code geass-destiny第12話

Last-modified: 2010-02-07 (日) 17:11:59

コードギアスDESTINY
第12話 デスティニープラン

 
 

「形勢逆転ですわ。どうします?黒の騎士団ゼロ…、ここで退場してもらいましょうか?」

 

 ラクスの持つギアス能力を前に、自分たちの兵士だったものを敵にとられ、身動きが取れないルルーシュとC.C.。
 まさしく絶望的だ。
 こんなところで…こんなところで、やられるわけにはいかないというのに!!
 そんなときだ。何かが接近する音。風が大きく吹く。

 

『こらぁあ!ルルーシュ、C.C.何勝手に2人で、でていってんのよ!』

 

 それは紅蓮に乗ったカレンである。こんな町のど真ん中に、ナイトメアフレームで乗り込んでくるとは…、
 だが、今はこれで助かった。ラクスたちもその突然のナイトメアフレームの登場に驚いている。
 C.C.は腰から銃を抜き取り、目の前にいるラクスにめがけ撃つ。
 彼女の存在が危険であることは、C.C.が一番理解をしている。

 

「ダメ!」

 

 その声と供にミーアはラクスを横から、身体で押し、銃弾からラクスを庇う。
 ミーアの身体は銃弾に撃たれ、その場に倒れる。

 

「ちっ、外したか…」

 

 C.C.は悔しそうにいうと、紅蓮に乗り込む。
 ルルーシュは、混乱するその場にいるものたちを見て、ラクスを確保しようとするが…既に建物の中にラクスは隠れてしまっている。
 このままギアス能力者を野放しにはしておけないというのに。

 

「カレン!あの女を、捕まえろ!」

 

 ルルーシュは、このときラクスを捕らえたかったが、既にアスランたちにより、ラクスは逃げ出しており、その場で倒れているミーアしかナイトメアフレームで捕まえることは出来なかったからだ。

 

「女って、倒れているの?」
「そうだ。手で捕まえ、急いで離脱しろ!」
「ったく、一人用の操縦席に2人も乗り込んで…きゃ!き、きっついんだからぁ!」

 

 カレンは輻射波動がついていない左腕に、2人のラクスのうち…倒れているミーアを確保し、その場を離脱する。
 ルルーシュは窮屈な体勢の中で考えていた。
 今までの不可解な動きについて、アスランの裏切り、そしてオーブ市民の動き。
 これらはすべて、このラクス・クラインのギアスによる力のせいということになる。
 ラクス・クラインの容姿、そして声…これらがこの世界に対して強い力となっているのは事実だ。
 それがギアスのせいだとして…。どういった効果なのかがわからない。
 俺と同じように命令するギアスなのか…。
 だが、兵士達には命令していなかった。だとしたら別のことだ。

 

「…ルルーシュ、ギアス保持者がいるということは、私と同じくコードを持っているものがいるということになる」

 

 C.C.の言葉通り…、ギアスを手に入れるには、不老不死の力を持つコードを持つものがいるはずだ。
 そいつがこの世界にいるということになる。

 

「なるほど。それも聞き出さなくてはいけないな。俺たちと同じく世界を超えてきたということになる。
 それに、そいつがいるとなると…他にもギアス能力者が?」
「わからないが…、可能性はあるな」
「ねぇ!人の頭の上でベラベラ喋らないでもっとわかりやすく話して頂戴!」

 

 コクピットに押し込まれているカレンは、機体を揺らしながら、ここまで乗ってきた偽装船に辿り着き、そのままコペルニクスをなんとか脱出する。

 

「それで、なにしてるんだい?あんた達」

 

 デスティニーを改修している最中、勝手に出撃した挙句、敵の追跡をかわすために無理をしたこともあり、帰って来た紅蓮とカレン、ルルーシュ、C.C.にラクシャータは呆れた顔で出迎える。
 銃で撃たれたミーアが医務室に運ばれる中で、紅蓮もまた忙しい中で各部分のチェックを見なくてはいけなくなってしまっからだ。
 カレン、C.C.、ルルーシュともども説教されることになる。

 

「…お前のせいでえらい目に会ったぞ」
「私のせいじゃない、カレンのせいだ」

 

 文句を言うC.C.は先ほどのことを考えていた。
 ラクスのギアスのことを。

 

「ルルーシュ、ラクス・クラインの持つギアスは…」
「あぁ。目からのギアスということになる。だとすれば、オーブやアスランが離反した理由はよくわからないな」
「…ギアスは以前に使用したことがあれば、その効果が継続されている可能性がある」
「ということは、一度オーブのものたちにも…アスランにもギアスを使用したということか…。
 となると、使ったことがあるのは前大戦。そのときからギアスを持っていたのか」

 

 ラクス・クラインのギアスの効果が何かはわからないが、今回のことで、奴の目を見ることにより、味方にひきずりこまれてしまうことだけはわかった。
 驚異には違いない。しかし、目からのギアスであれば、相手の目を見なければ問題は無い。
 そう決め付けてしまうのは危険ではあるが…。
 もう少し情報が必要になるだろう。

 

 月面の司令部に戻った2人は、ようやく完成した、月面における軌道間全方位戦略砲『レクイエム』を眺める。

 

「これか…本格的なことはジブリールがほとんどやってくれていたからな。こっちは最終調整だけを行えばよかっただけだったが、それでも時間がかかった」
「それで…これをどうする?プラントに撃ち込むか?」
「そんなことをすれば泥沼の戦争になる。あくまでこれは民衆が敵意を向けるための手段だ。シュナイゼルが使った天空要塞ダモクレスのように…」

 

 かつてシュナイゼルに動かされていたルルーシュの妹であるナナリーが、したように…これを民衆全ての敵意として存在させることで、世界中の人間の心を1つにしようとしたことがあった。
 もっとも、ルルーシュが『ナナリーにはその役割ではない』として潰したのだが。
 それをここで行おうというのだ。この凶悪な兵器を前にして、誰も歯向かう者はいなくなるだろう。
 そう考えたのである。

 

「…この発射により、ザフトは手が出せなくなるはずだ」
「だといいがな…」
「目標、プラントの直上!発射!!」

 

 ルナマリアは、放たれる光を眺めていた。あれが…プラントに向けて撃たれているというの?
 自分はプラントを守るべきはずの人間なのに、ただ見ていることしか出来ないなんて。

 

「大丈夫。ゼロは…優しい」

 

 自分を監視するためのステラがそんなことを笑顔で言うもんだから、この放たれる光がまるで現実が無い。
 メイリンが、2人のために飲み物を持ってくる。

 

「ありがと、メイリン」

 

 ステラは無邪気にお礼を言う。
 こんな彼女を見てしまうと、本当にあのガンダムを強奪し戦いを行っていたものの一人なのかと疑いたくなってしまう。

 

「不思議だと思わない?お姉ちゃん?」
「なに?」
「カレンさんにも話したんだけど…、私達ザフトがいて、ステラっていう連合の子がいて…
 ここにいるのはみんな敵だった人たちばかり、だけどこうして一緒にいることができる。
 戦う事なんかしないで話をして…」

 

 ルナマリアは飲んでいたペットボトルを下におろす。
 戦うことに疑問なんか持たなかった。
 ただ、言われたとおり…みんなが平和に過ごせる世界を作り出すために、連合をブルーコスモスを、ザフトにあだなすものを倒さなくちゃいけないという風に考えてきた。
 だけど…それは今こうして出来ている。

 

「…私達、なんのために戦っていたのかな」
「…」
「私、アスランさんについていったときね?何で自分がこんなことをしているのかよくわからなかった。
 だけどね、今ならわかるんだ。きっと…ザフトっていう視点にとらわれないところで、世界を見たかったのかもしれないって…」
「…ザフトにとらわれない視点」

 

 自分はずっとザフトの中で世界を見てきた。それがいけなかったっていうの?
 だけど、こうしてメイリンの言うとおり、分かり合える場所があるって言うことは、
 ザフトじゃわからなかったことかもしれない。

 

「お姉ちゃんは…これからどうするの?」
「…私は」
「私はね、もう少し…見ていたいっておもうの。
 ザフトだけじゃ見えない世界っていっぱいあると思うんだ」

 

 ルナマリアはいつの間にかメイリンが立派に成長していることに気がついた。
 いつも自分のことを慕って追いかけてくるだけだったのに…。
 今はこうして自分で考えて、自分で行動しようとしている。
 成長しきれていないのは自分のほう…。

 

「…はぁー。なんだかメイリンにすっごくお姉ちゃんっぽいこと言われてる気分」

 

 ルナマリアは、ペットボトルの飲み物をゴクゴクと飲む。

 

「そ、そうかな~?」
「私、考えたことなかったもん。そんなこと…」
「普通はそうだよ。私が変なだけ…、それに今更ザフトに帰っても…」

 

 レイに言われた言葉…。自分もアスランと同じ反逆者であるということ。

 

「…私も、いいかな?」

 

 ルナマリアがメイリンを見つめる。

 

「え?」
「私も、見てみたい。外から見たザフトを…」
「ダメだよ!お姉ちゃんは、きっと…ここにいればザフトと戦うことになる」
「…例え、そうであっても。それぐらいの覚悟が無いと、真実って見えてこないと思うから」

 

 ルナマリアの言葉にメイリンは、ただ黙ってそれを受けいれることしか出来なかった。
 姉がいてくれることの安心感と、ザフトと戦うことになるだろう不安の両方が相まってなんともいえない気持ちが残る。

 

―――

 

「…月面からの攻撃を受けたと?」

 

 デュランダルは、巨大な閃光がプラント直上にめがけ放たれたと報告を受けた。たいした威力である。
 まともにくらっていれば、プラントは壊滅していたであろう。
 さらには月から、こちらは直線上にあるわけではない。
 コロニーのような筒を利用し、レーザーを曲げて、こちらを狙って撃ってきているのだ。

 

「しかし、議長。敵は狙いを外しました。向こうのレーザーは完全ではありません」
「いや…、わざと外したのだろう。これは警告のつもりか。ゼロ…」

 

 デュランダルの元にはいってきた、ミーアが奪取されたということ…。
 ラクス・クラインではなく、ゼロであったことが救いだ。
 そもそも、この事件はゼロにあててのメッセージでもあるわけだが。

 

「…ザフト艦隊に、月面に向けて出撃を」
「ですが、あれが再び照射される恐れが」
「撃つつもりなら、既に撃ってくるよ。敵の射線上にはいらないよう遠回りをしてもかまわない。メサイアも移動をはじめてくれ。私もそっちに移る」
「はっ」
「…それと、マスコミを集めてくれ。重大なことを発表する」

 

 時間はそんなにない。
 急がなくてはいけない…、戦いがまだ、『戦い』であるうちに…。

 

―――

 

 ラクシャータたち整備班は、無事に『レクイエム』が起動したことでのお祝いに沸いていた。
 やがてくる戦いの前のちょっとした一休みは必要だ。
 戦いは、終局に向かっている。このレクイエムにより、敵に攻撃をさせない、拮抗状態をつくるようにしたつもりだが…。
 俺の知るデュランダルでは、軍を差し向けるだろう…。
 このレクイエムの発射は、拮抗状態を作ることと、奴らに時間を稼がせることをしないためのものでもある。
 再び、アークエンジェルたち、ギアスを持つラクス・クラインが来ることも考えられるが、ここはオーブではないし、同じ轍を二度は踏まない。  
 ゼロは、そんなことを考えながら、ある部屋にはいる。
 それは、カレンやC.C.と話したように、ザフトのエースパイロットであるシン・アスカと話をするために。
 それによってはアスランと同じようにしないため、ギアスを講じる必要がある。

 

「…お前が、シン・アスカか」

 

 ベットの前にたつ黒い仮面の男。シンは冷たい目で見つめる。
 こいつがゼロ。オーブを制圧して、ザフトに戦いを仕掛けたという奴。

 

「…なんで、俺なんか助けたんだ?俺はお前達の敵だぞ」

 

 シンは、ゼロに向かってそう言い放つ。

 

「あぁ、わかっている。誤解するな、助けたのは俺ではなくカレンだ。後で礼でも言っておくんだな」

 

 最初から敵意をむき出しにするシンに、ゼロもまたシンと同じように冷たく言う。

 

「…」
「…」

 

 暫くの沈黙、シンは、ゼロが何をしにきたのかわからないでいた。
 シンはゼロに背中をむけたままベットで寝転んでいる。

 

「…お前は、何のために戦っている?」

 

 シンの中に響く、その言葉…。
 自分は、マユと同じ人間を出さないために…戦っている。
 最初はそうだった。だけど、結局はマユと同じ被害者を作り出しているだけに過ぎなかった。
 そんなシンにマユは優しく語りかけ、どんなことでも受け入れる、傍にいるといってくれた。
 なら…、自分はどうするべきなのか。自分は…このまま戦うことを…。
 思い出す。
 今までの戦いを…。
 そこで見えてきたのは、ミネルバのみんな。
 レイ…ルナ…メイリン。
 それだけじゃない…。
 ステラ。
 俺は彼らとともに、彼らと一緒にいる世界を、守るために…戦っている。
 顔をあげ、ゼロを見るシン。

 

「俺は、俺の守りたいもののために戦っている」

 

 その言葉は、かつてゼロ=ルルーシュがスザクに問われ、答えた言葉と同じもの。
 結局は誰もが皆そうなのだろう。
 戦うもの全てに守りたいものがあるから戦う。だから、戦えるのだ。
 その規模が広がることで、このような戦争となる。
 ルルーシュは、どこの世界でも同じなんだなと実感をした。

 

「何かを成す為には、何かを否定することになる…。お前が守りたいものを守るためには、それ相応の覚悟が必要だ」
「…俺は、今あるルナマリアやステラの居場所を守るために、戦う」
「それが、お前がいたザフトと戦うことになってもか?」
「…俺はここで知った。連合だったステラ、そして騎士団のお前、ザフトの俺たち。
 みんながこうしていがみ合う事も争いあうこともなくある現実。俺は…これを伝える。
 それが、マユを作り出さないための道だ!」

 

 C.C.から聞いた名前。
 愛する今は亡き妹…、おそらくは自分が味わったことよりも辛い経験をしてきたのだろう。
 それを乗り越え、復讐心を捨てて未来へと向かうその覚悟は、ルルーシュには考えられないものであった。
 だからこそ…彼を応援したい。
 彼の目指す未来に、自身の未来を重ねて…。

 

「いいだろう。お前が決めた道、私も手伝おう。同じ未来を目指す同志として」
「…俺は騎士団に入ったつもりはないからな」
「かまわない、所詮は騎士団もザフトも連合も枠組みでしかない。それに囚われないといったお前には、そんな名前は必要ないだろう」

 

 場の雰囲気も少しはほぐれ、ルルーシュとシンの話が纏まったところで、C.C.が部屋にはいってくる。

 

「ザフトの艦隊が向かってきている。旗艦はミネルバだ。到達までは、およそ6時間後になる。ゼロ、指示を頼むぞ」

 

 C.C.の言葉に頷き、ゼロは部屋を後にしようとする。そんなとき、シンはゼロを見ずに呼び止める。

 

「ゼロ……死ぬなよ、あんたにはまだ聞きたいことがあるから」
「フフ…お互いにな」

 

 ゼロは部屋を出て行く。
 1人残されたシンだったが…相手がザフトとなれば、ミネルバがくる。
 両者が戦うというのか、この前まで自分の家であった場所に…。
 シンは重たい身体を見ながらも、ベットから足を伸ばし床につける。

 

―――

 

 月面ダイダロス基地内では、既に臨戦態勢になっている。
 戦艦ローズクォーツも完成し、強力なハドロン砲を発射することが可能となった。この前のように一発撃って終わりではない。
 エネルギーの消費には気をつけなくてはならないが。
 こちらがレクイエムを発射した威嚇攻撃に対してなんの手段も講じないとは思えないが。
 ローズクォーツにゼロが乗艦したとき、カレンやステラたちが前方スクリーンのテレビ画面を見つめている。
 そこにうつるのはデュランダルである。

 

『…人は戦いを続ける、それはなぜか?己の利益を常に求め続けるのが人間だからです。
 私はそれを否定はしない。ならば、私は人に正しい道を示すことが一番の戦争をなくす最善の方法であると考える。
 遺伝子解析により、その人間の正しい職業、適正、結婚相手を選ぶことで、人は大きく成長することができる。
 それこそが、私が世界の皆さんに訴えるディスティニープランなのです』
「…大きく出たなデュランダル。遺伝子統制による平和、随分と未来的じゃないか」

 

 C.C.の言葉を隣で聞きながら、ルルーシュは不思議に感じていた。
 デュランダルにしては、急いでいると。まだ時期尚早である。
 抵抗勢力である騎士団を倒した後に演説をしたほうが効果的だ。
 他には誰も抵抗できなくなっているというのに。
 今のままでは、こちらに同調するものもでてくる可能性がある。

 

「ギル…」

 

 レイ・ザ・バレルはMSレジェンドのチェックをしながら、そのデュランダルの話を聞いていた。
 自分たちの夢である計画。それをかなえるために、ここまできた。
 後は騎士団を倒せば全てが終わる。なんとしても…、この限りある命の中で。必ず…。

 

『黒の騎士団は、我々に対して月面から強力なレーザー砲を撃ってきましたが、我々はそれに臆することなく、断固とした覚悟で戦い…、
 そして誰もが争わず、確立された、成長することができる未来を作り出す世界をつくっていくことを、
 ここに約束するものであります。皆さん、もう少し私にお力添えをいただきたい』

 

 相変わらずだな、報道により、民衆を味方に引き込むか。
 今更、そんなことに意味があるとは思えないが…。
 …何を急いでいる、デュランダル…。
 ルルーシュは、デュランダルの気持ちが読みきれない。

 

「ゼロ、紅蓮や灰廉は宇宙用に換装して、平気だけど…数、連合軍のデストロイとかだけじゃ足りないわ」

 

 カレンは味方機のリストを見ながら、つぶやく。

 

「…安心しろ。俺も出る」

 

 ルルーシュの言葉にカレンは凄く嫌そうな顔をする。
 なんせ、毎回出撃するたびにやられている印象があるからだ。
 あながち間違いではないが。

 

「大丈夫だぞ。カレン、私も乗る」

 

 C.C.の言葉にカレンは安心した表情を浮かべて。

 

「ふぅ…」
「どういう意味だ!!」

 

 ゼロは二人に向かって怒鳴りつける。

 

―――

 

 暗礁群に隠れていた戦艦エターナルにて…、舞い戻ってきたラクスは席に着く。

 

「ラクス、ごめん。助けられなくて」

 

 キラとアスランがラクスの前で、ミーアを助けられなかったことを、申し訳なさそうな顔で立っている。

 

「…かまいませんわ。手に入れられなかったものは、また取り戻せますし、私の影武者でしたら、今後またつくればいいですもの。
 ミーアさんを議長に渡したように…また。」

 

 ラクスは、微笑みながらキラとアスランに告げる。
 そのラクスの視線は既に2人にはなく、高らかに宣言をしているデュランダルにあった。

 

「さぁ、バルドフェルド隊長…マリュー艦長。私達も行きましょう。私達なりの…人類の統制をはかるために…」

 
 

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