_LP ◆sgE4vlyyqE氏_「略奪」

Last-modified: 2009-03-19 (木) 20:16:42

炬燵に入りつつ、のんびりとお茶を飲んでいたシンとルナマリアだったが、
その平和は当然の如く至極あっさり破られた。

 

「何で窓の外にMSがいるんだよ!?」
「あれって確か旧式の……」

 

外にいるMSはGATシリーズで一番最初に完全破壊が確認された機体、ブリッツガンダムである。

 

『早速ですがシン君は頂いて行きます。異議反論抵抗一切許しません』

 

こんな道楽が出来る金持ちなど、このMSのパイロットだった人間の母親以外有り得ない。

 

「何であんたがここにいるんだああああ!?」
「シン……あんたまた誰かに……」

 

燃え上がる嫉妬という名の炎に、シンは本気でビビリが入っている。
だが、この程度で諦める程彼は潔くは無い。

 

「逃げるが勝ちだああああ!!」

 

種が割れる。炬燵をルナマリアの方向に向けてちゃぶ台返ししつつ、
ブリッツの現れた方向とは逆の入り口へ向かって駆け抜ける。

 
 

そして、扉を開けた瞬間、柔らかい何かにぶつかった。

 
 

「捕まえましたよ、シン君」
「え、何で……」

MSに乗っているんじゃあ無いのか?そう言いたかった。

 

「素人の私に操縦なんてできる筈無いじゃない」

 

ああ、そうだ。当たり前だ……まずはそこに気付くべきだったのだ。
逃げようと抵抗するが、思いのほか強いその力に、全く抵抗ができない。

 

「では、後は傭兵の皆さんにお任せして帰りましょうか。あ・な・た」

 

こうして、我らが主人公は至極あっさりと、お金持ちの未亡人に捕まった。

 
 

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