may先輩の蕎麦がいい！ Wiki*

たぶんこのページは放置される

第1部
第2部
第3部

第1部

reburn前

保管しといてくれた壷wikiに感謝

旧chapter1 黄昏　戦艦　少女

1-2 戦艦探索

姫子	キアナ！状況を報告しなさい。
キアナ	目標の戦艦に到着したよ！姫子おばさん！次はどうしたらいい？
姫子	真面目に聞きなさい！2時間前、正体不明な戦艦が蒼海市上空に突如出現したわ
姫子	戦艦の制御ネットワークにアクセスを試みたけど、ファイアウォールに阻まれて突破できなかった。
姫子	そこで、あんたの任務は艦橋に向かい、中央コンピューターに直接アクセスする事よ。
姫子	ブローニャにメインコントロールシステムをハッキングさせて、この船の出所をはっきりさせる。
キアナ	簡単そうな任務だね～ねぇ、早く船橋の位置を送ってよ！
姫子	（ボイス:艦橋は戦艦の中央よ、戦艦の入り口は封鎖されているから注意しなさい。)B3、B8、B17の3エリアでロックを解除すれば戦艦内に侵入できるわよ。
キアナ	了解。でもちょっと遅くなっちゃうかもね、お出迎えが来てるみたい。
姫子	ゾンビと崩壊獣？強くはないけど甘く見ない事ね
キアナ	Ok～

1-3 芽衣増援

姫子	キアナ、何か異常は見つかった？
キアナ	何も異常はなかったよ。強いて言えばこの任務が異常に簡単すぎた事かな。
キアナ	私みたいに優秀な戦乙女はもっと難しい任務をこなすべきじゃない？
姫子	何が優秀よ、半年前までは候補生だったB級戦乙女だったくせに。
姫子	でも、それだけ自信があるって事は、支援は不要ってことね？
キアナ	ふんだ、当然でしょ！
姫子	よし、それじゃ芽衣を帰還させるわよ。
キアナ	え？ちょっとぉ！わ、私…弾薬が足りないみたいだから、芽衣先輩の支援はお願いするね。
姫子	あら？おかしいわね、こっちにはあんたの弾薬残量が十分と表示されているけど。
キアナ	え、えっと…20秒前までは結構あったの！
姫子	あんたねぇ…一体何をやらかしたのよ…
芽衣	少佐…あまりからかわない方が…
芽衣	キアナちゃん、戦艦の甲板についたよ！B3前で合流しよう！
キアナ	きたきた～！芽衣先輩がいれば力がみなぎってくる！
姫子	はぁ…変態みたいな顔をしてるわよ…芽衣、しっかり面倒を見てやって！
芽衣	はい！少佐！

1-6 夢境の学園

キアナ	あれ？ここは…聖フレイヤ学園…？確か戦艦に乗っていたのに…夢でも見ているの！？
？？？	ここはどこ…？私は誰…どうしてここにいるの…
姫子	キアナ、何ぼーっとしてるの？テストが始まってから30秒も経ってるのよ！
キアナ	えええ？！
姫子	お馬鹿にも程があるわ！戦乙女資格試験に決まってるでしょ！？
キアナ	資格試験…？半年前に受けらなかったっけ？（ボイス：資格試験…？半年前に受けなかったっけ？）
姫子	何を馬鹿な事を言ってるの？！あんたはまだ候補生でしょ？！
姫子	早く模擬崩壊獣を倒さないと不合格になるわよ！

1-8

1-8 時空断裂

姫子	あら？以外ね…時空断裂の扱いにもずいぶんと慣れているなんて。
キアナ	当然でしょ！半年も使っていれば慣れるわよ！
姫子	また馬鹿な事を言って…時空断裂はシーリン計画の産物として1か月前に完成したばかりよ。
姫子	半年も使ってる…？夢でも見てるんじゃない？
キアナ	はぁ？

1-10 シーリン計画

キアナ	姫子おばさん、ちょっと気になるんだけどさっき言ってたシーリン計画って何？
姫子	授業で習わなかったかしら？まあいいわ…どうせ寝てたんでしょ…
姫子	シーリン計画は2000年、第二律者の空間制御能力を研究して利用することを目的に始まったわ。
姫子	その成果が時空断裂システムというわけ。光速と時間の関係は知ってる？
キアナ	スピードが光速に近づくほど、時間の流れは遅くなる。そんな簡単な理屈なら私でも知ってるわよ！
姫子	現実では物体を光速まで加速させることは基本的に不可能。
姫子	ところが第二律者は周辺空間にある光粒子の減衰係数を増加させることで周りの時間の流れを遅くすることができるの。
姫子	これによって戦乙女は常識を超えた速度を手に入れたわ
キアナ	分かったような！分からないような…
姫子	帰ったら教科書を読み直しなさい。
姫子	時空断裂システムが発動する時に周囲が暗い青色に変わって見えるのも、光速が低下して青方偏移が原因なの。
キアナ	ああ、そうだったんだ…
謎の声	この子の記憶を見てようやくわかった。うん…随分と長い間寝てたみたいだ…でも、今は全部思い出した。

1-11 目覚め

芽衣	キアナちゃん！キアナちゃん！
キアナ	ん...あれ？私どうしちゃってたの？
姫子	意識を失っていたのよ。いろいろ試してみたけど起きなくて、隣の誰かさんが死ぬほど心配していたわ。
キアナ	うん、でももう大丈夫みたい。
姫子	この戦艦はおかしなことが多すぎるわ。
芽衣	少佐、任務中断を申請します。
キアナ	大丈夫だよ！
姫子	もしも、突然戦艦が落下なんてしたら...街は壊滅してしまうわ。
姫子	今は一刻も早く真相を掴んで、街の安全を守りなさい。
キアナ	了解！これからB8エリアに向かう

1-15 第二制御装置

キアナ	B8エリアのロックを解除したよ
姫子	よくやったわ！それじゃ残りは最後の１つね。
キアナ	あれ...また始まった...
謎の声	キアナ、もう少しあなたのこと聞かせて。

1-16 再び夢境へ

姫子	二人一組でこのテストに...はいそこ！キアナ！聞いてるの！？（ボイス：以上のようにこのテストでは皆さんのチームワークを評価します。二人一組でこのテストに～）
キアナ	あれ？また戦乙女資格試験に戻ってる...
芽衣	キアナちゃん、しっかりして！もうすぐ試験が始まるわよ。
姫子	芽衣...このおバカと組むなんてあんたも大変ね。
キアナ	今度の夢には芽衣先輩がいるの？...よかったあ！

1-18 傷を負っても

(1-18 傷を負っても

芽衣	キアナちゃん、ケガしてる！
キアナ	大丈夫、こんな傷くらいどうってことないわ。それに私には戦乙女にならなきゃいけない理由があるから。
芽衣	それって...お父様のこと？
キアナ	そうだよ！入学したときテレサと約束したんだ。私がA級戦乙女になったらパパのことを教えてくれるって。
芽衣	キアナちゃん...お父様のことすごく気にしているのね...
キアナ	うん、ママは小さい頃に死んじゃったからパパと暮らしてたんだけど...4年前に失踪しちゃって。
芽衣	ごめんね...
キアナ	気にしないで！全然大丈夫だから！
キアナ	素手でライオンを倒せる、キツネよりずる賢いあのエロ親父ならきっと世界のどこかで女遊びでもしてるわ！
キアナ	テレサから行方を聞き出したら、そうしたら...捨てられてから4年の積もり積もった怒りをたっぷり味わわせてやるんだから！

1-20 最後の正念場

姫子	キアナ、よく出来たわね！後は最後の項目だけよ、油断のないように！
キアナ	うふふ、パパにまた一歩近づいたわ。
キアナ	カスラナ家の奥義「おしりぺんぺん」で懲らしめてやるんだから！
謎の声	ジークフリート・カスラナの娘ってあの子だったの。私達って腐れ縁ね～
謎の声	それじゃ、次の記憶を構築する前にちょっと目覚めといて～☆

1-21 二度目の目覚め

キアナ	今の...コレは夢なの？パパの夢を見たって、絶対そんな気にかけないのに...
芽衣	キアナちゃん、どうしたの？
キアナ	なんでもない。B17エリアに行って最後のロックを解除しよう！

1-25 ブリッジゲート

キアナ	B17エリアのロックを解除した
姫子	よくやった！ブリッジゲートが開いたわよ。
芽衣	良かったね、キアナちゃん！
キアナ	はぁ...なんでまた...意識が...
謎の声	記憶が構築できたよ～また遊びましょ～！キ～ア～ナ～☆

1-26 高度な睡眠技術

テレサ	キ・ア・ナちゃ～ん、とうとう試験の最終課題ね。
テレサ	ご存知の通り、戦乙女の等級は全部で5つ。一番上がS級、その下にA、B、C、Dの4つがあるよ。
キアナ	えっ！？待って！
テレサ	どうしたの？なにか気になる？
キアナ	なんでD級があるの？聞いたこともないよ！
テレサ	そうだった。確かにD級戦乙女については話したことはなかったね。
テレサ	簡単に言うと、戦乙女になりたい人は毎年たくさんいるの。でも試験に合格できる人はとても少ないことくらいわかるよね？
テレサ	試験に合格しなかった落第生がD級戦乙女ってこと。
キアナ	じゃあ、そのD級戦乙女は何ができるの？
テレサ	料理に掃除、運転、マッサージ、武器のメンテナンスからお店のお手伝いかな？
テレサ	どれも重要なお仕事だよ。上等の戦乙女が戦闘に専念するにはサポートが不可欠だからね！
キアナ	う...うん。なんだかまるで悪夢みたいだね。
テレサ	そうだキアナ。姫子少佐があんたは不合格だって言ってたよ。
テレサ	戦乙女試験に合格できなかったらD級戦乙女になるんだよ。
キアナ	そ、そんなの嫌だ！

1-31 夢魘の野獣

テレサ	キアナ、芽衣、よく出来ました！
芽衣	テレサ学園長！どうしてこんなところに！？
テレサ	かわいい姪っ子のキアナがもうすぐ戦乙女になるから、待ちかねて応援に来ちゃったの。
キアナ	心配性なんだからもう、余裕で合格できるわよ。
テレサ	それじゃ、最後の崩壊獣に向かって！油断大敵よ、キ・ア・ナちゃん！
キアナ	よーし、あんなスライム簡単にやっつけちゃんだから！そしたら芽衣先輩、帰って結婚しましょ！
芽衣	何おかしなこと言ってるの？
謎の声	おやおや、感動的だこと。残念ながら私はそこまでお人好しじゃないよ。
謎の声	このスライムって難度も低すぎるし見た目も悪趣味よね～
謎の声	適当に難度を上げるのもゲーム作者の趣味のうちだよ～。それじゃ、いい相手を見つけてあげようか☆
キアナ	いい相手！？
謎の声	まあ騒がないで...天命のデータベースを探ってみるわ...あ、いたいた！これだ
謎の声	あなたに一番の相手は2012年にインドで出現した崩壊獣ね。
謎の声	A級戦乙女2名を死亡させ、12名重傷を負わせたガネーシャ。
謎の声	B級戦乙女2人には難しすぎるかしら？いや、ちょうどいいはずよね～☆
謎の声	それではがんばって。もし失敗したら...そうね、独りここであなたたちの死・に・ざ・ま☆を鑑賞しておくわ。
キアナ	ふんだ！どんな崩壊獣だって怖くなんかないわ！どんときなさいよ！

旧chapter2 夢の中の声

2-1 夢との会話

謎の声	あら？びっくり！ガネーシャを倒しちゃうなんて～
キアナ	あはは、崩壊獣が弱すぎただけだよ。ただのB級戦乙女と思わないでよね！実力はS級レベルなんだから！
謎の声	本当に口だけなんだから...実力があったとしても、S級戦乙女たちの足元にも及ばないのにね～
謎の声	私も１４年前はS級戦乙女たちの実力をこの身で味わったのよ。
キアナ	１４年前！？ちょっと待って！なんでまだ夢の中にいるのよ！？あの豚を倒せば目覚めるって言ってなかった？
謎の声	うふふ、そんな約束してたっけ？私はとっても寂しがり屋だから、ここで永遠に付き合ってちょうだいね～☆
キアナ	そんなの嫌だ！帰らせてよ！

S2-1 ブローニャ侵入

姫子	キアナ！戦乙女の理論試験の成績が発表されたわ！何点だったかわかる？
キアナ	ってへ、もちろん0点でしょ？聞くまでもないよ！
姫子	なんでそんなに平然としてるの！？適当に答えたって点数は貰えるのよ？それなのに白紙だなんて...
キアナ	カスラナ家の家訓は「誠実」だってパパに教えられてるの！
キアナ	適当に答えるなんてこと、カスラナ家の戦士には出来ない！
姫子	はぁ...間抜けなんだから...試験に落ちたら芽衣と同じクラスにはいられないのよ。それでも家訓を守るっていうの？
キアナ	え！？なんでそうなるの！嫌だ嫌だ！姫子お姉様～なんとかしてくださいよ～
姫子	本当にどうしようもない子ね！分かったわ、テレサ学園長に姪っ子であるあなたを大目に見てくれるか聞いてあげるわよ...

2-3 現実に帰る

ブローニャ	ブローニャのデータによると、キアナは既に寮に辿り着いたようです。通路構築中...完成度80％。
謎の声	キアナ...行っちゃうの？また一人ぼっちに戻るのね...本当に寂しいわ..
謎の声	でもいいや！いつか戻ってきてくれるよね！
ブローニャ	通路構築完了。ねぼすけキアナ！早く起きてください！

S2-3 艦橋へ急ぐ

キアナ	あ～あ、まさか夢でまた戦乙女試験を受けるとはね
芽衣	キアナちゃん、何を言ってるの？
キアナ	実はさっき昏睡してたとき、半年前の戦乙女試験の夢を見てて。ホント思い出したくないんだけど。
芽衣	キアナちゃんはずっとあの試験のことを気にしてるの？
キアナ	そうだよ！テレサのやつに最後にB判定を下されたけど、A判定だって思ってるもん！
芽衣	キアナちゃん...学園長はちゃんとルール通りに評価してるよ？「戦乙女等級評定規則」を読んだことある？
キアナ	私がマンガしか読まないのは芽衣先輩だって知ってるでしょ。
芽衣	そうだったわね...次の休憩のときにでも説明してあげるわ。

2-4 夢判断

キアナ	あ！頭が...痛い...
ブローニャ	キアナを目覚めさせるため、ブローニャは危険を犯して、昏睡状態の人を呼び覚ます特殊技巧を使いました。
キアナ	特殊技巧って？
ブローニャ	ロボットの鉄拳です。
キアナ	え...そんな！私の知恵が詰まった頭脳になんてことを！？
芽衣	キアナちゃん、大丈夫よ。いちばん重要なのは目覚めることなんだから...
ブローニャ	一つ気になることがあります。ブローニャの分析によるとキアナの脳は夢を見ている時に2種類の脳波を出していることが判明しました。
芽衣	2種類の脳波？
ブローニャ	解析装置による詳しい分析が完了するまで、ブローニャは具体的な原因を推定出来ません。
ブローニャ	現時点で言えるのは、キアナの脳には、何かしらの異常があるということです。
キアナ	病気なんてないよ！あ...のんきに喋ってる場合じゃない！急いで艦橋に行かないと！

S2-4 機密情報

芽衣	キアナちゃん、戦乙女等級評定規則の補講をしてあげる！
キアナ	わーい、芽衣先輩に拍手～！
芽衣	まず、戦乙女になるには試験を受ける必要があって...
キアナ	知ってる知ってる！崩壊エネルギーの適応性の試験でしょ、いわゆる適性検査！
芽衣	え...意外と知ってたのね。
キアナ	前に検査を受けたとき、成績が優秀なあまり、あの姫子おばさんでも褒めてくれたんだよ！
キアナ	おばさんが「崩壊エネルギーの適応性の強さがあなたの唯一の長所みたいね」って言ってたから、私よく覚えてる！
芽衣	それって...褒めてるようには聞こえないんだけど...ともかく、崩壊エネルギーの適応性は戦乙女等級を決める上で最も重要な指標なの。
芽衣	その他にも、戦闘技術や理論知識、チームワークと言った能力を試すため、戦乙女認定試験が行われるのよ。
芽衣	キアナちゃんは崩壊エネルギーの適応性がものすごくあるけど、理論知識の成績が良くないのよ。
キアナ	そんなのどうしろっていうの！？
キアナ	理論の試験なんて物理や科学、歴史、地理なんかで役に立たないものばかりでしょ。
キアナ	だからほとんど白紙のまま出しちゃってるんだけど...
芽衣	キアナちゃんやればできるんだから、進んで勉強すればきっとすぐ合格できるわよ！

2-5 S級戦乙女

姫子	キアナ、どうしたの？
キアナ	姫子に聞きたいことがあって。14年前、天命にはS級戦乙女がいたの？
姫子	14年前のS級戦乙女...私が知る限りでは1人だけね。
姫子	でも彼女の情報は機密だから教えてあげられないわ。聞いてどうするつもり？
キアナ	あ、理由はないの。ただ、自分の目標を定めたかっただけ。最終的には私もS級戦乙女になるんだから！
姫子	昼間から夢はおよしなさい（ボイス：まだ昼よ！）！B級戦乙女のキアナはまず、目の前の任務をこなすことね。

S2-5 夢の中の賭け

キアナ	ふん、やっぱり考えるほどムカつく！
芽衣	え？どうして？
キアナ	その理論の試験ってやつのことを考えてたんだけど、そんなもの戦士にとって全く役に立たないでしょ？
キアナ	それさえ合格してれば私はとっくにA級戦乙女だったのに！
芽衣	違うわよキアナちゃん！理論は戦乙女に取ってすごく重要なの。
芽衣	そうね、例えば私の体内にある第三律者の能力は知ってるでしょ。
キアナ	雷を操れるんでしょ？長空市で初めて会った時、「彼女」に麻痺させられちゃったもん。
芽衣	そう、そのとおりよ。でも、知ってる？
芽衣	普通は空気が絶縁体になっているから、雷を使って攻撃するには相当な電圧差で空気を切り裂く必要があるのよ。
芽衣	戦乙女が身に着けているセンサーは敵の電圧を感知できるのよ！知識がちゃんとあれば...
芽衣	センサーのデータから攻撃のタイミングを判断し、雷に打たれず敵を倒せるわ。
キアナ	よくわからないけど...芽衣先輩が言うんだからきっとそうだね！理論の知識の必要さも認める！
芽衣	認めるって...まずはしっかり勉強しないと！

2-6 艦橋の入り口

姫子	よくやった！それが艦橋につながる通路よ。
ブローニャ	姫子少佐、ブローニャはここで休みたいと思います。
ブローニャ	このエリアなら戦艦の制御ネットワークにアクセス出来ます。解析に一定の時間を要しますが、大丈夫です。
姫子	ブローニャ、出来るの？天命が10時間以上費やしてもその戦艦の防衛システムを突破出来てないのよ！
ブローニャ	心配無用です、少佐
ブローニャ	ブローニャが制御ネットワークシステムにアクセスした結果、戦艦のプログラムがロゼッタストーンシステムに準拠して構築されたものであることが判明しました。
姫子	ロゼッタストーンシステム？それはおかしいわね。それじゃわざとこの戦艦を他人に乗っ取らせようとしてるってことになる。
姫子	ブローニャ、あなたの解析が終わったら、このあたりの問題もはっきりさせたいわ。
ブローニャ	了解。
芽衣	じゃあキアナちゃん、ここで一休みしましょう。
キアナ	休みと言った途端に意識が...

S2-6 試練への道

芽衣	うん、最後にまとめをしましょう。
芽衣	半年前の試験でキアナちゃんは最高の崩壊エネルギーへの適応性が認められ、戦闘技術とチームワークも良い成績だった...
芽衣	だけど理論試験の成績が不合格だったからB級戦乙女になっちゃったの。
キアナ	本当にムカつく！話は戻るけど、戦乙女に等級があるのってどうして？
芽衣	天命の戦乙女は世界中で崩壊に対抗する部隊だから、どのみち評価体系が必要なのよ。
芽衣	戦乙女は試験の成績に応じてS、A、B、Cの4等級に分けられるの。
キアナ	そうだ！姫子おばさんってA級戦乙女でしょ？
キアナ	不公平もいいとこだわ！崩壊エネルギーの適応性で比べたら私のほうがずっと上なのに！
芽衣	そうね、A級戦乙女にならないと部隊の指揮は出来ないから。
芽衣	姫子少佐の指揮能力は流石だよね。
芽衣	しかも模擬戦でのキアナちゃんと姫子少佐の対戦成績は1勝37敗2分けでしょ？
キアナ	そ、それは...まだ成長期だもん！よーし見てろよー！頑張ればすぐにでもS級戦乙女になれるんだから！

2-7 三度目の夢

謎の声	うふふ、お帰りキアナちゃん！
キアナ	ああ...また夢なのね...
謎の声	あれ？もう驚いてくれないの？
キアナ	私を驚かそうなんて100年早いんだから！それに、寮にさえ行けばこの夢から出られるんでしょ？
謎の声	うーん...そうね。たしかに私はあなたが出ていくのを止められない。
謎の声	だから発想を変えて、ここから寮までの道に障害を設けようと思うの。
謎の声	もし寮にたどり着けたらご褒美をあげるよ～もちろん、たどり着けたらの話だけどね。
キアナ	ご褒美？私はそんなのに釣られないよ！
キアナ	でも...芽衣先輩と夢で結婚させてくれるなら考えなくもないね。
謎の声	うーん、残念。ご褒美はそれじゃないよ。14年前のS級戦乙女が誰なのか知りたいんでしょう？
謎の声	ご褒美として彼女の名前を教えてあげる～。
キアナ	うん！約束だよ！

2-9 S級戦乙女の名前

謎の声	おめでとう！あなたの勝ちね！
キアナ	ふふん♪私が勝ったんだから、おとなしく教えなさいよ！
謎の声	あらあら、そんなに急がないで～あなたも薄々感づいてるでしょう？そのS級戦乙女の名前を。
キアナ	もう...とぼけないで早く教えてよ！
謎の声	セシリア。フルネームはセシリア・シャニアテ。
キアナ	やっぱり...
謎の声	セシリア...彼女の夫はジークフリート。ジークフリート・カスラナ。
謎の声	そして彼女の娘はキアナ・カスラナ。そうでしょ？
キアナ	なんで？どうしてあなたが私のママを知ってるの！？ママは...私が小さい頃に亡くなって...
謎の声	どんな人だった？目の色は？いい声してた？
謎の声	歌は上手かった？優しかった？強かった？それから...どうして死んだのか？
謎の声	あなたがお母さんについていろいろ聞きたいのは知ってるよ。
謎の声	お父さんが話そうとしなかったからでしょ？
キアナ	ねぇ、ママのこともっと教えてよ！
謎の声	それは困るわ！じゃあこうしましょう。新しい相手を用意してあげる。
謎の声	悪夢に出てくる相手にはピッタリよ～そいつを倒したらもっといろいろ話してあげる。
キアナ	ちょっと待って！

S2-9 全てを知る者

キアナ	テレサ！
テレサ	キアナから急に連絡をしてくるなんてどうしたの？
キアナ	学園長ならきっと、14年前のS級とA級戦乙女に詳しいと思って！
テレサ	全然知らないよ。14年前はあたくしも無邪気な少女だ...えっと...そうでもないかな...
テレサ	とにかく！そんな愚問には答えたくないよ。
キアナ	なんだよアイツ！
ブローニャ	はぁ...またキアナが発狂しています。
キアナ	発狂なんかしてない！ただ、第二次崩壊の時に参戦したS級とA級戦乙女の情報が知りたいだけだもん。
ブローニャ	原則として、B級戦乙女がA級戦乙女のデータを見ることは出来ません。
キアナ	そうなの？それじゃあブローニャちゃんみたいにとっても賢い子でも知らないんだね...
ブローニャ	地面の中のミミズには、人類の偉大さはわからないものです。
ブローニャ	データベースにあっても、S級戦乙女の情報は最高機密ですから、ブローニャでも調べることが出来ません。
ブローニャ	ですが、A級戦乙女のデータでしたらブローニャの情報力にかかれば簡単に調べることが出来ます。
キアナ	えっ！本当！？良かったー！
ブローニャ	まず。説明しておきますが、ブローニャはキアナの下品な口車に乗ったわけではありません。
ブローニャ	お馬鹿なキアナでも学ぼうとしているのを見て、人の真似をするサルが浮かんだだけです。
ブローニャ	それを哀れに思ってちょっとだけ同情しているだけです。

2-10 三度目の目覚め

姫子	キアナが目を覚ましたようね。ブローニャ、報告を始めて。
ブローニャ	戦艦のシステムの解析度は20%。完全に解析し、システムを掌握するまであと20分かかります。
姫子	それじゃ引き続き艦橋に向かって。
姫子	そこから艦橋まで約20分よ。

S2-10 賭けの試練

ブローニャ	キアナ、どうぞ。以前にお願いされていたA級戦乙女5人のデータです。ブローニャが見つけてきました。
キアナ	このファイルの写真...全部モノクロなのね。
ブローニャ	もう死亡しているからです。データの最後の行に...死亡した日時が明記されています。
キアナ	A級戦乙女の「天才」パトリック・ハイスミス
キアナ	最も優秀な重火器の使い手で、800km以上先から巨大崩壊獣を狙撃した記録がある。
キアナ	戦乙女装甲にも特性のロケット弾42発を搭載し、一瞬で戦場を支配する力を持っていた。
キアナ	...A級戦乙女ってみんなこんな化物みたいな存在だったの？
ブローニャ	当時は、A級戦乙女の審査が今より厳格でしたから。
ブローニャ	A級戦乙女は天命全体でも6人しかいません。彼女たちはとても強かったのです。
ブローニャ	A級戦乙女「梳る者」サロメ・ヨカナーン
ブローニャ	重力装置を使って、12枚の巨大な鋸歯を操り、1度に20体の崩壊獣を倒した功績があります。
キアナ	じゃあこれは？「混沌を継ぐ者」シュブ・ニグラス
キアナ	今でも史上最重と言われている長剣を軽々と使いこなしてた。
キアナ	「暁光の重剣β」は刃の部分だけでも3m以上の長さを持っていたと言われている。
ブローニャ	もちろん強かったですが、「暁光の重剣β」は第二次崩壊で葬られてしまいました。
ブローニャ	この剣が、姫子少佐の使っている「暁光の重剣」のもとになった武器だそうです。
キアナ	「空に浮かぶ紅蓮の炎」時雨沢綺羅子
キアナ	様々なタイプの浮遊砲で目標エリアの全体を覆う壊滅的な打撃を主な攻撃手段として用いてた。
キアナ	そして1本の重剣と3本の重力刀を使い、
キアナ	接近戦を主に用いるA級戦乙女「霜の剣客」程立雪。
キアナ	死亡時刻...2000年2月7日16時49分。
キアナ	そんな凄い戦乙女でも第二律者との戦いには敗れちゃったの？
ブローニャ	彼女たちとともに戦死したS戦乙女級戦乙女のデータは厳密に保護されていて、ブローニャでも取得できません。
キアナ	大丈夫だよ、ブローニャちゃん。ありがとう！これで十分だよ！
キアナ	彼女たちの名前...どうしてかわからないけどなんだか懐かしい感じがする...
キアナ	写真を見ていると、まるで会ったことがあるみたいな感じ...ありがとう、英霊の皆さん。

S2-11 月光の玉座

姫子	どうかしましたか？機嫌が悪いようですが。
テレサ	キアナのやつが変な質問をしてきたせいで、昔のことを思い出しちゃったのよ。
姫子	キアナから質問してくるなんて...今日は太陽が西から昇ったのかしら。
姫子	それにしても学園長が気分を害されるだなんてキアナは一体何を質問したんですか？
テレサ	14年前のことだよ。
姫子	14年前？あの子最近、いつも第二次崩壊のことを気にしているようですね。
テレサ	ふん！
姫子	それでどんな内容だったのですか？
テレサ	第二次崩壊の時に命を落とした戦乙女のことだよ。
姫子	それなら教えて上げればいいじゃないですか、どのみち機密ではないのですから。
テレサ	無理！連中のことを思い出すと頭にくる！
テレサ	「梳る者」の称号を持つサロメって知ってる？
姫子	とても有名ですよ、資料室にも彼女のモノクロ写真がありますから。
テレサ	アイツの装備、12枚の鋸歯の毎月の修繕費は都心のマンションが買えるくらい掛かってたのよ。
姫子	作戦がそんなに激しかったのですか？
テレサ	何が作戦なものですか！彼女は何をするときでも鋸歯を持ってたの。
テレサ	しかも天然で、毎回のように平らなところで転んで壊してた...
姫子	...は？

2-12 戦前整備

姫子	もうすぐ艦橋よ。ブローニャ、解析の方はどう？
ブローニャ	解析度80%。後5分かかります。
姫子	それなら3人はそこで一休みして、万全の状態で艦橋に入るといいわ。
ブローニャ	キアナ、顔色がとても悪いみたいです。もう5分だけ頑張ってまた寝たらどうでしょうか？
キアナ	布団から出られないみたいに言わないでよ！ただ、戦艦に来てから...ずっと...意識がちょっと...遠く...ふああ...

S2-12 終わらない任務

姫子	じゃあ他のA級戦乙女のことならキアナに話してあげられましたよね？
姫子	例えば立雪とか...彼女は無口だったので「霜の剣客」という称号になったそうで。
姫子	そんな人なら問題はなかったでしょう。
テレサ	無口ですって？声が酷かったからじゃない？
テレサ	そもそも人と話す機会が滅多にないから、話しかけられると緊張する、緊張するとどもる。
テレサ	それのせいで無口だったの。
姫子	...それじゃ...「空に浮かぶ紅蓮の炎」時雨沢綺羅子は？
テレサ	綺羅子なんて名前の人間が存在するわけ無いでしょう...あれは自分で名乗った芸名よ。
テレサ	彼女は自称世界を救うアイドルだったの。
テレサ	挙句の果てに、戦乙女改造手術の後で「え？まさか戦乙女は歌は習わないの？」って。
テレサ	まったく！戦場で歌がなんの役に立つというのよ！
姫子	当時A級戦乙女になったのはそんな連中ばかりなのですか？
テレサ	そうよ！当時S級戦乙女のセシリアに気に入られていたのは。
テレサ	彼女と親しかった戦友は実際は馬鹿の集まり...
姫子	学園長...目尻にキラキラ光るものが...
テレサ	だから！思い出させないでよ！本当に馬鹿ばっかり...

2-13 セシリア、私の母

キアナ	もしもーし、また来たよ！
謎の声	うふふ、ご褒美が欲しくて来たのね。それじゃ、私のかわいい、親愛なる最愛のキアナちゃ～ん
謎の声	今度はお母さんのどんなことが知りたいの？
キアナ	私が知りたいのは...
謎の声	じゃじゃーん！先に言っとくね。ご褒美はあと一回しかあげられないよ。
キアナ	何よ！ふざけないで！あなたが無理やり引きずり込んだくせに！
謎の声	残念なことに、この戦艦から回収した崩壊エネルギーの殆どを消耗しちゃって、この夢を維持できなくなっているの。
謎の声	さて、最後のご褒美は何が欲しい？
キアナ	私は...ママが死んだ経緯を知りたい。
謎の声	おお、それは良い質問だね。彼女が死んでいなかったら、あなたはお父さんと二人暮らしすることもなかったものね。
謎の声	手料理を食べられて、歌声を聞けて...
謎の声	一緒に服を買いに行って、髪をとかしてもらって。
謎の声	あ～なんて暖かくて幸せで円満な生活なのかしら。
謎の声	...な～んてことを考えていたわけね。かわいいキアナちゃん～
謎の声	じゃあ、ご褒美は寮についたらあげる！

2-16 歴史の真相

謎の声	おめでとう！
キアナ	無駄話はいいから、早く質問に答えてよ！
謎の声	あ、お母さんが死んだ経緯ね。じゃあ...答えてあげるのも世の情け。
謎の声	ああそうだ、天命の連中があなたの芽衣先輩をどう呼んでいるか知っているでしょう？
キアナ	第三律者？
謎の声	そう、そのとおりよ。その芽衣先輩は長空市で崩壊事件が発生したとき、崩壊エネルギーに選ばれ、
謎の声	崩壊の代弁者である律者になったけど、偽物に過ぎなかったね～
謎の声	まあ、それはいいとして...第三律者がいるってことは、第一、第二もいるってことで...
キアナ	そんな簡単な算数、私でも分かるし！馬鹿にするな！第一、第二がいるから第三がいるし、その次は第四でしょ！
謎の声	違う違う、数字のことを言いたいわけじゃないの...そう、言いたいのは...
謎の声	14年前、第二律者が第二次崩壊に伴ってシベリアに現れたってこと。
謎の声	彼女は「空間」という壊滅的な概念を操る律者で、彼女が現れて以降、シベリアは虚数空間に巻き込まれてしまったの。
謎の声	もしその規模が拡大を続けたら、世界の半分が滅びてしまう。
謎の声	その時律者の討伐に向かったのが、天命で唯一のS級戦乙女...
謎の声	貴重な...唯一無二の...たった一度しか使えない対崩壊人型兵器...
謎の声	それがキアナのお母さん、セシリア・シャニアテだったの～
キアナ	そうか、第二律者に殺されたのか！
謎の声	そうとも言えるけど、そうとも言えない。その時、セシリアは確かに第二律者に苦戦していた。
謎の声	けど、第二律者がトドメを刺すチャンスが来る前に、天命の連中が...
謎の声	うふふ、セシリアの失敗を恐れた連中が、シベリアに向かって戦術ミサイルを放ったの。
謎の声	まあ、希望を抱いていたのではなく、単に一発放ってみただけでしょうね。
謎の声	それが予想に反して、まあ望外の喜びっていうやつ？その時点で崩壊が止まったの。
謎の声	もちろん叙事詩の結末はみんなこうね。「ドラゴンを退治した勇者は、凶悪なドラゴンと共倒れになりました」って感じで～
キアナ	なんてことを！天命は人類を守るために戦ってるんじゃなかったの？
謎の声	まあ人間は身勝手な生き物だからね。私も時々、自分が既に人間ではなくなったことを喜んでるよ。
謎の声	じゃ、ご褒美は以上！さようなら～
キアナ	待って！まだまだ聞きたいことがたくさんあるの！
キアナ	あなたは誰なの？なんでママのことを知っているの？なんで私の夢に出てくるの？
謎の声	私はあなたのもう半分だから～同じ冠を頂く者なのよ。
謎の声	あなたと一体化したいのはやまやまなんだけど、まだその時じゃない。
謎の声	私は王座で待ってるわ。王座の扉を開くには4本の鍵が必要だけど、あなたは今一本しか持ってない。
謎の声	すべての真相を知りたいなら訪ねてきてね。

2-17 謎のメール

姫子	ブローニャが戦艦のシステムをハックしたわ。艦橋に入る準備を！
ブローニャ	姫子少佐、データ解析中に怪しいメッセージを発見しました。
姫子	何のメッセージ？
ブローニャ	送信元不明のメールです。その内容は...
ブローニャ	親愛なるキアナ、こんにちは！この戦艦、ムーンライト・スローン（月光の王座）は14年の時を経て、あなたにお返しします。
ブローニャ	あなたは王座につき、新たな世界を創造することになります。しかしその前に、4本の鍵を探さなければなりません。
ブローニャ	征服の雷、疫病の炎、渇望の嵐、静謐の死。
ブローニャ	そうだ、戦艦のパスワードはあなたの誕生日ですよ。
キアナ	王座？4本の鍵？
姫子	誰から来たメールなの！？キアナ、何か知らない？
キアナ	ううん...全然知らない...そんな戦艦をプレゼントしてくれるようなお金持ちの友達も居ないし。
姫子	「渇望の嵐」って...まさか！？
テレサ	少佐、あたくしに答えさせて。
芽衣	テレサ学園長、どうしてここに？
テレサ	「渇望の嵐」とは、3年前に行われていた機密の研究計画...その内容は...
テレサ	強大な崩壊エネルギーの結晶「デザイアジェム」を利用して、律者に匹敵する力を得るというものよ。
キアナ	律者に匹敵する力！？そんなバカな！
テレサ	とにかく、その「デザイアジェム」が鍵のはずよ。
テレサ	ジェムは現在、ニュージーランドのオセアニア支部にて保管されているわ。
テレサ	あなたたち3人はこの任務が終了したらオセアニア支部に行って、ジェムを取り戻してきなさい。

2-19 艦橋探索

芽衣	キアナちゃん、ブローニャちゃんに誕生日を教えてあげて
キアナ	えー！嫌よ！誰があんなスパムメール信じるもんか！
芽衣	仕方ないわね...ブローニャちゃん、キアナちゃんの誕生日は12月7日よ
アナウンス	アクセス権限、承認
アナウンス	目的地を聖フレイヤ学園に変更します
キアナ	へー、パスワードってほんとに私の誕生日だったんだ...
キアナ	もう！今日は一体どうなってるの？
芽衣	聖フレイヤ学園に戻って戦艦を解析すれば、全てが明らかになりそうね
芽衣	今のところ、戦艦を送ってきた人に悪意はなさそうだけど...
???	その戦艦、お前たちに渡すわけにはいきません
???	ブローニャ！戦艦を取り戻しなさい！
ブローニャ	ヴァルキリーシステム、強制コントロールシステム再起動
ブローニャ	最高権限指令、入力確認
ブローニャ	周囲の敵を排除します

2-20 裏切りの銀狼

芽衣	ブローニャちゃん！しっかりして！
ブローニャ	芽衣姉様...どうかしましたか？
芽衣	良かった...正気を取り戻したのね！
キアナ	まさか！ブローニャちゃんがまた操られてたの...？
姫子	やっと通信が回復したわ
姫子	キアナ、何があった？
姫子	「操られていた」とはどういうこと？
キアナ	ううん！そんなこと全然言ってないよ！
姫子	ふーん...怪しいわね...
姫子	まあいいわ
姫子	聖フレイヤ学園に戻ったあと
姫子	ただちにニュージーランドへ向かい、デザイアジェムを奪還せよ！
三人	了解！

ムーンライトスローン編

chapter1 黄昏　戦艦　少女

chapter2 夢の中の声

キアナちゃん奮闘編

chapter3 風の旋律

chapter4 裏切りは銀色の微笑み

chapter5 雪原での再開

chapter6 バビロンの囚人

天命本部編

chapter7 反逆の刃を天にかざす

chapter8 女王降臨

アニメ「律者の意志」

アニメ「律者の意志」(日本のYoutubeにはアップされてないからこれは英語版)

chapter9 明日への旅路

アニメ「最後の授業」

第2部

第2部プロローグ

chapter9-1 天穹の追跡者

chapter9-2 暗躍する蛇

深海の彼岸編

chapter10 深淵の底

chapter11 深海の果てまで

アニメ「Angel Refactoring」

chapter11-1 虚空の穹、孤独な月

アニメ「chapterⅩⅠ-EX」

chapter12 光と影の彼方

アニメ「ゼーレ」

天穹の流星編

chapter13 長月の闇

chapter14 闇を切り裂く光

アニメ「天穹の流星」

罪人の挽歌編

chapter15 砂嵐の迷宮

アニメ「chapterⅩⅤ」

chapter16 嵐の前

chapter17 雷が空を破る時

アニメ「罪人の挽歌」

アナと岩の王子編

chapter18 氷の誕生

chapter19 岩に消える

アニメ「帰還」

渡世編

chapter20 千年の羽

chapter21 新生の翼

chapter22 私とわたし

アニメ「渡世」

薪炎永燃編

chapter23 一人の劇場

chapter24 千人の舞台

chapter25 明日を燃やす炎

アニメ「永遠なる薪炎」

烏合の衆	キアナ、諦めるんだ♪
キアナ	はっ……！ブローニャ……委員長……！
烏合の衆	律者の力を持ってないあなたはただの、弱者。
キアナ	彼女たちを離して！
烏合の衆	彼らは信念だけ。なんの力もない。
キアナ	やめて！
烏合の衆	上辺だけの正義感と善意では、結局は全部、独り善がり。
	人々の悪意は……変えられない！
	こんな醜い世界を変えられないのだ！
キアナ	あと、少し……！
烏合の衆	ほら。
烏合の衆	あなたは、彼女たちを守れない。
キアナ	あっ……
烏合の衆	これが、人類の結末♪
烏合の衆	私たちはみんな敗者だ。
キアナ	……違う。
烏合の衆	人類はみんな敗者なんだ！
キアナ	私は、諦めない。
烏合の衆	彼女たちはもう倒れた！
烏合の衆	あなたで最後だ。
キアナ	絶対……嫌だ！
	彼女たちは、いつだって、諦めない。
	今は私が……すべきことをする番だ！
	みんなの選択は間違ってないって、みんなに教えないと！
	あんたの攻撃は終わり？
烏合の衆	……なに？
キアナ	それなら私の番だよ。文句ある！？
♪Moon Halo
烏合の衆	なぜまた立ち上がる！？
烏合の衆	どんなに足掻いても、結果は変わらないのに！
ブローニャ	そんなの関係ありません。
	キアナは馬鹿ですから。
	馬鹿は……諦めません！
キアナ&ブローニャ	ファイアっ！
フカ	彼女は私を、たくさんの人を変えました。
	これからも、多くの人を変えていくでしょう。
	その火が見届けたいから。
	だから……
キアナ&フカ	私たちは、ここで止まったりしない！
烏合の衆	あなたたちの理想は実現しない！
烏合の衆	だって世界は最初から美しくないんだから！
キアナ	違う！
	美しくないのは当たり前。
	でも諦めちゃ駄目だって、世界はそんなに酷くないって、教えてくれる人がいた。
	私は彼女たちを、彼女たちが愛する全てを、愛してる！
	この剣が私たちを繋いで、真っ暗な空を燃やし尽くし、光をより彼方へと届ける！
	これが、私とみんなの、帰り道だから！

そして炎が遺った

	……
キアナ	あんたたちの負けだよ。
人形	…… 負けた……ああ、私たちは負けた…… でも私たちは何に負けたの…… 正義に？希望に？それとも単に力に負けた……？
キアナ	あんたにはわからないよ。
人形	でも分かりたいよ、キアナ。キアナ、うらやましいよ……どうして、あなたは毎回勝てるの？妨害があっても、あなたは動揺しない……どんな窮地に陥ろうとも、あなたは自分の力で乗り越える……
キアナ	私はひとりじゃないから。
人形	でも私たちもひとりじゃない……私たちは……千人も仲間がいるのに……
キアナ	あんたたちを繋いでいるのは理想でも理解でも、互いを信じ合う心でもない。あんたたちはただ同じ目的のために集まって、負の感情を吐き出してただけ。そんな相手は、仲間とは言わない。
人形	…… なるほど…… でもキアナ、あとひとつだけ聞きたい…… あなたたちの信念、仲間、守りたいという気持ちで、本当に崩壊に勝てるの？私たちは失敗したかもしれないけど、これからの敵は私たちよりもずっと矛盾してて、強い……その時、あなたはまだそんな儚いものを頼りに戦おうとするの？
キアナ	私は諦めない。それに、儚いものなんかじゃないよ。これは、人が人である証。
人形	…… ハハッ……キアナ。本当は少し説得されそうになってたんだよ。うらやましいなぁ……あなたの言った通り、私たちは崩壊の傀儡に過ぎない……私たちを繋いだのは、嫌な糸だけ…… あれっ……私は一体どちら側なんだろ？もうすぐ死ぬから、変なこと考えちゃってるのかな……
キアナ	……
人形	でも人の悪意は消えないよ……キアナ…… あなたもすぐに分かるはず……いや……ずっと分かってるはずだよ…… あなたへの試練は……この先にも、まだたくさん残ってる…… …… あっ……ああ……来る…… 「金色」の糸が……もう私に巻き付いてる……
キアナ	……
	人形は顔を伏せ、何も話さず、静かに自分の結末を待つ。最後の人形、そして幕を閉じた劇場に向かって── キアナは剣を振り下ろす。

	数週間後── 空にはいくつかの雲があるが、少しも動こうとしない。まるでこちらに向かって礼をしているようだ。風が芝生を優しく撫で、草の擦れる音が聞こえる。まるで耳元で祈祷の言葉を囁いているようだ。
テレサ	あたくしたちの友人を、永遠の英雄を今日ここに偲ぶわ。
	テレサは前に立ち、真剣な眼差しでその場にいる人たちを見つめる。彼女の後ろにある大理石の台の上に、ボロボロになった大剣が置かれている。
テレサ	彼女の人生や、彼女が成した偉業は割愛させてもらうわね。それは誰もが知ってることだから。ただ彼女と共に過ごした時間を、みんなと共有したいと思う。あたくしたちが出会ったばかりの頃、彼女はまだ戦乙女突撃隊の普通の隊員だった。彼女は未熟で、かつてのあたくしたちと同じだった。でもある任務の後、彼女の瞳は変わったわ。当時の彼女にとって、たくさんの道が用意されてたはず。あたくしはただ、もうひとつの可能性を提示しただけ── ええ、彼女に聖フレイヤ学園の招待状を送ったの。けどしばらくして、あたくしは後悔したわ。教師のくせに授業には遅れるし、朝帰りはするし、二日酔いで起きてこないこともしばしばあった。彼女から没収したものだけで、物置部屋がいっぱいになるほどだったわ。生徒たちは彼女のことが大好きだったけど、あたくしはため息ばかりついてたのを覚えてる。彼女はあまりにも教師らしくなかったから。
	…… テレサは目を閉じ、あの時間を思い浮かべる。
テレサ	でも、そんな教師が、自分の生徒を救ったの。そんな教師があたくしたちに仲間の意味、戦うことの意味、理想の意味を教えてくれた。そして──美しさの意味もね。彼女は最高の先生だったわ。
	そして大理石の台に振り向く。
テレサ	姫子。これ、いいお酒よね。没収した時、あなたがとても悲しんでたのを覚えてる。今、あなたに返すわ。
	テレサは台の横に立つ。そよ風は囁き、草たちは静かに頭を伏せる。キアナはゆっくり近づき、折れた大剣を見つめる。この剣は彼女のすぐ近くにあった。今でも剣が折れた時の音を思い出せる。
キアナ	……
	彼女は容器を握りしめる。
キアナ	私は迷ったせいで過ちを犯し、恐怖で自分を見失ったことがある。暗闇の中で姫子先生が空に明かりを灯してくれた、静かな夜を歩むための道を照らしてくれた。どう進めばいいのか教えてくれた。姫子先生。先生が照らしてくれた空は今でも綺麗だよ。私たちは先生が切り拓いてくれた道を歩いて、前へと進むから。
	…… 風の祈祷が止み、周りは静寂に包まれる。人々は続々と台の前に近づき、その上に自分たちの思い出を置く。一同は会話をすることなく、過去の思い出に浸っている。いつの間にか雲が消え、星々が夜空を埋め尽くすほど、空は澄み渡っていた。その夜、キアナは夢を見なかった。

	…… 芽衣が夜空を見上げる。今日の星空は今までに見たことがないほど輝いていて、まるで星が降ってきそうだ。周りに誰もいないと確信した彼女は折れた剣の近くに向かった。大理石は花に囲まれ、人々の思い出がそれを飾り付けている。芽衣は一礼して、台の前に立つ。
芽衣	すみません、姫子先生。こんな時に、一人で会いに来てごめんなさい。
	芽衣は静かに言葉を選んでいるようだ。彼女には言いたいことがたくさんある。しかし、いざ口にすると、本来の意味が失われてしまうとも思っている。
芽衣	あなたの教えはずっと守っています。それがあるおかげで、私は自分の選択を強く信じることができました。誰かを守る方法、そして自分の人生を貫く方法を、あなたは私に教えてくれました。そして、私はその教えを守っていきます。
	芽衣は深呼吸をする。まだ口にしたくない言葉が、今の彼女にはあるのだ。
芽衣	言葉より、行動で示した方がいいですよね？
	彼女は台の上に花束を置く。
芽衣	…… 今までありがとうございました、姫子先生。あなたの生徒になれて、幸せでした。
	最後にもう一礼して、彼女はその言葉で夜の空気を、大理石の台を震わせた。その後、星が輝く夜に消えた。

ケビン	…… 何の用だ？
	石の玉座に座った男は芽衣を見て、先に口を開いた。前回に会った時より、彼女は大きく変わったようだ。彼女が自分の前に来ることを、彼は知っていた。
芽衣	支配の律者が倒されたわ。
	彼女はそう話す。
ケビン	ああ、知っているよ。
芽衣	そのコアは消え、行方もわからない。
ケビン	……
芽衣	でも、今日はそのことで来たわけじゃない。
ケビン	何が聞きたい？
芽衣	私が律者の力を使って人形と戦った時、私の意識は言い表せない妙な空間に連れて行かれた。それは律者の力の根源たる場所だと思う。果てしない意識が、そこを覆っているように感じた。その意識は、私の脳内に何かを直接注ぎ込もうとしたけど…… それは──私の体内を満たす電磁波によって阻まれたわ。
ケビン	……
芽衣	ケビン、私は疑問に感じたの。もし、その意識が例の『崩壊の神』なら…… そんなことで、自分の使徒に影響を与えられなくなるもの？
	その疑問は男にとって想定外だった。彼女はいつからそこまで理解していた？
芽衣	前の世代から今日まで、前文明の最後の英雄として戦ってきたあなたが、何も知らないわけないわよね。
	芽衣はケビンの目を見つめる。
芽衣	今の世代の人たちに教えていない秘密は、あとどれだけあるの？
ケビン	……
	男は黙ったまま、何かを考えているようだ。
芽衣	答えてほしい。今すぐに。
ケビン	…… いいだろう。
	男は決心した。
ケビン	今の君にはその資格がある。
芽衣	資格？
	男は手を上げ、ある方向を指差すと、祭祀場の隅に光のない通路が現れる。あの暗闇の果ては、世界の始まりに繋がっている。
ケビン	答えを求める資格さ。
	………… どれほど歩いたか芽衣にもわからない。先程から、周りは暗闇に包まれている。この通路は無限に伸びているようで、別の空間に繋がっている。
エリシア	… ……
	果てしない暗闇の中で、彼女は何かに気付く。
エリシア	……ケビン、ケビン。あなたって本当に人に迷惑をかけるのが好きね。

第3部

第3部プロローグ

古の楽園第一部

古の楽園第二部

カロスタン事変編

chapter25-1 不朽なる刃

chapter26 悲劇の誕生

chapter27 愚者の黄昏

chapter28 アポカリプスはこう語った

意志の彼岸

オットー

──命は…脆いものだ。
幼い頃、姉は戦場で死んだ。
彼女の魂は消えない、天国に行くのだと、彼らは僕にそう教えた。
人はいつもそういう嘘で自分を騙していた。
来世、そして、永遠に存在する意識を信じる。
人の世に死など存在しないかのように装い、それは、死がその生活に突如侵入し、愛する者たちの身に降臨するまで続く。
むしろ、そんな時になってもなお、彼らはより強く自分を騙そうとして、愛は全てを乗り越えられる、永遠に消えないのだと信じる。
確かに……愛、そして愛よりもっと幅広い感情は、奇跡を引き起こすことが出来る。
だが、奇跡を作れる者は、その時を「生きている」者だけなのだ。
彼らに騙された普通の人間として、僕もこう想像した。
人の魂はより高い次元に存在し、いつの日か、僕の愛する者が、新たな身体を通してこの世界に戻って、より良い未来で生きていける、と。
しかし世界の規則はそうではなかった。
死は意識の消散であり、全ての終結である。
既に消散した星の光を、続けさせることは出来ない。
一つだけ例外がある。
僕たちの時間を逆流させ、沈黙する墓の島を目覚めさせ、命のとこしえの水を、全てを埋葬した過去に注ぐのだ。
二つに分かれた道はそこで再び展開され、生と死の選択は二つの世界を形成する。
その代価は……一人の死、一人の破滅……そして、元々僕たちを死に追いやろうとしている「崩壊」だけだ。
残念なことに、それを悟った時、オットー・アポカリプスは、すでに世に知れ渡っている悪人となっており、自分の最も必要とする力に、徹底的に憎まれていた。
だが、それでも構わなかった。
彼女は確かに証明してくれた、愛ゆえの怒りは、愛と同等の力を持つことを。
そして、そんな英雄の裏で──テレサ、僕のかわいい孫よ、君は偉大なリーダーに成長しつつある。
いつか、君は人々に君のお祖父様を忘れさせるだろう。
彼の功績と罪は、歴史の中に埋もれ、誰も話すことができなくなる。
ただ……たまにはゴーヤ以外の野菜や果物も食べてほしい。
君はいつも夜更かしをしているから、もっと栄養が必要なんだ。
知っているかい……明日の就任式のため、お祖父様は君にマントを作ったんだ。
君が嫌でなければ、それを羽織って、君の時代の幕を開き、お祖父様が残した汚れをなくすといい……テレサ。
僕の古い友たち、精衛仙人、理の律者……彼らは本当の善人だから、きっと自分の道を歩もうとする君の力になれるはずだ。
そして、「ビアンカ」、僕の最後の生徒……僕は君の人生を弄んで、君の運命を決め、真心を込めて君を育てながら、君を駒のように扱っていた。
知っているかい……この最後の十年で、僕が君に見せた全ては、所詮、僕がこうして死んだ後に、何も刻まれていない碑を建ててほしかったから、ただそれだけなんだ。
誰かの評価は必要ない。
なにしろ、この長くて短い五百年間は、一人の男が、その一方的な願望のために、したことに過ぎない。
こうして、彼は旅の終点に着き、彼が果たそうとしたもの、見届けようとしたもの、救おうとしたものは、既に虚数の樹の中で芽生え、あとは、あの道に迷った使者が、全てが終わる前に最後の知らせを届けるのを待つだけだ。
その瞬間は、そう早くなく、遅いこともない。
それは死を乗り越えた鎮魂歌となり、奇跡が降臨する賛美歌となる。
その瞬間、世界はたった一人のために回る。
押しつけられた罪は消え、終結させられるはずだった意志は、前に進み続ける。
卑劣さは、僕が墓に持って行こう。
光は、君の存在によって未来へと続く。
……
僕は友人を愚弄し、家族を愚弄し、世界と、その上にある規則を愚弄した。
それは全部、唯一で本物の君に、二回目の命を与えるためだった。
ただいま、カレン。

アニメ「アポカリプスはこう語った」

オットー	本気で世界を変えようとした時、人は己の無力さに気づく。聖女は民に全てを捧げた。しかし手にしたのは、冷たい手枷と絞縄だった。世界は混沌としている。それは不公平で、不合理だ。英雄は迫害され、悪は力を増す。醜いものばかりで、美しいものなどない。世界の悪意は……悪人が断ち切ろう！ ── これは彼女と明日までの距離、そして彼女に対する世界の逆襲だ。しかし彼女の信者は、決して諦めない。一人の魂が消えるまで、屈することは出来ない。世界は意識が新しい容器へ入ることを許さない。容器が消えた意識を集めることは許さない。たった一人の彼女を救いたいのなら──過去で、新たな可能性を作るしかないんだ！これは別の未来。そして、彼女の時空だ。カレン……生きるんだ……
	──これは一人の人間が出来る最もわがままなこと──

	風は制止した時間の中を通り抜ける。男の意識は既に消えたが、彼の最後の言葉は、あの制止した風の中で響いている。
？？？	……物語はこういう感じだ。僕は遠い遠い未来に行き、様々な出来事を経験し、こうして君に世界の真相を教える機会を手に入れた。心配ない。今回、全ては君のために変わる。遠い昔に、君がある少年を変えたように。あれはある春の朝…… 人に愛されない彼は、壁を乗り越えた君に出会った。情熱的な君は彼に挨拶をして、一緒に遊ぼうと誘った。その瞬間── その少年は、一生分の救いを得たのだ。
	… ……
カレン	もう永遠のお別れよ、私の大発明家。

永久の楽園編

古の楽園第三部

chapter29 楽園より

chapter30 英雄達の葬式

chapter31 エリシアのために

ブランコ

（ブランコに座る2人）
may	これでパーティは終わり？
エリシア	ええ、まさか最後にこんな形で、もう一度あの時の「パーティ」を体験できるとは思わなかったわ……ありがとう、may。
may	つまり、それが英傑たちの目に映った……あなたの最後の姿なのね。
エリシア	ええ。
	「欠席した人たちは、エリシアを信じているから討伐を拒んだ」
	「出席した人たちは、エリシアを信じているからパーティに参加した」
	共通の敵を討伐することでみんなを一致団結させようと思ってたけど……最後は別の形で願いが叶ったわね。
	みんなに出会えて……あたしは本当にラッキーだったわ。
	エリシアを信じているからパーティに参加したということは、水晶の花の持ち主たち……ケビン、エデン、アポニア、ヴィルヴィは、最初から見抜いていたの？
	MEIのところで検査を受けた後、あたしは自分の話を、細かいところも含めて、全部エデンに教えたわ。
	ほら、月明かりの下というロマンチックな雰囲気の場所だと、ついつい話しちゃうものでしょ。それに、エデンは聞き上手だから。
	アポニアは、最初からあたしは「特別」だって知ってたの。彼女には何かを「見る」能力があるから。
	でも、彼女は誰にも話さなかった。「曖昧な運命の糸より、私が見たあなたを信じたい」ってね……あんなに興奮してた彼女は珍しかったわ。
	そしてヴィルヴィはね……頭がいいから、MEIと同じように、自分の「推論」だけで答えを導き出したの。
	でも、彼女も誰にも話さなかったわ。「マジックのネタバレは、あまりにも風情がない」──なんて、とても彼女らしいでしょ？
	ケビンは真相を何も知らなかったの。パーティに出席したのはただ、あたしにこう伝えたかっただけ……
	「律者などここにはいない。いるのは真我の銘を持つ英傑だけだ。」
	女の子の視点から見ると、彼ってば本当にお馬鹿さんよね？昔と変わらないわ……
	……
	ふふ……本当にみんな、こんなにもあたしのことを信頼してくれてた。あたしもそれを、ちゃんと知ってたわ。でも、あたしがしたことは変わらないし、変えられない。
	あたしたちの文明は破滅に向かった。あたしに唯一できるのは、「次の世代」に希望を残すこと。
	あたしは自分の消失を代価に、ある賭けをした。未来が……アポニアが見た運命が、多少変わるようにと願ったの。
	成功するかどうかは知らないし、その後に何が起こるかも分からないけど……
	それでもあたしは、結果を残せるって信じたかった……
	信じたいと思う「人」には、何かを変える力がある。
	そして今……may、あたしはようやく「答え」が分かったわ。
（立ち上がるmay先輩）
may	……
	…………
	………………
	私は「雷の律者」、それ以前に「雷電may」よ。ここにいる私が……一つの証明、最高の証明になる。
	今更こんなことを言うなんて、少し遅すぎるけど……
	ありがとう、エリシア……全ての始まりに、私たちに運命を変えるチャンスをくれて、ありがとう。
	誰かの全てを背負うのは、想像できないほど重いことだった。でも、あなたは、「あなたたち」は……そうするべきだと、私に思わせてくれた。
エリシア	あら、今のmayは素直ね。しかもあたしのことをよく理解してくれてる。本当に反則だわ！
エリシア	そんなこと言われたら、ますます別れが寂しくなるじゃない……
may	……
エリシア	そうね……may、当ててみて。今のあたしは、何がしたいと思う？
may	……
may	永久の楽園をもう一度見ておきたい、かしら？
エリシア	あら、正解！でもちょっと足りなかったわね──あたしはmayと一緒がいいの♪
may	ええ。
エリシア	別れる前に、あたしと一緒に歩きましょう……ね？

美しい瞬間

（遊園地エリア）
エリシア	may、永久の楽園にある他のエリアは昼夜が入れ替わるのに、どうしてここだけずっと夕方か知ってる？
may	証明のついた遊園地が一番綺麗だからでしょう？
エリシア	正解よ！その一番綺麗な瞬間をずっと保存しておきたかったの。
エリシア	たとえ……「永遠」にも終わる日が来るとしてもね。
（移動）
エリシア	元々は、mayと一緒にここのジェットコースターに乗ってあの島に行くつもりだったけど、まさかいろいろあるなんてね。
may	このジェットコースターは永久の楽園を囲むように設置されているんでしょう？
エリシア	そうよ。長い軌道に沿って、ぐるぐると繰り返して、あらゆる美しい景色を一望できるの。
エリシア	終点に着いた時に、また「出発点」に戻れるようにね。
（移動）
エリシア	見て、メリーゴーラウンドよ！
may	妖精エリはこれが大好きって言ってたわ。
エリシア	メリーゴーラウンドを嫌う人はいないでしょう？これを十三英傑の交流イベントにしようと思ったんだけど……あたし、自分で却下したの。
	だってこのメリーゴーラウンドの馬は住人体しかいないんだもの、残された人はきっと悲しむでしょう？
	でも、今日はそんな心配はいらないわね……
	でも空席は、なんだかより寂しく思えるわ……

過去の倒影

（居住区エリア）
女の子	エリ！遊ぼう！
エリシア	ごめんね、マリアン。今日は一緒に遊べないの。
エリシア	この綺麗なお姉さんと一緒に遊んでるから～
女の子	うっ……分かった。じゃあ、今度一緒に遊んで！約束だよ！
エリシア	ええ、約束よ。
（移動）
お爺さん	おや……エリちゃんじゃないか？さては、お腹が空いたんじゃな？
エリシア	セティのお爺ちゃん！その通りよ、だってお爺ちゃんの焼いたケーキが一番美味しいもの！
お爺ちゃん	ほほっ、そうじゃと思った。さあ、これはエリちゃんの分じゃ。
エリシア	ありがとう！いただくわ～
エリシア	may、may。はい、食べてみて。美味しいものは一緒に食べないと。
may	ええ。
（移動）
エイシャ	あれ、エリシア、今日は随分ときれいだね。誰に会うの？
エリシア	あら、エイシャ。そうでしょう？今日は特別におめかししたの。理由は……当ててみて？
エイシャ	フン、またもったいぶって。やめておく──どうせ、我慢できずに自分で教えてくれるだろうし。
エリシア	もう、エイシャったら、本当にあたしのことをよく知ってるのね～

ここが楽園

（花園エリア）
may	ところで、あの壁画は……
エリシア	あっ、そうだった、まだmayには言ってなかったわね。あの壁画に描いてあるのは、「月」よ。
may	月？
エリシア	遥か昔、人類は月で「何か」を発見したみたい。でも火を追う蛾の中でも、それは空白の歴史になった。
may	わざと隠されたの？
エリシア	あたしに内緒ってだけかもしれないわ。だって、メビウスはかなり前からあたしのことを疑ってたもの。
（噴水へ移動）
may	最後は、やっぱりここに戻るのよね。
エリシア	ここは永久の楽園の中で、一番好きな場所なの。
	見ての通り、あらゆる美しいものが集う、平和で永久の夢のような場所。あらゆる理想の先にある無瑕の楽園。
	エリシアの一生は、当然そうあるべき、そうでしょう？
（噴水の中心で）
エリシア	何度見ても、「永久の楽園」は完璧よね……
	最後でも、最初に見た時のように感動するわ。
	それじゃ、全ての始まりの場所で……
	完璧なピリオドを打ちましょう？
may	……
エリシア	ええ、分かってるわ。mayはきっと寂しいんでしょう？だって、あたしも寂しいもの。
	せっかく再開したのに、また別れるなんて……
	本当に理不尽だって、そう思わない？
	でも、別れはいつかやってくる。物語に結末が訪れるようにね。
	だから、そんな顔をしないで……may、笑って、ね？
may	……
may	本当に……終わるの？
エリシア	ええ、だってみんなの努力は、全部「この時」のためにあったんだもの。
	心配しないで、mayが無事に現実に戻れるように、あたしが守ってあげる。
	おめでとう。これで、mayは古の楽園を正式に卒業したことになる。
	そして……顔を上げて、誇らしく「未来」へと歩き出して。
may	……
	私は……
	私はまだ……
エリシア	まだ……別れの準備ができてない？
may	……
エリシア	実は……あたしもよ。
	じゃあ、最後の時間は……もう一度ジェットコースターに乗って過ごしましょう。
	今回はスピードを落として、景色だけ見ましょう、ね？
may	……
may	ええ。

この瞬間を永遠に

（ゆっくりと永久の楽園を見渡していくジェットコースター）
	……
エリシア	実はmayの反応を見て、とっくに分かってたわ。
エリシア	ほら、あたしもmayのことがどんどん分かるようになっていったでしょ？
may	あなたって、周りの人たちのことをとてもよく理解してるわよね。
エリシア	ええ！だってあたしはみんなのことをちゃんと見てたもの。
	十三英傑でも、火を追う蛾の戦士でも、あたしが出会った普通の人たちでも……みんな平凡な人で、特別な人なの。
	あたしは共に暮らすことで、彼らの人生の軌跡を観察して、喜怒哀楽を感じて、想いや思考を共有して……唯一無二の「魂」を見届けた。
	そういう美しい積み重ねがあったからこそ、「エリシア」は生まれた。そうでしょ？
	あたしはそういう人たち、そういう世界が好きなの。
may	ええ。
may	あなたの言ってることは全部、ありのままの心から出たものだって、信じてるわ。
エリシア	ん？その言い方……まさかmayは今まで信じてくれてなかったの？あたし、悲しむわよ？
may	……
	エリシア……今日のあなたは冗談が多いわね。
	そうやって冗談交じりで話をはぐらかすのは、本当の気持ちを隠すため？
	あなたって本当に……嘘がつけないわね。
エリシア	……
	may……
	これ以上言ったら、あたし本当に泣いちゃうわよ？
	泣きながらmayと別れたくないの……女の子は、笑った方が綺麗だから。
	mayは……ちゃんとあたしの笑顔を覚えてくれる、そうよね？
may	……ええ。
may	ずっと……ずっと、心に刻んでおくわ。
エリシア	うん、絶対に忘れないで。この可愛らしい顔と、可愛らしい声、あたしがmayに話したことも、全部覚えててね！
エリシア	……
エリシア	でも……忘れてしまっても、大丈夫よ。
may	……
エリシア	……
may	……
エリシア	may……どうして泣いてるの？
エリシア	ぎゅっと抱きしめてあげたほうがいい？
may	泣いてないわよ。
エリシア	本当に？
may	本当に。
エリシア	本当に……泣いてないの？
may	……
may	……今は、泣いてないから。
エリシア	良かった。
	あたし、言ったでしょう。mayは笑ったほうが綺麗だって！
	mayが先にあんなことを口にしたから、思わずからかってみたの。こういうことに関して、あたしはmayに譲ったりしないわ。
may	ええ、あなたの勝ちよ。いいでしょう？
エリシア	ふふ～
	……
	mayは……ガッカリする？
	あんなに努力したのに、結局、「別れを告げる」ことになるなんて。
may	……
	少なくとも私たちは、ちゃんと別れを告げられるでしょう？
	なんだか……ずっと「さよなら」って言ってる気がするわね。たぶん、今回も「最後」じゃないはず……
	……
	でもね……
	「悲劇は終わりではなく、希望の始まり」……そうでしょう？
	たとえ未来を変えられなくても……私は、その結末にたどり着くまでの過程を自分で決めたい。
	大事なのは、この旅の中で、私が何を信じたいと思ったかなの。
	それ次第で、ゴールに着いた時に、私が何を得られるかが決まる。
	その結末も、全然違う意味を持つはずよ。
	今この瞬間のように……
	私は楽園であなたたちと出会って、その人生に触れ、意思を理解し、十三人のヒーローの命をすべて見届けた……
	私たちが作った記憶は消えない。
	私たちが残した感情も消えない。
	それらは私の体に消せない痕跡として残り、未来までずっと、ずっと語り継がれていく……
	私はあなたたちが「存在した」証になる。
	……あなたたちが「永遠に存在する」証になるから。
	これは「人類」だけができること。
	「物語」の最もすごいところでもある。そう思わない？
エリシア	ええ。　※テキストでは「うーん……」
エリシア	古の楽園と同じように、今後もあたしたちの今の姿が見えて……心に何かを残す、そうよね？
may	ええ。心の中で……「過去」は「未来」を切り拓ける。そう信じてる限り、「想い」は「現在」を作り出せるわ。
エリシア	じゃあ、歴史にあったものよりずっと素敵な結末を残さないと……
エリシア	何の遺憾もなく、最も盛大な幕引きをね。
may	何をするつもり？
エリシア	mayを楽園から送り出した後、あたしは侵蝕の律者に会いに行くつもりよ。
may	「タイプ666」を直接起動させないの？
エリシア	そうしてもいいんだけど……その前に、彼女に会ってみたい。
エリシア	敵とは言え……同じ律者として、彼女の考えを、気持ちを知りたいの。
may	相手は楽園の中でも一際特殊な存在よ、危険な目に遭うかもしれないわ。
エリシア	うっ……そうかもしれないわね。でも、危険だと知りながらチャレンジするのも、人類ならではの行動でしょう？
エリシア	それに、あたしは「みんな」を迎えに行かなきゃ。
may	「みんな」を……
エリシア	あたしは彼らの記憶の中に生きてる。同じように、彼らもまた、あたしの記憶の中に生きてる。
	あたしたち十三人の「人生」は、とっくに混じり合って、切っても切れないものになってるの。
	そんな彼らがやり遂げてみせたんだもの。あたしだってできるはずでしょ？今度は……あたしがみんなの傍に行く番なの。
may	そうね、あなたはそういう人だった……
may	そして、あなたは誰かをガッカリさせたりしない。
エリシア	そう！だって、あたしだもの。
	幕引きだとしても、英傑たちの物語はキラキラと輝いててほしいの。
	あたしたちは存在して、抗って、必死に生きてた。そして今、あらゆる希望、未来、選べる権利をあなたたちに渡したい。
	現実には完璧なんてない。けど、欠陥を受け入れ、苦しみに直面しても、勇気と知恵でそれらを背負う人は……
	限りなく「完璧」に近い存在よ。

	車輪は巡り続ける運命のように前へと進み、二人を彼方へと送る。mayは初めて永久の楽園の全貌を目の当たりにした。そして、それが自分から遠ざかっていくのを眺めていた。
	これで、終わりとなる。
エリシア	今、あたしたちの物語は……本当に終わりを迎える。
may	……
エリシア	may、これで最後だから。昔と同じように、もう一度「みんな」に会って……ちゃんと別れを告げましょう？
may	……
may	……ええ。
	ジェットコースターは光の中を走り出す。
	暖かい光に照らされたmayの耳に、聞き慣れた声が響く。それは楽園に刻まれた亡き人々の記憶、そして後継者へ捧げる最後の祝福でもあった。
	5万年の時を超えた付き添いも、これで終わりを迎える。
	そして、それぞれの「明日」へと進んでいくのだ。

空夢の英傑、パルドフェリス	mayの姉ちゃん、私の幸運を分けてあげるから、安心して！
	今後、久しぶりに着た服のポケットから小銭が出てきたり、自販機で飲み物が一本多く出て来たりした時は……
	私の幸運が効いてるってことだよ！
	へへっ、mayの姉ちゃんは私の友達だから、特別サービス、お金は取らないよ！

浮生の英傑、華	mayさん、あなたが話していた「委員長」のことを少し理解できました。
	彼女のことを……その時の「私」の気持ちを理解できました。
	未来の私を助けてくれて、ありがとうございます。そして「過去」については……
	とっくに「未来」の一部になっている、そう思いませんか？

群星の英傑、グレーシュ	雲は綺麗、星は綺麗、mayお姉ちゃんも綺麗。
	私も、星も、ずっとmayお姉ちゃんを見てる。
	私たちは星になって、mayお姉ちゃんを見守るから。
	だから、ずっと一緒だよ。

無限の英傑、メビウス	何の変りもない姿でここを出られるとは思わなかったわ。
	残念よ。増えたり欠けたり、変化があった方が人はより良くなるはずよ、そう思わない？
	まあいいわ、「思い出を多く手に入れた」なんて言わないで。わたしは過去に浸るタイプじゃないから。
	だから……ここを出たらちゃんと頑張りなさい、ラットさん。このメビウスの期待を裏切らないようにね。

旭光の英傑、コズマ	……
	……これ以上の言葉は不要だろう。
	あんたは俺たちよりずっと遠くへ行ける。俺たちが越えられなかったものに勝てる。
	だから、どうか元気で。

刹那の英傑、サクラ	汝と出会えて嬉しかったぞ、may殿。
	現実でも、楽園でも、妾と話が合う者は滅多にいなかった。
	共に肩を並べて戦えたことを光栄に思っておる。汝の──
	健闘を祈っておるぞ。

天慧の英傑、スウ	来訪者、君は、探していた答えを手にすることができただろうか？
	たとえ心の中に迷いがあっても、慌てる必要はない。君には咀嚼する時間がまだたくさんあるのだから。
	思考は、過程自体も意味を成す。
	君、そして君たちは、いずれ自分の道を見つけるはずだ。

鏖滅の英傑、千劫	もういい。「行け」。
	あ？まさか、俺に感動的な言葉を言ってほしいのか？
	だったら相手を間違えたな。
	だが、お前の名前は覚えたぞ……雷電may。

螺旋の英傑、ヴィルヴィ	（魔術師）やあ、mayさん、サプライズだよ！実は君の頭の中にバックドアを残しておいたんだ！ここを出たら探してみて！
	（専門家）戯言を。私が残したバックドアは、私以外誰にも気付けない。
	（指揮者）待って、ここは「バックドアなんかない」って説明するところでしょ？
	（詐欺師）はぁ……自分自身と喧嘩するという状況が、君にはないことを願ってるよ。じゃあ……さよなら。

黄金の英傑、エデン	ありがとう、mayさん。あなたは楽園にたくさんのものを与えてくれた。
	返したくても返せないから、わたくしたちにできるのは、ただ祝福を贈ることと祈ることだけ。
	文明が、星のように続きますように。
	世界が、黄金のように輝きますように。

戒律の英傑、アポニア	古の楽園は私が予見した結末、破滅と暗闇を迎えた。
	でも、こんな形で実現して、私はとても嬉しい。
	だから、どうか運命を振り切って、may……
	あなたには、とうにその力があるのだから。

救世の英傑、ケビン	君は十三英傑に認められた。ならば、これ以上言うことはない。
	ここにいる僕も、現実にいる僕もだ。
	そう……彼はきっと君を待っている。君たちが納得する結果を出せることを願っている。
	胸を張って未来と向き合うんだ、雷の律者。自分を信じていいと、君は知っているはずだ。

真我の英傑、エリシア	ジャーン──最後は、やっぱりあたしよね！
	だって、あたしが最初の「第一位」だもの。
	エリシアはいつもこう、全ての始まりであり、全ての終わりでもある。そうでしょ？
	だから今度は……本当の「さよなら」なの。
	ありがとう、may。
	ここに来てくれて、あたしたちと出会って、話してくれてありがとう。
	あたしたちの名前を憶えて、あたしたちの物語に耳を傾けてくれてありがとう。
	mayがあたしたちを覚えてくれる限り、この物語は消えない。
	人間だけがそう思えるし、人間だけがその信念を現実にできる。
	だから今、最後の「真我」の銘をあなたに、新世代の「人類」に贈るわ。
	この名前には、万物の「起源」が隠されてる。あたしたちの想いと祝福は、いつか、あなたの新しい力になるはずよ。
	そしてあなたは、この名前に新しい意味を与えるでしょう。
	あたしたちは過去に残るけど。
	あなたは未来へ歩き出す。
	未来で、あなただけの無瑕で美しい光の花を咲かせましょう。
	なにせ──

エリシア	美しい女の子は、何だってできるんだから！
	……
	……
	……
（選択肢）	ここを離れましょう。　※以下こちらを選ぶと最後のmay先輩のセリフへ
（選択肢）	いやだ……
エリシア	……
	あら、どうしちゃったの？
	そろそろ出発しないと……本当に間に合わなくなるわよ？
（選択肢）	ここを離れましょう。
（選択肢）	いやだ……
エリシア	……
	ええ……分かってるわ。あたしと別れたくない、そうよね？もちろん、あたしだって同じよ。
	でも大丈夫、あなたはすでにあたしの「全て」を背負ってるでしょ？
（選択肢）	ここを……離れましょう……
（選択肢）	いやだ……
エリシア	……
	あっ、まさか──このままでいれば、ずっとあたしとお話しできるって思ってないわよね？
	だめよ、女の子の心を揺さぶるなんて。あたし、本当に泣いちゃうわよ？
（選択肢）	……
（選択肢）	いやだ……
エリシア	……
	……分かったわ。
	いいの、進みたくない時は、足を止めていいから。
	そして、そばを見て、後ろを見て……
	ほら……

エリシア	……あたしたちはずっとここにいる。
	ふふっ、「あの時」と一緒、そう思わない？
	だから、どうか忘れないで──
	「古の楽園」に記録されているのは、そういう簡単な物語なの。
	物語の中には苦しみと失敗があり、裏切りと別れがあるけど、同時に幸せや喜び、温もりや感動もある。
	悲しみは消えたりしないけど、暖かい感情はずっと心の奥で大事にされてる。
	後世に残すべきものは、憎しみと使命だけじゃない。この時代の輝きを理解してもらえたら、未来の人々も、あたしたちが何故戦ったのかがわかるはず。
	冷たい知識と技術は、教科書に載せればいい。英傑たちが伝えるべきものは、栄耀と、戦う理由。
	この火を追った旅の中で、あたしたちの魂が託したものなの。
	未来の「あなた」たちは、あたしたちの命の足跡、魂の刻印を見届けて、その中で自分たちの探す答えを見つけるの。
	背を押されて前を向くのではなく、誰かが選んだ道をただ進むことでもない。
	どうしたい、どうするべきか──そう考えながら、自分自身の運命、刻印を決めるの。
	自分の意思で、自分が決めた目標に向かって、自由な方法で、「自分」が主役の人生を全力で歩むの。
	ほら、あたしはそうだし、みんなもそう。あたしの知ってる時代、そしてその時代が生んだ十三人もそうだった。
	幾千万の軌跡が混じり合い、めぐり逢い、ここから花が一斉に咲く奇跡が生まれる。
	それが「美しい」永久、あたしの信じる……「真我」。
	それが「古の楽園」──「火を追う十三英傑」の物語。
	これで、あたしたちの物語は終わり。
	ここからは……
	「あなた」の物語よ。
may	ありがとう……
	私は……決して忘れない。
	さよなら、火を追う十三英傑……
	さよなら……エリシア。

終結の戦い

	タッ──タッ──
	彼女が初めてこの空間に入った時、不思議な懐かしさを覚えた。
	この山のように積まれた「廃棄データ」は、全て古の楽園の隅々から来ている。
	忘れられた記憶、手放された想い、埋められた破片によって高い建物になり……一つの都市になった。
	そして、都市の中心で、彼女はいとも簡単に「その人」を見つけた。
エリシア	ハーイ──こんにちは。

侵蝕の律者	……
エリシア	あら、本当にあたしとそっくりね。やっぱりあたしは何色でも似合うわ♪
	複製と融合を繰り返しながら、侵蝕の律者は「彼女」の姿を再現する。
	しかし現状では、このような「模倣」に意味はない。
エリシア	あたしたちは初対面よね。でも、あたしたちは互いのことをよく知ってる。
エリシア	だから、お話しましょう、ね？
侵蝕の律者	……どうして？
エリシア	え？
侵蝕の律者	あなた……分かってるはずだよ？
	そうやってもう一度私の前に現れるんじゃなく、楽園を一括削除するべきだって。
	なぜなら、「あなた」を侵蝕する機会を、私が見逃すわけがないから。
	「あなた」を私の一部にすれば、コマンドの主導権を手に入れられる。私を破滅させるものはなくなり、彼らがしたことも何の意味もなくなる。
	仲間の努力を大事にして、彼らの願いを叶えるのが、「エリシア」のすることでしょう？
エリシア	確かにあなたはあたしをよく知っているわね。でも……まだまだ「全部」じゃないわ。
	何事にも二面性がある。確かにその特殊な力はすごいわ……だから、それを大胆なことに使って、楽園に盛大な幕引きを与えてあげたいの。
	あたしの人生を閲覧したもう一人の女の子にそう話した時、彼女はすぐに理解してくれたわ。
	だからあたしは彼女のことが大好きなの。

侵蝕の律者	雷電may……
侵蝕の律者	それって……私より、彼女の方が「エリシア」になる資格があるって言いたいの？
エリシア	ん？mayはmayよ……エリシアでも、他の誰かでもない。
エリシア	同じように、あなたも唯一無二なの。どうして「エリシア」にならないといけないの？
侵蝕の律者	……
	分からない。理解できない。
	でも、私には時間がある。答えと……「機会」を探す時間が。
エリシア	結局こうなってしまうのね？
侵蝕の律者	ずっと考えてた。やっぱり、これが私の「意思」。
侵蝕の律者	私は「生きていたい」、何があっても。あなたが人類を愛しているように、私も誰よりも「自分の存在」を大事にしたい。
エリシア	けど、「存在」の仕方は「生きる」ことだけじゃないわ。
侵蝕の律者	だが、私たちの結末は一つだけだ。
	……
	ここを出たら、あなたには最も美しい夢を作ってあげる。そう……彼らと一緒に。
エリシア	悪いけど、ここから出すわけにはいかないわ。
エリシア	それに、みんなと一緒にいるのって、別に夢じゃなきゃいけないわけじゃないでしょ？
侵蝕の律者	……
	じゃあ、こうしよう。
	その挑戦、受けて立つよ、「人の律者」。
	彼女の姿は徐々に黒い霧に包まれ、都市と融合していく。
	ぼやけていく顔に悲しそうな笑みが浮かぶ。その直後、暗闇から小さな溜め息が聞こえてきた。
（暗転）
侵蝕の律者	ハァ……　※セリフのみ
	最初に、この姿になると決めたのは……
	あなたがとても「綺麗」だったから、本当にそれだけだった……

アニメ「あなたのための物語」

侵蝕の律者	これは意味のない物語
	未来のない人たちが
	誤った道を歩み
	失敗という結末にたどり着く
エリシア	もう……
	落ち着きなさい
	わわっ
	まあ！
	律者にしてはあなたって少し……変わってるのね？
	もうそう怒らないで
	もう！泣いちゃうわよ……
侵蝕の律者	古の楽園はお前の嘘
	記憶体は過去の幻影余分なデータの積み重ね……
	お前たちは気にしない──
	だが私は違う逃げ延びて、生き残るのだ──
	四散し蔓延せよ
	世界の隅々まで満たすのだ
	お前に敗れはしない
	ここで終わりはしない！
	これが私の意思……
	私は……
	永遠に存在する
	さようなら「エリシア」
エリシア	悪いけど……ガッカリさせることになるわ
	英傑たちの閉幕は盛大で美しくないといけないの
	二人だけだと……
	少し寂しいわね
	そうでしょう？
	愛しいエデン
エデン	そうねエリ
エデン	始めましょう──最後の舞踏会を
メビウス	結局みんなを巻き込むつもりなのね
	だから
	あなたが嫌いなのよエリシア
エリシア	ふふっ本当は嬉しいくせに
千劫	すべて八つ裂きにしてやる！
ヴィルヴィ	今回は元に戻さないよ！
アポニア	これで楽園は最後の運命へと至る
サクラ	これは歴史上類を見ない光景じゃろうな？
スウ	僕たちの痕跡が未来を切り開くように
ケビン	準備はいいかエリシア
エリシア	もちろん！
	見て
	彼らはあんなに誇らしげに生き
	命で文明の頌歌を奏でた
	これは英傑と呼ばれた人々の話
	十三人の火追者が経験した未完の旅
	けど来訪者あなたの道は続いてるそうでしょう？
	なら心のままに進みなさい
	進みなさいってば！
	足跡を辿って
	あの火を追った旅を見届けるの
	最後は死した者たちの墓を越え
	「私たち」が作れなかった未来を──
	創りなさい！
	火を追う十三英傑に捧げる
	古の楽園ここにて閉幕

意を尽くす

	……
	湿った空気が華を通り抜け、ひんやりとした涼しさが肌に触れ、こだまする足音が鼓膜を震わせる……
	久しぶりの「現実」だ。
may	私……戻ってきたの？
	mayは前に進み続けた。その後ろにあるのはすでに消え去った過去。重く、長い過去だ。
	目の前にあるのは、これから歩き出す未来。そして彼女はすでに、自分の答えを知っている。
may	……ん？

	少し離れた先、通路の中央に天火を持ったケビンが立っている。
ケビン	……
	mayは彼の手にある武器を見た。
may	どうやら、あなたが最後の「保険」だったようね。
ケビン	……
may	けど、あなたは何もしなかった。
may	かつての仲間を信じてるのね。
ケビン	君もだろう。
may	……
	相手がまさか二つの意味を持つ言葉を口にするだなんて、mayは思わなかった。
may	ケビン、彼らは……
ケビン	ああ、知っている。
may	……
may	それでも……あなたは彼らの「最後」を見届けるつもりはないのね？
	そうする意味はない。
	彼ならそう言うと、mayは思った。
	しかしそうではなかった。
ケビン	彼女をガッカリさせたくはない。
	その意味をmayはすぐに理解した。五万年が過ぎても、目の前の男は「麻痺」などしていない。エリシアとは違って、彼は最初から──
	──ヒーローに「ならなければならない」普通の人間だった。
	誰かに文句を言っているわけではない……彼はただ、自分の「弱さ」を述べている。
	ここにいるケビンは、最後の「保険」として来ただけではない。
	どちらかというと……かつての戦友たちを見送りに来たのかもしれない。
may	ケビン……
ケビン	行くといい。
	彼がこれ以上感情を見せることはない。あるいは、すでに見せすぎたのだ。
may	……何しに？
ケビン	「聖痕計画」。
	そう、英傑たちの選択、あの「ケビン」の選択を見届け、間接的に第十二律者の破滅を見届けた後なのだ……当然、彼女はその意味を知っている。
may	この日がようやく来た、ということかしら？
ケビン	気が進まないなら、もうここにいる意味はないだろう。
may	ケビン、私はその計画を認めてないって、あなたも知っているはずよ。
ケビン	それは重要ではない。君は十分に理解しているはずだ。
may	……
	理解……
	そうかもしれないわね……
	あの時代の結末を見届けた後なのだ。なぜこの男がこんな風になったのか、彼女は誰よりも理解できると確信していた。
may	だけど「理解」は「賛同」じゃないわ。
	男は沈黙する。
may	ケビン、誰にだってヒーローになる可能性がある。
may	でも……みんなにあなたの選んだ「ヒーロー」になれと強要するべきじゃない。そんな結末は、彼女が見たいものなんかじゃないわ。
ケビン	雷電may。
	二人目のエリシアはもう現れない。
	彼女の見たい結果も「ここ」にはない……
	君にあるんだ。
may	……
	どうやら……私はヨルムンガンドに残る最後の意味を失ったようね。
	それで、あなたが律者をヨルムンガンドに招いた本当の「目的」……
	……私はそれを果たしてみせた、そういうことよね？
ケビン	ああ。
	意外なことに、男はそっと答えた。mayはそれが本当に存在する声かどうかすら分からなかった。
ケビン	なら、こうしよう……雷電may。
	「尊主」として……
	ヨルムンガンドを去ることを認めよう。

全セリフ補完計画

第1部