いろはかるた

Last-modified: 2021-12-08 (水) 21:23:56

 「いろはかるた」 は、「色は匂へど散りぬるを、我が世誰ぞ常ならむ、有為(うい)の奥山 今日越えて、浅き夢見し酔(ゑ)ひもせず」(涅槃経)という仏教精神を和文で表わしたと 言われる 「いろは歌」 47文字と、「京」 を合わせた 48文字を、その文字から始まることわざから作られたかるたのことである。
 この 「いろはかるた」 は、江戸中期に京都で作られ、大阪、名古屋、江戸にひろがってきたと いわれている。

江戸、上方、中京*1の比較

文字江戸上方中京
犬も歩けば棒に当たる一寸先は闇(石の上にも三年、いやいや三杯)一を聞いて十を知る
論より証拠論語読みの論語知らず六十の三つ子
花より団子針の穴から天を覗く花より団子
憎まれっ子世に憚る二階から目薬憎まれっ子神直し
骨折り損のくたびれ儲け仏の顔も三度惚れたが因果
屁をひって尻窄める下手の長談義下手の長談義
年寄りの冷や水豆腐に鎹遠い一家より近い隣
塵も積もれば山となる地獄の沙汰も金次第地獄の沙汰も金次第
律義者の子沢山綸言汗の如し綸言汗の如し
盗人の昼寝糠に釘盗人の昼寝
瑠璃も玻璃も照らせば光る類を以て集まる類を以て集まる
老いては子に従え鬼も十八*2鬼の女房に鬼神*3
割れ鍋に綴じ蓋笑う門には福来る若いときは二度ない
(かったい)の痂うらみ*4蛙の面に水影裏の豆も弾け時*5(可愛い子には旅をさせよ)
葦の髄から天井を覗く夜目遠目笠の内横槌で庭を掃く
旅は道連れ世は情け立て板に水大食上戸の餅食い
良薬(れうやく)口に苦し連木で腹を切る連木で腹を切る
総領の甚六袖すり合うも他生の縁袖すり合うも他生の縁
月夜に釜を抜く(月とすっぽん)月夜に釜を抜く爪に火をともす
念には念を入れ猫に小判寝耳に水
泣きっ面に蜂済す時の閻魔顔習わぬ経は読めぬ
楽あれば苦あり来年の事を言えば鬼が笑う楽して楽知らず*6
無理が通れば道理が引っ込む昔取った杵柄無芸大食
嘘から出た真氏より育ち牛を馬にする
芋の煮えたもご存じない鰯の頭も信心から炒り豆に花が咲く
喉元過ぎれば熱さを忘れる鑿と言えば槌野良の節句働き
鬼に金棒負うた子に教えられて浅瀬を渡る陰陽師身の上知らず
臭いものに蓋臭いものに蝿がたかる*7果報(くゎほう)は寝て待て
安物買いの銭失い闇に鉄砲闇に鉄砲
負けるが勝ち蒔かぬ種は生えぬ待てば海路の日和あり
芸は身を助ける下駄と焼き味噌*8下戸の建てた蔵はない
文はやりたし書く手は持たぬ武士は食わねど高楊枝武士は食わねど高楊枝
子は三界の首枷これに懲りよ道才坊*9志は松の葉
得手に帆を揚げる縁の下の力持ち(栄耀に餅の皮剥く*10)閻魔の色ごと
亭主の好きな赤烏帽子寺から里へ天道人を殺さず
頭隠して尻隠さず足元から鳥が立つ暑さ忘れて陰忘る(阿呆につける薬なし)
三遍回って煙草にしょ竿の先に鈴(猿も木から落ちる)触らぬ神に祟りなし
聞いて極楽見て地獄義理と褌義理と褌欠かねばならぬ
油断大敵幽霊の浜風*11(湯を沸かして水にする)油断大敵
目の上の瘤盲の垣覗き*12目の上の瘤
身から出た錆身は身で通る裸ん坊身売りが古箕
知らぬが仏吝ん坊の柿の種尻食らえ観音*13
縁は異なもの味なもの縁の下の舞縁の下の力持ち
貧乏暇なし瓢箪から駒(膝頭で江戸行き*14)貧相の重ね食い
門前の小僧習わぬ経を読む餅は餅屋桃栗三年柿八年
背に腹はかえられぬ栴檀は双葉より芳し(性は道によって賢し、せんちで饅頭)瀬戸の馬も相口*15
粋が身を食う雀百まで踊り忘れず墨に染まれば黒くなる
京の夢大阪の夢京に田舎あり*16

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*1 名古屋、大阪で広まったとされる
*2 器量が悪くても年ごろになれば少しは娘らしい魅力が出てくるということのたとえ。
*3 ひどい容貌、気持、行動の男には、それにふさわしく同じような女が妻になる、ということ
*4 自分より少しでもいいものを持っている他人を羨むこと。癩はハンセン病のことで、現在では「稼ぐに追いつく貧乏なし」に差し替えられている
*5 どんな娘でも年頃になれば色気づく、ということ
*6 苦労をしたことがなく安楽の本質を理解していないこと
*7 悪い人物のもとには悪い人間が多く集まること
*8 一見すると似ているが全然違うもののこと
*9 これに懲りたら2度とするな、という意味
*10 度を越した贅沢を尽くすこと
*11 顔色が非常に悪い様子
*12 どれだけやっても無駄なことをし続けること。また、そのようにすることで気休めにすること。「めくら」が差別語に当たり現在は「目の上の瘤」に差し替え
*13 本当に苦しいときは神頼みをするが己が窮地を脱すると途端に神仏を軽んじること
*14 物事の効率が悪く遅々として進まないこと
*15 どうしようもない無法者でも扱いを変えれば相性の良い人間がいること
*16 該当なし