Seed-NANOHA_tiger氏_第02話

Last-modified: 2007-12-24 (月) 14:24:43

C.E73オーブ近海・・・そこで事件は起こった。
強大なエネルギーが発生し偶然その場に居合わせた
4人の少年と彼等の愛機を巻き込み異世界へと吹き飛ばしたのだった・・・。

頭が重い、全身が痛い。

「うっ・・・。」

フリーダムのコクピットの中でキラは目を覚ました。

「ここは・・・?」

小島のようだったが間違いなくオーブとは違う風景だった。
海を越えた少し向こうには街らしき影も見えていた。

周囲を見渡すと3機のMSが横たわっていた。

「アスラン!!」

とっさに通信回線を開き傍の機体に乗った友の名を叫ぶ

「・・・・・・。」

返事が無い。キラは銃を手に取りハッチを開くと
地上に降りてジャスティスのコクピットハッチを開放する。

「・・・!キラ・・・。」

曇ったような声をあげた友を気遣い背負って地上に寝かす。
パイロットスーツを緩めると傷口が開いて血が溢れ出していた・・・。

直後レジェンドとデスティニーのコクピットが開き
中から金髪の少年と黒髪の少年が現れた。

「君たちは・・・。」

キラはアスランをかばうようにして銃を構えた。

「あんた・・・あれのパイロットか?!」

黒髪の少年・・・シンが銃を向けて叫んだ。

「待てシン、今ここで争っていても仕様がない。」

「でもレイッ!!」

「今は状況を把握するのが先だ、それに下手に動くと危険だ。」

レイがシンをなだめるのを眺めていたキラは銃を降ろし彼等に歩み寄る。

「あの・・・。ちょっといいかな?」

「何ですか?」

レイが腐っているシンに変わって応答する。

「今僕に君達と戦う意思は無い。」

「だから何なんです?」

「君達に情報収集を手伝ってもらいたいんだ。」

「・・・わかりました。お互い何もしないよりかはマシでしょう。」

「と、言う訳だシン。」

「あーもうっ!わかったよ!!」

「よかった。じゃここは一時休戦・・・かな?」

「私はザフト軍特務隊フェイス所属のレイ・ザ・バレルです。」

「同じくシン・アスカ。」

レイに続いてシンもブスッとした顔で名を名乗った。

「僕はキラ・ヤマト。あっちは・・・。」

負傷したために寝かせてあるアスランの方を向き変えりながら
名を言おうとするがレイの声に遮られた。

「アスラン・ザラ、でしょう?!」

「どうしてアスランを・・・?!」

「彼が脱走をはかった時に追撃に出たのは私と彼ですから。」

「・・・!!」

「そして彼を討ったのはそこのシンです。」

レイとキラとの会話をよそにシンは横たわっているアスランを見つめて硬直していた。

あそこまでボロボロな体でいながら自分と互角に戦っていたなんて・・・。
悔しさが体を駆け巡った。
その後3人は一度機体に戻りキラはアスランにつき
レイとシンは島周辺の地形を調べに向かった。

「どうだった?」

数10分程して戻ってきた彼等に回線で呼びかける

「なんにも。」

「ただの小島です。」

「そう・・・。」

礼を言おうとしたキラは冷たい感覚に襲われた。

「皆!下がって!!」

その声を聞き取るかしないうちに2機はスラスターをふかしてバックしていた。
次の瞬間3機の間に金色の光が駆け抜けた。

その方向には黒い服をきた金髪の美しい少女と
マントを羽織った金髪の少年がいた。

金髪の少年がなにか印のようなものを組んだあと
方陣のような物が展開し黄緑の光を帯びたチェーンが機体を縛り付けた。

「くそ!!なんだよこれ!!動かない!!」

シンがスラスターを全開にして抵抗するが
チェーンは思ったよりも硬くまったくちぎれる見込みはない。

「なにか言ってる!?外部マイクをオンにして!」

キラが呼びかけると3人の元に少女の声が飛び込んできた。

「私は時空管理局嘱託魔道師、フェイト・テスタロッサ。」

「名前と出身世界を言って直ちに投降すれば、危害は加えません。」

「なにをっ!!」

「シン、ここは言う通りにしておいた方がいい。」

シンは反抗的だがレイは冷静だった、
フェイトと名乗った少女は身構えつつもどこか不思議そうな顔をしている。

「そこの小島に着陸する、それでいいかな?」

キラがマイクで語り掛ける、
するとチェーンが外れ少女達は先に小島へと向かった。

3人がコクピットから降りると少女は杖を構えて語り掛けてくる。

「なんの目的があってここに来た?」

「待って!僕はキラ・ヤマト、君の言う通りこの世界の人間じゃない。」

「でもここがどこだかすらわからない。」

「え・・・?」

「それにさっき言ってた時空管理局とか魔道師とか僕達にはピンとこない。」

「フェイトどうする?武器も持ってないみたいだし・・・。」

「バインドだけかけて話を聞こう、そうすればなんとかなるよ。」

少女たちはキラ達に歩み寄り話し掛けた。

「あの・・・疑うわけじゃないんですけど、まだ信じられない部分もあるんで・・・。」

「少し拘束させてお話を伺わせて貰ってもいいですか?」

「いいでしょう、ただしこっちの質問にも答えてもらいます。」

「それと、こっちには怪我人がいるんだ!治療できる場所に案内して!!」

レイが承諾しキラがアスランのことを付け加える。

「じゃあいきますよ!」

少年が言い放つと魔方陣が展開しキラ達の体を先ほどのチェーンが縛った。

「クロノ、シャマルさんがいたらこっちに送ってもらえるかな。」

少女が手元の魔方陣でなにやら少年と会話をしていた。
どうやらもう一人誰かここへ来るらしいような内容だった。

「えっと・・・私はフェイト・テスタロッサ、さっき言ったように時空管理局嘱託魔道師です。」

フェイトのはさっきのような疑り深い顔はなく優しそうな可愛い普通の女の子といった
感じの空気を漂わせていた、

「僕はユーノ・スク・・・。」

「ここはどこだよ?!それに何だよ時空管理局ってのは?!」

少年が自己紹介をしようとしたところを遮ってシンが問いただす。

「ここは日本の海鳴、時空管理局って言うのは・・・うーん・・・。」

「時空間の秩序を守る組織っていったらわかるかな?」

フェイトが少し悩んだ後受け答える。
そこへもう一人大人の女性が現れた。

「シャマルさん、来てくれたんだね。そこに寝てる人がそうだよ。」

「わかりました。クラールヴィントお願いね。」

そう言うとアスランの傍に近づいた。

「あの・・・魔法ってなんですか?さっきの光弾にしろこの鎖にしろ・・・。」

するとシャマルが答える。

「私達・・・、時空管理局の人間はもちろん、この世界に稀に魔力を持った・・・。」

「つまり魔法が使える人がいるんです。」

「はぁ・・・。」

「まぁこの際見たほうが速いですね。」

「静かなる風よ、癒しの恵みを運んで」

シャマルの周りが心地よい光に包まれる、
それはアスランの周りに集まり彼の体に吸収された。

「はい、これでもう大丈夫、後は管理局の人に任せましょう。」

レイを除く2人はアスランの傷が完全に治っているのを見て驚きを隠せない様子だった。

「まだよくわからないけど魔法が存在することはわかった。」

「それで僕達元いた世界に帰らなくちゃいけないんだけどどうすればいいかな?」

「それが・・・こっちでも調べてはいるんですけど、どうも無理みたいで・・・。」

フェイトが同情しつつ答える

「そんなっ!!じゃぁこれからどうしろってんだよこれから?!」

「とりあえず管理局に来てもらってからそれを考える・・・て事なんだけど、どうかな?」

「身の安全の保障は?」

レイが口を開く

「もちろん安全を保障します。しばらくこっちにいることになるだろうし。」

「生活も多分管理局が持ってくれます。」

「ならそうさせてもらう、いいな?」

「うん。」

キラも考えを同じとしていたようだった。
シンも渋々承諾した。

「あれは・・・どうします?」

MSを指差してシャマルが問う

「可能ならそちらに回収してもらいたいんですが・・・。」

「わかりました。じゃあ一度あれに乗り込んでそこに並んで下さい。」

シャマルが指示を下すとキラ達はそれに従った。
アスランはキラが背負ってフリーダムに収まった。

動かないジャスティスのそばに並ぶとユーノとシャマルが魔方陣を展開する。
3人と4機を光が包み込み次の瞬間にはもう消えていた。

C.E…いやH.17. 4人の少年は魔法との出会いを果たし
新たな運命へと歩み始めていた・・・。