バーチャルボーイ

Last-modified: 2021-12-16 (木) 23:06:28

バーチャルボーイとは、任天堂1995年?7月21日に発売した家庭用ゲーム機である。

 

任天堂の謎ゲーム機その1

概要

まず、このゲーム機はある点で非常に革新的だった。

それは、3Dゲーム機であるという事だ。
このバーチャルボーイは、『PlayStation VR?』や『Oculus Rift?』より20年以上前、ケータイも無くテレビもブラウン管だった1990年代において、3D映像ゲームを実現してしまったとんでもないゲーム機なのだ。

 
 

その遊び方も非常に変わっていて、なんと本体をゴーグルのようにして顔をくっつけて遊ぶ。ゴーグルの右目と左目で異なる映像を表示することで立体視を実現している*1
またコントローラーは十字キーと丸いボタン2つが左右対称に配置されたデザインとなっている。

弱点

しかし、バーチャルボーイには致命的な弱点があった。

その画面には、なんと、の2色しか表示できなかったのだ…!!

つまり、ゲーム画面がこんな感じになってしまったのである↓

念のため言うが、決してバグっている訳ではない。
そしてこの見栄えの悪さは、時流にも反していた。バーチャルボーイの開発時期はニンテンドウ64とほぼ同時であり、色数制限を意識せずに良くなって久しかった当時の、更に3Dゲームの台頭による豪華な絵作りが先行する状況下に赤黒のワイヤーフレームは華やかさに欠けた。
さらにゴーグル型本体の弊害として、広告的な見栄えが期待できず、さらに実際のプレイにおいても周りに面白さが伝わらないことも難点だった。VR家族...
後に糸井重里氏の感性をして、日常生活に馴染めない任天堂製品だったと述べている。この点ではwii ds時代のハードコンセプトの下地が隠れていたと言える。
加えて、3Dがあまりにも斬新だったせいでソフトが作り辛かった。華やかさの面では、ワイヤーフレームを活かした3D空間を形作るとマリオのようなキャラクターコンテンツの展開が困難となる点が仇となった。

 

これらの要因から、国内での売上は15万台程度、国内で発売されたソフトはわずか19本とゲーム機としてはかなり厳しい結果に終わった。

 

こうして、任天堂の黒歴史ならぬ赤歴史が誕生してしまったのであった。

 

とはいえ、同時進行していたスーファミやゲームボーイの貯金があったり、任天堂側も流石にバーチャルボーイが実験的な代物だという事を自覚して商品展開していたのもあって、経営的なダメージは少なく済んだらしい。

 

残念ながらそのあまりの特殊性故に、今後何らかの形でバーチャルボーイのゲームが移植される可能性は限りなくゼロに近い。そんな訳で本機は真の幻のゲーム機なのだ。

ちなみに

無料頒布されたパンフレット「ニンテンドーマガジン2021winter」では、46~47ページに渡って過去の任天堂ハードが紹介されている。
しかしバーチャルボーイは見事に省かれている。このページではゲームボーイカラーのようなマイナーチェンジや64DDのような周辺機器は除かれており、同等の扱いを受けていることが窺える。Nintendo Switch Onlineに関してセガのメガドライブまで載っているにも関わらず、自社ハードのくせに姿が拝めない点が実に物悲しい。
更にその前の44,45ページでは、ゲームウォッチの特集も組まれている。記念アイテムとして発売されたマリオやゼルダのゲームウォッチの紹介のためのページではあるものの、ファミコン以前のハードすら取り上げられているのにこの始末かなり肩身の狭い思いをしている様が見受けられた。

「おもしろいおもちゃ」

このように失敗ハードの烙印を押されがちなバーチャルボーイだが、任天堂のその後の立体視コンテンツの礎となっている。
2011年には『ニンテンドー3DS』を発売し、2010年代の代表的なゲーム機として活躍した。そして業績的には累計販売7,594万台を達成した
その実質的後継機のNintendo Switchでも、2019年4月にはVRゴーグル『Nintendo Labo VR KIT』が発売された。

このような立体視への取り組みには長きに渡る挑戦が下地となっており、3DS発売前に行われた社長が訊くではその一連のエピソードが語られた。
そもそも、任天堂の立体視表示の元祖はディスクシステムの『ホットラリー』であり、その際すでにゴーグル型ガジェットが登場していた。その点においてバーチャルボーイはひとつの節目に過ぎない。その後、アドバンスSP当時に立体視の導入を試み、GCにて本体よりバカ高い専用モニターがあれば立体表示可能にしており、表立たないだけで赤歴史は続いていたのである。
当のバーチャルボーイは、当時にバーチャルリアリティへ興味を持った宮本茂氏が3Dゴーグルを用いた遊びを提案し、横井氏へ結び付いたことが発端である。しかし、宮本氏はニンテンドウ64の開発を主に携わる運びになった。
この際、宮本氏の認識下のバーチャルボーイは高価でも新しい娯楽を求める人のための機器であり、「おもしろいおもちゃ」と形容するようにゲームボーイの後継機でもなければ従来の任天堂ハードでもなかった。しかし、世間の認識も然ることながら任天堂内部における認識もライセンスビジネスの延長であり、任天堂ハードとして扱われてしまう。ラブデスターなどと同系統だったはずが、その後のファミコン以降に定着したソフトありきマリオありきのビジネススタイルとして受け取られたのである。
バーチャルボーイ自体は、ワイヤーフレームによる3D空間を主として開発され、同時開発のニンテンドウ64とは3Dを扱う点で共通しつつもその性質は異なっていた。3DS開発において従来の3D空間は、2Dの絵作りとカメラ操作による擬似的な演出効果と位置づけられたように、64の3D空間は正にこれに該当する。対するバーチャルボーイは従来のような2Dの3D化では為し得ない世界を表現する力を秘めていた筈だった。しかし、上述の世評や開発ノウハウなど様々な要素の間で苦心したハードと言える。
この経緯を踏まえてもバーチャルボーイばかり矢面に立たさせるのは任天堂ハードとしての認識が介在する故だろう。
任天堂マガジンにてハブられた理由もバーチャルボーイが「おもしろいおもちゃ」として本来の位置にようやく落ち着くことが出来た故なのかもしれない。ゲームウォッチの件は......スペースフィーバーも出てないし…多少はね?
...なお、上記インタビュー中岩田氏、宮本氏の両名から任天堂のハード事業として見れば失敗と明言されてしまったのは他でもない事実である。

関連項目

コメント欄

  • 移植もできねえ家庭用体感ゲームの極みだよね、ワイヤーフレーム流行りの時期ってのも時代を感じる。そんでソフトがプレミア(これも体験型のひとつか?) -- 2021-06-06 (日) 21:52:29
  • 省かれるのかわいそうだな…もし色がついたらヒットするのかな? -- なりあさ 2021-12-13 (月) 06:46:57

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*1 このメカニズムは後の3DSとほぼ同じである。