:アステス・ネド/第一章

Last-modified: 2021-09-28 (火) 16:26:49

アステス・ネド 第一章

『堕ちせし巨星』

帝国『アイーソル』の皇帝『ニツプ』が逝去した
この報は、この広大な地『フツラエ』の端から端の山間にある小さな寒村にまで行き渡った
あの『巨星』が堕ちたのだ
これはとんでもない報だった
その報と共に、とある報もまた『フツラエ』の中を飛び回った
「ニツプの長男坊のデンガーと次男坊のケイセーキの仲が不仲で、空いた玉座の為にアイーソルではこの二大勢力で今にも内乱が始まろうとしている」と


帝国『アイーソル』の王城『ニルメルク』にて

巨大な鉄の門が地を震わすような低い音をたてながら開き、黒い布地に身を包んだ者が、しずしずと足音を立てぬように入ってくる
場内の空気は険悪だ
巨大な『ニツプ』の肖像画の前に、白石で作られた純白の棺が置かれ、その周りは色とりどりの花や、数えきれない位の宝飾で飾られ、まるでその場所一帯が金剛石のようにキラキラと光り輝いているようだ
見ているだけで、目が痛くなるようだ
だが、その輝きをも掻き消すように険悪な空気がそこら一帯を占めていた
棺の前には、ピッタリと左、右に分かれて大臣や親族などらが並んでいる
右にいる者は左の者を見ようとせず、左にいる者は右の者を見ようとしていなかった
理由は明白だ
(続きはまた書く)