マンション管理士

Last-modified: 2020-07-12 (日) 19:25:43

マンション管理士は、マンション管理組合のコンサルタントに必要とされる一定の専門知識を有している事を証明する国家資格。

概要

マンション管理士とは、マンション住民間の規律を定めた法律である区分所有法や民法、不動産登記法などの特別な知識と能力を備えたマンション事務の専門職のこと。マンションの1階受付に座っている管理人や単なる施設の管理会社とマンション管理士は異なる。法律的な知識を備えた管理人がマンション管理士となる。
マンション住民間で日常的に発生するさまざまなトラブルに対し、住民の立場から相談に乗って、解決に導くためアドバイスをおこなう。特にマンションのトラブルでよく起きるのが修繕や建て替えの決議。重大な破損や古くなって倒壊の恐れのあるマンションをほっておくわけにはいかない一方、多数決をとって、住民の意見が一致することなどはまずありえない。修繕費用も当然マンション住民の出資であるので、経済的に余裕のある人もいれば修繕費の積立が滞っている人も存在する。すなわち建て替えなどのように巨額の費用が発生する場合など揉めて当然で、各地でマンション住民間の裁判も起きている。そういったトラブルに少しでも事前に対処して解決できるように作られたのが、法律的な知識を持ったマンション管理士の制度である。

必要性

国民の3人に1人はマンションに住んでいるとも言われ、日本には40万棟以上のマンションがある。特に新築マンションは少し前まで過去最高の供給量だった。法律により、マンション住民は必ず管理組合をが作らなければならないため、マンションの数だけ管理組合は存在する。
過去に建設したマンションの住民が高齢化し、管理組合での意見がなかなか一致せず、老朽化したマンションを建て替えをしたくてもできないといった事例が見られる。そのため建て替えがしやすいように毎年のように区分所有法が改正されてはいるが、大規模な修繕、建て替えなどは全国的に進んでいない。よって、今後ますますマンションの管理が社会的な問題になる。それに加えて都市部では、都心回帰や単身世帯、二人世帯の増加で特に賃貸マンションの需要は高くなる傾向にあり、マンション管理士の仕事のニーズは増えると思われる。
弁護士、司法書士のように独立して開業するための資格とはいいがたいが、中には独立してマンション管理士として高額な報酬を得ている者もいるので十分独立も狙える資格である。この資格の活かし方はまだまだ未知数で、使いようによってはかなり役に立つ資格だが、簡単な管理人という資格ではなく、責任も重大で、責任感が求められる資格でもある。

受験傾向

不動産関連の会社に勤めている人や不動産に関わる仕事をしている行政書士や宅建主任者などが受験する傾向にある。再就職にマンション管理会社などを考える場合には、消防設備士?宅地建物取引士管理業務主任者危険物取扱者?やボイラー等の設備系の資格も持っているとよい。
歴史の浅い資格だが、年々難しくなっている。使い勝手が未知数の部分の多い資格ではあるが、この先活躍できる場は増えていくと思われる。マンション管理士の本試験の約1週間後に管理業務主任者の試験も実施されるが、同じような範囲の試験内容でもあり、管理業務主任者はマンション管理士試験よりも平易なため、マンション管理士と管理業務主任者を同時に取得するつもりで学習をしている者が多い。多くの資格予備校や通信教育の業者も、「マンション管理士&管理業務主任者」といった具合にひとつの講座として扱っている。

試験

受験制限がないため誰でも受験可能。しかし建築士や行政書士、宅建主任者などの有資格者がダブルライセンスを狙って大勢受験しているので、公表されている合格率よりもレベルは高め。試験は全てマークシートで、記述や論文はない。そのため解答しやすく、定年後の中高年が多く受験するが、決して難易度が低いわけではなく、時間をかけて学習しないと合格できない。
試験内容は、民法や不動産登記法に関する内容、区分所有法(いわゆるマンション所有の法律)、マンション特有の法令、宅建主任者試験と重なる建築基準法、都市計画法、消防法、住宅の品質管理の促進等に関する法律など。宅建主任者の学習内容と重なる部分も多く、民法の知識も求められる。