すなはまで、あなたは わらった。
*
むらの きまりだった。
だから みんな あなたを いじめた。
どらごん さまに すべてを ささげよ。じこぎせい なしでは なにも すくえぬ。
*
わたしは きまりを やぶった。
*
さいしょは あわれみ だったかもしれない。
でも、なんどか あう うちに…
ほんとうに あなたのことが すきになって…。
たえられなくなった。
*
「こんな かんがえかたは、おかしい!」
わたしが そういうと、おとなたちは すごく おこって わたしを とじこめたの。
もう、あなたには あえないとおもった。
*
でも、きょう だけは。
*
きょう だけは。
あなたが すべてを ささげる、ぜんや だけは。
こっそり ぬけだす ことにした。
*
つきが きれいだった。
うみも そのぶん かがやいていて。
だから なのでしょう。
あなたが そこに たっていた ことは…
また、であえた という ことは…
よろこばしいことの はずなのに…
なみだが あふれて、とまらなかった。
*
あなたは、わたしの なみだを ゆびで ぬぐって くれた。
うすい むらさきいろの はなを わたしに くれた。
*
でも、とうとう つれていかれた。
わたしは おいかけた。
*
おとなたちは わたしに きづいた。
「ほんとうに、どうしようもない やつだ。」
そういわれながら、なぐられた。
でも、わたしは だまって べらんだに でて、てすりから み を なげだしたのよ。
*
おとなたちも、あなたも、すごくびっくりしていたわね。
じこぎせいしか、すくう すべ が ないのなら。
じこぎせいという、すくう すべ が あるのなら。
わたしは さきに いくことにしたの。
*
おねがい。
わたしが うまれ なおしたら、
きっと こどもに、あなたの なまえを つけるわ。
あなたが、きえてしまったときは…
わたしの こ として、うまれ なおして。
*
*
*
ねぇ。
どこにいって しまったの?
せっかく、あえたのに。
コメント欄
閲覧者数
今日 | ? |
昨日 | ? |
合計 | ? |