空の森～追憶ノ棲ム館～

貴志は昔から不思議な夢を見ていた。誰かが助けを求めている夢。
だがいつも手を差し伸べたところで目は覚め、目覚めると同時に記憶が零れ落ちるように夢の内容もあやふやになってしまう。

そんなある日、貴志は出張中の父親の代わりに、自分に良く似ていたという曽祖父の墓参りへと向かう。だが車で向かう途中、崖で道に迷い、森に囲まれた不思議な館に迷い込んでしまう。

翌日、家へ戻ろうとするが、唯一館と町を結ぶ道が崖崩れで塞がれてしまった。貴志は仕方がなく道が復旧するまでの間、その館で過ごすことになる。そこには姿を現さぬ病気の主人をはじめとする、七人の住人がいた。

その館で過ごすうちに、貴志はこの館の住人たちに、ある違和感を覚える。その違和感の正体は何なのか…？
果たして、貴志は違和感の正体を暴き、館から脱出することができるのだろうか？

• 雪村貴志(ゆきむら たかし)　cv：野島裕史
  主人公。大学生。昔から不思議な夢を見て頭を悩ましている。亡き曽祖父にそっくり。
  　　「俺を呼ぶのは誰だ…？　ひどく懐かしい感じがする……」
• 綾瀬川悠里(あやせがわ ゆうり)　cv：岸尾大輔
  綾瀬川家の一人息子。少し情緒不安定気味。悲劇の連鎖を止めるために誰かに助けに求めている。いざ貴志が実際にやってくると、反発を示し早く帰れという。
  　　「僕はアナタなんて知らない。早く…帰ったほうがいい…っ」
• 岸和田章ノ輔(きしわだ しょうのすけ)　cv：増谷康紀
  執事。四十歳位。館を取り仕切っているロマンスグレー。丁寧な言葉遣いで紳士的。不幸な事故で妻子を亡くしてからはずっと館の主人に仕えている。忠実な僕。
  　　「私どもの邸でよろしければ、どうぞごゆるりとご滞在ください」
• 桜庭隼人(さくらば はやと)　cv：三木眞一郎
  悠里の従兄弟。気さくでいかにも遊び人な感じの男。主人公とは歳が近いのでよく声をかけてくる。
  　　「はっ、そーんな難しい顔してないで俺と遊ぼうぜ」
• 小野田征一郎(おのだ せいいちろう)　cv：中井和哉
  庭師。野性味溢れる青年。庭にある温室の薔薇や植物を大切に育てている。主人公が話し掛けると最初はそっけないが、だんだんと親密に。
  　　「花も木もそれぞれ言葉をもっている。ただ、人はその言葉を聞こうとはしない」
• 七瀬真央(ななせ まお)　cv：吉野裕行
  メイド。勝気な女装の少年。女装は趣味と言い切る。
  　　「別に女になりたいわけじゃないんだ。こういう格好をするのが趣味なんだよ」
• 高浜賢吾(たかはま けんご)　cv：成田剣
  章馬の主治医。銀縁眼鏡のインテリ風。病で臥せっている館の主人の主治医。見るからに冷ややかで、鬼畜な雰囲気をもっている。
  　　「君はずいぶんと退屈しているようだな」
• 綾瀬川章馬(あやせがわ しょうま)　cv：柏木元
  館の主。館の一番奥の部屋におり、病に臥せっているために最後まで姿を見せない。唯一部屋へ出入りが許されているのは執事と主治医のみ。
  　　「私の悠里。可愛い悠里…。ずっと私の傍にいておくれ…」
   
  
  左から： 小野田征一郎、桜庭隼人、綾瀬川悠里、雪村貴志、七瀬真央、岸和田章ノ輔、高浜賢吾