Seed-NANOHA_tiger氏_第07話

Last-modified: 2007-11-18 (日) 16:18:49

H.17.今一度地上へと戻った少年達。
そして再び襲い来るあの男…

「ぐっ…んーっ!」

アスランは八神家のベッドで目を覚ました。
捜査協力者とはいえある意味ではこっちも被害者だから召集がかかるまでは
普段通り暮らしてくれとのことだった。

着替えを済ませ階段を降りていくと皆決まったように席についている。

「あ、おはよう、アスラン君。」

「おはよう。俺が最後か…。」

「おせーよ。早く飯にしよーぜ。」

腹をすかせたヴィータがアスランを急かす。

「いただきます。」

「お前の世界の人間がこっちで事件を起こしたと聞いたんだが…。」

シグナムが正面の卵焼きに箸を伸ばしながらアスランに問う。

「あぁ、どうも狙いはフェイトらしい。」

それを聞くとシグナムの動きが一瞬ピタッと止まり卵焼きを取り落とす。

「テスタロッサがなぜ…?」

「……。」

しかしアスランがそれは答えたくないような顔をしたのではやてがフォローに入る。

「朝から暗い話するのはよそ、話題かえよか。」

「シグナム、今日もランニング行くん?」

「はい、特にする事も無いので。」

「アスラン君は?」

「?俺は家にいるが…。」

「じゃ、掃除手伝ってくれへん?」

「わかった。」

しかしまたしばしの沈黙が流れる…。
八神家には珍しいギクシャクした朝だった。

「えーと、後はデパートで牛乳買って、お昼のタイムサービスで…。」

「ま…、まだ買うの…?」

フェイトがチラシを手にブツブツ言っているのを聞いたキラは顔が真っ青になる。
既に両手には袋が大量にぶら下がっていて背負ったリュックサックにもパンパンに荷物がはいっている。

「ん?何か言った?」

「いや…何も…。?!」

キラはガクッと首を垂れたが嫌な予感がしてすぐにガバッと向き直る。
すると上空で魔方陣が展開し広域結界が張られた。

同時刻…

「なんだ…?!結界?!」

ランニング中だったシグナムはいきなり張られた結界に驚きつつ
中心部へと向かっていた。
そこへ辿り着くと見覚えのある二人がいた。

「テスタロッサ!」

「シグナム?!どうしてここに?」

「たまたま通りかかったらな。」

すると空から魔力弾が雨のように降り注いでくる。
キラは荷物を捨て小麦粉の袋を数袋投げつけて防御魔法を展開する。
見事魔力弾は袋に命中し煙幕をはり残った魔力弾は防御に阻まれる。

「キラさん!!」

「大丈夫!一度管理局に行って応援を呼ぼう!」

「なら私がしばらく足止めをする。テスタロッサは早く!」

「シグナム…、わかった!行こうキラさん!」

キラとフェイトは管理局に転移した。
すると一人の男がシグナムに向かってくる。

「おいおい、折角ここまで来たのに逃がしちゃったのかよ?」

「貴様……この前の事件の男だな…。」

「お?俺ってそんなに有名?それはそれは光栄だ…ねぇっ!!」

フラガは急に加速してシグナム目掛け突進する。
咄嗟にシグナムは騎士甲冑姿になりレヴァンティンを構えて受ける。

「応援が来るまで待つ必要も無い、貴様は私が倒す!」

「へっ、できるかな?」

お互いが剣で弾き合い間合いを取る。

「そーらいけぇ!!」

デバイスが組み変わり銃形態になり魔力弾が複数放たれる。

「その程度でテスタロッサを倒そうなど…甘いな…!」

まるで見きっているかのように魔力弾を切り払う

「へぇ…じゃ、これはどうかな?」

フラガのデバイスがカートリッジをロードする。
するとフラガの周りに帯状の魔方陣が渦巻きやがて8つの魔力砲台になる。
それぞれがばらばらに動き出しシグナムを襲う。

「なっ…?!くっ…!」

360度ランダムな方向から次々撃ち出される魔力弾をかわすのに精一杯で
攻撃が出せない。

(思ったより手ごわいな…カートリッジもここにあるだけ…勝てるか?!)

(ドラグーンをここまで見きられるとはね…。)

「これで仕留める!!」

「へぇ、じゃ、俺も!!」

カートリッジを1発消費してレヴァンティンがグフのスレイヤーウィップを思わせるような形態になる。

フラガのデバイス、アカツキも2発のカートリッジを消費して柄の両端から魔力刃の発生した
サーベルフォルムの特殊形態に変化する。
それだけではない、8個だった魔力砲台が更に数を増し24個まで増えフラガの腰部分には帯状魔方陣が渦を巻いている。

「薙ぎ払え!レヴァンティン!!」

まるで生きているかのように周りの物を抉りながら鞭状の刃がフラガへと向かう。

「邪魔すんなら落としちゃうぜ!!そらぁっ!!」

8つの魔力砲台はそれぞれが魔力を連結させてフラガを囲み、
残った16個の魔力砲台はレヴァンティンの間を縫うように飛び交いシグナムの方へと向かう。
ドラグーンから魔砲が放たれるよりも早くレヴァンティンがフラガに直撃する。
少々遅れてドラグーンが発射されるが数が多い為正確性は余り良く無い。
それはシグナムにとってかわすのは容易だった。

「くっ…バリアにも限界がある…。」

レヴァンティンがバリアの周りを渦巻き締め上げるように収束し衝撃に耐え切れなくなったバリアは四散する。

「おぉらぁぁぁっ!!」

その一瞬前に離脱したフラガは上空から急降下して腰から強力な魔砲を放ちドラグーンも躊躇無く全て撃ち放つ

「ぐぅっ!!」

防御魔法を展開し後退しつつ防ぐが数発が直撃する。
レヴァンティンが元の剣の形に戻り直後振り下ろされたフラガのサーベルを受け止める。

「そこのあんた、下がれ!!」

声が聞こえたと同時にフラガは後退する。

「応援か?…思ったよりもはやかったな…。」

「やっぱりMSか…こりゃちょっとまずいな。ま、なんとかしますか。」

シンとレイが応援に駆けつけそれを見たフラガは傀儡兵を召喚する。

「シン、お前は傀儡兵をやれ、アル・ダ・フラガは…俺が撃つ!」

「わかった!」

二機はそれぞれ逆方向へと向かった。

「アル・ダ・フラガ!」

「この感じ…まさかこんなところで君に会うとはね…。」

突撃してくるレジェンドを見つけ背中をゾクリとした感覚が襲い誰が乗っているのかを理解する。

「自分のオリジナルを倒してどうしようっての?」

「お前も同じだろう!自分のクローン技術などっ!」

「悪いがあんまりおしゃべりしてる時間は無いんでねっ!!行くぜ!」

魔力砲台のスピードが上がりレジェンドを取り囲む

「ちっ!!」

シンは傀儡兵を相手にしながら開きっぱなしの回線から聞こえてくる声に驚いていた。

(自分のオリジナル…?フラガのやつなんでそんなことを…。)

「って!そんなこと気にしてられる場合かっ!!はぁぁぁっ!」

アロンダイトを構えてスラスターを吹かして突進する。
しかし傀儡兵も同等のスピードで動きその一撃をかわす。

「この前よりも強くなってる?!でも!」

フラッシュエッジを後方に投げて自分はそのまま直進する。
傀儡兵はまたかわそうとするが急に逆制動をかけたデスティニーの後ろから今まで見えなかった
二つのブーメランが現れ両腕をもって行かれ胸部をアロンダイトで一貫される。

「ちょっと強くなったぐらいじゃやられないね!」

シンは次の敵を求めて飛び立った。

レイはフラガ相手に苦戦していた。
相手の攻撃は防げるのだがこちらの攻撃は実態の無い魔力砲台相手にただ空しく空を裂くだけだった。

(やはり術者を狙わなければ駄目か…)

だがそれもMSサイズの相手なら何とかなるかもしれないが
ちょこまかと動く人間相手だとそうも行かなくなる。

「どこ見てんだよ坊主っ!!」

「しまった!」

思考を巡らせつつ撃ちこまれる魔力弾を回避していたレイは懐にもぐりこんでくるフラガに気づかなかった。

「うわぁぁぁっ!!」

強力な魔力攻撃を零距離でモロに食らい爆発が発生する。
実弾は防げるものの魔力ダメージの設定はされていない為機体に大きな負担がかかる。

「もらったぁぁっ!!」

落ちてゆくレジェンドに魔力砲台の追い討ちをかける。
魔力弾は次々機体に命中してレジェンドを破壊した…。
フラガは落下したレジェンドに近づきコクピットハッチを開放する。

「くくっ…さぁ、君にも来てもらおう…。」

フラガはレイを抱えると傀儡兵を消滅させその場を後にする。

「はぁ…はぁ…終わったのか?」

みると友軍機のパネルが赤くなっていた。そこにはこう書いてあった。

急に体の温度が下がる。
レイが死んだ…?そんな馬鹿な、あんなに強かったレイが…死んだ…?

「レイっ!!」

レジェンドの最終運動記録のあった場所へいくと大破したレジェンドがそこにあった。
しかし、パイロットの姿は無い。

「レーーーーーーーーーーーーーイッ!!」

H.17.少年は友を失った。
生きているのかもわからない。
ただわかってるのは、もう傍に彼はいないこと…。

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