エリナテー星系

Last-modified: 2022-09-17 (土) 17:20:34

目次

連星系の場所とその周辺

 エリナテー連星系はアポラ星系とフェガルス・パトロム星系による恒星らによる重力に支配された三連星系です。この連星系は渦巻銀河「ワルストレギオン」の渦状腕、「叡智の光河」にあります。この銀河は現在、楕円銀河である「幻獣の揺籃」が接触寸前にまで接近している影響で、双方の形が干渉し一部変形しています。この干渉はおそらく直近数万年前に始まったものとされています。また銀河の年齢は厳密にはわかっていませんが、推定で誕生から100億年ほどは経過していると考えられています。
 連星系の叡智の光河の中での場所は銀河の回転面からやや銀河の南極側に外れており、同様に星間国家が複数確認されている大宇宙文明圏でも相対位置で端の方に存在していて、これら星系はおよそ38億年前に星間ガスが重力による凝集を起こしたことにより誕生したとされています。連星系の近隣には多くの恒星の存在が確認されており、15光年以内には、

  • アリュエーズ座アムル星
  • サグナス座ボム星
  • ハプリス座ケプト星
  • サルシア
  • カルパティー

など星連の文明圏では著名な星が存在しています。これらの星には多くの大小の惑星があるものの、生命が長期間にわたって生存できる環境の惑星は存在せず、基本的に資源用惑星としての用途で開発されているものがほとんどです。近隣の確認されている惑星のほぼすべてにおいて、どれほど開発が行われて発展したとしても、パラテラフォーミングでの都市開発までが限界であり、大規模な環境改変を行うことで住めるようになるレベルの天体ですら、近隣の30光年以内にはないとされています。また、それ以上距離のある最も近い生命の住める惑星には、すでに先住生命が生息していることが多く、それも入植に適しているとする惑星にすることができない理由でもあります。

Neighbor.png
近隣の恒星図

アポラ星系

 アポラ星系はエリナテー連星系の恒星アポラを中心とした惑星系です。主星であるアポラは大きさ、質量ともにソル星系のソル(太陽)よりも8割程度と小さく、表面温度もやや低い4900℃程度で、明るさも太陽の半分以下ほどしかありません。それゆえ、カテゴリとしては太陽のような黄色に光るG型主系列星ではなく、その一つ下のオレンジ色に輝くK型主系列星となっています。全体を通してソルに劣っているように見えますが、決してそんなことはありません。アポラは現在39億年程度誕生してから経過していますが、大きさの小ささ故にソルよりも寿命が長いとされており、その寿命はまだあと60億年程度残されていると考えられています。
 アポラ星系には合計で7つの個性豊かな惑星が存在し、そのうち機材を背負う必要もない、生命の生きていくことに適している惑星、いわゆるI型居住惑星が2つ存在しています。これらの惑星たちは、少なくとも過去30億年以上は大規模な衝突や混乱もなく秩序的にアポラの周りを公転しています。それぞれの惑星は内側から3つの岩石惑星、2つの巨大ガス惑星、1つの巨大氷惑星、1つの氷惑星で構成されています。

ネルメ(アポラ星系第I惑星)

 惑星ネルメ(Nelme)はアポラ星系の最も内側を公転している第1の惑星です。主星であるアポラに近いため、自転と公転が同期してしまっています。半径は約4800kmで、アポラ星系内では最も密度が高く、これは金属資源が豊富であることに由来しています。宇宙時代に入るとアポラ星系の文明はこの星の陸地から多くの金属資源を採掘し、主星アポラにダイソンスウォームを築きました。宇宙から見ると、斜長石等に由来するの白っぽい表面に、無数の隕石の落ちた跡であるクレーターと、一部地殻活動で起きたひび割れ、噴き出した溶岩によって一部黒くなっている箇所が確認できます。約0.1気圧ほどの薄い大気は存在しますが、大部分が二酸化炭素なのでどちらにせよ呼吸には向かないようです。酸素マスクをお忘れなく!

アポラ
Apola
別名????
スペクトル分類K型主系列星
半径5.76E+05 km
質量1.61E+30 kg
自転周期28 d
光度1.69E+26 W
表面温度5170 K
金属量0.21 Fe/H
年齢39億年
フェガルス
Fegals
別名????
スペクトル分類M型主系列星
パトロム
Patolom
別名????
スペクトル分類F型主系列星

ラペア(アポラ星系第II惑星)

詳細はラペアを参照。
 惑星ラペア(Lapea)はアポラ星系の第2の惑星です。主星から約1億km離れているこの惑星は、恒星から適切な距離にあるために表面に液体の水をたたえています。この星はアポラ星系の人類種(ヒューマノイド)知的生命体の故郷で、生命ある二つの惑星のうちのひとつです。半径は約6530kmで、一年は約228日、一日は20時間と半分程度です。植物の生命活動によって大気は二割弱の酸素で構成され、宇宙から見れば、海の青、大気の白、森林の緑や砂漠の黄色と色彩に富んでおり、おおかたソル星系のアース(地球)と大差ありません。アースと異なる点としては、アースよりも密度が低く、脱出速度がアースよりも少なく済むのでロケットに積む燃料が減らせることと、地軸の傾きがやや大きいので、季節がほんの少し激しく変わることくらいです。
 天然の衛星にメラ(Mela)を抱え、その半径は約1750kmほどです。アポラ星系の惑星に対する衛星の比率としては最大規模でネルメと見た目に大差はない模様。それでもラペアの文明にとって、ここにたどり着くことは宇宙時代最初の大きなマイルストーンでした。

キヤナ(アポラ星系第III惑星)

詳細はキヤナを参照。
 惑星キヤナ(Kijana)はアポラ星系の第3の惑星です。主星から約1億4100万km離れているこの惑星は、ラペアほど暖かくありませんが、液体の水をぎりぎり保持できています。この星はアポラ星系の亜人種知的生命体の故郷で、二つの生命ある惑星のうちのひとつです。半径は約6410kmで、一年は約335日、一日の長さは約22時間50分です。ただ液体の水があるとはいえ、恒星から距離が遠いこの惑星は宇宙から見ると南北両極に大きな氷冠が存在し、植物、特に寒さに強い樹木や苔類が確認できるのは赤道付近のみです。古来からわずかな植物資源をめぐって戦乱が続きましたが、長い平和な時代を作ることに成功することもありました。
 天然の衛星が二つ存在し、小さく青錆色をしているカズル(Kazul)、大きく暗橙色をしているスカゾンが存在します。二つの衛星はキヤナ文明に大きな影響を及ぼし、文化風俗、神話、暦までもが関係しています。現代では二つの衛星は科学的にある程度の情報が得られましたが、それでもなお信仰の対象として現代でも重要な役割を持っています。

岩の星屑帯

 キヤナとユンザーの間には、破片のような惑星になり損ねた岩の星屑が散乱しています。ソル星系における小惑星帯のようなものです。宇宙船で通過するときは事故に注意、場合によっては保険が下りないことがあります!ご安全に!

ユンザー(アポラ星系第IV惑星)

 惑星ユンザー(Junzaa)はアポラ星系第4の惑星です。主星から5億9000万km近く離れたこの惑星は、地面のない巨大ガス惑星で、大部分が水素とヘリウム3で構成されています。アポラ星系の惑星としては最大で、半径約62000kmでラペアの10倍近くあります。宇宙から見ると全体的には黄色で、一部薄灰色や薄青色の帯があり、縞模様を織りなしています。また、この惑星は非常に大きな輪が目立ち、この輪は数億年前にでき、数億年後には消失すると考えられています。確認されているだけでも50近い天然の衛星がありますが、その中では特に大きなヴァリキス(Varikis)、アイゼル(Aizel)ら2つの衛星はそれぞれ岩石性の活火山、氷の活火山と渓谷を持ち合わせています。わかりやすく言うとスケールを大きくした惑星サターン(土星)。

スラナ(アポラ星系第V惑星)

 惑星スラナ(Sulana)はアポラ星系第5の惑星です。主星から12億3000万km程離れたこの惑星は、ユンザー同様に巨大ガス惑星です。特徴の大半がユンザーに似ています。大きさは半径54000kmで、宇宙から見れば、鮮血のような赤色と白色のガスによる縞模様で、望遠鏡で観測してもその鮮やかな赤色が目立ちます。天然の衛星は30近くが確認されています。そのうち特に大きな衛星にアイテン(Aiten)があり、表面をメタンの雲が覆っています。わかりやすく言うとより赤く彩色した惑星ジュピター(木星)。

アーキーア(アポラ星系第VI惑星)

 惑星アーキーア(Aakiea)はアポラ星系第6の惑星です。主星から約24億4000万km離れたこの惑星は、巨大ガス惑星よりも水やメタンが豊富な巨大氷惑星に分類されます。大きさは半径約22000kmで、宇宙から見れば冷ややかな水色と白のグラデーションがかかったような星に見えます。あとユンザーの環には劣りますが、視認できる細い輪があります。アーキーアは文明が望遠鏡を用いて観測することによって発見されました。天然の衛星は10個ほど発見されていますが、いずれも小さく氷でできており、特筆できるような衛星はありません。簡単に言えば傾きがまともな惑星ウラヌス(天王星)と思ってくれればOK。

ヒアドゥス(アポラ星系第VII惑星)

 惑星ヒアドゥス(Giadus)はアポラ星系第7の惑星です。主星から約40億2000万km離れたこの惑星は、アポラ星系の中で最も遠い位置をめぐっています。大きさは半径約3100km。表面は白く死んだような荒涼とした土地が広がり、それらは氷とドライアイスでできていて、その大地を窒素の希薄な大気が覆っています。最果てにあるこの惑星は、発見当初から星系の番人としての名前であるヒアドゥスと名づけられました。衛星はありません。わかりやすく言うと、惑星になれた準惑星プルート(冥王星)と思ってくれればOK。