タマゴタケ

Last-modified: 2022-01-12 (水) 20:59:58

タマゴタケ(卵茸、Amanita caesareoides)は、担子菌門ハラタケ目テングタケ科テングタケ属のテングタケ亜属タマゴタケ節に分類されるキノコの一種。

概要

従来の学名はA. hemibapha (Berk.& Br.) Sacc.だったが、近年の遺伝子レベルでの研究により変更された。
子実体は、初めは厚くて白色を呈する外被膜に完全に包み込まれ、白い楕円体状をなすが、後に頂部が裂開し、かさおよび柄が伸び始め、外被膜は深いコップ状のつぼとして柄の基部に残る。かさは釣鐘形から半球形を経てほぼ平らに開き、老成すれば浅い皿状に窪むことがあり、径4-15cm程度、湿時には粘性があり、深赤色ないし橙赤色を呈し、周縁部には明瞭な放射状の明瞭な条線を生じる。肉は薄くてもろく、淡黄色で傷つけても変色することなく、味・においともに温和である。ひだはやや密で柄に離生し、小ひだをまじえ、比較的幅広く、淡黄色を呈し、縁はいくぶん粉状をなす。柄は長さ6-18cm、径8-15mm程度、ほぼ上下同大、淡黄色~淡橙黄色の地に帯褐赤色ないし帯赤橙色のだんだら模様をあらわし、中空で折れやすく、中ほどに大きなつばを備える(ただし、針葉樹林帯に生息するものの中にだんだら模様がほとんどない個体も見つかっており、別種の可能性がある)。つばは帯赤橙色を呈し、薄く柔らかい膜質で大きく垂れ下がり、上面には放射状に配列した微細な条溝を備えている。つぼは大きく深いコップ状を呈し、白色で厚い。
夏から秋にかけて、広葉樹(ブナ科・カバノキ科)および針葉樹(マツ科)の林内、あるいはこれらの混交林に孤生ないし点々と群生する。上記の樹木の細根の細胞間隙に菌糸を侵入させて外生菌根を形成し、一種の共生生活を営んでいると考えられる。南半球ではフタバガキ科の樹木に外生菌根を形成しているという。
日本(ほぼ全土)・中国・セイロン・北アメリカなどから報告されており、インドおよびオセアニアにも分布するという。
日本での正式な名称の記載の記録は意外に新しく、大正時代になってからのこと。それまでは長野県などで現在の正式名称と同じく「たまごたけ」とよばれ食用にされた、ローカル色の強いきのこであった。

食用とそれに際しての注意

鮮やかな色調を有することから、日本では有毒キノコのように誤解されがちだが、実は無毒であり優秀な食用キノコとして人気がある。キノコ自体壊れやすく、傷みやすいため、一般にはほとんど流通していない。茹でると煮汁に黄色い色素が出ると共に茶色に変色するため、色を楽しむには茹でずに焼いた方がいい。味は強いうま味があり、フライや炊き込みご飯、オムレツなどによく合う。殻を破る前の幼菌は生食されることもある。近縁種のセイヨウタマゴタケやキタマゴタケもともに食用可能。
同科の毒キノコであるベニテングタケはタマゴタケと誤って食され中毒した事例が多い。ベニテングタケはかさにイボがあるので一見すると全然違うように見えるのだがベニテングタケのイボは雨で簡単に取れてしまい、タマゴタケと見間違えやすくなる。しかし、そういう場合は軸を見よう。ベニテングタケは軸が真っ白でささくれただがタマゴタケは軸が黄色で表面にオレンジ色の特殊ないわゆるダンダラ模様が入ることで区別する。

近縁種

セイヨウタマゴタケは、柄が本種より太短くてだんだら模様を現さないものが多く、傘の周縁部の条溝はタマゴタケに比べて短くかさの色はやや黄色みがかる。また、胞子がタマゴタケのそれよりも細長い。また、タマゴタケはつぼの内側が黄色を帯びている点でセイヨウタマゴタケと区別できる。セイヨウタマゴタケには「カエサルのきのこ」という相性があり欧州では古くから食用にされてきたものの日本での発生はごく稀。
キタマゴタケ(A. javanica)は、傘が帯橙黄色を呈し、胞子が僅かに小形である。キタマゴタケもタマゴタケと同様に食用にできるが、猛毒のタマゴタケモドキ?(A. subjunquillea S. Imai)と酷似しているため、傘に溝線があり、ひだ・つばが黄色いことを確実に確認する必要がある。本種は元々はタマゴタケの亜種、つまりは色違いと考えられていたが遺伝子系統が異なることから別種とわかった。
チャタマゴタケ(A. chatamagotake)は、傘が橙黄色~黒色を呈し、頂部の色が濃い。またフチドリタマゴタケ(A.rubromarginata)はタマゴタケに非常によく似ているが、傘はやや褐色を帯びた橙黄色を呈し、つばも帯褐赤色であり、さらにひだが帯褐赤色の縁どりを有する点で異なっている。両者は現在のところは食毒不明。

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