女にとって、彼との話で何か勉強になればと思い休日中に彼女を連れてきたのだ。

 

二人は今客室で紅茶を飲みながらクロノを待っている。
その間、ティアナははじめて訪れる艦船の内部をよく見渡していた。
そんな事をオ見出しながらはやては紅茶を一口飲む。
「流石最新鋭艦、ええお茶やなあ……」
「この紅茶は、第97管轄外世界の物さ」
はやてが紅茶に舌鼓を打っていると、そこへクロノがやってきた。
「遅くなってすまない、いろいろとチェックがあってな」
「ええよそんなん。それより、このお茶って私らの世界のものなん?」
はやては紅茶を見つめながらクロノに尋ねる。
確かにどこか懐かしい感じはしたのだが、まさか自分達の世界だとは思わなかった。
「ああ、あの二人がよく送って来るんだよ。本場のいいお茶が大量に手に入ったってね」
あの二人、と言う言葉にああとはやては頷く。
おそらくは自分が以前かなり世話になっていた人物の使い魔だろう。
「他にも、日本の緑茶もあったんだが、この世界の人には中々受付なくてね。それで今回はこっちのほうにしたのさ」
そういって、クロノはさっきから固まりまくっているティアナを見る。
目の前にいるのは、自分にとっての目標である執務艦をかなりの若さで取得し、現在では最新鋭の船の艦長でもある人物なのだ。
いくら自分がプレッシャーに多少は強いといっても。今回はかなり緊張していた。
「君たちの事は隊長たちから聞いているよ。執務官を目指してるんだってね」
「は…はい」
「執務官試験を受かるには大変だけど、君なら受かるって信じてるよ」
「いえ、そんな…恐縮です」
ティアナの態度に笑みを浮かべながら話すクロノ。
「僕は誰かが硬くなるような人じゃないよ。執務官試験だって一回落ちてる」
「それと、フェイトちゃんも2回程な。あ、本人の前ではそのことは禁句。本人は結構きにしとるみたいなんよ」
そういって、はやてはその事をシグナムに言われてへこんでいるフェイトを思い出す。
そ、そうなんですか……とティアナは唖然とする。
執務官試験といえば受かるのはかなり低いはず。
自分も一度では浮かれないとは思っている。
しかし、それで1,2回しか落ちなかったクロノとフェイトはかなり優秀ということである。
「さて、クロノ執務官。最後に夢に向かって精一杯頑張ってる子にアドバイスを一つ」
そうだな……とクロノは考えて……
「今は頑張って練習に励め、ぐらいしかいえないな。俺自身がそうだったからな」
クロノは少し自分の過去について話す。
「今はこんな艦長職について、執務官資格も持ってはいるが、昔の俺は魔法の才能なんてあまりなかった。
以前の師匠にみっちりと心身共にしごかれてここまでなったんだ」
当時を思い起こすと、なんだかんだで懐かしい記憶ではある。
「だから、ティアナも今の上官、なのはやフェイトにみっちりとしごかれて、経験を摘めばきっと執務官にもなれる」
クロノの言葉に、はいと強く頷くティアナ。
つれてきて世界やな、とはやても頷く。
「さて、これから俺達は重要なお話があるんで、ティアナには迎えを出すから、悪いが先にも土手いてくれ」
解りました、とティアナは敬礼して部屋を出て行く。
「さて、こんな所で離すのもなんだ。俺の部屋に行こうか。モニター越しにカリムも待たせているしな」
せやな、と二人も立ち上がる。

 

「ママ?」
ヴィヴィオはなのはが部屋に帰ってきて、一緒にご飯を食べようとしたとき、スバルの言葉に首をかしげる。
「そう。ヴィヴォの本当のお母さんが見つかるまで、なのはさんがヴィヴィオのママ。わかる?」
スバルはヴィヴォオに尋ねるが、ヴィヴィオは首をかしげる。
どうやらよく分かっていないらしい。
「ほら、やっぱり解ってない」
なのはは苦笑しながらヴィヴィオを見る。
「ママ?」
しかし、ママと言う言葉だけはわかったらしく、そうだよ、となのはも頷く。
「私がヴィヴィオのママ」
その言葉に、ヴィヴィオの目からは涙があふれる。
そしてついには泣き出してなのはにしがみつく。
「どうして泣くの?」
なのはとスバルはやや困りながらなきついているヴィヴィオを見る。
やがて、フェイトが後見人となり、保護児童としてなのはは一時的にヴィヴィオを引き取る事になった。

 

「戦闘機人……」
フェイトは地上本部でモニターにある資料を見る。
これは、以前カナードからもらった資料だ。
戦闘機人。自分が負っている時空犯罪者、ジェイル・スカリエッティが作り出したものだ。
その横に、フェイと意外にも二人もその資料を見るものがいた。
ゲンヤ・ナカジマとギンガ・ナカジマ。
ナカジマという苗字のとおり、スバルの父と姉である。
二人は地上の108部隊に所属している。
3人が見ている資料には、スカリエッティのほかにすべてで12体の人がいた。
だが、人っぽいのは見た目だけで、中のおよそ半分は機械だ。
一体カナードはどうやってこの資料を手に入れたのだろうか……
「なるほど」
ゲンヤとギンガもまじまじとモニターを見る。
「まあ、俺らも戦闘機人に関しては無関係じゃねえ」
そこで、とゲンヤはフェイトを見る。
「フェイトお嬢の要求どおり、ギンガをそっちへよこす」
ありがとうございます、とフェイトは頭を下げる。
そう、フェイトはゲンヤに資料を見せると同時に、ギンガを一時的にこちら、機動六課へ取り入れてもらえないかを尋ねにきたのだ。
ギンガ・スバル自身も、戦闘機人とは何かと縁があるものだからだ。
「お願いします、フェイトさん」
ギンガも喜んでそれに応じる。
4年前の空港火災のとき、スバルがなのはに助けてもらったとき、ギンガもまたにフェイトに助けてもらっている。
それ以来、彼女もフェイトに憧れのようなものを抱いているのだ。
だから、こうやって共に仕事を出来るという事が嬉しいのだ。
「こちらこそよろしく、ギンガ」
その後、はやてにに趣旨を伝え、二人はすこしスバルをびっくりさせようと思って六課の隊舎のほうへと向かっていった。

 

「シン、デバイスの組み込みは上手くいったか?」
「ああ、多分これでいいとは思うけど……」
シンとレイはデバイスの調整室でデバイスの調整を行っていた。
実は、今日の朝二人宛に議長から届け物があったのだ。
『これを君達のデバイスにつけてほしい。きっと役に立つだろう……それと、伝ったときの戦闘データを後で送ってほしい。』
と、思いっきり意図が丸見えの手紙に添えられていたのは、インパルスとファントムの新しい形態への強化用パーツだった。
レイのほうはデバイスにそのパーツを取り込むことによりかなり特殊な武装が取り入れられ、あるシステムを持つことが出来る。
一方、シンのほうは新しいシルエットだった。
何でもフォース・ソード・ブラスト。この3つのシルエットの長所を一つにまとめたものらしい。
名前は運命という名前がつけられたデスティニーシルエット。
本来ならシャーリーに頼めばいいのだが、コズミック・イラ製のデバイスの作りはミッドチルダのものと違う。
だから、こういった細かい設定は個人でしている事にしている。
最も、あの世界では自分のデバイスの微調整は自分でするものなのだが。
だが、ヨウランとヴィーノは学生時代にちょくちょく教えていたので軽い調整や整備などは出来るので何度か頼んでいる。
「後にでもこの事を隊長やシャーリーに報告しないとな。でないと頭を冷やされる」
「そうだな」
そういって部屋を出ようとしたときだった。
「二人とも…デバイスのことなら、なんで私に言ってくれないのかな?」
そこには、笑ってはいるのだがどこか威圧感のある表情をしているシャーリーの姿があった。
「シャーリー、俺達はちょっとデバイスの調整を「話は大体わかってるよ」」
どうやら少し前からそこにいたらしい。
「確かに私はあんまり向こうのデバイスの事は知らないけど、私はあなた達のデバイスを任されてるんですよ。手伝いくらいは出来ますよ」
だから、とシャーリーはシン達を見る。
「今度からは、ちゃんと言ってね」
シャーリーの言葉に解りましたと頷く二人。
「それで、ファントムとインパルスを預けますので、データを確認しておいてください。
……それと、どのようなことがあっても勝手に設定を変えないでください」
わかったといってシャーリーは二人のデバイスを預かる。
「それでは、俺達は隊長に事情を説明してきます」
そういって二人が部屋を出て行った後、シャーリーは二人のデバイスの分析を始めたのだが……
「こんなのって……」

 

「ごちそうさまでした」
ヴィヴィオは昼食を済ませて、手と手を合わせて食べた食器を持っていく。
「おりこうさんだね、ヴィヴィオ」
それを見つめて、なのはは微笑む。
自分が小さいとき、お母さんもこんな気持ちだったのかな?となのはは思った。
「高町隊長、少しいいですか?」
その時、なのはの前にはレイとシンがいた。
少しの間ヴィヴィオをスバルに任せ、どうしたの?とたずねる。
そして、レイの口から今朝、議長からインパルスとファントムの強化用パーツが届いて、それがどのようなものなのかを試すためにも、今日の昼か明日の午前の訓練の後でお互いで模擬戦をしたいといってきたのだ。

 

そんないきなり、となのはは思ったが、確かに二人の強化されたデバイスは一応は見ておきたい。
「わかった、じゃあ明日だったら許可していいよ」
ありがとうございます、とレイはうなずいて二人はその場を後にした。
ちょうどそのときだった。
「あ、なのは」
そこには、先ほどまで出かけていたフェイトが戻ってきた。
「あれ?ギン姉?」
スバルは、フェイトの横にいる自分の姉を見つける。
彼女は今陸士108部隊にいるはずだ。
なのになんでここにいるのだろう……
「彼女は、一時的だけど、この機動六課に配属される事になったんだ」
そうなんですか、とスバルは喜んでギンガを見る。
「久しぶりに会うんだし、二人っきりで話してきなよ」
なのはの言葉に、ありがとうございますといって二人は出て行く。
「それでなのは、もうすぐはやても戻ってくると思うから、はやてが戻ってきてから重要は話があるから会議室に来てほしいんだ」

 

な「機動六課にギンガも加わり、新しい気分で連休に打ち込むフォワード陣」
フェ「けどその前に、なのははある提案を出す」
シ「次回、『ギンガ』風の中のスーバルー。そーらのナカーのギンガーって、なんなんですかこの歌?
な「私達の世界じゃ結構有名な歌だよ」
フェ「前に紅○歌○戦にも出てたし」
ス「そうなんですか……」