XXXIXスレ513 氏_シン・アスカは歩いて行く_第8話

Last-modified: 2012-02-09 (木) 03:19:28
 

「何でお前がそんなところに居るんだよ。答えろ、レイ!」

 

 画面に映った、かつての友と同じ顔を持つ男に向かって俺は叫んだが、
その男は冷やかな視線で俺を睨み付けた。

 

《レイだと?私をあんな“出来そこない”と一緒にするなど本来であれば万死に値するが、
 今回だけは許してやろう》
「レイ、じゃない?じゃあお前は一体」
《私の名はアル・ダ・フラガ。
 あの出来そこないのクローン、レイ・ザ・バレルのオリジナル、とでも言ったところか》

 

 確かによく見れば、色白だったレイとは違い肌の血色もよく、体格もどちらかと言えば
華奢な部類に入るレイと比べて一般の成人男性同様しっかりとした体つきをしていた。
しかし、それ以上に奴がこちらへ向けている自分以外を全て見下しているような視線が
こいつはレイじゃないと明確に告げていた。

 

「レイのオリジナル・・・じゃあ、あんたがレイを造り出した張本人か」
《造った、というのは語弊があるな。
 あれは私の新しい体を作る実験の過程で出来たおまけのようなものだ。
 とはいえ、失敗作だったクルーゼでの反省を踏まえて作ってみたはいいものの、
 同じようなテロメアが出てしまったので早々にデュランダルの奴に押し付けたのだが、
 中々どうして、存外に悪くないデータの収集を行えたのは収穫だったな》

 

 その、まるで自分の造った玩具の出来を語るような物言いに俺は言いようの無い怒りを感じた。
こんな奴にレイの人生は玩ばれていたのかと。こいつのせいでレイは・・・
そんな、今にもゲイツに飛び乗って殴り込みに行きそうな俺の肩に、優しくラクスさんの手が添えられた。

 

「落ち着いてくださいシン。感情の赴くままに行動してしまっては、以前の私達と何も変わりませんわ」
「ラクスさん・・・」
「今は感情を抑え、相手の目的を知る事が第一です。闇雲に突っ込んでしまっては、あちらの思う壺です」
「ごめん、ちょっと感情的になってた」
「ふふ、そこがシンのいい所でもあります。
 誰かの為に怒る事が出来るというのは、とても素晴らしい事ですよ」

 

 そういうと、ラクスさんは俺の横に立ちモニターに映るアル・ダ・フラガと向かい合った。
「ミスターフラガ。私達の事は十分にご存知のようですが、改めてご挨拶させて頂きます。
 私の名はラクス・クライン。
 プラント最高評議会議長を務められたシーゲル・クラインの娘にして
 かつての三隻同盟の盟主で御座います。
 現在はプラント新政権の一員として、“シン・アスカ矯正監督指導員”の任に就き
 このローレンツ・コロニーに滞在しておりますわ」
《ほう、情報では世間を知らん親の七光りアイドルという話だったが、
 中々どうして只のお飾りではないようだな》
「お褒めに預かり光栄ですわ、ミスターフラガ。
 では、この度のご来訪の理由をお聞かせ願えますでしょうか。
 現在、私は前大戦において心労を負った元フェイス、シン・アスカをサポートする職務に就いております。
 ですから、余程込み入った事情が無いのであればお帰り下さいな」
《ふん、大した雌狐だ。この資料を作成した奴は余程の能無しのようだな。
 それとも、貴様がアイドルという隠れ蓑をうまく利用していたのか。まぁ、両方なのだろう》
『ミスターフラガ!ラクス様への暴言は、導師様の盟友とはいえ聞き流せません。撤回を願いたい!!』
《喧しいハエだ。貴様の役目はここまでの道案内だけで、既に終わっている。もう必要は無い、処分しろ》
『ミスター、何を仰って?ま、待て貴様ら、私をどこへ連れて行く気だ!?ラクス様!お助けくださいラクス様ーー!』

 

 喚きながら引き摺られていく査定員へは一瞥もくれず、
アル・ダ・フラガはラクスさんに対して言葉を続けた。
《あのクラインの娘というからあまり期待はしていなかったが、やはり百聞は一見にしかずだな。
 貴様の体を最終実験の母体にするのは決定事項だが、その前に少々遊んでやるのも悪くない》
「・・・何を仰っておられるのか分かりかねますわ、ミスター」
《ふん、貴様もシーゲルに政治の道具として使われていたのだから、
 男の喜ばせ方位は仕込まれているだろう? それとも、本当に何も知らない箱入り娘か?
 もしそうならば、貴様の父親は道具の使い方というものを分かっていなかったようだな》
「いい加減にしろよあんた。さっきからラクスさんの事をまるで物みたいに言いやがって。
 しかも、レイと同じ顔でそんな台詞を吐かれたら余計に気分が悪くなる」
「シン・・・私は大丈夫です。それよりもミスターフラガ。
 先ほど仰っておられましたが、やはりあなた方の目的は私なのですね」
《相変わらず口の利き方を知らん小僧には後ほどそれ相応の罰をくれてやるが・・・
 その通りだラクス・クライン。
 とはいえ、具体的に用があるのは貴様らが持つ“SEED”の因子なのだがな》

 

「“SEED”・・・確かそれは」
《貴様もマルキオと多少の面識があったはずだから聞かされた事くらいはあったであろう。
 SEEDが発現したものは、今の人類よりも1つ上の存在へと進む。簡単に言えばより進化した人類だ。
 ナチュラルよりもコーディネーターよりも優れた存在。それが貴様ら“SEEDを持つもの”だ》
「確かに導師様からそのようなお話を聞いた事はあります。ですが、余りにも荒唐無稽過ぎて・・・」
《だが、貴様らはSEEDを発現させた。それは覆ることの無い事実だ。
 もっとも、貴様とキラ・ヤマト、カガリ・ユラ・アスハ、アスラン・ザラは
 そのように調整されたのだから当然といえば当然なのだが》
「そのように調整?まさか・・・お父様達もあなた方の計画に加担していたというのですか!?」
《当然だろう。プラントの最高評議会議長にまでなった男が、何の調整もせずに娘を作ると思うか?
 貴様の歌声が、何故プラントのコーディネーター共にあれだけ受け入れられていたか
 考えた事は無かったの か?
 それは、他ならぬ貴様の親がそのように貴様をコーディネイトしたからに過ぎないからだ。
 貴様の歌声はプラントのコーディネーターに安らぎを与える。
 その影響力が貴様の父親の政治基盤を作るのにどれ程役に立った事かな》
「そんな・・・では私は、私の歌は・・・」

 

 告げられたあまりにも残酷な真実に、ラクスさんはその場に崩れ落ちてしまった。
俺は慌ててその体を支えたが、ふと今の会話の内容に引っ掛かりを覚えた。
「おい、ラクスさん達が“SEED”ってのを発現出来るって話は分かったが、
 それならなんで俺もお前らに狙われているんだ。
 うちはごくごく一般的な家庭だったし、俺はその“SEED”ってのが何なのかも知らないんだぞ」
《貴様の場合は貴重なサンプルだからだ。
 調整された他の4人と違い、自力で“SEED”を発現させた野生種・・・とでも言おうか》
「だから、その“SEED”ってのはなんなんだよ!俺はそんなもの見た事も聞いた事もないぞ!」
《貴様が知る必要はない。貴様は貴重なサンプルの1つとして、我々のラボにてその生涯を全うしてもらう。
 これから約40分でそちらに到着するが、その間、下手な気は起こさず大人しくしていろ》

 

 そう言い残してアル・ダ・フラガは一方的に通信を切ってしまった。
「くそ、結局“SEED”ってのが何なのかよく分からなかったけど、
 あのレイと同じ顔した奴がいけ好かない事だけははっきりした。
 あんな奴に捕まって一生オモチャにされて弄くられる人生なんて真っ平御免だ。
 逃げますよ、ラクスさん!」
そう言って抱き抱えていたラクスさんに脱出を促すが、ラクスさんは弱々しく首を振った。
「シン・・・あなたは一人でお逃げなさい。私はここに残ります」
「は?何を馬鹿な事を言ってるんです。
 ここに居たら奴らに捕まってどんな酷い事をされるか分かんないんですよ」
「それは分かっています。これは、きっと罰なのです。今まで私が積み重ねてきた罪に対しての」

 

 そんな、今までの自らの行いを悔い嘆き、まるで処刑場に向かう死刑囚のような表情のラクスさんを
俺は抱き上げ走り出した。
「シ、シン!?何をなさるのです、離して下さい!」
「お説教なら後で幾らでも聞きますから、今は黙ってて下さい。とにかく奴らが来る前に脱出しないと」
「ですから私は残って・・・」
「ああもう!この前も言いいましたけど、一人で自責の念に囚われて勝手に死に急がないで下さい!
 それに、あなたは俺にこの世界の行く末を見せてくれるって言ったのに、
 それをあっさり放り投げて逃げるんですか?
 第一、あなたの生殺与奪の権利は俺にあるんです、一人で勝手に死ぬ事なんて許しません」
「シン・・・そうでしたわね。ありがとうございます、思い出させてくれて」
「素直で結構。じゃあ、とっとと逃げますか」
「ですが、どうやって逃げるのですか?
 あなたのゲイツでは、クレーター上空の防衛圏は抜けられないはずです。
 いくらあのゲイツが早いとはいえ、100近い攻撃衛星の網から抜ける事など不可能なのでは・・・」
「ま、そこら辺は何とかします」

 

 不安そうなラクスさんを抱えながら、俺は居住スペースを抜けゲイツのある格納エリアへと向かった。
「ラクスさんの言うとおり、このゲイツじゃ月面からは出られません。
 だから、こいつを囮にして少しでも時間を稼いで、その隙に脱出します」
「それは分かりました。ですが、MSも無しにどうやって脱出をするのですか?」
「あれを使うんですよ、あれを」

 

 俺が指差したのは、ついこの間キラさんが持ってきたシャトルが入っているというコンテナだ。
「この中のシャトルを使って脱出します。
 まあ、シャトルの性能がどの位のモノなのかまだ分ってませんが、あのキラさんが魔改造したものですし、
 ゲイツを囮にしている間にクレーター防衛圏を脱出するのなんて簡単ですよ」
「大丈夫でしょうか?その、キラは時々やりすぎてしまう事がありますし」
「ま、まあ大丈夫だと思いますよ?とにかく今は中身を確認しないと」

 

 そう言いながら、コンテナの中に入って見ると、突然声が聞こえてきた。
『やあシン、ラクス。元気かい?』
「キラさん?あんたオーブに居るはずじゃ!?」
『ああ、これは録音した音声だからどんだけ探しても僕は居ないよ。
 マニュアル読むの面倒臭がりそうなシンの為に特別に録ったものなんだからよーく聞いてね』
「何か自分の思考読まれているような受け答えなんだけど本当に録音かよ・・・
 ま、今は気にしてられないか」
『どうせシンの事だから色々と勘繰っていそうだけど、そろそろシャトルの説明してもいいかな?』
「本当にこっちの事を見ているような受け答えですわね・・・」
『さてシン。このシャトルを使う事態になったという事は、
 何かしらの脅威が君達の元へ向かっているんじゃないかな?
 それが杞憂であれば良いけど、多分僕の言った通りの状況に今直面していると思う。
 だから、そんな不測の事態に遭っている前提で話を進めるよ』

 

 そんなキラさんの音声に合わせて、コンテナ内の照明が付き中に鎮座するシャトルを照らし出した。
『これが君に贈るシャトルだ。
 一応貨物シャトルって事で改造したから荷物を積み込む為の小型コンテナが取り付けられる
 箇所もあるけど、本当はそのクレーターから脱出する為の僕特製ブースターを搭載した自慢の一品さ』
「・・・ここまで来たら、もう何があっても驚かないぞ」
『操縦方法に関しては、君が以前操縦した事があるタイプの物だから練習の必要もないよ』

 

 その言葉を聴き、コックピットを覗き込んで見ると確かに見覚えのある構造だった。
というか、座席の前に鎮座している操縦桿はあの戦いの中で慣れ親しんだ物と同じものだった。
「まさか・・・こいつの原型ってコアスプレンダー!?」
『そう。こいつの本体はシンが乗っていたインパルスのコアスプレンダーさ。
 少し前に、前政権から新体制への一新の時にデュランダル前議長に関わりのある物は
 全て廃棄するって話が持ち上がって、インパルスも処分されちゃいそうになったんだけど、
 勿体無かったんで僕が貰って改造したんだ。
 僕としても、僕を撃墜したインパルスがどんな機体なのかは気になっていたから、
 この機会に色々と見させて貰ったんだけど、機体運用はストライクのパックシステムと
 同じような感じなんだね。というか、殆どパクってるのかな?』
「うぅ、痛いところを」
「普通だったら気を使ってオブラートに包むところを、容赦なく突っ込んできますわね」

 

『ま、そこら辺はストライクパックシステムが優れた物だったから
 お手本にされたって考えれば悪い気しなかったけどね。
 で、本題に入るけど、この改造コアスプレンダーでならクレーターの防衛圏を
 ぶっちぎって抜ける事が可能だよ』
「くそ、ストライクは自分で作ったものじゃないはずなのに、無駄に偉そうだなこのスパコーは」
「その辺りは流しましょうシン。それで、操縦は出来そうですか?」
「ええ、ぱっと見たところ特に変わっているところはないですから、直ぐにでも操縦出来ますよ。
 しかし、周りが装甲パネルやら何やらで覆われているからもうコアスプレンダーの面影殆どないな。
 こんなんで本当にあの防衛圏を突っ切る事出来るのか?」

 

 そんな心配そうな俺の声に対して、キラさん(音声)は自信満々で答えた。
『色々と増加装甲が付いていてスピード出ないと思っているかもしれないけど、安心してよ。
 装甲と一緒に取り付けた3つのブースターを段階的に開放する事によって、
 通常ではありえないスピードを得られるから、
 たとえ相手がアスランの乗っていたセイバーだろうが、あっという間にぶっちぎっちゃうよ』

 

 その言葉通り、コアスプレンダーの後ろには巨大なロケットブースターが取り付けられていた。が、
「でもこれって・・・明らかに機体本体より大きいような。
 てか、こいつに付けるものとしては明らかにサイズおかしいんだけど!」
『まあ、元はプラント間を行き来する高速船なんかに使われていた物を改造して取り付けたんだけど、
 大丈夫大丈夫。 で、こいつの使い方なんだけど』
「聞けよ!」
「シ、シン落ち着いて下さいな。録音なのですから」
『も~、どうせ訳分かんなくなって叫んでいる思うけど、続けるよ?
 この3つのブースターは発進後に段階的に自動で点火するようになっているから、
 そっちでの操作は必要なし。
 シン達は、思う存分そのGの圧力を受けて座席にへばり付いていればいいだけだから簡単でしょ?』
「もういいや・・・でも、パイロットとして訓練した俺はともかくラクスさんにはきつくないか?」
『あ、ラクスは専用の耐Gパイロットスーツを用意してあるからそれを着ておいてね。
 まさに、こんな事もあろうかとってやつだね。一度言ってみたかったんだ、この台詞』
「用意いいな本当に!てか、俺のはないのかよ?」
『エースパイロットだったシンには必要ないでしょ?じゃあ、早くスーツ着て座席に座ってね。
 この音声が終わった10分後にブースター起動するようになってるから。じゃあ、また後で』
「そういう事は早く言えーー!!」

 

 そう言って切れた音声と変わるようにコックピットに取り付けられたアラームがなり始めた。

 

  Pi“09:59”  Pi“09:58”

 

「ああもう!相変わらず人の話聞かないで勝手に話進めて!って、録音だから言っても仕方ないのか。
 じゃあラクスさん、とっととスーツに着替えて下さい、ってどこかに隠れて着替えろー!」

 

 そう言って振り返った先では、上着を脱ぎ下着姿のラクスさんが
用意されていたパイロットスーツに足を入れている所だった。
「いえ、時間が勿体無かったので、手早く着替えてしまおうかと」
「うぅぅ、もう少し俺に対して女性としての羞恥心とか持って下さいよ。
 それに、仮にもプラントの歌姫なんですから」
「あらあら、私の姿に欲情したのですかシン?いけない子ですわね」
「はいはい、そういう事はもう少し育ってから言ってくださいね。具体的にはむn(ry」
「それ以上仰ったら、捻じ切りますわよ?」
「了解了解。分かりましたから、その手に持ったペンチは下ろして下さい」

 

 そんな漫才をしながら、手早く着替えを済ませコアスプレンダー【仮】に乗り込んだ。
「しかし、強引に複座にした感は否めないな。ラクスさん、狭くないですか?」
「少しお尻がキツイ感じがありますが、大丈夫ですわ」
「(そっちに栄養いっちゃってるのか・・・成程)」
「シン、何か仰いまして?」
「いえ、何も?それじゃあ、起動しますね」

 

 さらに追求してきそうなラクスさんの言葉を遮り、俺は慣れた手つきでコンソールを叩いた。
座った瞬間に確信したが、こいつは紛れも無く俺が乗っていたあのコアスプレンダーだ。
デスティニーに移ってからはルナが乗っていたが、操縦桿の感触、座り心地が
あの当時の記憶を蘇らせてくれる。
「まさか、もう一度お前に座る事が出来るなんてな・・・短い時間かもしれないけど、宜しくな」
「シン、こちらの準備は終わりました。いつでも大丈夫ですわ」
「了解です。しっかり掴まってて下さいね」

 

 ラクスさんの言葉を聞き、俺はリモコンで格納庫の扉を開け、機体のエンジンに火を入れた。
少しずつエンジン音が高くなっていくのを確認しながら、
遠隔操作でゲイツ・カスタムを奴らの来るであろう方角へと向かわせた。
「お前も短い間だったけど、ありがとな。悪いけど、もう一仕事して来てくれよ」

 

ゲイツが視界から消えたのを確認して、俺は操縦桿を握りなおした。
「それじゃあ、行きますよ」
「はい、お任せしますわ」
「と、折角こいつに乗ったんだから、やっぱりあれ言わないとな」
「あれ、ですか?」
「ええあれです。こういう時は格好良く決めて飛び出すのが相場でしょう?」
「全くあなたという人は。ですが、確かにその方が気持ちも切り替えられそうですわね」
「でしょう?それじゃ、ラクスさんもお願いします」
「分かりましたわ。それではご一緒させて頂きます」

 

「「シン・アスカ、ラクス・クライン。コアスプレンダー行きます(わ)!」」

 
 

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◎コアスプレンダー改[キラ・ヤマトお手製:複座式]  
 プラント新政権が、デュランダル前議長時代の品を処分する際に、キラ・ヤマトが引き取り
シン・アスカが使用する移動用シャトルとして改造したもの。
だが実際は、不測の事態を予想しての高速脱出艇であり、貨物スペースは皆無に等しい。
例の如く武装は全て取り外されているが、追加装甲を取り付ける事によって、
狙われた際の防御力を上げている。
又、追加装甲が一定のダメージを受け自動でパージされていく事によって、加速度的に速度も上がっていく。
さらに、機体後部に増設された3つのロケットブースターが段階的に点火されていく事によって
殺人的な加速が得られ、ローレンツ・クレーター上空の防衛衛星の攻撃エリアも
楽々突破出来る様になっている。
しかし、スピードだけに重点を置いて改造を施された為に、
中に乗るパイロットには相当のGが掛かる事になる。
その為、搭乗の際には専用の耐Gスーツが必要になるのだが、予算の都合で1つしか用意出来なかった
                                           (キラ・ヤマト談)

 
 

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